転生する魂
どんなに優秀でも絶対に敵わない人間。そんなラノベみたいな非現実的な人間がこの世界には人知れず存在している。
その名は南雲ハジメ。ゲーム会社を運営している、所謂社長という職業に着いている両親を持ってはいるが、南雲ハジメほどイレギュラーではない。
そんな南雲ハジメがどうやって生まれたのかそれはハジメが生まれる数時間前に遡る。
『君を間違えて殺してしまった。申し訳ない』
間違えて殺してしまった人間を転生させる転生の間というある種の懺悔の場に魂と称するべきものと白髪の男がいた。
『……別に構いません、僕はどうなるのかだけ教えてくれればそれで大丈夫です』
白髪の男はその言葉に救われた。なんて誠実な子なのだろうか。初めてミスをしてしまい、どんな罵詈雑言を浴びせられてしまうかと思ったが、思いがけない言葉に心の中で涙を流す。
『君は、私……我々神の勝手なエゴによって転生させられる。君たちで言うラノベの世界だ』
『そうですか。……どうぞ、誰にでもミスはありますよ』
『……なぁ、君は何故私のことを罵らない。私は君の人生を潰したのだぞ?』
『罵ったところで、僕の人生は戻らない。どう思っても、どう怒っても僕の死ぬ前の人生の道には戻れませんから、僕は貴方を罵りません……逆に罵って欲しいんですか?』
『い、いや!私はノーマルだ!男に罵ってもらって本当はいけないのに快感を味わう程の変態ではない!』
白髪の男のその言葉に魂はにやりと笑う。……魂なので笑ってはいないはず。
『へぇ……男に?なら僕が女だったら快感を感じてたんですか?』
『……話……変えてもいい?』
『構いませんよ』
『(あ、良かった……いじりまくる子じゃなくて……)『あ、でも……』ん?』
『転生してできた友達に話しちゃいましょうかね……』
『やめて!?』
冗談ですよと笑う魂に冷や汗を垂らす白髪の男。
『話を変えさせてもらうよ、君が転生する世界はありふれた職業で世界最強。その主人公に転生して貰う』
『……』
『どうした?嫌かい?』
転生先を魂に言うと魂は黙りこくってしまった。
『……人格を塗り替えるのってありなんですか』
『……あぁそれか。ありだよ。塗り替える訳では無いからね』
『はぁ?』
わけがわからないよ(・д・`*)と言わんばかりの声を出す魂に白髪の男は説明しだす。
『良いかい?こんな言い方はダメなんだが、人格を形成し、南雲ハジメという人物が形成されるその時には南雲ハジメなんだが、形成される前なら話は違う。形成する瞬間に君をねじ込むことで転生させるんだ』
『……だいたいわかりました』
『さて、転生させる世界に問題は無いね?』
『はい』
『そうか……なら次は転生特典か』
『え……』
たんたんと進めていく白髪の男に疑問を抱く魂。
『なんだ?』
『転生させてくれるだけでなく特典もくれるんですか?』
『当たり前だ。私は君の人生を狂わせた。それ相応の償いをするのが当たり前であろうに』
『そうですか。そういうものですか』
『そういうものだ』
白髪の男は咳払いをしてから未来的でSFなバーチャルキーボードを出現させ、カタカタと指を動かし始めた。
『特典は昔は転生する者が選んでいたそうだが、毎回毎回王の財宝なりギアスなり大嘘憑きなりでね。のちのち後悔してしまうそうだ。だからルーレットで決めることにする。まずは個数だね、回したまえ』
『1から10……』
魂は突然目の前に出されたルーレットを見て言葉を漏らす。そして躊躇なくルーレットを回した。
『数は……』
『おめでとう!君の特典は7個だ!』
『7個……』
その数に少し落胆する魂。どうせなら10出したかったと。
『……』
その様子を見て少し可哀想に思う白髪の男だが、決まりは決まりなのでその魂の様子をなくなく無視し、次の説明に入る。
『ッ……さて、君には7つの特典を選んでもらう。情報はそこにあるスマホを使って調べてくれ……願いを増やすのは無理だからね』
『わかりました』
魂は不思議なパワーでスマホを浮かしてG〇ogleChr〇meを開いて欲しい能力の情報を調べだした。
〜数時間後、神的には数秒〜
『決まりました』
『じゃあ聞かせてくれ』
魂は白髪の男に自分の要望する特典を伝え始める。
『1つ目は快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーに登場する高尾ノエルの変身と戦闘、盗む時に使ったアイテムと技能をお願いします』
『……いきなり王道かと思ったら結構思ってたのと違うな……どうして?』
『怪盗としての技能を持ち、銃と剣どちらも使える変身戦士であること、それに僕がスーパー戦隊で1番好きな戦士だからですね』
『絶対最後が決め手だろうね、次は?』
白髪の男は魂の言うことに笑いながらキーボードを打ち込み、続きを促す。
『2つ目は創作された物語の中にある様々な固有物質、例えば仮面ライダーでいえばネビュラガス、魔法科高校の劣等生でいえば感応石、アンティナイトなどを自由に作り出せる能力をお願いします』
『それを言ったのは君が初めてかもしれないな。みんな完成品を求めるらしいからね……』
感心したように白髪の男はこくこくと頷き、さぁ早く続きをと手をクイクイと動かす。
『3つ目は僕に、いや南雲ハジメに魔法少女リリカルなのはのリンカーコアを追加してください。魔力変換資質はなし、魔力量はSでお願いします』
『ふむ。次お願い』
前と比べるとそこまででは無いので反応はなく次を促す。
『4つ目は魔法少女リリカルなのはのデバイスの開発が出来る頭脳と設備を僕にください』
『……ふむ、なるほどね。いいよ、ついでに安全な空間もあげる。精神と時の部屋的なやつね』
『ありがとうございます』
魂は白髪の男に礼を言うと、次の願いを言い始めた。
『5つ目は仮面ライダーシリーズ全作品に登場する色々なベルトを作った人間の知識を僕にください』
『……完全記憶能力をつけておくよ。君が記憶で混乱しないようにね』
白髪の男は魂を心配そうに見ながら善意で能力を追加する。
『6つ目は黄金律をください』
『分かった、任せてくれ……Aにしておくよ』
そしてついに最後の特典になった。
『7つ目は、コードギアスのコードを15歳の時に胸につけて貰えますか』
『……分かった、任せてくれ』
白髪の男はキーボードを叩き終わり、キーボードを消す。そして魂に向き直る。
『これから君は転生する。これからはコード以外で君には干渉できない。それを理解した上で……行ってらっしゃい』
『ありがとうございました』
その言葉を最後に、魂はありふれた職業で世界最強の南雲ハジメに転生して行った。その様子を瞬きせずに見守る白髪の男。
転生を見終わった白髪の男は大きく背伸びをする。
『……ありがとう……私が殺してしまった魂よ』
元々の南雲ハジメとは大きく違う南雲ハジメが生まれた理由がこれでわかっただろう。ここからはその魂、南雲ハジメが異世界に転移するまでの話。
原作とは中身が違う南雲ハジメは特典で何をなすのだろうか?
ルパンエックスは昔の作品の名残です。
コードギアスのコードじゃなく蓬莱人の方がいいかと思ったんですけどコードギアスのコードにしました。だってあのマークかっこいいじゃないですか!