ハジメはサイクロプスを倒した後、変身を解除したあとにサイクロプスの肉を採取してサイクロプスを分解する。
そしてハジメは少し考え始める。
「ビルドのスペックを引き上げすぎましたかね……でもこれからの事を考えれば妥当ですよね……!」
一瞬オーバーキルすぎると思ってスペックを下げようかと思ったが、その考えを一瞬で捨て去る。スペックを落とさなくても問題ないのと、自分の作ったものを作り直して改良するわけでないためだからだ。
「さて、そろそろ入りましょうか♪」
ハジメは自分の身長より高い荘厳な装飾が施された両開きの扉を無理やり錬成でこじ開ける。何かを入れる穴があったがそれらを無視して扉を融解させて行く。魔力を流したせいか、部屋が赤黒く発光する。
扉の奥は光一つなく真っ暗闇で、大きな空間が広がっているようだ。ハジメの手に入れた技能『夜目』と光によって少しずつ全容がわかってくる。
中は、聖教教会の大神殿で見た大理石のように艶やかな石造りで出来ており、幾本もの太い柱が規則正しく奥へ向かって二列に並んでいた。そして部屋の中央付近に巨大な立方体の石が置かれており、つるりとした光沢を放っている。
その立方体を注視していたハジメは、何か光るものが立方体の前面の中央辺りから生えているのに気がついた。
「(原作における
その正体を知りながらもハジメは知らないふりをしながら扉の融解を完全に終了させる。その時だった。
「……だれ?」
かすれた、弱々しい女の子の声だ。ハジメは部屋の中央を凝視する。すると、先程の『立方体に刺さった何か』がユラユラと動き出した。差し込んだ光がその正体を暴く。
その正体は人だった。
「(こうしてみると中々異様な光景です。立方体の中に刺さった人間なんて見ること自体ありませんからね)」
上半身から下と両手を立方体の中に埋めたまま顔だけが出ており、長い金髪が某ホラー映画の女幽霊のように垂れ下がっていた。そして、その髪の隙間から低高度の月を思わせる紅眼の瞳が覗のぞいている。年の頃は十二、三歳くらいだろう。随分やつれているし垂れ下がった髪でわかりづらいが、それでも美しい容姿をしていることがよくわかる。
「……?」
ハジメが動かないことに首を傾げる立方体に刺さった少女。そんなことは露知らず、ハジメの脳は今までにないほどのスピードで高速回転していた。何故なら、これを予想していたとはいえ、実際に起こるとパニックになってしまったからだ。
そしてそんなハジメが導き出した答えは───
「失礼しました」
ハジメはそんな答えを出してそのまま外に出て錬成で扉を閉じようとする。
それを見て少女は慌てて言葉を出そうとするが、上手く話すことが出来ない。だが言葉を紡ごうと努力する。
「ま、待って! ……お願い! ……助けて……」
その言葉を聞いてハジメのパニックは収まった。ハジメは助けて欲しいという言葉を聞いて無視するほど外道ではない。
そもそも魔王化していないのだから気性も荒くなっていない。
「(落ち着いてください私、あんな小さい子がたすけてと言っているのです。見捨てたらこの力を使う訳にはいかなくなるでしょう……!)」
ハジメは自分が仮面ライダーの力を使っていることを、LOVE&Peaceの為に戦った戦士の力を使っていることを思い出して錬成を行なっている腕を止めて少女の元にゆっくりと向かう。
そしてハジメは少女の元に着くと少女にひとつの質問を投げかける。
「貴女、なんでこんなところで封印されてるんです?」
何故戻ってきたのか分からないためか、ジッと、豊かだが薄汚れた金髪の間から除く紅眼でハジメを見つめる。
少し経ってから少女は封印された理由を語り始めた。
「私、先祖返りの吸血鬼……すごい力持ってる……だから国の皆のために頑張った。でも……ある日……家臣の皆……お前はもう必要ないって……おじ様……これからは自分が王だって……私……それでもよかった……でも、私、すごい力あるから危険だって……殺せないから……封印するって……それで、ここに……」
枯れた喉で必死にポツリポツリと語る女の子。話を聞きながらハジメは呻いた。小説を読んで知ってはいるが本当に可哀想な話だ。
「貴女はどこかの国の王族だったんですか?」
「……(コクコク)」
「貴女は殺せないと言いましたがどういうことですか?」
「……勝手に治る。怪我しても直ぐ治る。首落とされてもその内に治る」
「成程、私と同じですか」
「?」
「私もね、不老不死なんですよ」
「……そうなの?」
意外な共通点を見つけて少し嬉しそうにする少女。年相応の反応をする少女を見てハジメは立方体の上に手を置く。
「錬成開始」
魔力を流して立方体の魔力抵抗をなくして錬成を行なう。すると立方体が形を変え、少女を出していく。ハジメは落ちてくる少女をキャッチして助ける。
原作のハジメなら苦労するだろうが、様々な魔法を使い始めていて、魔力消費に慣れているハジメなら余裕だった。
少女はハジメを見つめる。顔は無表情だが、その奥にある紅眼には彼女の気持ちが溢れんばかりに宿っていた。
「ありがとう」
「どういたしまして」
ハジメは少女に笑い掛け、少女の頭を撫でる。
少しにこやかに笑い始める少女はハジメにひとつ問い掛けた。
「名前、なに?」
「私の名前ですか?南雲ハジメです。あなたは?」
少女は「ハジメ、ハジメ」と、さも大事なものを内に刻み込むように繰り返し呟いた。そして、問われた名前を答えようとして、思い直したようにハジメにお願いをした。
「……名前、付けて」
「名前ですか?ネーミングセンスないんですよ私」
確かにハジメにネーミングセンスがあるとは思えない。会社名も繋げただけであるし、エボルドライバーは後ろにVERSIONハジメを付けただけだ。
仕方ないのでハジメは原作通りの名前を付けることにした。
「私の故郷の、違う国ではありますが……月と書いてユエ、なんてどうでしょう?あなたの髪、金色で綺麗ですし、目の色も相まって月に見えたんですよね」
名前の由来を聞いて相変わらず無表情ではあるが、どことなく嬉しそうに瞳を輝かせた。
「……んっ。今日からユエ。ありがとう」
「とりあえずですね…」
「?」
ハジメは予備のストレージデバイス(リンカーコアいらない・トータスの魔力OK)と神水を出してユエに手渡す。
「魔力を流して着たい服を心の中で思い浮かべてください、神水を飲めば魔力も回復しますしね」
ユエは首を傾げながらハジメの言う通りのことを行なう。するとユエの身体をバリアジャケットが包み込む。
ユエが心の中に浮かべたのは原作でも着ていたゴシック衣装。
「似合ってますね、上手く機能して良かったです」
「ん、ありがとう」
ハジメにユエがストレージデバイスの礼を言っていると、上から今まで感じたことの無いほどの強さを持つ魔物が降ってきた。
その魔物は体長五メートル程、四本の長い腕に巨大なハサミを持ち、八本の足をわしゃわしゃと動かしている。そして二本の尻尾の先端には鋭い針がついていた。
「……はぁ、魔物かー死んでくださいよ」
ハジメは
「……さて、これより実験を始めましょうか」
ハジメがそう言葉を紡ぐとハジメはエボルドライバーを巻き付けてドラゴンエボルボトルとロックエボルボトルを取り出す。そしてそれらのボトルを振りながら装填する。
《ドラゴン!》《ロック!》
《エボリューションマッチ!》
ハジメはエボルドライバーのレバーを回し、青と金色の粒子がハジメの周りを舞散り始める。
「変身……!」
ハジメの周りの粒子がハジメの身体に鎧を付けていき、次第にビルドのシルエットが現れ始める。
《封印のファンタジスタ!!》
《キードラゴン!!!》
《イェーイ!!!》
ハジメは仮面ライダービルド キードラゴンフォームに変身し終え、右腕に青い炎を纏わせながらサソリモドキを見る。
「さぁ、さっさと終わらせましょうか」
ユエが出てくることでやりたいことができるようになりました。
モンストの覇者の塔をこれから登り始めます。
……FGOまだソロモンすら行ってないからツングースカ行けないんですが、メリュジーヌ出ないんですが……!
ドラコー可愛かったです。アーケードやってませんが。
来週辺りにまた投稿します。これからもよろしくお願いします。