ハジメは仮面ライダービルド キードラゴンフォームに変身してから青い炎を放ってサソリモドキの動きを抑制する。そしてエボルドライバーからとある剣を生み出す。
「さて、これを使ってみましょうか」
《ビートクローザー!》
その剣の名はビートクローザー、主に仮面ライダークローズが使っていた剣である。
《ヒッパレー!》
《スマッシュヒット!》
ハジメはビートクローザーのグリップエンドを1回引くことでビートクローザーに青い炎を纏わせてサソリモドキの殻を切りつける。
だが殻が硬いのか少しヒビが入るだけで終わる。
「なら、さらに強い攻撃を加えるだけです!」
《ヒッパレー!ヒッパレー!》
《ミリオンヒット!》
サソリモドキに向かって波形のエネルギー斬撃を喰らわせるハジメ。サソリモドキの足や腕、ハサミが徐々に削れていく。
そして殻が敗れて中身が見えてくる。
「よし!そろそろトドメだ!」
ビートクローザーをその辺に投げ捨ててハジメはエボルドライバーのレバーを回し始める。
その隙をついてサソリモドキは残っているハサミでハジメに向かって攻撃を行おうとする。
「ちょっとやばいですね……」
「『蒼天』」
ハジメがレバーを回しながらビートクローザーを拾おうと動こうとした瞬間、後ろから声が聞こえ、サソリモドキに6、7メートルはありそうな青白い炎の球体が何個も当たる。
たちまちサソリモドキは後退し、ハジメのレバー回しが終わり、必殺技のチャージが完了する。
《Ready Go!》
ビートクローザーをサソリモドキの背中に投擲することで目印にして高く飛び上がって左足に青い炎を充填する。
サソリモドキが後ろに跳んで逃げようとすると、ハジメが目印に刺したビートクローザーから鎖が現れサソリモドキの動きを阻害する。
「『緋槍』」
ハジメの周りに円錐状の炎の槍を何本も作り出してハジメの青い炎が充填されている左足に合わさる。
「これでエンドマークだ!」
《エボルテックフィニッシュ!!!》
ハジメは勢いよく斜めに降下し、そのまま高熱の蹴りをサソリモドキに刺したビートクローザー目掛けて放ち、ビートクローザーごとサソリモドキを貫いた。
《Adieu……♪》
貫かれたサソリモドキは身体に残った炎によって燃え尽き、そのまま塵となって消え去った。
「ありがとうございます、ユエ」
「どういたしまして」
ハジメとユエは言葉を交わしながら手と手を合わせてハイタッチした。
「すごい……ここ、見たことないものがいっぱいある」
サソリモドキを倒した後、ハジメはユエを自分の異空間に連れてきていた。
ユエは研究室に置いてあるパソコンや開発された仮面ライダーなどを見て目を輝かせていた。どれも自分の世界で、自分の時代で見たことないからだ。
一頻り見たあと、ハジメはユエを椅子に座らせてお互いのことを話し始める。
「ユエは今300さ「マナー違反」いやあの「マナー違反」……はい」
どこの時代もどこの世界も、女性の年齢を聞くのはマナー違反。ハジメは強く2回も念を押された。
原作知識でも知っていたが、知っていても聞きたいことがあったためハジメはユエに質問する。
「他にも不老不死な吸血鬼、それかほかの種族を知りません?」
「知らない、寿命が長い種族ならいっぱいいるけど」
「そうですか……」
不老不死な種族がいるならその生態を調べたかったがいないならいいかとハジメは諦める。ユエの不老不死の仕組みは知っているために調べる必要も無い。
「あれ、何?」
ユエの魔法についてやどうやってこの奈落に封印されたのか、それとこの迷宮について知っていることを話してからハジメにユエも質問する。
「あれ?あぁ仮面ライダーですか」
「そうそれ。あんな技術の塊は昔のアーティファクトでも見たことない。それにこの杖型のアーティファクトも。王族だった私が」
確かにユエからしてみればハジメの使っている仮面ライダー、デバイスは未知の技術の塊だろう。神代のアーティファクトでもこんなものは無い。
「私が作ってるんですよ。これはエボルドライバー、エボルボトル。それに貴女が使っているのがデバイス。私が作ったこの世界にも、そして私の世界にも私と若干1名しか作れない道具です」
別に隠すことでもないのでハジメはユエにさっさと話してしまう。若干1名というのはクロトのことだ。実際ハジメの世界でゴッドマキシマムマイティXを作ろうと奔走している。
「なるほど。これはどう使う?」
デバイスの使い方が気になったようだ。ハジメはユエにそのストレージデバイスの使い方を説明し始めた。
30分後───
「これから宜しく、スカーレットムーン」
紅い月、そう名付けたストレージデバイスを持ちながらこれから使うデバイスに挨拶する。
そして今度はユエがハジメにハジメのことを話すよう促す。
「そういえばハジメ、なんでこの迷宮にいる?」
ユエには他にも聞きたいことがあった。自分とは違う仕組みの不老不死とはなんなのか、何故魔物の固有魔法が複数使えるのか、本当に種族が人間なのか。これらが主な質問で、他にも細かい質問があった。
それらの質問に1つずつ律儀に答えていくハジメ。
いつもは独り言で1人で寂しく会話しているためにユエと話すのに楽しさを覚えたのかもしれない。転生者であることは隠して、自分のことをある程度話す。
奈落に落ちる過程の話を話しているうちに、すすり泣く音が聞こえ始める。ユエの方を見ればユエはハラハラと涙を流していた。
ハンカチでユエの涙を拭きながらハジメは尋ねる。
「どうしました?」
「……ぐす……ハジメ……つらい……私もつらい……」
どうやら、ハジメのために泣いているらしい。ハジメは少し驚くと、表情を苦笑いに変えてユエの頭を撫でる。
「気にしなくていいですよ、私は気にしてませんからね。それに私はさっさと脱出手段を確保して1人連れていく人連れてこの世界から脱出します」
スンスンと鼻を鳴らしながら、撫でられるのが気持ちいいのか猫のように目を細めていたユエが、故郷に帰るというハジメの言葉にピクリと反応する。
「……帰るの?」
「ええ、別に私はこの世界で成し遂げたいこともありませんし、魔人族との戦いも知ったこっちゃありませんからね。私の家族、そして私の仲間に早く再会したいですから」
「……そう」
ユエは沈んだ表情で顔を俯かせる。そして、ポツリと呟いた。
「……私にはもう、帰る場所……ない……」
「……」
そんなユエの様子に彼女の頭を撫でていた手を引っ込めると、ハジメは、カリカリと自分の頭を掻いた。
ハジメは鈍感ではない。人の好意に過敏であり、香織の好意に気付いて付き合っている。ユエを原作通り連れていけば香織の心を裏切ることになるのは目に見えている。
だが1人の少女を置いていくのは心が痛く、そこまで性根が腐っている訳では無い。ユエを悲しませるのは本意ではない。
ハジメの出した答えは───
「ユエも来ますか?」
「……え?」
ハジメの言葉に驚愕をあらわにして目を見開くユエ。涙で潤んだ紅い瞳にマジマジと見つめられ、なんとなく落ち着かない気持ちになったハジメは、若干、早口になりながら告げる。
「ユエが望むなら私は貴女を私の世界に連れていきます。何人か政府側にも奴隷……またの名を協力してくれる人がいますから正体さえ隠せば窮屈な思いもさせませんよ……どうです?」
しばらく呆然としていたユエだが、理解が追いついたのか、おずおずと「いいの?」と遠慮がちに尋ねる。しかし、その瞳には隠しようもない期待の色が宿っていた。
キラキラと輝くユエの瞳に、苦笑いしながらハジメは頷く。すると、今までの無表情が嘘のように、ユエはふわりと花が咲いたように微笑んだ。思わず、見蕩れてしまうハジメ。呆けた自分に気がついて慌てて首を振った。
「……そ、そろそろご飯にしますか、何食べますか?ユエ」
「ハジメの血」
「へ?」
「ハジメの血を飲みたい」
ハジメが何を食べたいかユエに聞くとユエはハジメの血を求める。二言目と同時にユエはハジメの首に飛びついてハジメの首筋に噛み付く。
「ッ!?」
「チュー……チュー……チュー……美味しい」
「お、美味しいって、私最近魔物の肉しか食べてませんし、私の世界でも殆どコーヒーとウィダーインゼリーで済ませてきたんですけど……」
「コクのある濃厚なスープの味がする……今までのだれよりも美味しい」
「さ、さいですか」
また飲みたそうに妖艶な空気を醸し出すユエに、香織とはまた別の魅力を感じてしまうのは仕方ないだろう。結局1時間くらいチューチュー血を吸われたハジメだった。
──その頃の香織──
「……なんだろう、ハジメ君が知り合って間もない女の子にプロポーズもどきをしてキスみたいなことをしているような気がする」
「……どんなシチュエーションよ」
ユエのスカーレットムーンの待機状態は球状の紅い宝石、戦闘の時は杖です。モデルはレイジングハートです。
FGOの福袋でネロ・ブライド引いたり、秋葉原行ったりしていたので投稿遅れました!
今年もよろしくお願いします!