どんなにチートでも僕は南雲ハジメ   作:排他的

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本当のプロローグ・前編

早朝、ハジメはクロトと共有して使っている異空間の部屋のトレーニングルームを使用してとある姉弟と闘っていた。

 

「ダイレクトペイン!」

 

弟と言うには女の子に見える黒髪が拳を空中で振り下ろすとハジメの腹にハンマーに殴られたような痛みが走る。

 

だがハジメはそんなこと知らぬとばかりにブラックブラスターではない、銀色の銃を黒髪の男に向かって構えて撃つ。

 

銃からは氷の弾丸が放たれ、それは黒髪の男の頭にぶつかり脳震盪を引き起こしたのかそのまま倒れてしまった。

 

だが勝利の余韻を味わう暇はなく、弟の仇を打つように同じく黒髪の姉がスマートフォンを操作してハジメの元に急接近する。

 

「甘いですよ、セイ!」

 

ハジメの元に接近して手刀をハジメの首に入れようとした黒髪の姉はハジメの手から音もなく現れた刀によって意識を無くされた。

 

「……訓練終了です」

 

そのセリフと同時に黒髪の姉弟は消えていき、ハジメはそのまま刀と氷の弾丸を放った銃、別名『CAD』をジャケットのポケットの中にしまい込んだ。ポケットは四次元ポケットになっている。

 

「黒羽文弥、黒羽亜夜子は強かったな……2人同時にかかってこられると本当に苦戦する……」

 

ハジメの相手をしていたのは『魔法科高校の劣等生』に登場する黒羽姉弟だった。ちなみに黒羽文弥が女の子に見えたのは彼が任務で女装変装をしているためである。

 

仮面ライダーでもデバイスでもない武装を使っていることからわかると思うが、ユニゾンデバイスと会社設立から結構経っており、既に高校2年の17歳。最後の転生特典であるコードが渡されていた。

 

だが思わぬ副産物がハジメに付随された。コードギアスの世界においてコードとはギアスと呼ばれる特殊能力を最高潮まで引き上げ、両目に不死鳥のシンボルを灯らせなければならない。

 

だがハジメにはギアスがなく、コードを特典にしてくれと言ってはいたがコードを手に入れることが不可能になっていたのだ。

 

ハジメを転生させた神は苦肉の策としてギアスを追加で渡してきた。ただチート能力な絶対遵守や記憶操作ではなく、身に危険が現れた時目が赤く光って不死鳥のシンボルが灯るギアス、『危機察知のギアス』をハジメに宿したのだ。

 

そうすることでハジメはギアスを最高潮まで引き上げ、コードを手に入れたのだ。

 

「……そろそろ学校の時間ですね、行きましょうか」

 

ハジメは新たに身につけた2つの能力とともに学校へと向かい始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

戦闘訓練を終えてから学校に来たハジメは、いつものように始業チャイムがなるギリギリに登校し教室の扉を開けた。

 

その瞬間、教室の男子生徒の大半から舌打ちやら睨みやらを頂戴する。女子生徒も友好的な表情をする者はほぼいない。無関心ならまだいい方で、あからさまに嫌悪の表情を向ける者もいる。

 

ハジメはそんな視線や表情を欠片も気にすることなく教科書を取り出してザイアスペックを利用して一日のスケジュールを確認し始める。

 

そんなハジメにイラついているのか毎度の如くちょっかいを出してくる者がいる。

 

「よぉ、キモオタ! また、ザイアスペックでゲームか? どうせエロゲでもしてんだろ?」

 

「うわっ、キモ~。エロゲで学校でやるとかマジキモイじゃん~」

 

「(……うるさいです)」

 

ハジメは内心イラつきながら男子生徒達の妄言を聞き流す。ちなみにザイアスペックはSAOのオーディナル・スケール的な使い方ができる。

 

声を掛けてきたのは檜山大介といい、毎日飽きもせず日課のようにハジメに絡む生徒の筆頭だ。近くでバカ笑いをしているのは斎藤良樹、近藤礼一、中野信治の三人で、大体この四人が頻繁にハジメに絡む。

 

確かにハジメはオタクに入るだろう。だがそもそもキモイと言われる筋合いはない。ハジメ自身礼節を持って接しているはずなのだがいつもこう言われてしまうのだ。

 

それは何故なのか……その答えが彼女だ。

 

「ハジメくん、おはよう! 今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 

ニコニコと微笑みながら一人の女子生徒がハジメのもとに歩み寄った。ハジメの恋人であり、この事態の原因でもある。

 

ハジメ的には恋人なのだがもう少し公の場での事を思って行動して欲しい……そう思っている。

 

名前は白崎香織といい、学校で二大女神と言われ男女問わず絶大な人気を誇る途轍とてつもない美少女だ。腰まで届く長く艶やかな黒髪、少し垂れ気味の大きな瞳はひどく優しげだ。スッと通った鼻梁に小ぶりの鼻、そして薄い桜色の唇が完璧な配置で並んでいる。

 

いつも微笑の絶えない彼女は、非常に面倒見がよく責任感も強いため学年を問わずよく頼られる。それを嫌な顔一つせず真摯に受け止めるのだから高校生とは思えない懐の深さだ。

 

ハジメと香織は去年から付き合っている。

 

「ごめんね香織さん、クロトと色々と……ね?」

 

「じゃあ仕方ないね!」

 

心が通じあっているというより心がお互い読めるのではないかと疑われるくらいの仲の良さによって熟練の夫婦にも見える。

 

ハジメがイケメンならまだ香織が構うのも許容できるのかもしれないが、生憎、ハジメの容姿は極々平凡でなぜ付き合っているのか全く理解できないだろう。

 

そんなわけでハジメは全校生徒のほとんどからきつい視線や言葉を受けているのだ。

 

ハジメが香織との会話を楽しんでいると、三人の男女が近寄って来た。

 

「南雲君、おはよう。本当に仲いいわね」

 

「香織、また彼の世話を焼いているのか? 全く、本当に香織は優しいな」

 

「全くだぜ、そんなやる気ないヤツにゃあ何を言っても無駄と思うけどなぁ」

 

三人の中で唯一朝の挨拶をした女子生徒の名前は八重樫雫。香織の親友であり、香織とハジメが付き合っていることを喜ばしく思っている本当に少ない人間だ。

 

ポニーテールにした長い黒髪がトレードマークである。切れ長の目は鋭く、しかしその奥には柔らかさも感じられるため、冷たいというよりカッコイイという印象を与える。

 

百七十二センチメートルという女子にしては高い身長と引き締まった体、凛とした雰囲気は侍を彷彿とさせる。

 

事実、彼女の実家は八重樫流という剣術道場を営んでおり、雫自身、小学生の頃から剣道の大会で負けなしという猛者である。現代に現れた美少女剣士として雑誌の取材を受けることもしばしばあり、熱狂的なファンがいるらしい。後輩の女子生徒から熱を孕んだ瞳で〝お姉さま〟と慕われて頬を引き攣らせている光景はよく目撃されている。

 

次に臭いセリフで香織に声を掛けたのが天之河光輝。いかにもなキラキラネームの彼は、容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能の完璧超人だ。

 

サラサラの茶髪と優しげな瞳、百八十センチメートル近い高身長に細身ながら引き締まった体。誰にでも優しく、正義感も強い。

 

小学生の頃から八重樫道場に通う門下生で、雫と同じく全国クラスの猛者だ。雫とは幼馴染である。ダース単位で惚れている女子生徒がいるそうだが、いつも一緒にいる雫や香織に気後れして告白に至っていない子は多いらしい。それでも月二回以上は学校に関係なく告白を受けるというのだから筋金入りのモテ男だ。

 

最後に投げやり気味な言動の男子生徒は坂上龍太郎といい、光輝の親友だ。短く刈り上げた髪に鋭さと陽気さを合わせたような瞳、百九十センチメートルの身長に熊の如き大柄な体格、見た目に反さず細かいことは気にしない脳筋タイプである。

 

龍太郎は努力とか熱血とか根性とかそういうのが大好きな人間なので、ハジメのように学校に来ても寝てばかりのやる気がなさそうな人間は嫌いなタイプらしい。現に今も、ハジメを一瞥した後フンッと鼻で笑い興味ないとばかりに無視している。

 

実際は日夜色々なゲームをクロトと2人で試行錯誤しながら作っていたり、アインやシエスタと経営やら資金繰りをしているために努力をしていない訳では無いのだがたかがクラスメイトに学校以外の面も見ろというのは酷というものだろう。

 

「おはようございます、八重樫さん、天之河くん、坂上くん。こうなってるのは自業自得ですから仕方ないですね……」

 

「それが分かっているなら直すべきじゃないか? いつまでも香織の優しさに甘えるのはどうかと思うよ。香織だって君に構ってばかりはいられないんだから」

 

光輝がハジメに忠告する。光輝の目にはハジメは香織の厚意を無下にする不真面目な生徒として映っているようだ。

 

ハジメとしては別に甘えたつもりもないのだが、光輝自身思い込みが激しいところがあるので反論しても無駄であろうことがわかっているので口を閉ざす。

 

「? 光輝くん、なに言ってるの? 私は、私がハジメくんと話したいから話してるだけだよ?」

 

ざわっと教室が騒がしくなる。男子達はギリッと歯を鳴らし呪い殺さんばかりにハジメを睨む。

 

「え? ……ああ、ホント、香織は優しいよな」

 

どうやら光輝の中で香織の発言はハジメに気を遣ったと解釈されたようだ。都合のいい思考回路してるなーとハジメは心の中で思う。

 

「……ごめんなさいね?光輝に悪気はないのだけど……」

 

この場で最も人間関係や各人の心情を把握している雫が、こっそりハジメに謝罪する。

 

ハジメ自身、自分のような容姿(それだけを見れば)の人間が香織と付き合うのは釣り合わないと思ってはいるので仕方ないと肩を竦める。

 

そうこうしている内に始業のチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。教室の空気のおかしさには慣れてしまったのか何事もないように朝の連絡事項を伝える。

 

そしてハジメはいつものように眠りに入り、教師はそんなハジメに対して嫌な思いはするが起こしても無駄ということがわかっているためにハジメを無視して授業を始めたのだった。




ビスマルク・ヴァルトシュタインのギアスは近未来予知、その近未来予知の一部弱体化、一部強化のギアスとコードが憑依転生ハジメくんに追加されました。

CADは僕の好みですね。CADくらい仮面ライダーの技術あれば再現できるだろ、と思って使わせてみました。

香織とは彼氏彼女の関係です。原作だと鬱陶しく思っていましたけど、別にいいんじゃないかな?と思ってやってみました。

香織はZAIAコーポレーションのこととクロトとアインのことは知っていますが協力してくれている大人と思っています。転生云々や魔法関係、仮面ライダーに関しては全くの無関係です。

文字数がプロローグ全部一話に収めると7000行くので半分にわけました。次の話にもオリジナルストーリーを入れながらプロローグを進めますね。

仮面ライダーセイバーの方の話は少し休みます。オリジナル賢神を出したはいいんですけどストーリーが思いつかないんですよね。

とりあえず原作と同じ道を辿るこの物語を書きながら思いついたら投稿しますね。

ではでは、これからもよろしくお願いします!
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