爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常132 プール掃除。着替えに手間取る

 結婚式を終え、翌日の日曜日に学園アプリに通知が入る。

 

 一体何かと思って通知内容を見てみると、そこには月曜日に行われるプール掃除に参加する生徒宛のお知らせが記載されておった。

 

「あー、これはつまり、今年も参加と言う事か……」

 

 この通知の意味は、間違いなく、プール掃除に参加城やこの野郎、ということじゃな。

 

 まあ、割とこういった行事は楽しいからのう。

 

 小中時代のプール掃除とか、何気に好きじゃったからのう。

 

 去年も、なんだかんだ楽しかったし……うむ、面白そうじゃ。

 

「んで? 注意事項は、と……」

 

 通知には当然、必要な物や当日の服装等が書かれ、授業は免除となる。

 

 一応、美化委員会は全員参加みたいじゃがな。

 

 まあ、あれは基本的に掃除に関係のある委員会じゃからのう。

 

 あとは、生徒会も参加じゃったか?

 

 ならば、ましろんはおるじゃろうな。

 

 んで、持ち物服装は……タオルに体操着、もしくは無地のシャツと動きやすいズボン(ハーフパンツ等)で、服の下に水着の着用(自由)もあり?

 

 あー、そう言えば透けるからのう、服が。

 

 それを防止すると言う意味で、ああなるわけじゃな。

 

 しかし、着用もあり、となっておることから、着なくても良いわけか……んー、まあ。

 

「儂は普通に着よ」

 

 着なかった場合、間違いなく旦那共だけでなく、メイドさんたちからも確実に着るように言われるじゃろうからな。

 

 それに……

 

「……これもあるし、な」

 

 ふっと小さく笑みを浮かべて、左手の薬指に嵌っている指輪に視線を落とす。

 

 水無月学園では、基本的にはアクセサリー類は一部を除いて禁止となっておるが、わしらの場合結婚指輪であるため、例外として許可を貰っておる。

 

 とはいえ、実は申請を出して受理されれば問題ないんじゃがな。

 

 例えば、大事な人の形見を身に付けたい、とかな。

 

 よっぽど派手でなければ、問題はない、といった感じかのう?

 

 儂らはまあ、結婚指輪なのでな、全く問題なし。

 

 正直、儂はもう名実ともに既婚者となったわけで、しかも儂、嫁側じゃからな……おかげで、そう言う事には気を付けろ、とよく言われる。

 

 別にそこまで本気にならなくてもよくね? とか思うが、儂も反対の立場であれば普通に嫌ではあるので、大人しく従う。

 

「んむぅ、水着……水着か……」

 

 そう呟きながら、儂は部屋に備え付けられておるクローゼットを見つめる。

 

 その中には、パーティーの際に暴露された、水着たちが多く仕舞われており、儂的には今は何とも言えぬ気分になる代物である。

 

「……まあ、本命は夏に取っておくとして……そうじゃのう……ま、学園行事じゃし、普通にスク水で良いか」

 

 それに、健吾や優弥対しては問題ないが……個人的に、可愛い物を見せるのであれば、普通に旦那共がいいので、今回はスク水にしよう。

 

「んー……お、あったあった。これじゃこれ」

 

 一度スク水を着てみたが、案外体にフィットしとるんじゃよなぁ、あれ。

 

 あと、この体の年頃の物を着ると、胸が苦しい為、この辺りは特注品じゃ。

 

 うぅむ、小さい状態で胸があると言うのも、なかなかに面倒なんじゃなぁ……。

 

 などと考えつつ、スク水に着替える。

 

「……まあ、問題はない、が…………なんじゃろうか、この……」

 

 事案案件は。

 

 あれじゃな、普通のスク水というのが、何かこう、非合法味を感じる。

 

 しかし、儂は十六歳……であるならば、大した問題はないと言うものよ。

 

 あれじゃな。女子高生がスク水着てるだけ。

 

 うむ、それだけならばたいした問題はないじゃろうな!

 

「よし、今のうちにカバンに入れておくとしよう。忘れたら困るしのう!」

 

 こういう大事なことは、予めどうにかしておくのが正解じゃからな。

 

「んー、体操着と水着を入れて、と……うむ、これで大丈夫じゃな」

 

 あとは、開始時間じゃな。

 

 んー……あぁ、なるほど、午前中を使うのか。

 

 授業自体は、一応公欠扱い、と。

 

 参加人数は……大体四十人弱かのう? 少ないのか多いのかわからなくなるが……とはいえ、あまり多く無くて助かる。

 

 変に人数が多いと面倒じゃからな。

 

 やりにくくなるわい。

 

「……む? これは……ほほぅ? 面白そうなことが書かれておるのう」

 

 飲み物、食べ物、持ち込み自由とな。

 

 まあ、水分補給は必須じゃからわかるが、まさか食べ物もOKとはな。

 

 であるならば……よし、あれでも作ってくか。

 

「となれば、早速作りに行くとしよう」

 

 儂はあることを思いつき、それを作るべく部屋を出て厨房へ向かった。

 

 

「……ふふふ」

 

 

 そんなこんなで翌日。

 

 いつぞやの時に、結婚式を上げた以上、儂らが誘拐される可能性があるということで、今日から実は車登校になる……はずだったのじゃが、

 

『大事な孫共を守るってのに、車だけじゃ意味ないだろう。ワシが直々に鍛えてんだ、どんな状況でも対処してもらわにゃ困る。ってェわけで、メイドの嬢ちゃんらは、今後ワシの修業を受けつつ、孫共を影ながら守るんだね。安心しな。ヤバかったらワシが飛んで行く。どうせ、近くで見るつもりなんだ。もしもなんて起こしゃしないよ』

 

 という婆ちゃんの言葉により、徒歩での登校になった。

 

 まあ、儂としては楽が出来るからよいと言う気持ちと、学生である以上車での登校は問題じゃろうなぁ、という相反する気持ちがあったため、なんとも言えんが……ま、やはり学生と言えば自転車か徒歩登校じゃからな。うむ。問題ない。

 

 そんな道中、儂らはくだらないことを話しながら学園へ向かう。

 

「そう言えば、祥子姉はいつまで着いてくるんじゃ?」

 

 ふと、珍しく祥子姉がずっと一緒にいることに疑問を覚えた儂は、祥子姉に直接問うてみることにした。

 

 儂の問いに対し、祥子姉はふふ、とちょっとした笑みを浮かべ、

 

「今後、私のメインの職場が水無月学園になることになっていてね」

「え、そうなのか!?」

「祥子さん、研究の方はいいの?」

「あぁ、問題ないとも。それに、私だけまひろ君と一緒にいる時間が減るだろう? さすがにそれでは、面白くない。そこで、私は考えた。ならば、あれこれ理由を付けて学園に常駐すればいいと」

「――という理由でして、実は祥子さんには、今日から学園における特別カウンセラーとして、学園に常駐していただくことになりました」

「特別カウンセラー、って何かしら?」

「儂も知らんが……」

「私も知らないわ~」

 

 聞き馴染みのない単語が出て来て、ましろんと瑞姫、祥子姉を除いた面々が首を傾げる。

 

 それに対して回答してくれたのは、ましろん。

 

「……特別カウンセラーは、TSF症候群を発症した人が出た学校に常駐するカウンセラーの人たちのこと」

「学生だけなのか?」

「……ん。学生は色々と多感だから。小学校から大学までいる。一応、発症者がいることが条件。社会人は、直接施設に出向くらしい。連絡すれば迎えが来るらしい」

「へぇ~、良く知ってるね!」

 

 ましろん、どこからそう言った情報を手に入れて来るんじゃろうか。

 

「でも、それなら春先にいてもおかしくないんじゃない? 祥子さん、その辺ってどうなの?」

「そうだね……真白君の説明を補足をすると、必要かどうかは事前調査等で決まるのさ」

「事前調査~?」

「そうとも。ほら、まひろ君みたいに、性転換しても関係ねぇ! みたいなタイプもいるだろう?」

「「「「「あ~」」」」」

「いやまぁ、儂の基準、基本睡眠じゃったからのう……」

 

 正直、カウンセリングが必要かどうかと言われれば、必要ないに傾く。

 

 特に困ったことはないしな。

 

 変に態度が変わるわけでも、ハブられるわけでも、いじめられるわけでも、そんなことは一切ないからの。

 

「そう。水無月学園に特別カウンセラーが存在しなかった理由は、見ての通り、まひろ君が必要としなかさそうな性格だったからね。もともと、発症者は数が少ない。そのため、カウンセラーの数を増やしたところで、あまり意味はないんだよ。人件費の問題もあるしね」

「なるほどのう……では、なぜおぬしが?」

「私は責任者だよ? 当然、カウンセラーとしての能力もあるに決まっているだろう?」

「お、おう、そうか。……アリアも言っておったが、研究者の仕事は良いのか?」

「それには及ばない。私はしばらく、休暇を取ることにしてね。まあ、急用があれば研究所に戻るが、緊急の要件以外は部下たちに投げ――任せて来た」

「今、投げて来たって言ったね」

「おぬし、つい最近までは、休日に何をすればいいのかわからない、とか言っておったのにのう……」

 

 それがきっかけで、こうして結婚しとるんじゃから、人生とはようわからんわい……。

 

「まひろ君のおかげだよ」

「……ま、休みを入れるようになったのは良いことじゃ。しかし、カウンセラーも仕事じゃろ?」

「仕事とは言っても、君が利用しない限りは、基本的に自由なのさ。もちろん、学生や教職員の仕事を邪魔しないことが大原則だけどね」

「じゃあじゃあ、今日からは一緒にお昼ご飯が食べられるね!」

「あぁ、そうとも。いやぁ、家族団欒と言うものに多少なりとも憧れがあったからね。今後は昼食が楽しみだよ」

 

 などと、屈託のない笑顔でそう話す祥子姉に、儂らは小さく笑みを浮かべた。

 

 

「えー、知っての通り、今日はプール掃除があるわけだが……昨日までに参加通知が来た生徒は、この後プールの方へ行くようになー。それと、参加できなかったからって、ぶーたれる奴の成績はこの俺が下げてやるから、覚悟しとけよー」

『『『うーっす……』』』

「覇気がねぇなぁ……で? うちからは……桜花、笹西、三島、あとは羽衣梓の四人か。へぇ、見事に知り合い同士が固まったなー! じゃ、その四人は頑張ってくるように!」

「「「「はい」」」」

「それ以外の奴らは平常通りに授業なので、真面目に受けろよー。ほいHR終わり! んじゃ、お前ら頑張れよー」

 

 いつも通り、怠そうにしながら四方木教諭は教室を出て行った。

 

 担任がいなくなり、クラス内は一気に騒がしくなる。

 

 話題はプール掃除じゃが……。

 

「なんじゃ、おぬしらも一緒だったんじゃな」

「みたいだな。いやー、驚いたぜ。まさか、一昨日話してたことが、俺らに来るなんてなぁ」

「昨日ですからね。正直、突然で少し焦りましたよ」

「まあわかる。瑞姫は大丈夫か?」

 

 優弥の言葉に相槌を打ちつつ、瑞姫に準備が大丈夫なのかどうか尋ねる。

 

「問題ありませんよ。準備万端です」

 

 そう言う瑞姫は、どこか嬉しそうな笑みを浮かべておったが……どういうことじゃろうか。

 

「さすがじゃな。……しかし、美穂とアリアは参加じゃないのな」

「ま、仕方ないわよ。でも、来年もあるし、来年は参加したいところね」

「あたしもー」

 

 二人は特段残念そうにしておらず、来年一緒になれればいい、みたいな感じらしい。

 

 てっきり、もっと残念がるかと思っておったが。

 

「なんか、すまんのう」

「いいってことよ。その代わり、頑張んなさいよ?」

「頑張ってね!」

「うむ。……では、儂らは向こうに行くか」

「おうよ」

「はい」

「そうですね」

 

 儂らは荷物を持って、プールへ向かった。

 

 

 我が学園のプールは基本的に室内プールである。

 

 天井はドーム状になっており、ガラス張り。

 

 あと、謎機能として、なぜか天井が開く。

 

 現在は室外のプールを再現するためなのか、プール内には真夏かと思うほどの太陽光が降り注いでおり、なかなかに暑い。

 

 プール自体も割とでかいが……まあ、その辺りは別にどうでもいいじゃろう。

 

 プール掃除に選ばれた者たちは、当然着替えなければならないため、男女に分かれて、それぞれの更衣室にて着替えを行う。

 

 するとそこには……

 

「……やほ」

 

 ましろんがおった。

 

 まあ、生徒会長じゃからな、そりゃ参加しとるわな。

 

「もう来ておったのか」

「……ん、生徒会長だから」

「それ関係あるか?」

「……模範、的な?」

「そうか。……では、さっさと着替えるか」

「そうですね!」

「……む? なんじゃおぬし。随分とテンションが高い気がするが……」

 

 着替えようと言うと、なぜか瑞姫のテンションが上がった気がした。

 

「気のせいです」

「……そうか?」

「はい!」

 

 なーんかありそうな気がしたんじゃが……まあ、よいか。

 

 さて、さっさと着替えるか……。

 

『『『じー……』』』

「……あー、なんか儂、すんごい見られとるんじゃけど……」

 

 着替えようとした矢先に、やたらと視線を感じて困惑した。

 

『まひろちゃんって、学年違うからなんか新鮮で』

『あれがのじゃロリ幼女師匠……たしかにのじゃロリ』

 

 あのあだ名、マジで広まっとるよ。

 

 おのれ、当時のナンパ男たちめ……!

 

「……儂、なんか恥ずかしいから端の方で着替えて来るわい」

『『『えー』』』

 

 儂が端の方で着替えると言った瞬間、周りにおった女生徒たちがなぜか残念そうな声を漏らした。いや何故。

 

「わかりました」

「……ん。着替え終わったら来て」

「了解じゃ」

 

 まあ、大して着替えるのに時間はかからんとは思うがのう。

 

 と、そんな風に言葉を交わし、儂は視線から逃れるように、隅っこの方に移動し、早速水着を着て、と。

 

「……んむぅ、あまり慣れんな……」

 

 男の時と言えば、服脱いで短パン穿いてハイ終わりィィ! みたいな感じじゃったからなぁ。

 

 一方、スク水。

 

 とりあえず、腰元で二つ折りにしてから足を通し、一気に引き上げる。その後、肩紐に腕を通して肩まで引き上げる。

 

 これがぺったんこならば問題はないんじゃが……儂の場合、普通に胸があるため、一度前かがみになって、胸の位置を調整しなければいけないのがめんどい。

 

 で、それが終われば腰から脇へと持ち上げ、肩紐の根本辺りを引っ張る。そして最後に、尻と股間辺りを整えて終了。

 

 ……いやもう、なんかマジで面倒じゃな、これ。

 

 そう考えると、ビキニタイプは割と楽なんじゃなぁ……。

 

「……ん? そう言えばこのスク水、儂が入れた物と微妙に違うような……」

 

 ま、気のせいじゃな!

 

 最後に体操着を上から着て完了!

 

「これで良し! んじゃ、行くかのう」

 

 気が付けば、他の生徒はいなくなっており、儂だけになっておった。

 

 うぅむ、手間取ったからのう……まあ、仕方あるまい。

 

 さて、掃除と行くか。




 どうも、九十九一です。
 本当は、プール掃除の回は一話で収めよ、とか思ってたんですが、なんか猛烈な睡魔に襲われたので諦めました。まあ、次回はなるべく濃くしたいですね。
 次回も以下略です。
 では。
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