爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常137 看病。母親っぽいまひろ

 前回のあらすじ。

 

 儂、風邪を引き、気が付いたら治っておった。

 

 が、朝起きたら儂以外の全員が風邪っぴきに。

 

 以上!

 

「あぁぁぁぁぁぁ~~~……あったまいたぁ~~~~っ……」

「ま、まひろちゃんの風邪が、う、うつったの、ならば……ほ、本望……くしゅんっ!」

「ああぅぅぅ~~、辛いよぉ~……」

「……死ぬ」

「頭痛が、収まらないわ~……それに、鼻詰まりも酷いし~……こほっ」

「は、はは、わ、私ともあろう、者が……か、風邪を引く、なんて、ね……くちゅっ!」

 

 で、全員死屍累々。

 

 朝起きて、体調が頗るいい儂とは正反対に、風邪に苦しむ旦那共。

 

 最初は、食堂へ行くと、全員がこの状態。

 

 美穂は頭を押さえながら、頭痛を訴え、瑞姫はまあ、風邪を引いてもいつも通りではあるが、くしゃみをし、アリアは机に突っ伏し、ましろんはいつものように見えるが、顔は真っ赤でどことなく頭がふらふらし、結衣姉は頭痛と鼻詰まりが酷く、咳もある、祥子姉は不敵な笑み(?)を浮かべながら、随分とまぁ可愛らしいくしゃみをしていた。

 

 なんと言うか……えぇ?

 

 もしやこれ、儂がうつしてしまった感じ?

 

 ……なんか、そうっぽいなぁ……特に、祥子姉。

 

 昨日、儂を看病してくれておったったっぽいし。

 

「あー……これは、あれじゃな。仕方あるまい……」

「柊さん、いるかのう?」

「こちらに」

「……なんかおぬし、今いきなり現れんかった?」

「氣です」

「氣かぁ……」

 

 なんかもう、何でもありじゃなぁ……。

 

「ところで、何か私に用があったかと思うのですが」

「おっと、そうじゃった。あー、儂今日学園休むわい」

「かしこまりました」

「一応、病み上がりという部分もあるが……正直、こやつらを放置するのもなぁ、と。なので、今日は儂もこやつらを看病することにするわい。どうせ、昨日はかなり心配をかけたようじゃからな」

 

 せめてものお返し、という奴じゃな。

 

 それに、マジで体の調子がいいので問題はない。

 

 ……とはいえ、病み上がりであるという部分は事実じゃがな。

 

「かしこまりました。学園の方への連絡は……」

「すまんが、頼んでも良いかのう?」

「かしこまりました。では、連絡もこちらでしておきます」

「助かる。さて、食事の方か……とりあえず、おじやで良いか。儂も、昨日食べた気がするしの」

「それでよろしいかと」

「んむ。では、すまんがあ奴らを全員ベッドに運んでおいてもらえるか? 儂は、飯を作って来る」

「お食事の用意は私共の方でしますが」

 

 飯を作りに行くというと、柊さんは少し心配そうな表情で自分たちの方でやると言って来る。

 

「いや、せめて嫁らしいことを、と思ってな。気持ちはありがたいが、今日は儂が看るつもりじゃ」

 

 昨日はどうも心配をかけてしまったらしいからな。

 

 それに、なんだかんだ看病もしてくれたおったし、何より……今の儂は嫁である。

 

 ならば、体調不良でバタンキューした旦那共の看病をするのも、嫁の務めというもの。

 

 ……まあ、そもそもの原因、儂っぽいので、その尻拭いでもあるがな。

 

「……かしこまりました。ですが、まひろお嬢様も病み上がりですので、もし辛いようであればすぐに変わることをお約束ください」

「うむ。助かる」

 

 じゃ、儂は飯でも作りに行くかのう。

 

 

 というわけで、六人分のおじやを作った。

 

 が、あやつら、何気に飯の好みもあるので、それぞれ違うんじゃがな、味付け。

 

 美穂はシンプルな物が好きということで、卵を使ったおじや。

 

 瑞姫は薄味が好きらしいので、出汁を多めに取って、塩のみの味付け。

 

 アリアは、どうもキノコが好きらしいので、エノキと椎茸を使った物を。

 

 結衣姉は、梅干しが好きらしいので、梅を使ったおじやを。

 

 祥子姉は……基本的に食べられればそれでいいタイプなので、瑞姫とアリアの好みの複合型を

 

 ましろんはどのようなものであろうと、食べ物全般が好きなので、味がばらつかないようにしつつ、全員の好みの物を合わせた形にした。

 

 それぞれを、各々の部屋に持って行き、食べさせる。

 

 なんか、食べさせてほしいとか言われたが、六名もいるとさすがに冷めてしまう……という事情があるため、一回だけすることにした。

 

 全員、残さず美味しそうに食べておったので良しとする。

 

「ふぅむ……まさか、全員が風邪を引くとは……」

 

 飯を食べさせた後、それらを片付けて自室でひとりごちる。

 

 いやまぁ、儂の場合は普通に今までの疲れとかその他諸々が原因じゃが……というかあ奴ら、何故に風邪を?

 

 祥子姉は研究者である以上、自分の体調管理はある程度把握していそうなもんじゃが……それに、元気っ娘なアリアや、体調を崩す姿を見たことがないましろんなんかも、なぜか風邪を引いた。

 

 もしや、あ奴ら儂が寝ている時、もしくは起きている時に何かしたか……? い、いや、さすがにそれはない、よな?

 

 瑞姫辺りはやりかねないような気もするが……。

 

「……と、なると、儂が何かしたか」

 

 思い当たる節があるとすれば……儂が小学生の頃の癖じゃろうか。

 

 あの頃の儂、両親がいないことが寂しくて、病気になると甘えるような癖があったからのう……。

 

 案外、それがこの体のせいで出てしまい、あやつらに甘えてしまったのではないか? と思うわけで……。

 

 ……もしそうなのならば、儂、やらかしてね?

 

 風邪を引いておったから仕方ない、と思うかもしれんが、そもそも儂が自分を制御できておらんかったわけで……うむ、やはり儂が悪い。

 

 ならばこそ、今日は色々と尽くしてやらねばな。

 

「しかし、風邪……風邪か。ふぅむ……ならば、あれでも作っておくか」

 

 風邪を引いた時に食べる物と言えば、あれじゃろ。

 

 

 というわけで、厨房に移動後、儂はとあるものを作り始めた。

 

 そう、プリンである。

 

 なぜかプリンって、風邪を引いた時、もしくは熱を出した時に食べるイメージがあり、儂も小さい頃は、爺ちゃんに買ってもらったり、作ってもらったりしたもんじゃ。

 

 いやぁ、あの頃のプリンは忘れられぬ。

 

「……うむ、これでよし」

 

 満足気に頷く儂の目の前には、七つの容器に入ったプリン。

 

 一つは儂用じゃ。

 

 他の六つは美穂たちの分じゃな。

 

 昼飯のデザートとして出すか、それともおやつとして出すか……ふぅむ、どちらが良いものか……。

 

 この場合、やはりデザートじゃろうか?

 

 ……ま、デザートでよかろう。

 

「となると、昼飯をどうするか、じゃな」

 

 朝飯はそこそこの量を作ったが、全員ぺろりと平らげておったからな……あまり腹は空いてない可能性が高い。

 

 であるならば、さほどの量は無くても良いと考えて……。

 

 いや、そもそも食べるのか?

 

 ……とりあえず、下準備だけ終わらせておくか。

 

 では、何を作るかじゃが……

 

「そうじゃのう……まぁ、うどんでも作るか。煮込みうどんなど、丁度良いかもしれんな」

 

 暑いかもしれんが……まあ、風邪を引いた時と言えば、お粥とかおじや、もしくはうどんのような、消化の良い物と相場が決まっておる。

 

 儂の知人に、普通に餃子をたらふく食った者もおったが……。

 

 ……ましろんならできそうじゃな、マジで。

 

「ともあれ、早速作るとするかのう」

 

 一度下準備だけ済ませることにした。

 

 

 というわけで、あらかたの下準備を終えた儂は、全員の部屋を訪れ飯が食えるかどうか訊き、もし食えぬようであれば、プリンがあると告げると、

 

「「「「「「プリンで……」」」」」」

 

 と言って来たので、旦那共の昼食が、実質プリンとなった。

 

 まあ、いいんじゃがな。

 

「ほれ、美穂。プリンじゃ。……食べさせた方がよいか?」

「……とう、ぜん」

「当然と来たか。……まあ、全然OKじゃがな」

 

 いつもと変わらぬ様子の美穂に、儂はふっと笑みを浮かべると、一口分を掬う。

 

「ほれ、あーん」

「あむ…………おいしい、わね、これ」

「じゃろ? 儂手製のプリンじゃ」

「……女子力、高い、わよね、ほんと」

「ははっ、プリンは案外簡単にできるもんじゃぞ? ほれ、もっと食うか?」

「食べる……」

「了解じゃ。……ほれ、次じゃぞ」

「はむ……」

 

 と、こんな風に、美穂へ食べさせ終え、眠るのを見てから儂は瑞姫の部屋へ。

 

 ……瑞姫の部屋と言えば、あまりいい思い出はないというか……いやまぁ、うむ。とんでもない経験をした部屋じゃからなぁ……正直、躊躇いそうになる、が……我が旦那が床に臥せっておるのじゃ。そんなことを気にしとる場合じゃないからのう。

 

「瑞姫、プリンを持って来たぞ。食べるか?」

「ま、まひろちゃん、のっ……て、手作りぃ、ですかぁっ……!?」

 

 儂がプリンを持って部屋に入り、瑞姫に声をかけると、瑞姫は妙な迫力のある顔で儂の方へ移動し、辛そうなのにどこか血走った目を向ける。

 

「お、おう。……おぬし、風邪を引いとるんじゃから、そう無理をするな」

 

 儂は近くの机にプリンを置き、優しく瑞姫の肩を押して、ベッドに寝かせる。

 

 すんなりと押し倒せた辺り、かなり調子が悪いと見た。

 

「ほれ、食べさせるから、口を開けるのじゃ」

「……あーん」

「早いな、おい。……まあよい、ほれ」

「はむっ……お、美味しいです……ま、まひろちゃんの、あ、愛が、詰まったこの、幸福感が募る、あ、甘さが……す、素晴らしく……」

「おぬし、食レポとかどうでもよいから。落ち着いて食え」

「……はい」

「うむ、それでよい。ほれ、次じゃぞ。あーん」

「あーん…………あぁ、美味しいですね、本当に……」

「ならよかったわい」

 

 瑞姫らしい反応を見つつ、全部食べさせ、眠ったところを見てから、儂は続いてアリアの部屋を訪れた。

 

「というわけで、プリンを持って来た。食べるかのう?」

「もちろん、だよぉ……あ、でも、食べさせてくれる、と、うれしい、かなぁ……」

「ははっ、言われんでもそうするわい。安心するのじゃ」

「わーい……」

 

 うぅむ、いつもの天真爛漫っ娘なアリアも、風邪を引くとこうも力がない状態になるんじゃのう……。

 

 今も浮かべてる笑みも、無理しているように見えるし……申し訳ないことをしたのう。

 

「ほれ、あーん」

「あーん……あむ……あ、おいし~……」

「ならばよかった。儂が作った物でな、もっと食うか?」

「うんっ……まひろ君、が作った物、なら、いくらでもっ……」

「いや、そこは無理をするでない。……ほれ、あーんじゃ」

「はむ……んん~……食べやすいねぇ……」

「ははっ、そうかそうか。まだまだあるからのう。いらなくなるまで、食べればよい。無理もせんでよいからな」

 

 とまあ、そんな形でアリアの方も食べさせ終えて、眠ったところを見てましろんの部屋へ。

 

「ましろん、プリンじゃぞー」

「プリンっけほっけほっ……!」

 

 プリンを持って来たことを告げながら中へ入ると、ましろんはいつものようなことをしようとしたんじゃろうが、すぐに咳き込む。

 

「あぁ、そんなに動いたらいかんぞ。ほら、ゆっくり寝るのじゃ。しっかり寝ねば、美味い物も、満足に食えんからな?」

「……ん、ごめん……」

「いやいや、気にするでない。というわけで、当然食べるじゃろ?」

「……もち」

「じゃあ、あーん、じゃ」

「……あーん……んむ……すばら、しい……」

「素晴らしいが最初の感想とは、おぬしらしいのう」

 

 まあ、嬉しいがな。

 

「……食べやすい……甘い……」

「熱で語彙力、やられとらん?」

「……脳死」

「そうか。……まあ、ほれ、次じゃぞー。あーん」

「……あむ……なんど、食べても、いいもの……」

「そうかそうか。まだ食うか?」

「……ん、いっぱい」

 

 ましろんは熱を出しているにもかかわらず、いつもと変わらぬ食欲で、あっという間に平らげ、すぐに眠ってしまった。

 

 なんか、赤ん坊みたいじゃな……と思ったのは内緒じゃ。

 

 というわけで、次は結衣姉。

 

「結衣姉、大丈夫かー?」

「……こほっ、こほっ……大丈夫、じゃ、ないわね~……」

「じゃろうな。プリンを作って来たんじゃが、食えるか?」

「ひろ君が、作った物、なら……大丈夫、よ~……」

「そうか。ならよかったわい。……ほれ、あーん」

「あら~、食べさせてくれるのね~…………それじゃあ、遠慮、なく……あむ…………はぁ~……すごく、おいしいわ~……」

 

 食べる前まで苦しそうな表情だった結衣姉じゃが、プリンを食べるなり、その表情が幾ばくか和らいだ。

 

 ……にしても、こう、あれじゃな。熱を出して、汗だくになった大人の女性って……こういう時に思うのもあれじゃが、すんごいエロい。

 

「もっと食うか?」

「……もらう、わ~」

「うむ、では、どんどん食べるといい。あーん」

「……ん……すごく、元気が出るわ~……」

「ならよい。また食べたかったら作る故、遠慮なく言ってくれ」

「ありがとう~……」

 

 結衣姉も食べ終えるとすぐに眠ってしまったので、最後に祥子姉の部屋へ。

 

 そう言えば、祥子姉の部屋に入るのは初めてじゃな……。

 

 美穂はシンプルな内装だが女子の部屋とハッキリわかるような部屋で、瑞姫は…………ノーコメント。アリアは少女マンガや可愛らしい家具が置かれた部屋、ましろんは意外と家具は少なく、なんか食べ物系が多く置かれておった。結衣姉は、シックな色合いの家具が置かれた、なんとも上品な内装の部屋で、大人っぽい印象を受ける。

 

 そして、祥子姉の部屋は果たして……!

 

「祥子姉、入るぞー……って、ぬぉぉ!?」

 

 祥子姉の部屋を目にして、儂は思わず驚いた。

 

 そこにあったのは自室……というより、ちょっとした研究室という印象を受ける部屋であった。

 

 生活感があるの、ベッドと机と椅子、あとクローゼットくらいで、他は試験管やビーカー、よくわからん謎の機械に、他にも色々……というか、マジでどうなってのこれ。

 

 たった一週間やそこらでとんでもない部屋になっとるんじゃけど。

 

「ん……あぁ、まひろ君、か……どうか、したのかい……?」

「あ、いや、プリンを持って来たんで、食べないか、と思って来たんじゃが……」

「……それは、ありがたい。プリンは、栄養価が高い、からね……」

「そうか、ではおぬしにも食べさせてやるわい」

「助かる、よ……」

「うむ。……ほれ、あーんじゃ」

「んむ…………あぁ、これは美味しい、ね……君の手作り、かな?」

「まあの。おぬしらが食べやすいように、色々調整しておる」

「さすが、だね……ここまで来る、と、お嫁さん、というより……母親、かな?」

「ははっ、儂は未だ母親ではないぞ」

 

 少なくとも、まだ子供を作る気などないし、仮に作るとしても卒業後じゃからな。

 

 ……そう言えば、儂らに子供が出来た場合、誰が母親なんじゃ……?

 

 通常であれば、当然男が父親、女が母親になるわけじゃが、儂らの場合、全員が女じゃから……まあ、産んだものが母親か? いやでも、片方も女である故、そちらも母親に? ……よくわからん。

 

 まあ、よいか。

 

「いつか、母親になる、気かい……?」

「そりゃまぁ。好きな者と結婚したのならば、子供くらい望むじゃろ?」

「……ははっ、そう、だね」

「ともあれ、もっと食うか?」

「あぁ、もらう、よ……」

 

 こんな時でも、会話はする祥子姉に苦笑しつつ、儂は祥子姉にもプリンを食べさせた。

 

 食べ終えると同時に眠ってしまった辺り、昨日の看病による疲れもあるんじゃろうなぁ……本当、ありがたいとは思うが、同時に申し訳なく思ってしまうな。

 

 

 全員にプリンを食べさせ終え、時たま氷枕などをそれぞれ部屋に置きに行ったり、汗を拭いたりと、ひたすらに看病を行っていくと、夕飯を食べる頃には、全員の顔色がよくなっており、次の日にはすっかり体調がよくなっておった。

 

 すると、全員はまたプリンが食べたいと言い出し、儂は嬉々として再びプリンを作るのじゃった。




 どうも、九十九一です。
 うーん、もうちょいどうにかならんかったんか、この回、とか思いながら投稿しております。まあ、書くこともあんまりなかったので……。
 次回も以下略です。
 では。
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