爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常152 林間学校。とんでもない提案をする変態

 そんなこんなで林間学校当日。

 

 儂らは前日までに準備を済ませ、翌日は制服で学園のグラウンドへやって来ていた。

 

 周囲には参加者の生徒がたくさんおり、見た所全校生徒の人数に近いのではあるまいか?

 

 賑やかなのはよいことじゃ。

 

「おっす、まひろ一行」

「おはようございます」

 

 学園に到着後、結衣姉と祥子姉は教職員ということもあり、一時的に離脱。

 

 なんでも、交渉しに行って来る、だそうじゃ。

 

 あの件、マジでやるのか。

 

「おぉ、健吾に優弥、おはようじゃ。おぬしらも参加か」

「そりゃな。俺らとしちゃ、まひろたちは家族で旅行! とかしそうだと思ったんだがな」

「何を言うか。この手のイベントを逃す手はないじゃろ。楽しいし」

「それは同感ですね」

 

 と言うか儂、そんな風に思われとったんか。

 

「おはよう、三島君。あと笹西」

「あとってなんだあとって」

「おっはよー! 二人とも!」

「おはようございます。元気ですね、いつも」

「うん! 楽しみにしてたからね!」

「まあ、アリアは日本に来て初めての旅行行事みたいなところがあるしな」

 

 仮に前の学校にいた場合、アリアは家の事情でまともな参加が出来なさそうじゃったがな。

 

 儂はまあ……金に困ったことがないからあれじゃが、そう言う意味で苦労してきた友人が小中におったので、その大変さは理解しとる。

 

 それに、案外節約術というのは金があっても必要になる場面もあるしな。

 

 というか、浪費家にはなりたくないし。

 

「羽衣梓に会長おはようっす」

「おはようございます」

「はい、おはようございます」

「……ん、おはよう」

 

 こちらの二人は正直なところ、健吾と優弥はあまりかかわりがあるわけではない。

 

 特にましろんなんて、先輩だし会長だしで、余計に接点がないのではなかろうか。

 

「そう言えば、やたら真剣な顔で職員の集合場所に向かう桜小路先生と、神先生の二人を見たんだが、あれどういうことよ? 何かあったん?」

「あー、それな……いやほれ、この林間学校におけるバス移動は、ほぼ学年で固まるじゃろ? そうなるった場合、儂、美穂、瑞姫、アリアはほぼ確実に一緒のバスに乗れるじゃろう。それで言えば、結衣姉と祥子姉も乗れる確率はそこそこあるじゃろうが……ましろんだけは、唯一学生で、尚且つ一つ上故、一緒になれん可能性があるじゃろ? それの交渉に行ったわけじゃな」

「なるほど。たしかに、結婚したばかりの家族と考えると、できる限り一緒にいたいですよね」

「まあの。まあ、客観的に見れば、なんともわがままなことを言っとるが……儂としては、学園行事として、一緒に寝泊まりが出来るイベントで、尚且つこれが最後じゃからな。それ故、わがままと言われようと、絶対に一緒にいたいと思うわけで……って、どうした、おぬしら?」

「「「「「「……」」」」」」

 

 話の途中で、何故か旦那共は顔を赤くさせ、健吾と優弥の二人は大量の砂糖を口に突っ込まれたが如き顔をしておった。

 

「あんた、不意にするその言動とか反則じゃない……?」

「普通に恥ずかしいことを平気で言いますよね、まひろちゃん……」

「う、うん、こうやって女のことを落としていくんだなぁって、あたし思ったよ」

「……マジ愛してる」

「お、おう!? な、なんかよくわからんが……まあ、うむ。どうってことない?」

 

 言われとる意味がほぼわからず、変な返事になってしまったが……まあ、なんかましろんが愛してるとか言ってくれたので良しとする。

 

 ……なんか、結婚式の日から儂、こうやって好きとか愛してるとか言われると、ものっすごい喜ぶようになったんじゃよなぁ……。

 

 やはり、婚姻届という書類上の物だけでは、いまいち実感がなかったんじゃろうな。

 

 事実、結婚式の日から、儂の旦那共に対する考え方というのも何気に変化があったし。

 

 素直になる、というのが一番大事。

 

 尚、それが適用されるのは、健全な部分だけで、その他はアウト。

 

「お前も変わったなぁ……」

「ですね。まさか、ここまで乙女になっているとは……」

「乙女て。え、儂そんなに乙女っぽい?」

「「「「「「うん」」」」」」

「そ、そうか」

 

 うぅむ、やはり変わったらしい。

 

 まあ、別に悪いわけではないし……別に良いがな。

 

「ん? あ、二人が戻って来たみたいだぞ」

 

 と、儂らの背後を見た健吾が、結衣姉と祥子姉が戻ってきたことを伝えた。

 

 お、と思って後ろを振り向くと、そこにはにこにこ顔の結衣姉と、満足げな祥子姉がこちらへ向かって歩いてきておった。

 

 あの反応はもしや。

 

「戻ったわ~」

「うむ、おかえりじゃ。して、結果はどうであった?」

「それなんだがね。特例でOKだそうだ」

「おぉ! マジか!」

 

 祥子姉がOKだと告げると、儂は声を上げて喜ぶ。

 

 他の面々、特にましろんはとても嬉しそうな表情を浮かべており、よかったと内心安心する。

 

「あぁ。恋人ならともかく、さすがに結婚しているから、特例でOKにする、とのことだ。あとは単純に、君たちが優等生だったから、というのもあるみたいだがね」

「ほほう! いやぁ、素行が良くてよかったわい!」

「そうね。これでみんなで一緒に行けるわね」

「そうですね。ただ問題があるとすれば……」

 

 全員笑顔を浮かべておったが、瑞姫に続く言葉によって火花が散ることとなる。

 

「――誰が、まひろちゃんを抱っこするか、ですね」

「「「「「――!」」」」」

「やはりそこか……」

 

 はぁ、と溜息一つ、額に手を当てながら儂はやれやれと肩を竦めた。

 

 旦那共の共通認識として、儂は嫁であり、尚且つ抱っこするととても癒されるし気分がいい、という認識である。

 

 つまり、こういう場面において、喧嘩や争いなどを滅多にしない旦那共が唯一争いになる場面なわけじゃな。

 

 しかし……。

 

「いや、ましろんは無理じゃろ、背丈的に」

「……なら、私を大きくする」

「いやそれは……」

 

 さすがに、こうも人が多い場でましろんをでかくするなどと言う事をしようものなら……間違いなく、ましろんの服がパージして、あられもない姿になるに決まっとるじゃろ!

 

 そんなことになってみろ、儂は嫉妬に狂うぞ!? なんか、最近嫉妬深紅なり始めとるからな儂!

 

「……ん、まひろんの珍しいむすっとした顔、大変可愛らしいです」

 

 儂、気が付けばむすっと顔をしておったらしい。

 

 顔に出ておったかー……。

 

「……体を大きく……ハッ!」

 

 神妙な面持ちで何やら呟いたかと思えば、瑞姫が我天啓を得たり! みたいな顔をした。

 

 なんか、嫌な予感がっ!

 

「そうですよ! お膝に乗せられないのならば……全員がおロリ様になればいいのです!」

「「「「「その手があったか!」」」」」

 

 瑞姫のとんでも提案に、旦那共全員がお前天才か!? とでも言わんばかりの顔で瑞姫の案に好意的であった。

 

「いやいやいやいや!? おぬしら何を言っとるかわかっとる!?」

 

 がしかし、儂は待ったをかけた。

 

「良いか? 一度ロリ化させて、また同じ歳に戻すと、普通に腹が減るからな!?」

「大丈夫だ、まひろ君」

「何が!?」

「それならいっそのこと、この林間学校中は全員ロリでいればいいじゃないか、と」

「おかしくね!? というか、脳筋すぎんじゃろ!」

 

 バカか!? バカなのか!?

 

 いや、そもそもこやつら儂が絡むと普通にバカになるんじゃった!

 

「なあ、まひろ、ロリ化するってどういうことだ?」

「そうですね。僕も気になるんですが」

「あ」

 

 そう言えばこの二人は知らないんじゃったか……。

 

 う、うむぅ……まあ、この二人なら下手に漏らさないと思うし……まあよいか。

 

「実はじゃな――」

 

 と、儂は二人に、儂の能力の本質を話した。

 

 さすがに能力が能力故に、二人はそれはもう驚きに満ちた顔を晒しておった。

 

「というわけでな……」

「な、なるほどな……ったく、お前もとんでもない能力を得たもんだなぁ」

「時間の操作、ですか。なかなか、ぶっ飛んだ能力ですね」

「しかもこれ、普通に儂以外にも有効でな……で、瑞姫の提案はつまるところ、儂のこの能力を使って、全員ロリになろうぜ☆ ということじゃな」

「「ええぇぇぇぇ……」」

 

 わかる。そりゃそういう反応になるわな……。

 

「というかじゃ。そもそも、服はどうするんじゃ服は」

 

 仮に小さくなったとして、その体に合った服とかないじゃろ、まず。

 

 などと思っておったんじゃが……。

 

「ご安心ください。こんなこともあろうかと、いつどの年代の体になってもいいように、柊さんたちに頼み、それぞれのお洋服をご用意しています」

「ちょっと待って!? こんなこともあろうかと!? おぬし、これを想定しておったの!?」

「はい。当然ですよね?」

 

 うわー、すっごい曇りなき眼ー……。

 

 というか、マジで幼女に対する熱意が怖すぎるー……。

 

「それに、小さくなれば、席替えも簡単です。座席自体も小さくなった分、どうにかなるはずです」

「う、うむぅ……」

 

 まあ、たしかにそれをすれば争いは無くなるじゃろうが……。

 

「あー……おぬしらはそれでよいのか?」

「「「「「OK!」」」」」

「さいですかー……」

 

 全員、いい笑顔じゃった。

 

 特に、祥子姉が、それはもういい笑顔じゃった。

 

 一応、祥子姉は経験済みのはずじゃが……能力は何度体験してもいい、みたいに考えておるんじゃろうなぁ……。

 

 ひっどい。

 

「じゃあ、まあ……とりあえず、変えるのなら、一度室内に行くぞ」

「「「「「「はーい!」」」」」」

 

 テンションたっかいのう……。

 

 全員にこにこ顔じゃし……そんなに小さくなりたいのかのう?

 

「あー、というわけじゃから、ちょいと離れるわい」

「りょーかい」

「了解です」

「うむ。ではまた後でな」

 

 儂は二人にそう言うと、校舎内に入って行った。

 

 

 そんなわけで、早速とばかりに校舎内に入り、六人に能力を行使したんじゃが……。

 

「……」

 

 儂の心の中には、未知の衝動が発生しておった。

 

 赤い髪で勝気な目元が特徴的な可愛らしい少女。

 

 黒髪ロングで、ふんわりとした雰囲気が特徴の撫でたくなる感じの少女。

 

 金髪碧眼で、とても活発そうな印象のある陽だまりのような少女。

 

 銀髪で、儚げな雰囲気守ってあげたくなる少女。

 

 明るい茶髪に、おっとりとした優し気な印象を持った少女。

 

 深い蒼色の髪に、どこか可愛らしくも知的な雰囲気を漂わせた少女。

 

 そんな少女たちが、儂の目の前におった。

 

 尚、全員瑞姫が用意した衣装に身を包んでおる。

 

「うわ、本当に小さくなってる……へぇ、なんだか懐かしい感覚ね」

「はわわぁぁぁ~~~~~っ! す、素晴らしいっ! 素晴らしい空間です! ありがとうございます!」

「わぁ! 面白ーい! みんなちっちゃくなってる!」

「……ん、確かに小さい。懐かしい」

「あらあら~、これは懐かしいわね~」

「ふむふむ、やはり面白い感覚だ。それに、これは小学四年生くらいの体かな? 懐かしいものだ」

 

 ……え、ちょっと待って? は? え? ……可愛よっ!

 

 え、やばくない? これ、全員儂の旦那の幼少期? うわぁ……うわぁ……!

 

 可愛い、可愛すぎるっ……!

 

 可愛すぎて、儂、なんか鼻血が出そうになるんじゃが……。

 

 ……って! 何を考えとんのじゃ儂ぃ!

 

「……ここがっ、シャングリラかっ……!」

 

 ……何言っとるんじゃろうか、儂。

 

 何がシャングリラやねん……いやでも、これはマジで仕方ないじゃろ!?

 

 だって! 目の前には、儂が心底好いとる旦那共のロリ状態じゃぞ!?

 

 儂は旦那共がどんな姿になろうと愛せる自信があるが、普通にこれは……反則過ぎるっ!

 

 あと、祥子姉! おぬし、白衣を羽織っとるのがマジでずるい!

 

 くっ、瑞姫の気持ちがわかるっ……!

 

「瑞姫よ……」

「はい、なんでしょうか!」

「……ロリ、いいな」

「おロリ様は人生ですから」

 

 ヤバい、今名言聞いたわ。

 

 ロリは人生……うむ、今度から旦那共が幼女になった際は、それを常に心の中に置いておくとしよう。




 どうも、九十九一です。
 そう言えば、祥子の髪色とか言及なかったなぁ、と書いてて思いました。祥子の髪色は蒼です。書いている時に考えました。どうでもいいですね。
 次回も以下略です。
 では。
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