爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常20 朝の騒動。委員会決め

 四方木教諭がやらかしてくれたおかげで、儂らはかなり質問攻めに遭った。

 

 美穂と瑞姫には女子が行き、儂の方には男子が来た。

 

 まあ、元男じゃからな、儂。

 

『お、おいおい桜花! お前、あの二人マジで結婚したのかよ!?』

「したぞ。と言っても、あやつらによるほぼ強制的なものではあったが……」

『うるせぇ! 何お前いい思いしてんだよ! お、俺達なんかなぁ、全然モテないんだぞ!?』

「そんなこと言われてものぅ……」

『くっそー! 委員長キャラだが、普通に美少女だし、なんだかんだ言って優しいツンデレ系な音田だけならもともとお前のことが好きだったからまだしも』

『みんなの憧れ的存在の羽衣梓さんとまで結婚するとか、ずるいぞお前!』

 

 ……男子どもがめんどくさい。

 

「……儂が男のままだったら素直に喜べたかもしれん。しかし、儂は今女じゃぞ? 普通、羨ましがるか?」

『羨ましいに決まってんだろ、ダボ!』

『お前、TSとはいえ、百合だぞ百合! リアル百合結婚なんだぞ!? その当事者になれて嬉しくないわけねーだろうが! ドアホ!』

『そうだそうだ! 女になってからお前ずるいぞ! クソジジイ!』

「儂はまだおぬしらと同じ歳じゃろうが!」

 

 何を言っておるんじゃ、こやつらは……。

 

 そもそも、儂の儂は失われておると言うのに、一体何をそこまで羨ましがると言うのか。

 

 まあ、儂も百合は嫌いではないから、あれじゃけども。

 

『しかも……しかも! お前、好きな時に女の裸が見れるんだろ!? 自分で!』

「……そこ、重要か?」

『『『重要だ!』』』

 

 こやつら、ただのバカじゃ。

 

「……そもそも、自分の裸を見て嬉しいわけなかろう。何も思わんかったよ。そもそも儂、幼女じゃし」

『だからいいんじゃねえか! それってことは、自分の成長の過程を見れるってことだろ!? 羨ましいぞこのロリジジイ!』

「なんじゃロリジジイって!?」

『幼女が何らかのジジイ要素を持った存在のことだ! つまり、爺くさいお前は、ロリジジイだ!』

 

 ……そんな言葉、マジであったんじゃな。

 

 ロリババアならぬ、ロリジジイってか。

 

「……儂の爺要素、口調だけじゃろうが」

『何を言う! 貴様、趣味と好きな食べ物を言ってみろ!』

「まあよいが……。時代劇を観る事と、クロスワードをやること、あと時代小説も割と好きじゃな。好きな食べ物は和菓子全般ではあるが、その中でも羊羹が好きじゃ。あと、緑茶が最高」

『『『ジジイじゃねえか!』』』

 

 総ツッコミを喰らった。

 

 健吾たちにも言われるが、儂ってそんなに爺くさいのかのう?

 

 割と普通じゃと思っておったんじゃが……。

 

 まあよいか。

 

『畜生……オレも『TSF症候群』発症しねぇかなぁ!』

『無理だって。発症したくてもできねーんだぞ?』

『こいつが男だったら、普通に殴る蹴るができたというのに……!』

「む?」

 

 こてんと小首を傾げると、

 

『『『無駄に可愛い幼女になりやがって……! 畜生!』』』

 

 こやつら、ある意味すごいな。

 

 儂にはできない考え方じゃ。

 

『昨日聞きそびれたがよ、ど、どうだった?』

「何がじゃ?」

『女の体だよ! 裸とか!』

「そうは言うがな、儂の裸など、よいものではないぞ? それを聞きたいのならば、健吾と優弥に訊けばよかろう」

『は? なんで笹西と三島が出てくるんだよ?』

「なぜって、あやつら、儂が発症した日に儂の家に遊びに来ておったからな。ちなみに、儂の裸を見ておるぞ」

『『『な、何ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィッッ!?』』』

 

 男子どもが絶叫した。

 

 おぉ、さっきと同じ叫びじゃ。面白いのう。

 

「ちょっ、ま、まひろ!?」

「まひろさん、それは言ってはダメでしょう!」

 

 二人が慌てたように儂にそう言ってくる。

 

 よく見れば、冷や汗もだらだら。

 

「む? 儂、変なこと言ったか?」

「クソッ! こいついつものようにずれた考えしてやがる!」

「まずいですね……一般的に見ても、まひろさんはかなりの美幼女。そんな美幼女の裸を見たとあれば……」

『おーい、そこの畜生共……どういうことだ~?』

「い、今のはまひろの冗談に決まってるだろ!?」

『うるせぇ! しらばっくれるんじゃねえぞ! オラ! 何があったか吐けや!』

 

 おー、男子どもが健吾と優弥の方に行ったわい。

 

 うむうむ。これで静かに過ごせそうじゃな!

 

「ずず……ふぅ、茶が美味い」

「おいまひろ!? お前、なんで茶を啜ってんだよ!? ってか、どっからだした、その緑茶セット!」

「常備しておる」

「バカじゃねえの!?」

「何を言う。緑茶は至高の茶ぞ? ならば、いつでも淹れたてを飲めるようにするのが、緑茶ラーというもの」

「緑茶ラーなんてねえよ!?」

 

 儂がそうなんじゃから、あるに決まっておるだろうに。

 

 しかし、大変じゃなー、男は。

 

 男の嫉妬で追いかけまわされておる。

 

「ま、まひろさん! どうにかしてくれませんか!?」

「えぇ? めんどい」

「俺達友達だろ!? な? 頼むって!」

「……仕方ないのう。おい、おぬしら一旦聞け」

 

 儂がそう言うと、二人を追い回していた男どもがピタッと制止し、儂に注目した。

 

 友達の為ならば仕方がない。

 

 説明は儂がしてやるとするか。

 

「別に、こやつらがラッキースケベをしたわけではない。単純に、儂が裸で歩き回ったり、下着を着けずにだぼだぼの服で歩き回っておっただけじゃ。なので、悪いのは儂じゃ」

 

 ふっ、これでよし、と。

 

 これで問題ないじゃろう。

 

『……テメェらの血は……何色だァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!?』

「フォローになってねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「む? なぜか止まらん。儂、間違ったこと言ったかの?」

 

 なんか、さっきよりもデッドヒートしてるんじゃが。

 

「あながち間違いではありませんが、この場では逆に間違いです! 消火するんじゃなくて、ガソリンを投入したもんですからね!?」

『『『待ちやがれェェェェェェェェェェ!』』』

 

 おー、廊下まで行ってしもうた。

 

 ふぅむ、何がいけなかったんじゃろうか?

 

 儂、普通に正直なことを話しただけだったんじゃが……。

 

「まあよいか。これで静かになったというものじゃな」

 

 なんか、健吾と優弥の二人を生贄にしたようなものな気がするがな。

 

 しかし、儂の裸を見るのがそんなに羨ましかったのか? よくわからんもんじゃな。

 

 

 朝の騒動は時間経過で収まった。

 

 ただ、一時間目の時、健吾と優弥が少々ボロボロではあったが……あとで、何か差し入れするか。儂が悪いし。多分。

 

 新学期が始まって二日目と言えば、授業はない。

 

 何せ、二日しかないから。木曜日と金曜日だから。

 

 では、何をするかと言うと……

 

「よーし、委員会とか係決めるぞー」

 

 これである。

 

「とりあえず、委員会を書きだすんで、やりたい奴があったらやれよー。まあ、必ずしも委員会に入れっていうわけじゃなねーんで、めんどくさい奴は誰かがやってくれるだろう、という他力本願で粘れよー」

 

 何言っとるんじゃ、四方木教諭。

 

 教師としてどうなんじゃ? という面が目立つからのう、この教師は。

 

 去年この教師のクラスだった者は慣れておるのか、普通に楽しそうにし、そうでないものは苦笑い。

 

 儂はまあ、慣れた。

 

 そんな四方木教諭は、気怠そうにしながらも、黒板に委員会の名前を書いていく。

 

・クラス委員会

・体育委員会

・保健委員会

・図書委員会

・選挙管理委員会

・美化委員会

・奉仕活動委員会

・学園祭実行委員会

・イベント管理委員会

 

 この計九つがこの学園にある委員会。

 

 意外と少ない、と思うかもしれないが、うちの学園は割と生徒会が一番大変らしいからな。そっちにある程度の仕事が回って行くそうじゃ。

 

 まあ、儂が生徒会に入ることはないし、関係はなさそうじゃがな。

 

「各委員会二人ずつだ。クラス委員と体育委員の二つは、男女一人ずつだからなー。他は男だけでも女だけでもいいんで、やりたい奴あったら言えよ」

 

 ふむ、委員会か……。

 

 去年は特に何もしていなかったな。

 

 そんなことをしていたら仕事が増えてめんどくさそうじゃったし。

 

 こういうのは、やらないに限るんじゃが……。

 

「クラス委員やりたい奴いるかー?」

 

 四方木教諭がそう問いかけると、誰も手を挙げない。

 

 まあ、実際めんどくさそうな委員会じゃもんな。

 クラスを纏めなくてはいけないと言う仕事である以上、やることが多いように思える。

 各行事の際に、先頭に立って纏めたりするからの。

 

 美穂も去年大変そうじゃったしな。

 

「なんだ、誰もいないのか? なら、後回し」

 

 そう言って、次々に委員会に入りたい者がいるかどうか尋ねるものの、ほとんどの委員会でやりたいと言う奴が現れない。

 

 しかし、最後の二つに関してはそうではなく、やりたい者が出てくる。

 

 学園祭実行委員会はその名の通り、学園祭の運営に関わる委員会。

 

 まあ、これはどこの学校でも同じようなもんじゃろ。

 

 そして、イベント管理委員会。

 

 こっちは学園祭を除いた、他のイベントを立案、もしくは進行管理をするという委員会じゃ。

 

 自分で考えた企画が通るかもしれない、というちょっと面白い委員会で、この学園では一番人気の高いものじゃな。

 

 そのため、やりたがる者は多い。

 

 ちなみに、健吾が何気にイベント管理委員会に手を挙げていたりする。

 

 よいと思う。

 

 あやつはお祭りごとが好きじゃからな。

 

 かく言う儂も祭りごとは好きじゃ。むしろ、その時ばかりは積極的になるほどじゃ。

 

 楽しむ時は楽しむのが大事じゃ。

 

「なんだお前ら、やっぱこの辺りの委員会狙いなのか。……しかし、半数が手を挙げているとなると……ここは、くじ引きだな!」

 

 やはりそうなるか。

 

 四方木教諭は、めんどくさがりでもある。

 

 そのため、人が多いと決めるのに時間がかかりめんどくさい、という理由でくじ引きをしようとしてくる。

 

 まあ、恨みっこなしでできるし、何だったらすぐに決めることもできるからいいと言えばいいんじゃが……問題点があるとすれば、委員会をやるのがめんどくさいとか思っている者も強制参加であるため、当たってしまう場合がある。

 

 幸い、儂は去年引くことはなかったがな。

 

 日頃の行いというものよ。

 

「ここに、俺があらかじめ用意して来たあみだくじがある。お前ら全員これに名前を書け。空白だったらどこにも所属しない。そこに委員会名が書かれていれば、その委員会に所属することになるんで、まあ、神にでも願っとけ」

 

 神にでも願っとけ、と言われると、頭の中にはあの女が出てくる。

 

 神という名字じゃからな。

 

 親戚じゃけど。

 

「よーし、お前ら書け。早い者勝ちだぞー」

 

 

 早い者勝ちという割にはそこまで人は殺到するなんてことはなく、意外と平穏に済んだ。

 

 そして、その結果……

 

「……私、またクラス委員じゃない」

 

 美穂は去年に引き続き、クラス委員になり、

 

「あ、わたし保健委員会ですね」

 

 瑞姫は保健委員会へ、

 

「っしゃぁ! イベント管理委員会!」

 

 健吾は運が良かったのか、狙っていた委員会に入れた。

 

 優弥は、

 

「学園祭実行委員会ですか」

 

 学園祭実行委員会に入っていた。

 

 ちなみに儂じゃが……

 

「……図書委員」

 

 運が悪いことに、委員会に入ることになってしまった。

 

 まあ、体育委員会とか奉仕活動委員会、美化委員会じゃないだけまだマシ、か。

 あの辺りは割と体を動かす場面が多いからな。

 

 儂は基本、動きたくない。

 

 そう言う意味では、図書委員はまだマシかもしれぬな。

 

『うっしゃ! 図書委員!』

 

 それから、儂の相方(?)は男子になった。

 

 それにより、クラス内の温度が下がった。

 

 それと同時に、気が付けばその男子の近くに二人の女子が立っていた。

 

 美穂と瑞姫の二人である。

 

 二人はにっこりとした笑みを浮かべつつも、黒いオーラのようなものを放っているように見えた。

 

「まひろにちょっかいだしたら……潰すからね?」

「まひろちゃんに手を出そうとしたら、消しますからね?」

『も、ももももももちもちもちろんですハイ!』

 

 二人して脅しておった。

 

 儂、愛されておるのう……。

 

 やはり、儂が旦那じゃから――

 

「「私(わたし)たちのお嫁さんだから(ですから)!」」

 

 ……やっぱり儂、嫁側じゃん!

 

 ちくしょーめ!




 どうも、九十九一です。
 まひろが所属する委員会を、保健委員会か図書委員で迷った結果、図書委員になりました。理由は、まひろの性格的なあれです。めんどくさがりだしね! なら、楽な方にします。
 明日も10時だと思いますので、よろしくお願いします。
 では。
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