爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常22 挨拶へGO。変態と変態とのじゃろり

「遅れてすまぬ!」

「ようやく来たわね。何してたのよ」

「なんだか、少しお疲れのようですけど……」

「いやまあ……ちと、役職決めに時間がかかってな」

 

 あれからなんとか副委員長と書記を決めることができた。

 

 予定があると言うのに、無駄に時間がかかってしまい、申し訳ないと思っておる。

 

 なので、珍しく走って来た。

 

 すると、両者違った反応が返ってくる。

 美穂は少しだけ不機嫌そうであり、それでいて少しだけ心配したような感じじゃな。

 瑞姫の方は、心配という方が目立つ。

 

「委員長ってこと? そんなに時間がかかるものだったかしら?」

「保健委員会の方はすぐに決まりましたけど……」

「……まあ、色々とな。その話の続きは移動中にしよう。瑞姫よ、おぬしの父上に会いに行くわけじゃから、当然移動は乗り物じゃよな?」

「もちろんです。さすがに少し遠いので。えーっと……あ、来ました。あの車です」

 

 瑞姫が示した先から、一台の車が……というかあれは……

 

「「リムジン!?」」

 

 まさかのリムジンだった。

 

 しかも、ガチな奴。

 

 おかげで、儂と美穂は揃って驚愕してしまった。

 

「お父様ったら……わざわざリムジンで迎えに来るなんて。普通のランボルギーニでいいと言ったはずなのですが……」

「「それは普通ではない!」」

「え、そ、そうですか? リムジンよりはいいと思うのですけど……」

「「どっちもどっちよ(じゃ)!」」

 

 やはり金持ちの発想はおかしい!

 

 というか、庶民の儂らからすると、そんな高級車に乗りたくはないわ!

 

「……まひろと結婚したということは、今後瑞姫の天然金持ちムーブを視なきゃいけない、ってことね。先が思いやられるわ……」

「言うな、美穂よ。これはこれで楽しいと思えば、多少はマシになると思うぞ?」

「……それもそうね」

「あ、あら? わたし、もしかして引かれてます……?」

「「そこまでではない、かな、うん」」

 

 単純に、庶民と金持ちの考え方の違いが見れただけじゃからな。

 

 これしきのことで、嫌いになったり引くような儂ではない。

 

 まあ、それは美穂も同じみたいじゃがな。

 

 さすが、美穂。

 

『お嬢様。お待たせ致しました。まひろ様に、美穂様ですね? こちらへどうぞ』

「う、うむ」

「え、えぇ」

「ささ、こっちですよ」

 

 儂と美穂の二人は、突然現れた男(執事っぽい服を着た)に様付けで呼ばれて、なんか普通に戸惑った。

 

 いや、これは戸惑うじゃろ……。

 

 儂、様付けで呼ばれたことないぞ?

 

 あと、瑞姫はやはり慣れているのか、その辺りには動じず、むしろ嬉々として案内しておるんじゃが。

 

 さすが、お嬢。

 

「……ねぇ、まひろ」

「なんじゃ?」

「……私たち、すっごい目立ってない?」

「……目立っておるな。まあ、仕方なかろう。目の前に、非現実的な物があるわけじゃからな」

「それ、あんたもじゃない?」

「……まあ、そうじゃが」

 

『TSF症候群』なんて言う、ファンタジーな病気を発症しておるからな。

 

 そう言う意味では、非現実的存在じゃな、儂。

 

「お二人とも、そろそろ出発しますよー」

「あ、今行く!」

「すぐ行くぞ!」

 

 ともあれ、さっさと済またいものじゃな。

 

 

 人生初のリムジンに乗り込むと、その内装に驚いた。

 

 無駄に綺麗と言うかなんと言うか……生憎と、儂の語彙力が半端ないほどないので、言葉では言い表せぬが、これだけは言える。

 

 クッソすごい。

 

 あと、

 

「ふ、ふかふかじゃぁ~」

 

 椅子……というより、ソファーがすっごいふっかふか!

 

 なんじゃこれ、新感覚!

 

「ふぉぉぉぉぉ……こ、ここで眠りたい……」

 

 まるで包み込むかのように反発するこのソファー。

 羽のようにふんわりとしていて、それでいてしっかりと体を支えてくれる……。

 

 儂の体に合わせるように沈み込むこの感覚……最高じゃぁ……。

 

「……なんか、かつてないほどにまひろが蕩けた表情してるんだけど」

「で、ですねぇ……はぁぁぁぁぁ、気持ちよさそうな表情をしているまひろちゃん……すごくいいです! 記念に撮っておきましょう」

「……瑞姫あなた、ロリコンだと本性を明かしてからと言うもの、隠さなくなったわね」

「はい。開き直った方がいいかなと思いまして! それに、まひろちゃんは全然気にされていないようなので、もうこの姿をどんどん露呈させていってもいいかなと!」

「……とんでもないのがうちの学年にいたもんだわ。まひろはいいの? こんな人が旦那で」

「うむぅ~……儂は構わんぞぉ~……。むしろ、こんな乗り心地のいい乗り物に乗れて、儂は幸せじゃよぉ~……。瑞姫、グッジョブ……」

 

 ソファーにだらぁ~っと倒れ込みながら、グッとサムズアップを瑞姫にすると、瑞姫もだらしない笑顔でサムズアップを返してきた。

 

「……なるほど。案外、お似合いの二人だったわけね。波長が」

「何を言うかぁ、美穂ともお似合いじゃろぉ~、儂ら~」

「と、突然何を言うのよ! お、お似合い、お似合いってそんな……えへへ……」

 

 可愛いな、こやつ。

 

 やはり、美穂は可愛いということか……もちろん、瑞姫もな!

 

 しかし、このソファーはいいのぅ……。

 

 この材質のもの、普通に家具として置きたいのじゃ。

 

「……しかしあれじゃな。こう、最高の寝心地を得られるソファーがあるとなれば、次にほしくなるのは……枕じゃな」

 

 やはり、睡眠は枕によって質が変わると言っても過言ではない。

 

 その人物に合った枕というものがある。

 

 儂は、ふかふかでありながら、それでいてしっかりと反発を持った枕が好みじゃ。

 

 例えばそう……ちょうど、儂の頭に感じるこの、ふかふかでしっかりとした弾力があるような……って、

 

「な、なんじゃ!? この気持ちのいい枕は!」

「わたしの膝です!」

「なんと! 瑞姫の膝とな! つまりこれは……膝枕か!」

「はい! どうですか? 気持ちいいですか?」

「それはもう、最高じゃなぁ……。何と言うか、ぐっすりと眠れそうじゃ……」

 

 儂、結婚してよかったかも……。

 

 こんな最高の環境で寝れるとは思ってもみなかった……。

 

「あ、瑞姫ずるいわよ! 私もまひろに膝枕したい!」

「わかっていますよ。では、交代でしましょう。とりあえず、まひろちゃんにはわたしと美穂さんの膝枕を味わってもらいましょう」

「マジで? いいの?」

「もちろんです。そうですよね? 美穂さん」

「当然! とりあえず、交代してくれるかしら?」

「はい。どうぞ」

「それじゃあ、失礼して……」

 

 瑞姫が儂の頭を優しく下ろすと、今度は美穂が儂の頭を膝に乗せて来た。

 

 こ、これは……!

 

「ど、どう?」

「……瑞姫とは違った良さの最高の枕じゃぁ……」

 

 瑞姫はこう、ふかふかでいて弾力のあるものだったのじゃが、美穂の場合は、もちもちですべすべな感じじゃ……。

 

 儂の旦那……じゃなかった、嫁二人の膝枕は至高じゃぁ……。

 

「ふにゃぁぁ……」

「うっわ、猫みたいになった」

「か、可愛いです! まひろちゃん、もう一度、もう一度だけ今の声をお願いします! 次は録音しますので!」

「瑞姫、本当に隠さなくなったわね」

「可愛いは正義です! 可愛いの前には、自分を偽る必要などありません! つまり、わたしは録音するのです!」

「言葉がおかしくなってるわよ!?」

 

 なんだか騒がしいが……何はともあれ、この枕は最高、ということだけわかる……。

 

 もしや儂、すごく幸せな生活を送れるのでは……?

 

 いいのぅ……。

 

「ふゃぁぁぁぁぁ~……」

「や、やりました! 録音できました! 今度から、電話の待ち受けはこれにします!」

「それはやめときなさいよ!?」

 

 うむぅ、これなら多少うるさくても、眠ることができそうじゃ……。

 

 

 あの後、かわりばんこに膝枕をしてもらいつつ、話をすることに。

 

「それで、委員会では何があったのよ?」

「えっとじゃな、儂が委員長になった」

「……何の悪夢よ、それ」

「酷くないか? おぬし」

「いやだって、めんどくさがりで、だらけるのが好きなあんたでしょ? そんなあんたが、委員長って……図書委員会終わったんじゃないの?」

「それは言いすぎじゃね? いくら儂が他者からの評価に疎くとも、それは傷つくぞ? ちょっとは」

「それはごめん」

 

 むぅ、なんだか結婚した途端、急に美穂が儂に強くものを言うようになった気がするんじゃが……。

 

「でも、まひろちゃん。一体どうして、委員長になったのですか? それに、すぐに決まったなのなら、あそこまで時間がかかるとは思えないんですけど……」

「まあ、あれじゃ。はめられたんじゃよ」

「「はめられた?」」

「うむ。おそらく、裏で示し合わせておったんじゃろうなぁ……。じゃんけんで決めることになってな。屋本司書とじゃんけんして勝ったものが委員長になるということになったんじゃが……儂の一人勝ちでな。まあ、委員長に……」

「それ、一人負けって言わない?」

「勝ちは勝ちじゃ」

「つまり、試合に勝って勝負に負けた、ということですね?」

「その通りじゃ」

 

 まったくもって、とんでもないことをしてくれたものじゃ。

 

 証拠はなかったが、あの時の他の委員のニヤッとした笑みを見れば、明らかに裏で仕組んでいたことが伺える。

 

 おそらくは、屋本司書も犯人じゃろうな。

 

 最後とか、悪乗りしておったし。

 

 ふざけおって……。

 

「でも、そうやって委員長が決まったのなら、割とすぐに副委員長とか決まりそうじゃない? 何かあったの?」

「いやー、何と言うかじゃな……儂が委員長に就任した際に、軽い演説をしたんじゃが……最後に『お願い♥』と言ったら、なんか喧嘩が勃発した」

「……そりゃそうなるでしょうよ」

「そ、そのような可愛らしいことを言ったのですか!? ど、どんな風に? 表情は? 声のトーンは? それから、瞳の感じは!?」

「落ち着くのじゃ、瑞姫。おぬし、朝の一件以来、暴走するようになっておらぬか?」

「開き直りました」

「そ、そうか」

 

 癖が強いのう、瑞姫。

 

 出会った時は、清楚で可憐な大和撫子的印象だったのじゃが……今の状態では、ただの幼女好きな変態じゃな。いや、言うほど変態ではない……か?

 

「そ、それで、どのような感じだったのでしょうか!? ハァ、ハァ……!」

 

 前言撤回。

 

 普通に変態じゃな、これ。

 

 そうか、このお嬢は変態じゃったか。

 

 ……まあ、でなければ、昨日あんなことや、そんなことなんてしないじゃろうからなぁ……儂、生きててよかった。

 

「まず、目の感じは……上目遣いでちょっと潤ませておって……」

「はい!」

「で、控えめな笑みで、甘えた声で言ったな」

「み、見たかったですっ……!」

 

 すると、瑞姫がものすご~く悔しそうにした。

 

「そんな天使のような姿が見れた方たちが羨ましいのです! わたしだったら……わたしだったら……! わたしだったら、その姿をビデオで録画して、BDに複数枚焼いて永久保存しますのに! あと、外付けの記録装置にも!」

「……同じ嫁を持つ旦那が、とんでもない変態だった件について」

 

 どんだけ悔しかったんじゃ、こやつ。

 

 ……まあ、旦那……じゃなかった。嫁が見たいと言っておるわけじゃし……それに答えるのも、旦那の甲斐性と言うもの。

 

「ならば、瑞姫の為に見せてやろうか?」

「え、いいんですかありがとうございますお願いします!」

「お、おう。食い付きいいな……」

 

 相当なロリコンな気がしてきたんじゃが、こやつ。

 

 ……大丈夫なのかの?

 

 まあよい。

 

「それじゃ、行くぞ。録画は大丈夫か?」

「ばっちりです!」

「……あんた、ノリノリね」

「ま、瑞姫の為じゃからな。……って、おぬしもちょっと呆れつつ、スマホを構えているではないか」

「いや、まあ……あれよ。私も録画しておこうかなって」

「別に構わんがな。よし、行くぞ」

 

 一度起き上がり、とててと二人の前に小走りで出て、正面を向く。

 

 そして、

 

「お願い♥」

 

 委員会の時と同じような感じで言い放った。

 

 その結果、

 

「ごふっ……」

 

 美穂は倒れ、

 

「マーベラスッッッ!」

 

 瑞姫はそう叫んだ後、鼻血を出して倒れた。

 

 お嬢、それでいいのか!?

 

「し、幸せですぅ~……」

「あ、あれはやばいわ……」

 

 今の、そんなに魅力があるのかの?

 

 儂にはようわからん。

 

「まひろちゃん! 次、次は『瑞姫お姉ちゃん大好き』って言ってもらえませんか!?」

「それは恥ずかしいんじゃが!?」

「そうよ、何言ってるのよ、瑞姫!」

「おぉ、美穂、おぬしは止めて――」

「『お姉ちゃん』じゃなくて、『おねーちゃん』の方がいいに決まってるでしょ!」

「ブルータスお前もか!」

 

 美穂も、十分、変態じゃった。

 

 

 結局この後、さっきの本気のロリボイスで様々なセリフを言わされ続けた結果……二人はとてもとても! 満足そうな表情で逝った。

 

 ……儂の嫁、変態すぎん?




 どうも、九十九一です。
 変態が変態し始めました。まあ、ロリコンでもいっか、くらいの気持ちで作ったキャラなんですが、想像以上に変態でした。まあ、私の小説の登場人物なんて、大半が変態ですけどね! 本当は、健吾と優弥の二人も変態にする予定だったんですが……書いてたらツッコミ担当の常識人枠になってしまったのが悔しい。まあ、仕方ない。
 次回、瑞姫の父親が出てきます。大体は決まっているのですが、どういうとんでもキャラにしようか迷ってます。まあ、うん。お待ちを。
 明日も10時だと思いますので、よろしくお願いします。
 では。
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