爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常25 授業開始日。変態は朝から平常運転

 採寸とか特に面白いことはなかったので割愛。

 

 というか、それ以外の所も、変態が変態しているだけだったので、特に話すことはなし。

 挨拶と言っても、特にすることもなかったしな。

 

 結果的に、瑞姫のロリコンはなるべくしてなった、ということを知ったり、儂がウェディングドレスを着ることになったりしただけじゃし……。

 

 なんでまあ、その日は挨拶もそこそこに、採寸を終えたらすぐに帰宅となった。

 

 何かないのかじゃと? あるわけなかろう。

 

 いくら新婚と言っても、儂らはまだ高校生。

 それで何が起こると言うのじゃ。

 

 ……いや、入籍した日の夜にとんでもないことはあったが、あれは例外中の例外じゃ。むしろ、あんなことがそう簡単に起きてたまるかという話じゃ。

 

 とまあそんなこともあり、土日に突入したわけじゃが……まあ、何もない。

 

 強いて言えば、二人が儂にべったりということじゃろうか。

 

 例えば、儂を抱っこしたり、儂をお姫様抱っこしたり、儂をおんぶしたり、儂に食事を食べさせたり(あーん的な奴)、儂を抱きながら眠ったり、まあそれくらい。

 

 ……いや、儂抱っこされ過ぎじゃね? あと、世話され過ぎじゃね?

 

 なんかこれ、儂が嫁のようなんじゃが。

 

 儂、元男ぞ? 性別は『TS』という、色物のようなものになっておるが、実際そう言う物なんじゃから仕方ない。

 

 まあ、そんなこんなで新しい週。

 

 今日から普通に授業が開始となる。

 

 儂らも、前日に準備を済ませておる。

 

 そうして、儂が朝食を作り、戸締りをしっかりして学園へ登校。

 

 結婚してから早くも四日目。

 

 意外と普通に日常が動いていく。

 

「……まあ、これは変わらんわけじゃが」

「どうかしましたか? まひろちゃん」

 

 結局儂、抱っこされて登校。

 

 いやまあ、別に嫌というわけではないし、そもそも儂が許可してしまったしのぅ……。

 

 実際、外見普通に可愛い幼女が、美少女に抱っこされての登校って、どうなんじゃ?

 

『や、やべぇ、なんだあの光景』

『美少女が美幼女を抱っこしながら歩いている、だと……!?』

『と、尊い!』

『あの幼女可愛すぎだろ!』

 

 ……あー、なるほど。普通にいい光景なんじゃな。

 

 どっちかと言えば、儂も傍観者側で見たかったものじゃなぁ……。

 

 くそぅ。

 

「あ、まひろ、キャンディーがあるけど食べる?」

「む? 貰えるものなら貰おう。むしろ、キャンディーは好きじゃからな」

 

 この体になってからと言うもの、甘いものがとても美味く感じるようになった。

 

 特に、幼女が好みそうなものとか。

 

「じゃあこれ」

 

 そう言って美穂が儂に手渡してきたのは、まさかのまさか。いわゆる、ぺろぺろキャンディーじゃった。

 

 なんか、久しぶりに見たんじゃが。

 

「美穂よ、わかっておるではないか」

「ま、今のまひろの姿だとお似合いよね、それ」

「儂、地味にこれ好きなんじゃよ。こう、優しい甘さと言うのかの? それが格別でのう……」

 

 うきうきしながらビニールの包装を取り、中のキャンディーを舐める。

 

「ぺろぺろ……美味しいのう……」

「ハァ、ハァ……キャンディーをぺろぺろするまひろちゃん……すごくいいです! 特に、小さなお口から出されている可愛らしいピンク色の舌とか最高です! 美穂さん、写真に撮って後でわたしのスマホに送ってくださいっ!」

「それはいいけど……瑞姫、あなた相当すごい顔してるわよ? 具体的に言えば、発情したような女の顔」

「……美穂、今の具体的なことを訊いて、儂は今、ぶるっとしたんじゃが」

「だ、大丈夫ですよ、まひろちゃん……ハァハァ……決して、インターネットには流しませんから! ハァハァ……ただ、生まれ変わったらぺろぺろキャンディーになりたいとしか思ってませんから!」

「……のう、美穂よ。儂、相当癖の強い変態と結婚してしまったのではないか?」

「そうかもしれないけど……まあ、いいんじゃない? あんたも別に、まんざらじゃないんでしょ?」

「いや、さすがの儂でもこのレベルの変態だと、まんざらでもないとは言い難いのじゃが……」

 

 だって、生まれ変わったらぺろぺろキャンディーになりたいとかいう、常人には理解不能なことを言いだすような奴じゃぞ?

 

 それでまんざらでもない、と言うのはそいつも絶対おかしい。

 

 つまり、儂はおかしい。

 

 ……いや、儂はおかしくないな。うむ。おかしくない。

 

「というかじゃな、幼女がぺろぺろキャンディー舐めているところで興奮するとか、相当じゃぞ、瑞姫よ」

「そうは言いますけど、こう……小さな女の子がぺろぺろと艶めかしい舌を使ってキャンディーを舐める仕草って、ちょっとエッチじゃないですか?」

「ぺろぺろキャンディーを舐める幼女を見るだけで、そんな感想を抱くおぬしは相当やばいぞ」

 

 なんか、出会った頃とは別人のようなんじゃが、こやつ。

 

「え、でも、エッチに見えませんか? 未発達な女の子が一生懸命になって硬いものを舐めている所とか」

「瑞姫、さすがにそれは誤解を招くような発言だから、絶対に外で言わないでね? 言うなら、家の中にして」

「あ、すみません。つい……」

 

 つい、でいうことではないような気がするのじゃが……。

 

 まあ、こやつは色々とぶっ飛んでおるしのう……。ある意味、仕方ないと言えば仕方ないとも言えるのじゃが。

 

 ……いや、仕方ないとは言えんな、これ。

 

 ただのヤバいロリコンじゃな。

 

「話は変わるけど、まひろ」

「なんじゃ?」

「あんた、昨日の夜せっせと体操着のズボンに穴を開けていたけど、あれなんなの? しかも、ちょうどお尻の辺りだし」

「ん? ああ、あれか。いやなに、体育に備えてちょっとした準備をな」

 

 この姿では、身体能力が低いからな。

 

 そう思っての準備だったのじゃが……

 

「体育に備えた準備……ハッ! ま、まさか、まひろちゃん……!」

「どうした、瑞姫」

「まさか……部分的な露出癖に目覚めてしまったのですか!?」

「するわけないじゃろ! 何を言っておるのじゃ、おぬしは!」

 

 というか、尻尾穴程度の面積の露出癖ってなんじゃ! ピンポイントすぎるじゃろ!

 

「え、違うんですか!?」

「なんで残念そうにするのじゃ!? おぬし、本当に儂が好きなんじゃよな!?」

「それはもう、大好きですよ? 宇宙一」

「それはでかすぎる」

 

 せめて地球一か銀河一くらいにしてほしいんじゃが。

 

 しかも、こやつの場合本当にそう思っていそうなんじゃよなぁ……。愛が重いのかもしれぬ。

 

 まあ、それも受け止めるつもりではあるが……。

 

「では、なぜ穴を開けたのですか?」

「ほれ、おぬしらにはまだ儂の能力を一つだけ見せていないじゃろ? それが原因じゃよ」

「残り一つって言うと……たしか『獣化』だったかしら?」

「そうそれじゃ。ほれ、儂は『獣化』の能力によって、狼、兎、猫の三種類の動物に変身することができるかの。まあ、正確に言えば一部の外見的特徴が出るのと、身体能力が発揮されるだけなんじゃがな」

 

 あれさえあれば、身体能力のハンデがほぼ潰せる。

 

 まあ、儂自身あの能力だけはいまいち理解しておらんからな。できることなら、今日の体育の授業である程度知っておきたい。

 

「それはつまり……ケモロリということですか!?」

 

 と思ってのことだったのじゃが……どうやら、瑞姫的には別の方面で食い付いたようだ。

 

 まあ、こやつロリコンじゃからのう……。

 

 ケモロリも好物なのじゃろう。

 

「お、おう、そうじゃよ?」

「と、とりあえず狼でお願いしますっ!」

 

 しかも、オーダーとな。

 細かい……。

 

「……とりあえず、抱っこされておるので見えてはおらんが……おぬし、絶対目が怖いぞ? なんか、据わっていそうないそうなイメージじゃ」

「まひろ、実際そういう目してるわよ」

 

 やはりか。

 

 なんかこやつ、その内生霊とかになってそうじゃな。

 

 ……まあ、それだけ愛されておる、ということにしておこうかの。

 

 朝から瑞姫は平常運転どころか、爆走じゃった。

 

 

 学園に到着し、教室に入れば、

 

『百合夫婦だ! 百合夫婦が来たぞ!』

『やっぱ、桜花は抱っこされてんのな』

『クッソ―! 羨ましいぞあいつ! 羽衣梓さんに抱っこされてるとか! しかも、結婚までしやがって!』

『おかげで学園中割と阿鼻叫喚だったらしいからな』

 

 一体何があったと言うんじゃ。

 

 いやまあ、瑞姫は実際学園のアイドルみたいなポジションじゃったし、ある意味反応としては当然と言えば当然なのかもしれぬな。

 

 まあ、だからと言って今は人妻……いや、人旦那? まあ、どっちでもよいか。どのみち、儂と結婚しておるわけじゃからな。

 

 絶対に、やらん。

 

 などと、心の中でそう思っておったら、

 

『まあでも、ガチもんの百合夫婦の誕生で、阿鼻叫喚は一瞬で狂喜乱舞に塗り替わってたけどな!』

 

 結局そっちかい!

 

 どうやら、普通に受け入れたらしい。

 

 儂らの周りには、普通にその辺りに対して寛容な奴が多いのか?

 

 いや、そもそも法律で認められておる以上、寛容もへったくれもないわけじゃが。

 

 なにせ、儂はこれでも元男。

 

 内面的に見れば普通の恋愛にしか見えんからな。

 

 美穂はもともと儂のことが好きだったようじゃし、瑞姫の方も外見は含まれておるとはいえ、中身の方も惚れている(と思う)らしいので、しっかりしておると言えば、しっかりしておるのじゃがな。

 

「おっす、お前たち」

「おはようございます」

「うむ、おはようじゃ」

「おはよ」

「おはようございます」

 

 なんとなく、このメンツ。

 

 まあ、何のかんの言って、健吾と優弥とは長い付き合いじゃからな。

 

 美穂もそうじゃからな。

 

 瑞姫は普通に馴染んだ。

 

「そう言えば健吾よ、最近おぬし、先に一人で行っておるようではないか。なぜ、何も言わないのじゃ?」

「んなもん決まってるだろ? 俺がお前たち夫婦と一緒に登校してみろ。俺、殺されるぜ? 百合に挟まる男絶対許さないマンたちに暗殺されちまうぜ? それでもいいんだったら、俺は一緒に登校するぞ?」

「儂は別に気にしないが……」

「私は嫌」

「わたしもです」

「……理由を訊いてもよいか?」

「「三人だけで登校したいから(ので)」」

「そ、そうか」

 

 きっぱりと言うのう。

 

 なんか、健吾が可哀そうに思えて来たぞ。

 

「ま、そりゃそうだよな。これでもし許可とか出されたら、俺……今日生きてられなかったしな!」

 

 ハハハ! と乾いたような笑いを漏らす健吾。

 

 よく見れば、健吾の後方にいる男たちがとてつもない殺気を放っておった。

 

 こやつら、変なところで仲いいんじゃな。

 

「そう言えば今日は体育がありますが、まひろさんは大丈夫ですか?」

「もちろんじゃよ。しっかり対策はしてきておる」

「それならばよかったです。まひろさんのことですから、変なところでめんどくさがっているのではないか、と思いまして」

「儂を何だと思っておるんじゃ、おぬし」

 

 たまに、儂の友人たちは儂をおかしな奴だと思う時がある。

 

 そこまで否定はせんが、だとしてもおかしくね?

 

 ……結局、日頃の行いということか。

 

「体育楽しみですね」

 

 なぜか、瑞姫が楽しそうにしていた。

 

 ……なんとなーく、こやつの考えはわかるがな!

 

 絶対、

 

『とってもとっても可愛らしいケモロリなまひろちゃんの姿が見れます!』

 

 とか思っておるじゃろ。

 

 まあ、それくらいなら全然構わんか。

 

 体育、ちと面倒じゃなぁ……あと、授業も。

 

 とまあ、そんなこんなで本格的に新学期が始まった。




 どうも、九十九一です。
 二作品同時並行での執筆も、だいぶ慣れてきましたが……それでもちょっとばかりキツイ所もあったり。何がきついって、眠い。あと、一日に実質8000文字以上書くから頭がちょっと痛くなってくる。早いとこ、この生活にも慣れないとね。
 明日も10時だと思いますので、よろしくお願いします。
 では。
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