爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常61 翌日の午後。普通のお茶会

「あー……疲れたのじゃぁ……」

「溶けていますよ、まひろちゃん」

「うぬぅ~~~……だって、疲れたんじゃも~ん……」

「あはは、まあ、昨日のあれも大きいしね」

 

 翌日の昼時。

 昼食を食べた後、各々自由な時間を過ごし、三時になる頃に全員喫茶室に集まっていた。

 

 ちなみに、昨日の今日で結衣姉もこの屋敷に住み始めていたりする。

 学園が終わり、教師たちとの軽い歓迎会的なものをした後、すぐにこっちに引っ越したらしい。冬治殿たちが自主的に主導していたそうじゃ。

 早い。

 

 で、その喫茶室では現在、全員で茶会中。

 儂はと言えば、瑞姫に指摘されたように溶けていた。

 もちろん、比喩じゃが。

 

「まったく、放課後じゃと言うのに、クラスメートの男子ども、変に詰め寄って来おってからに……」

 

 テーブルにあるクッキーをぽいぽいと口に放り込みながら、嫌そうに呟く。

 む、このクッキー美味い。

 抹茶が練り込んであるみたいじゃな。美味美味。

 

「すごかったわよね、あれ。男子の嫉妬っていうのも、めんどくさいわ」

「ほんとじゃよ。男子の場合は、単純に正面からとか、嫉妬の視線やらなんやらが飛んでくるが、女子の場合はねちねちとした陰湿な物じゃからな……どっちも嫌じゃのう」

「あんたはそういう機会なさそうだけどね」

「そうかぁ?」

「……まひろん、人気者だから」

「儂が人気者とか、ないない。たしかに、今の儂は幼女じゃろうが……いつかは成長すると思うぞ? さすがに、この状態で成長が止まる、と言うわけでもなさそうじゃからのう」

 

 本来であれば、この姿で止まるらしいが。

 

 実は昨日の例の能力の件で、少し『TSF症候群』がどのようなものなのか気になり、少しだけ調べた。

 

 その結果、通常であれば、老化するまで変化した姿で止まるらしい。

 もっとも、大抵はかなり若い状態で保たれるらしいがな。

 

 で、儂の場合。

 昨日能力の考察を鑑みるに、時間を進める・戻す、というものである可能性があるわけじゃな。

 となると、儂の場合は少し特殊なのやもしれぬ。

 能力が無意識に発動していて、実は成長している、みたいな。

 

 まあ、それは下旬に調べる事じゃな。

 

「え、まひろちゃん、成長してしまうのですか?」

「さぁ。おぬしらにも昨日少し話したと思うが、ほれ、儂の能力は自分の時間を進める・戻す、というものかもしれぬからのう。いつかは、ロリ状態から、普通の大人状態になるのではないか? 儂自身、それも嫌いではないからの」

 

 成長すると儂、結構胸がでかくなるみたいじゃが……。

 実際、この姿は小学三年生とかそれくらいであるにもかかわらず、普通に揉めるくらいの大きさはあるからな。

 一応、Cカップらしいが……。

 

「……巨乳が羨ましいわー」

「……みほりん、大丈夫。巨乳になると、将来胸が垂れて来るらしい。つまり、小さい私たちは勝ち組……!」

「はっ! そうよね、真白さん!」

 

 ガシッ! と固い握手をする二人。

 

 一体何の話をしておるのじゃろうか。

 

 しかし……言われてみれば確かに、巨乳率高いのう、儂らは。

 今の儂はロリ状態とはいえ、成長すればでかいしな。

 瑞姫は言わずもがな、アリアもアメリカ人の血が強いのかでかいし、結衣姉に至っては、この中で最もでかい。

 

 なんなんじゃろうな。

 

 ……しかしまあ、二人が気にしていると言うのならば、

 

「儂は別に、胸のサイズは気にせんぞ。小さかろうが、大きかろうが、それもそやつの魅力じゃからのう。結局の所、好きな相手にどう思われるかが一番大事なのではないか?」

 

 フォローせねばな。

 旦那じゃからのう。

 もちろん、これは本心じゃがな。

 

「「「「……い、イケメン……!」」」」

 

 結衣姉を除いた旦那四人が感極まったように、そう呟いた。

 なぜに。

 

「わ~、ひろ君本当にジゴロさんね~」

「不名誉なんじゃが、それ」

「うふふ~。でも、ひろ君って昔からそうだったし~」

 

 儂、昔からジゴロなのか……?

 どうなんじゃろう。

 

「あ、そう言えばまひろ君って、女の子のどういうところに対して好きになるの? 外見? それとも、中身?」

「む? そうじゃのう……今言ったように、儂は別段外見など気にせん。自分がその相手が好きかどうかじゃな。もちろん、多少は身なりを整え欲しいと言うのはあるが……一番重要なのは、そやつの性格であって外見ではないからのう。なのでまあ、儂は基本的に性格で選んでおるよ。可愛いに越したことはないが、それでも外見なぞどうでもよい」

 

 そう言っているものの、結果的に儂の旦那は五人はかなりレベルの高い容姿になったわけじゃが……。

 

「……何と言うか、笹西が昔言ってた『まひろはクッソモテるぞ』って言っていた理由がわかったわー」

「なぬ、あやつそんなことを言っておったのか」

「言ってたわよ。……ちなみに、今さっきの発言とセットで訊きたいんだけど、まひろって、女の子のどういうところにドキッとするの?」

「ドキッと、か。ふむ……やはり、笑顔、かのう?」

「「「「「……つ、強い」」」」」

「なんじゃなんじゃ? 普通のことじゃろ。それとも何か? 嘘でも、胸とか尻とか言えばよかったか?」

 

 まあ、そんなもの最近は死ぬほど見ているような気がするがな、生で。

 それ故に、最近は余計、旦那たちの、ふ・つ・う・の! 笑顔で癒されたりする。

 あっちは普通じゃなくて、どっちかと言えば、ドSの方じゃからな……。

 

「いえ、そう言うわけではありませんが……」

「まひろ君って、本当に性格いいよね」

「そうかのう?」

 

 割と適当で怠惰な性格をしていると思うのじゃが……。

 いや待て、この場合の性格がいいの『いい』と言う部分は、あれか? どうでもいい的な……? って、ないな。アリアがそんな腹黒い奴なわけないし。

 ……なんか儂、旦那たちのことなんだかんだで信用しまくりじゃね?

 惚れた弱み……。

 

「……性格が悪い人は、笑顔でドキッとする、何て言わない。もっとも、受けをよくするために、そうやって嘘を吐く人はいるけど」

「まあ、そうじゃな。儂の知っている限りであれば、優弥なんかも儂と似た様な感じじゃな。あやつは交際経験豊富で、その経験から、本心からの笑顔がなによりも魅力的、などと言っておったからな」

「へー、三島君はさすがね。外見だけでなく、中身もイケメンと」

「そうじゃな。しかし、なんでそんな奴が儂や健吾なんかとつるんでおったのか、たまに疑問に思ったりもしたものじゃよ」

 

 何せ、儂と健吾、優弥の三人で話している時に、顔を赤くさせた女子がやってきて、それを見る度に、儂と健吾は、

 

『あ、まーた優弥案件か』

 

 と思ったものじゃ。

 その反応からわかる通り、まあ、告白じゃな。

 もちろん、儂らは優弥に対して嫉妬心など持ったことはないがな。

 

 儂は単純に興味がないからで、健吾は男同士でバカやってる方が性に合っているから、じゃな。

 なのでまあ、そう言った出来事があると、儂と健吾は苦笑いを浮かべながら行ってこい、と手を振ったものじゃ。

 

 で、優弥の方も軽く申し訳ないような笑みを浮かべてその女子と去って行く、と言うのがよくある光景じゃった。

 

 そんなことがよくあるだけに、儂と健吾は疑問に感じた。

 なぜ、あのイケメンは儂らと一緒に行動しているのか、と。

 女子受けはいいし、同性の男子からも別段いじめなどを受けるわけでもなく、バランスよく付き合うため、むしろ頼られることもある奴。

 

 まあ、言ってしまえば、男女両方に受けがいい奴、と言えるのじゃが……そんな奴が、平々凡々な儂と健吾の二人となぜ、よくつるんでいたのか、とな。

 

 一応、理由としては、

 

『うーん、女性と付き合うことに少し、疲れまして……なのでまあ、こうしてまひろさんや健吾さんと過ごしている方が気楽で楽しいんですよ』

 

 とかなんとか。

 

 何か他にもありそうな気はしたが、下手に踏み込むのも悪いし、それに優弥にも色々あるのじゃろう、ということで話が終了したがな。

 

「三島君はたしか、ひろ君と同じクラスの男の子よね~?」

「うむ、そうじゃ。健吾と並んで、一番仲のよい男子じゃな。いい奴じゃ」

「よかったわ~。ひろ君、女の子を無自覚で落としちゃうから、男の子に嫌われていて、同性のお友達が少ないのかな~って思ってのよね~」

「酷くね? 儂、普通に友達おるよ?」

 

 結衣姉、たまにばっさりと儂に言ってくるよな……? しかも、儂の精神に地味にダメージを与えて来るタイプの。

 

「あー、それわかる」

「なんで!?」

 

 何故美穂も共感しておるの!?

 

「まひろちゃん、本当に無自覚に女のことを落とすので、そう言われても仕方ないかと」

「そうだね、あたしもそう思うかな? だって、まひろ君、本当に『女の子に興味ありませんよー』みたいなことを本気で思いながら、あたしに話しかけて来てたしね」

「え、それ関係ある……?」

 

 いやたしかに、アリアとは下心とか関係なく付き合いだしたが……。

 

「……そう言えばまひろん、私と初めて会った時も、初対面なのにご飯奢ってくれた。あれは、神だった」

「それだけで!?」

 

 マジでましろんのいい人認定とか神認定はもう少ししっかりした方がいい気がするのじゃが!

 いくら過去の経験から、人を見る目があると言っても、さすがにまずいじゃろ。

 

「……話を戻すけど、まひろん、昨日の放課後何かあったの?」

「んむ? あー、まあのう……。おぬしも知っての通り、結衣姉が学園で働くことになったのは知っとるじゃろ?」

「……ん、まひろんのクラスの副担になったことも含めて」

「さすが、生徒会長じゃな」

「……ふふん。学園のことは全て把握してる」

「おー、真白さんすごいね!」

 

 すごいどころではないような……。

 見れば、美穂と瑞姫なんて苦笑いを浮かべておるし。

 しかしまあ、得意げに胸を反らすましろんが可愛いので気にせんでもよいか。

 

「……生徒会長だから。……それで、何かあったの?」

「いや、まあ……最初に言ったように、男子からの嫉妬が、な」

「まあ、男子からすれば、あんたの境遇は垂涎物でしょうからね」

「そうなる、のかのう……」

 

 正直めんどくさい。

 

 とまあ、今さっきましろんが言ったように、結衣姉はまさかのまさか、儂のクラスの副担になってしまった。

 

 その光景がこちら。

 

 

「おし、お前らー、ものすごい変なタイミングかもしれないが、わりかし重要な連絡事項があるんで、ちゃんと聞くように」

『『『ういーす』』』

 

 うむ、適当。

 しかし、連絡事項、のう……。

 なんじゃろうか。酷く嫌な予感がする。

 儂が眉をひそめていることをよそに、四方木教諭が話し始める。

 

「えー、お前らも知っての通り、このクラスには副担がいなかったわけだ。本来、このクラスの副担を務めるはずだった大里先生が、『公園で三回転捻りをすれば彼氏ができるって占いでやっていたので、馬鹿正直に占いの通りにしたら本当に彼氏ができて、しかもできちゃった婚してしまい、直前になって寿退職してしまったため』なんだが」

『『『ぶはっ!?』』』

 

 な、なんじゃその理由っ……!? ぐっ、だ、ダメじゃっ……ま、マジで笑いをこらえるの、つ、辛いぃっ……!

 

 周囲を見回してみれば、クラス全員もれなく笑いをこらえていたり、中には笑いをこらえることができず、爆笑したり、噴き出してしまう者がほとんどであった。

 

 よく見れば、瑞姫とアリアも笑いをこらえてるし。

 

 くっ、ひ、卑怯じゃぞ、大里教諭っ……!

 

 退職した後に、最大の笑いの爆弾を落としていくとか……!

 

「で、まあ、そんなわけ……ぶふっ。や、やべぇ、思い出しても笑いがっ……くそぅっ、まさかリアルでそんなぶっ飛んだ退職理由があるとはぁっ……!」

 

 おぬしも笑うんかい!

 いや、たしかに内容が内容なだけに……ぷくくっ……!

 

「ふはははははは! いやだめ! マジ無理! なんなん、公園で三回転捻りをすれば彼氏ができるとか!? どんなエキセントリックな占いだよ!? ハハハハハハハ!」

 

 なんでラスボスみたいな笑い方なんじゃ、こやつ。

 

 で、まあ、しばらく爆笑しまくった四方木教諭含むクラスの生徒が笑い止むのを見計らい、ようやく四方木教諭が話を切り出す。

 

「というわけで、変な時期ではあるが、新しい教師が赴任することになった。と言っても、お前らは今日の俺の授業で連絡したがな。ほら、例の英語教師。そんで、その教師がな、どうしてもこのクラスで教えたいと理事長に言ったわけでな。その結果、理事長がこのクラスに副担がいないことを思い出し、ここの副担にしたわけだ」

『先生! 男っすか、女っすか!』

「女だ」

『『『YEAHHHHHHHHHHHHHHHHH!』』』

 

 うわうるさっ!

 

『たしか、二十一歳だったよな!?』

『若い女性教師とか、マジでラッキーすぎる!』

『やっべ、マジで楽しみ過ぎる』

 

 とまあ、男子ども例によって楽しみにしているんじゃが……女子の反応は違った。

 

『……もしかしてもしかして、やっぱりまひろ君案件なのかな?』

『女性教師で、尚且つここを希望するなんて、そうとしか考えられないよ!』

『うんうん、しかも、おかしな時期だし』

『『『楽しくなってきた!』』』

 

 鋭いのう……。

 儂が散々やらかしたことで、理解するようになってしまったか……。

 

「よし、実質的な勤務は週明けになるが、お前らの副担になるわけだからな、顔合わせを済ませておくということで、すでに教室の外で待機している。……桜小路先生ー、入ってどうぞー」

 

 四方木教諭がそう声をかけると、女性用のスーツを着た結衣姉が入ってきた。

 うん、やっぱりかー……。

 

『『『おおおおぉぉぉぉぉぉ……』』』

 

 むっ、なんか男子どもが結衣姉を見てえらく興奮してる気がするぞ。イラッとするのう……。

 

「みなさん、初めまして~。来週の月曜日からここの副担任及び、英語を教えることになりました、桜小路結衣と申します~。みなさん、これからよろしくお願いしますね~」

 

 パチパチパチパチ! とかなり大きな拍手が教室中から鳴り響く。

 特に、男子がな。

 まあ、変なことにならなければ、問題はない……。

 

 そう思った時じゃった。

 

「あ、ひろ君~、お願いしたらここの教室の副担任になったわ~。これからお家でも学園でもよろしくね~!」

 

 いつものようなほわほわとした笑顔を浮かべながら、儂に手を振り嬉しそうな声音でそう言ってきた。

 

 ビシッ!

 

 クラスが固まった。

 

 結衣姉ぇぇぇぇぇぇぇ!

 今それ言ったらまずい!

 絶対面倒なことになる!

 

「ははははは! いやぁ、このクラスはマジで面白いなー! まあ、お前らも今聞いた通りだ。この人は、例によって鈍感朴念仁睡眠大好き天然女たらし野郎の桜花の旦那らしいんでな。変なことするなよ。というかまあ、教師と生徒の恋愛とか、世間的に見てご法度だが、この二人の場合なんか結婚したらしいし、両家公認らしいからOKだけどな! 先生方も面白がってたしな、桜花の身に起きていること全部」

 

 なにしとんの!?

 というか、え、何? 教師連中、儂の境遇を見て楽しんでんの!?

 あと、教師と生徒の恋愛を面白がっちゃってるの!?

 マジでなんなんじゃ、この学園の教師は!

 

 あと、儂に不名誉な称号が付いとらんか!?

 

「ってなわけで、俺は桜花についての賭けの約束が先生方とあるんで、HRは終わりなー。あ、桜小路先生はなんか歓迎会があるらしいんで、来てくれだそうですよ、もちろん、強制じゃないんで」

 

 おいちょっと待て。今賭けとか言ってなかったか!?

 

「あ、そうなんですね~。せっかくですので、行ってみますね~」

「ほいきた。んじゃ、俺の方か伝えておきますよ。よーし、俺はいくら賭けるかなー」

 

 うわ、マジで賭けやってるのか!?

 教師が賭け事とかダメじゃろ! しかも、生徒に関することで!

 

「おいちょっと待て、四方木教諭! 賭けとは――」

 

 なんじゃ、と言い切る前に、四方木教諭は行ってしまった。

 そして、

 

『桜花ァ、テメェ、何一人だけ勝ち組人生してんだよ!』

「ちょっ、なんじゃおぬしら!? こわっ! 顔こわっ! ってか、マジでなんでおぬしらそんなに怖い表情でにじり寄ってくるの!? なんか、すっごい怖いんじゃけど!」

 

 あと、絵面的にアウトじゃね?

 だってこれ、怖い顔をした男たちが、一人の幼女ににじり寄ってル状況じゃぞ?

 一発で逮捕もんじゃろ。

 

『うるせぇ! なんだお前!? 音田のようなツンデレ系美少女に、羽衣梓さんのような美少女お嬢様とか、ハーフで活発系美少女時乃さんに、クール系ロリっ娘生徒会長の氷鷹先輩、そして、美人教師の桜小路先生と結婚だぁあ!? なんだその幸運! 俺らにもその幸運をわけろよこの野郎!』

『そうだぞてめぇ! 美幼女になっただけは飽き足らず、美女・美少女五人と結婚だと!? マジでお前、ふざけんなよ!?』

「ふざけとらん! というかじゃな、儂だって日常生活で苦労しておるのじゃ! いいことばかりではない!」

『『『うるせぇ、嫌味かこの野郎!』』』

 

 あぁ、ダメだこれは、一向に話が通じぬ。

 

「み、瑞姫、助けて!」

 

 正直、誰でもよいから助けて欲しい!

 めんどくさすぎる!

 

「えー? でもぉ、まひろちゃん、昨日は逃げましたしー。それに、わたしから逃げたのが発端ですしー」

「悪かった! 昨日のことは本当に謝るから許して!」

「謝るだけですかー?」

 

 くっ、こやつ調子に乗っておるな……!?

 し、しかし、このままでは一向に帰れそうにもないし……!

 

「わ、わかったから! 何でも言うことを一つ聞くから助けて!」

「はーい、言質取りましたー!」

 

 くぅぅっ……儂に純粋な味方はいないのか……。

 

「えーっとですね、みなさん」

 

 にこにこといつもよりも遥かに眩しい笑みを浮かべて、瑞姫が男子たちに近づく。

 

 そして、

 

「まひろちゃんは、すでに大人の階段を昇りました」

「ちょっ――!」

「そして、それはもう……毎日毎日、素晴らしいお姿で……」

『『『ギャアアアアアアアアアアッッッ!』』』

「なんか効果ある!?」

 

 やばい断末魔を上げながら、男子たちがバタバタと倒れていく。

 しかも、ビクンビクンと痙攣しとるし。

 うわぁ……。

 

「ちなみに、夜の生活はとても充実していますよ。まひろちゃんなんて、特に可愛らしくて――」

『『『ぐはぁぁぁぁ!!』』』

 

 バタリ。

 あ、死んだ。

 

「……う、うぅっ……儂、すごく恥ずかしいのじゃぁ……」

 

 こんなことなら、自力でどうにかすればよかった……。

 

 

「みたいなことがあった」

 

 で、まあ……その夜は大変だった、と言うわけじゃな。

 

「……ふむ、まひろん、さすが」

 

 どこがさすがなのじゃろうか。

 

「あ、話が大きく変わるんだけど……あたし一つ気になることがあるんだー」

「なんじゃ?」

「えーっと、みんなのまひろ君との馴れ初め」

「「「「あ~、たしかに」」」」

「え、そんなに気になるか?」

「私は気になるわ。そう言えば、他の人の馴れ初めとか全然知らないし」

「そうですね。わたしも、どういう感じなのかは気になります」

「……まひろんがどんな手段で落としたか、興味深い」

「私も~。それに、私はみんなのことをあまり知らないから、余計かしら~?」

 

 なるほど……全員気になる、と。

 

「じゃあじゃあ、お茶会の話のタネとして一人ずつ話そ!」

「「「「賛成!」」」」

「……まあ、別に構わんよ。面白くないと思うが」

 

 とまあ、そう言うことになった。




 どうも、九十九一です。
 見ての通り、ちょっとした回想編をします。まあ、ヒロインたちの馴れ初め、何一つ書いてませんでしたからね。アリアだけは書きましたが。とは言え、その状況自体の描写はモノローグだけだったんで、ちゃんと当時の視点で書くつもりです。各キャラ一話ずつか、もしくは前後編にわけてのものになると思います。まあ、うん。期待しないでくださいね。
 それから、もう少しで18禁版が投稿出来そうです。ようやく終盤に入ったので……まあ、それが原因で謎のダメージが私の精神に及んでいますが……。
 次の投稿は不明ですがまあ、早めに出します。時間もいつも通りです、よろしくお願いします。
 では。
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