爺口調な男子高校生が、のじゃろりになってTSライフを送るだけの日常   作:九十九一

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日常90 騎馬戦。旦那共バーサーク

 仮装リレー終了後、儂は例によって美穂たちの所へ戻ってきておった。

 

『さてさて! 次で部活動・委員会対抗リレーを除けば、最後の種目となります! 種目は騎馬戦! 男女入り乱れた協議となります! ですので、男子が女子を狙おうが、女子が男子を狙おうが関係ありません! 闘争本能赴くままにしてくださって結構! では早速始めたいと思います……が! まだ校庭の石取りが終わっておりません! それと、選手もまだ誰一人おりませんので、しばしお待ちを!』

「どうやら、次で最後らしいのう」

 

 相変わらず放送は自由ではあるが。

 

 しかし、次で最後かぁ、名残惜しくはあるのう。

 

「だね! でも騎馬戦かぁ……あたし、初めて」

「儂は小学生の頃にやったのう」

「私も小学生の時かな?」

「わたしは……初めてですね。実際に見たこともないです」

「……みーちゃんはお金持ちだからね」

「それもありますけど、なんと言いますか……泥臭い、と言えばいいのでしょうか。そういった種目自体が中学生までいた学校にはなかったのです」

 

 瑞姫のその発言に、儂らは少し納得する。

 

「そう言えば、瑞姫ちゃんは中学校ってどこに通ってたの?」

 

 と、儂らも気になっておったことを、アリアが瑞姫に尋ねて、儂らも瑞姫に視線を向ける。

 

「えーと、隣町の、『百合の花女学院』という学校ですね」

「そこ、有名な学校じゃなかった? たしか、金持ちの女子生徒しか入らないって言う……」

「……所謂お金持ち学校と言う学校。でも、幼等部から大学部まで一貫だったはず……みーちゃん、どうしてここに?」

「もともとは、最後までいる予定ではあったのですが、まあ、私的な理由で転校を……」

 

(あぁ、ロリコンだからか)

(ロリコンだからね)

(ロリコンさんだからだね!)

(……ロリコンが原因)

 

「あ、あれ? 皆さん、どうして生暖かい目を向けるのですか……?」

「いや、なに。犯罪を起こす前で良かったな……」

「どういう意味ですか!?」

「どういう意味と言われても……」

 

 おぬしが、初等部の子供に手を出す前で良かったなぁ、と。

 

 まぁ、本当に理由かどうかは定かではないが。

 

「ちなみに、私もそこの卒業生よ~」

「ほうそうなのか……って、結衣姉? いつの間に?」

「『どうやら次で最後らしいのう』の辺り~?」

「最初からではないか!」

「そのまま声をかければよかったのに」

「うふふ~、ついね~」

 

 ぽわぽわ~っとした笑みを浮かべる結衣姉。

 

 相変わらず可愛らしい笑みじゃよなぁ。

 

 一応、結衣姉が可愛い系と言うより、美人系なんじゃがな。

 

「ところで、みんなは騎馬戦に出るのよね~?」

「うむ。ましろんは学園が上なので別々じゃが、儂らは同じ騎馬じゃよ」

「……本来なら敵だけど、まひろんたちの予算確保のため、裏切るつもり」

「あはは、真白さんすごくあくどい顔してるよ?」

「……ふふ」

「これは、真白さんのクラスの人が気の毒だわー」

「同感じゃ」

 

 ましろんって、運動神経抜群じゃからエース的ポジションなんじゃが、私的な理由で裏切られるとか、マジで気の毒すぎじゃろ。

 

「そう言えばまひろ」

「む、なんじゃ?」

「あんたってついさっき『獣化』を使っちゃったじゃない? ってことは素の身体能力でやらなきゃいけないってことよね?」

「あー、まぁ、そうなるのう……」

 

 正直、猫モードならば割と楽勝だとは思うんじゃが……ついさっき、仮装リレーで使ってしまったからのう……。

 

 ある意味不利ではあるじゃろうが……。

 

「まぁ、儂には秘策があるのでな」

 

 ニヤリとした笑みを浮かべながら、儂は秘策があると美穂たちに告げる。

 

「秘策?」

「そのようなものがあるのですか?」

「教えて教えて!」

「ふふふ、それは本番のお楽しみじゃよ」

 

 こういうのは、やはり本番でやってこそ! ではあるからのう。

 

 さて、騎馬戦、どうなることやら。

 

 

『大変長らくお待たせいたしました! ようやく、石取りと選手の準備が終わりましたので、騎馬戦を始めたいと思います!』

『『『Yeahhhhhhhhhhhhhhhッッッ!!!』』』

 

 放送委員の言葉に、観客生徒問わず熱狂的な声が響き渡る。

 

 うおぅ、去年はほぼ寝ておったが、騎馬戦の時はかなり盛り上がるのじゃな……。

 

『さぁさぁ、まずは騎馬戦のルール説明と参ります! 各騎馬の上に乗っている方々は、頭に鉢巻きを着け、両手首にリボンを着けているかと思います。それが各騎馬のライフとなっており、鉢巻きは三ポイント、リボンは一ポイントずつとなっており、全てを喪った時点で脱落となります。終了条件は、一組以外の騎馬が脱落するか、もしくは制限時間を迎えるかの二つとなります』

 

 なるほど、それでリボンなのか。

 

 しかし、鉢巻きとは……まさか、今日一日使ったこれか? なんか、色々と心配なんじゃが……主に、変態的な意味で。

 

 男女関係なく、そういうフェチの者は狂喜乱舞しそうじゃなぁ……。

 

『そして、水無月学園の騎馬戦では、男女混合で行われます。ですので、当然男女間での体格差という物がありますが……正直、ハンデなどはありません!』

 

 ハンデが無いと言うセリフに、会場内でブーイングが発生する。

 

 いやまぁ、わからんでもない。

 

 今でこそ儂は痛感しておるが、男の体と女の体では筋力などが根本的に違う。

 

 もちろん、女子でも力が強い者がいるのも事実ではあるが、大体は男の方が強い。

 

 儂も、男から女に変わった影響を強く感じることがあるからのう……。

 

『はいはーい、ブーイングはしないでくださいねー。と言うかですよ? むしろ、ある意味男子生徒の皆様にはハンデがあると思うんです』

 

 む、ハンデとな?

 

 何かあったかのう……。

 

『そもそも、種目は騎馬戦。つまり、合法的に体に触れるような事態になるわけですが……ハッキリ言って、そんな度胸、男子の皆さんにあります?』

『『『……』』』

 

 その瞬間、大多数の男子の表情が暗いものへと変化した。

 

 ひ、火の玉ストレートすぎる……!

 

 いや、しかし、たしかにそれはハンデじゃな……。

 

 こう言ってはなんじゃが、女慣れしておらん者は、相手に不快な思いをさせまいか、嫌われまいか、そもそも触れるとか後が怖い! とか思う物じゃ。

 

 特に、今回は騎馬戦。

 

 鉢巻きとリボンを取るわけじゃが……これ、下手をすれば胸を触ってしまう可能性、あるよな?

 

 瑞姫やアリアほどではなくとも、高校生にしては発育の良い者もおるし……あ、なるほど。確かにこれは、男子側はかなりキツイハンデを背負っとるな……。

 

 儂は……うむ、まぁ、むしろ女子側から触れようとしてくるんで、慣れた。

 

 触られるのと触るのとでは全然違うとは思っておったが、回数を重ねれば重ねるほどどちらも大して変わらんと言うことに気付いてからは、あまりそう言う事に躊躇しなくなった。

 

 もちろん、セクハラは絶対にせんが。

 

 触るとは言っても、腕とか背中くらいじゃからのう。

 

『というわけですので、男子の皆様はある意味戦々恐々とするかもしれませんが、ご安心ください。そもそも、騎馬戦に参加するような女子生徒の皆さんがそこを考慮していないはずがありませんので』

 

 たしかに。

 

 なんとなしに周囲を見回してみるが、女子の方もなんだかこう、肉食獣の如き目つきをしておるし……もしかすると、目当ての者がおるのやもしれぬ。

 

 むしろ、女子側に嬉々として触ろうとしておる者がいるような……儂、一応心は男子じゃから、そう言った者共を先に狩った方が良いかもしれんのう。

 

 実際、異性に触られることは、そういう趣味じゃない限り、下手すりゃ恐怖になりかねんこともある。

 

 特に、儂の旦那共とかな。

 

 軽く触る程度なら良いが、それが行き過ぎると……うぅっ、い、忌々しい思い出が……忘れよう、うむ。

 

『さぁさぁ! そろそろ始めましょう! ルールは以上! 皆様、いつでも狩りができるように準備してください! ……はい、できてますね? では……騎馬戦開始です!』

 

 放送委員の開始の合図と共に一斉に騎馬が動き出す。

 

「よし、儂らも行くぞ! ……と言うか、おぬしら、大丈夫か? 重くないか?」

「はっ、幼児体型一人乗せる程度じゃ重くないわよ」

「そうですね。三人で持っていますし、軽いですよ?」

「大丈夫!」

「ならばよいか」

 

 正直、心配ではあったが……今の儂、一応子供の体じゃから、軽いか。

 

 ならば、女子三人でも問題あるまい。

 

 何気に、この三名は運動神経も良いからのう。

 

 ……儂だけなんじゃよなぁ、運動神経が低いのは。

 

 うぅむ、疎外感。

 

「それで? どこから狙いに行く?」

「うむ、とりあえず、うちのクラスの者と、ましろんの騎馬以外じゃな。差し当たって……ふむ、あそこで女子の鉢巻き及びリボンを奪取しようとしておる騎馬でええじゃろ」

「了解。瑞姫、アリス、行くわよ」

「「はい!」」

 

 美穂の合図で、美穂たちが動き出す。

 

 家族だからと言えばよいのか、旦那同士だからと言えばよいのか、思いの外速度が出ている割にはかなりバランスが良い。

 

 軽く練習はしたが、案外どうにかなるもんじゃのう。

 

『あ、ちょっ、バランスがっ……!』

『よっしゃ! 鉢巻きとリボン頂きぃ!』

「では、おぬしの鉢巻きとリボンは儂が貰って行くぞ」

『なに!? うわぁ!?』

 

 バランスを崩し、騎馬が崩れそうになっておった女子生徒の鉢巻きとリボンを取ろうとしておった男子生徒の鉢巻きとリボンを奪い取る。

 

「ほい、おぬしらは脱落じゃな」

『くっそー! 不意打ちくらったー!』

 

 男子生徒は悔しそうにしながらも、騎馬を崩してフィールドから出て行った。

 

 とりあえず、これで五ポイントじゃな。

 

『あの、ありがとうございました』

「ん? あぁ、いや、気にするでない。美穂、次行くぞ」

「はいはい」

 

 よーし次じゃ次ぃ!

 

「……む?」

 

 次の獲物を求めて襲いかかる別の騎馬を返り討ちにしておると、ふと気になる騎馬を見つける。

 

「目、目が怖いんですが!?」

『三島君の鉢巻きは私の者よ!』

『いいえ、私の!』

『じゃあ、私はリボンを……』

『『抜け駆け禁止!』』

 

 う、うううぅぅぅぅぅん……!

 

 そう言えば、優弥も騎馬戦に参加しておったのう……。

 

 あやつ、普通にイケメンじゃから女子にモテる故、たまーにえらいことになるんじゃが……ふぅむ、どうやらそのえらいことが起こってしまったようじゃが。

 

 見た感じ、優弥の周囲には三つの騎馬があり、それぞれが優弥の鉢巻きやリボン……というより、優弥自身を狙っておるようじゃ。

 

 肉食獣も真っ青な目つきに表情でちと恐怖を感じるレベルじゃ。

 

 まぁ、仕方あるまい。

 

「美穂、瑞姫、アリア。優弥を助けるぞ」

 

 儂はさすがに可哀そうな優弥を見かねて、三人に助け出すと告げる。

 

「了解。私としても、さすがにあれは可哀そうだわ」

「同じくです」

「うんうん。優弥君って、まひろ君のお友達だもんね! いいよいいよー!」

「助かる。では、行くぞ!」

 

 あまりにも可哀そうだったんじゃろうな、三人も気の毒そうな顔をしておった。

 

 優弥、おぬし……。

 

「おい優弥! マジで怖いんだが!?」

『三島てめぇ、ほんっとにモテモテだよな! 死ね!』

『ケッ』

「この状況を見て羨ましいと思えるとすれば、それはただのMです!」

「それは同感じゃな」

「え? あ、まひろさん!」

 

 会話に交じると、優弥がものすごい勢いで儂の方に視線を向け、砂漠でオアシスを見つけた旅人の如き安堵した表情を浮かべた。

 

 おぬし、そこまでかい……。

 

「まひろか? なんだお前、助けに来てくれたのか!?」

 

 健吾の方も声に嬉しさが混じっておった。

 

 まぁ、優弥と一緒にいるということは、そういうことじゃからのう……。

 

「うむ、まぁ、なんじゃ。優弥は親友じゃからのう。その親友が困っておるのであれば、儂は助けるぞ」

 

 儂がそう言えば、優弥の表情がなぜか泣きそうになる。

 

 いやなぜ。

 

 そして、肝心の女子生徒たちの方はと言えば、新しい敵が来たと思ったのか、キッと鋭い視線でこちらをねめつけて来る。

 

『あたしたちの狩りの邪魔を――って、あぁ! あなたは、優弥君とのカップリング第一候補の桜花まひろさん!?』

「ちょい待て!? 何故儂が優弥とのカップリングが組まれとんの!?」

 

 すんごい聞き捨てならんセリフがあったんじゃが!?

 

『まひろ×優弥は鉄板だったから!』

『は? あんたバカじゃないの? 優弥×まひろが鉄板でしょうが!』

『それこそ無知蒙昧! 優弥君は、優弥×健吾でしょう!?』

『くっ、相容れぬ愚か者共め! こうなったら、勝負よ!』

『いい度胸ねェ! 勝ったら私のグループに所属してもらうから!』

『それはこっちのセリフでもあるわ!』

「「「……死にたい」」」

 

 本人たちを前にしてとんでもないことを言う女子共に、儂、健吾、優弥は顔を覆って本心の言葉がぽろりと零れた。

 

「な、なんと言うか……ドンマイ、まひろ、笹西、三島君」

「……まひろちゃん、そういう目で見られていたのですね」

「んーと?」

 

 美穂は同情し、瑞姫はやたら慈愛に満ちた目を向け、アリアはよくわかっていない様子じゃった。

 

 そして、儂らをよそに女子生徒たちが争いだした。

 

 主に、カップリングの方向性が異なったから、と言う理由で。

 

「のう、優弥、健吾。儂ら、題材にされておったんじゃなぁっ……」

「です、ね。……僕としましても、知りたくなかったと言いますか……」

「それは俺もだぜ……ナマモノはダメだろ……」

「…………お互い、忘れよう。儂、心の底から女になってよかったと思ったわい……」

「「あー……それはそう」」

 

 競技中だと言うのに、なぜか謎の意気投合をする儂らであった。

 

 

 結局、疲弊したところを儂らが闇討ちをするという形で、腐女子たちは倒した。

 

 なんと言うか、ほんとに酷い……。

 

「……さて、結構ポイントを奪えたが……今残っておる者共は強そうな者たちばかりじゃのう……」

「そうね。まあでも、疲弊度合いで言えば、私たちの方が薄いけど」

「まひろちゃん、軽いですから」

「あたしたちのアドバンテージだよね!」

「そうじゃなぁ」

 

 事実、騎馬戦においては、上に乗る者が軽ければ軽いほど良いからのう。

 

「……まひろん」

「おぉ、ましろん。そっちはどうじゃ?」

「……ん、問題なし。余裕余裕」

「はは、そうか。……しかしおぬし、随分とまぁ鉢巻きにリボンを持っておるのう……」

「……当然。まひろんを勝たせるため」

「おぬしそれ、下の者たちに聞かせて良いのか?」

「……問題なし。みんな、私の事情を知ってる。だからモーマンタイ」

「そ、そうか。……あー、すまんのう、うちの旦那が……」

 

 ましろんの言葉に苦笑いをしている先輩方にましろんに変わって謝っておく。

 

『あー、いやいや、気にしないで良いって。私たちも好きでやってることだし』

『うんうん、氷鷹さんが頼みごとをするなんて初めてだったからちょっと嬉しかったくらいだよ!』

『だから、気にしないでいいよ?』

「そ、そうですか……ありがとうございます」

 

 ましろん、随分とこう恵まれておるんじゃなぁ……。

 

「……ま、まひろが敬語」

「すごく違和感がありますね」

「似合わないね!」

「おぬしら、ちと黙っておれ」

 

 いや、儂も敬語に合わないなぁ、とか思ったけども! じゃが、それを別の者に言われるのはなんか癪。

 

「……でも、そろそろ疲れてきてはいるから、きついかも」

「あー、まぁ、あんだけ派手に動き回ればのう……」

 

 見れば、騎馬をしておる先輩方も肩で息をするほどに疲れておるようじゃし……。

 

 ……仕方あるまい、ここで奥の手でも使うか。

 

「よし、じゃあ儂の秘策を使うか」

「あ、そう言えば言ってたわね? で、秘策ってのはどういうの?」

「いやまぁ、正直ちと恥ずかしいが……まあ、仕方あるまい。次の学園祭のためじゃ。よし、おぬしら、一度しか言わぬ故、聞き逃すでないぞ」

「あ、じゃあ録音するので少し待ってください」

 

 何かを察したらしい瑞姫が、ポケットからボイスレコーダーを取り出した。

 

「おぬしはさも当然のようにボイスレコーダーを出すでない」

 

 なんか怖いわ!

 

 つーか、なんで本当にボイスレコーダーを持ちあるいとんの!? そんなもん、日常生活において使う場面とかないじゃろ!

 

 くっ、さすがと言うべきなのか本当に困るのう……!

 

「はい、準備できました!」

「そ、そうか。そ、それじゃあまあ……あー、あー……んんっ!」

 

 儂は喉の状態を確認し、バクバクと鳴る心臓を気にしないように努め、大きく息を吸う。

 

 そして、

 

「――旦那様、頑張って♥」

 

 それはもう媚びっ媚びの甘えた声による、声援を旦那共に送った。

 

 結果。

 

「「「「――よっしゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」」」」

 

 なんか、『え、キャラ違くない?』みたいな咆哮を放つ旦那共と、

 

『『『え、可愛よ!?』』』

 

 目がハート? になるくらいの反応をする先輩方がいた。

 

「……くっ、自分ってやっておいてなんじゃが、マジで恥ずかしいっ!」

 

 そして、儂は恥ずかしがった。

 

 一応、秘策として考えてきた物じゃが、なんと言うか……うむ、まぁ、すんごい恥ずかしかった。

 

 やはり、公衆の面前でやることじゃないのう……。

 

「行くわよ瑞姫! アリス!」

「はい! これはもう勝ち確という物ですね!」

「えへへぇ! まひろ君、鉢巻きとリボン、任せたよー!」

「……敵は排除! みんな、お願い!」

『あ、うん! あれはやる気出るね!』

『わかるわかる! じゃ、私たちも全力で行くよー!』

『オフコース!』

 

 あ、やべ、なんかましろんの騎馬の方のやる気も出してしまったわい。

 

 ……いや、それは良いのか?

 

 んー、まぁ、良いのか。

 

「よーし、では行くぞー!」

「「「「おー!」」」」

 

 なんか、ものすごいやる気が出た。

 

 

 さて、結論から言ってしまおうか。

 

『おーっと! 二年三組の桜花まひろさんたちの騎馬と、三年一組の氷鷹真白さんたちの騎馬が快進撃を見せております! 先ほどの桜花まひろさんのとても可愛らしい発言が端を発したとでもいうのでしょうか! 元々動きの良かった二つの騎馬ですが、それはもうものすごいことになっております!』

 

 あー、儂らはそれはもう快進撃をしておった。

 

 儂のあの発言により、リミッターでも外れたのか、先ほど以上の力を発揮し、ひたすら他の騎馬を狩り続けておった。

 

 しかも、儂らとましろんらの騎馬とはほぼ組んでおるためか、ましろんたちは基本的にリボンを奪い、儂らのために鉢巻きを残す、ということをし、儂らもありがたく鉢巻きを奪っておった。

 

 いやもう、これチーム戦じゃろ、ほぼ。

 

 ただ……。

 

「ヒャッハー! 鉢巻きをよこしなさい鉢巻きをー!」

「逆らう物は皆殺しです!」

「あ、次はあっちだよー!」

「……次の目標はあれ。奪うよ」

『『『了解!』』』

 

 なんか、ここだけ世紀末な気がするが……。

 

 儂がやっておいてなんじゃが、マジで効果覿面じゃなぁ……。

 

 むしろ、効き過ぎて怖いくらいじゃな、これ。

 

 味方なのに、まるで敵のように感じながらも、儂は心を無にしながらひたすら鉢巻きを狩りまくり……。

 

『しゅーーーーーりょーーーーーーー! はいそこまでですよー! 制限時間を迎えたため、騎馬戦は終了となります! さてさて、いくつの騎馬が残ったでしょうか! ……あ、ハイ、二つですね! 二年三組、桜花まひろさんたちの騎馬と、三年一組氷鷹真白さんたちの騎馬ですね! 両騎馬共に、ものすごいキルスコアを稼いでおりましたが……正直怖かったくらいです! いやぁ、凄まじかったですね! ではでは、騎馬戦は終了となりますので、全員撤収しちゃってくださーい! この後、部活動・委員会対抗リレーがありますので、もう少々お待ちください!』

 

 騎馬戦は終了となった。

 

 なんかもう、色々な意味で疲れたわい……。




 どうも、九十九一です。
 次の回で体育祭の話は終える予定です。部活動・委員会対抗リレーは書くつもりはないですね。さすがに、四種目もやったまひろが可哀そうなので。
 体育祭の話が終われば、多分日常の話に戻るかなぁと思います。
 次回は……まぁ、早めに出すつもりではいますが、期待しない程度にお待ちください。
 では。
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