「冥界の危機だし……」
「君達に、とって、は、ね。滅び、は、何れ、は、来る。僕に、とって、は、当然、の、光景」
——流星雨、テオフィル……自分も、滅び、と、随分と、縁が、ある様だ、嬉しく、無いけど。
冥界が滅ぼうと構わない。こと、『この世界で起きる現象』、ならばその世界の者達が立ち向かうべきである。レーキュは定住するつもりは無い。いつの日か去る日が来る。それ以前に研究は何処でも出来るから冥界に拘る理由も無い。故にサーゼクスの必死さは伝わらない。何故なら、『他人事』でしか無いからだ。
「思えば、君達、のやり方。杜撰、の一言。それで、良く、社会が、保った、と感心、する。個人、個人の、力が、社会に、食い込んだ、が、故の、均衡。薄氷、の如し」
レーキュは悪魔社会の現況を反芻してそう言葉を並べる。個人の力、しかもやがて消え得る概念に左右される社会。それが前提として保つのも悪魔の寿命が10,000年と言う途方もない時間であるが所以。
「そも、はぐれ悪魔、の、多さ、理由を、理解して、いるか? 国、も、組織、社会。反する、理念、も、存在、するは、必然。が、その、多さ、は、組織体制、に、問題、ある、と言う、自覚は、如何に?」
「い、今はその事に関して」
そして、レーキュは現行悪魔政府の政治の対応の杜撰さを指摘する。研究は何も悪魔の身体だけでは無い。調べられる事は片っ端から調べる。調べないと気が済まない知識欲の権化であるからだ。貪欲な迄の叡智への渇望、己で喰らい尽くす暴食の様に。
サーゼクスは今、その話をしている場合では無いと腰を折ろうとするもレーキュは今度はガン無視して続ける。
「離反者、多い、のは、悪魔社会、いや、貴族か、その対応、の、杜撰さ。その、やり方、は、人間社会、で、言う、搾取、工場、或いは、ブラック、企業。嫌なら、辞める。それが、当たり前。報酬も、対価も、見合わない。その、癖に、時間拘束、が、長過ぎる、私事、に、侵食、する、公私、混同。生命、対価も、見合わない、保険も、保障も、無い。他に、児童労働、身体的虐待。辞めて、逃げて、当たり前。それも、認めない、縛り付け、逃げた、なら、用済み、殺す、姿勢。
生きるも、逃げる、も地獄。故に、死が救い、になる。『悪魔の駒』、だっけ? 死者も、蘇生、させる、代物。悪い、意味で、作用する、コンプ、ライアン、ス、に欠ける。『王』の、強大な、権限、拒否権、無しの、状況、に、追い、込んで、の、隷属、契約。意識問題、の、欠如、周辺環境、や地元へ、の環境・経済、面への、配慮も、見受け、られない。他に、も、家族に、干渉し、王の都合、に、合わせ、させる。接待、洗脳、他にも、資金の、横領。やりがい、搾取。精神論、義務、使命、で動くの、は愚者、しかい、ない。それで、も、動くなら、狂った、者、だ」
——ごく、一部を、除いて、誘拐、拉致、での、破棄不可、の、契約。何処の、悪の、組織、か。奴隷と、変わらない。
悪魔社会の『悪魔の駒』や悪魔社会の取り巻く環境を『搾取工場』、『ブラック企業』と見て怒涛の勢いで次々と問題点を叩き付けるレーキュ。
「いや、それは……」
「アジュカ、アレは、無能。無能、でしか、無い。いや、粗大ゴミ。悪用、前提の、使い方……自滅、が、オチ。改善する、姿勢、が、無い、お前達、は、無能、でしか、無い。上層部、が、無能、だと、管理が、行き、届か、ない。故に、横行、する。悪魔、だから? 人間、臭過ぎる、お前ら、屑人間、より、悪質。ただの、無能な王」
レーキュに無能だと切り捨てられたサーゼクス。レーキュから見てサーゼクスは『王』としての価値を見出せない。それは他の『悪魔の駒』の王としての者達も同様であった。
「……」
「否定、したい、なら、実績、を、見せれば、良い」
文句があるなら収束させて見せろ。レーキュはそう告げたのだ。
「……神奈川、コロニーの、市長や、あの、世界の、日本の、内閣、の方が、かなり、マシ、だ」
——前者は、ジャック達、に、コロニー、諸共、潰され、たけど(3割は、自分も、だけど)。
その時、遠くで轟音が響いてくるのが聞こえた。レーキュの暴言の羅列に感けている間に熱波が迫ってきている。首都郊外も相応に都市部が広がっている。報告から建物が倒壊被害も寄せられている。
「……ッ⁉︎ 時間が……‼︎」
「此処、まで、言われる、程の、酷い様、だと、自覚、しろ。お前達、の、環境、は、知った、事じゃない」
レーキュはそう言いながら、今度は脳髄を喰らう。まだ滑りがあるが、其処もまた研究理由に該当する。そんなレーキュを見てサーゼクスは流石に憤りを隠せなくなって来た。だが、レーキュを動かす理由は既に提示されていた。動かす『理由』が分かれば動かせる。サーゼクスは漸く気付いた。レーキュはドライな性格でビジネスライクな対応が望ましい。既存の『悪魔の駒』での関係では無い、その様な対応は通じない相手。
「……対価、か。何が欲しいんだい?」
「逆に、聞く。その
レーキュは悪魔の死骸の肉を喰らうのを止めて、蒼い双眸でサーゼクスを射抜く様に見据える。『擬似太陽』の対処、その対価は如何程かと問い掛ける。大地が震動している、悩んでいる余裕は無い。かと言ってレーキュにとって無価値なモノを提示すれば、その程度かと思われかねない。
そして、レーキュはこの事態を収束出来ると認識している様だ。
「……君が欲しいモノが分からないし、君にとって何が価値があるのかも見当が付かないな」
「なら、
「ッ‼︎」
サーゼクスにとって大事なモノ。それは、息子か、或いは妻か。レーキュの判断によって変わる。
「……嫌なら、構わない。犠牲、無くして、何も、得られ、ない。そも、避難、して、いるなら、それで、構わない、筈だ」
正しく悪魔の取引。皆を救う為には犠牲にしなければならないと言う現実。サーゼクスの目の前に居るのは、幼女の皮を被った悪魔、と言う他に無い。
「…………」
——……王と、しては、未熟。非情、に、なれない。そも、僕に、依頼、する事、事態。間違い、だ。
結局の所、サーゼクスはレーキュの取引に失敗。アジュカとセラフォルーからも『これ以上は危険』と言う報せを受けたサーゼクスは、全員に避難を勧告し、自らも冥府へと避難した。貴族達は兎も角、流石に平民階級の悪魔や転生悪魔にまで行き届かずに多数の犠牲を支払う事となった。
狐花の『劫魃』により犠牲は悪魔社会の3割に登りその大半が平民である下級悪魔、辺境に潜伏していたはぐれ悪魔であった。その内、転生悪魔は15,000人程であったと言う(レーキュ調べ)。
『……悪夢は、終われど、新たな、悪夢の、始まりに、過ぎない。君達、『死の王』は、異なる、世界で、もう、何度も、聞いた筈だ……』
没案
レーキュが『劫魃』に渋々対応
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排除した後、姫舞と遭遇。『僕に先祖が居たら、君みたいな人』とコメントする。