雷ガ咲く花園デ   作:夢現図書館

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断罪の日

 

 

 

 初日から色々と大変な状況ではあるが、今日も学園生活と言う日常は並行して続く。教室に入り授業が始まろうとした時にちょっとした異変が起きた。

 

「紫先生は本日は所用で、教鞭を取れません。ですので、本日は臨時で教鞭を取る事となりました明日風と申します」

 

 狐花の在籍するクラスは紫 霧迦と言う男性教師が担任を務めている。しかし、本日は所用で教鞭を取れないと言う事で代役として明日風 凛と言う同じ時期に赴任して来た女性教師が充てがわれた。

 

『何つーか、小ちゃいな……狐花と同じ位の身長やで?』

 

 が、その肝心の明日風先生は小学生レベルの身長しか無かった。其処にスーツ姿である為に、場違い感が凄まじい事となっていた。

 

「…………」

 

 そんな雰囲気の中、授業が進む。そんなある時に、何かが倒れる音が聞こえた。何事かと思えば生徒の内、1人が倒れた音であった。

 

「……どうしましたか?」

 

「塔城さんが倒れました‼︎」

 

 黒板の高さに届かず脚立を持って来てまで教鞭を取る明日風先生は何事かと尋ねる。生徒の1人が塔城と言う生徒が倒れたと告げる。体温を測ると高熱を出している事が分かった。

 

『狐花、あの女。悪魔やで。町を覆う瘴気が晴れたから、ようやっと分かったわ。よもや、こない近くに居ろうとはな……』

 

「……」

 

『家を建てたから破邪の気は町全体に僅かに漂うんやな。力の弱い悪魔やと、心身共に蝕まれる。言わば、体に侵食する毒とならぁてな。瘴気が神性を持つ者に対して毒となる様に、てな』

 

 五七が倒れた女子生徒が悪魔だと告げる。狐花も薄々とは感じては居たが、確信に至る。狐花の屋敷を中心として魔を祓う破邪の気は町全体に広まりつつある。悪魔の大敵である光力とはまた別であるが悪魔には効果的なのは同じである。

 

「保健室に連れて行ってあげて下さい。体調が悪い様であれば早退させる様に」

 

 因みに他のクラスでも類似した事例が確認されているのはまた別の話であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日も授業をサボり何時もの行為に勤しむ者が居た。例の変態3人組である。

 

「き、昨日は酷い目にあったが、この程度で凹む俺では無い……‼︎」

 

「昨日の気迫は凄かったな。だが、イッセー、テメーは悠々と逃げ切りやがって‼︎」

 

「まぁ、そう言うなよ。今日もお楽しみの時間が来たんだ……ちょっと、俺は偏頭痛がするが問題無ぇ‼︎」

 

 元浜、松田、兵藤の3人組は昨日と同じ様に校舎1階にある女子更衣室に隣接する場所。その場所は中庭近くであり尚且つ、植木により外部から見ても死角になり易い位置にある。その為、ある意味、彼らにとっては格好の隠れ蓑と化している場所。

 

「さて、今日は3年生の体育の時間だな」

 

「ボン、キュ、ボン‼︎ のお姉様方の姿を見れる時が来たな‼︎」

 

「昨日は不覚を取ったが、今日は‼︎」

 

 そして、何時もの場所に到着した3人組は窓をゆっくり開けて中を覗き見る。その先に広がっていた光景は——。

 

 

 

『急に更衣室の変更とはな』

 

『大方、変態共が原因だろ』

 

『その方が良かったと思うぜ?一階に更衣室があるのは色々、不手際起きるだろ』

 

 

「「「」」」

 

 天国では無く地獄が広がっていた。女子更衣室であった部屋は今や、男子更衣室になっていた。そして、覗き魔3人組が拝んだのは女子生徒達の生着替えでは無く、男子生徒達のむさ苦しい光景だった。

 

「ば、バカな……⁉︎」

 

「こ、こんな事って……⁉︎」

 

「び、美少女、お姉様達の着替えシーンが……⁉︎」

 

 予測出来なかった展開に思わず血涙を流す3人組。昨日までは女子更衣室だった、なのに今日になって男子更衣室に早変わり……‼︎ 野郎の着替えシーンなんて3人に取っては苦痛以上のダメージを受けた。然も生で視界に焼き付いてしまった為に、殊更、大ダメージであった。

 

 

 

 

 

「悪いねぇ、蛆虫共。余りにもお宅らの公然迷惑行為がどを超えててな……口で言っても聞きやしねぇから抜本的な対応させて貰ったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 と、其処に第三者の声が聞こえる。背後には煙管を持つかの様にチュッパチャプスを持った紫先生が悪魔染みた面構えで兵藤達、3人組を見下ろしていた。

 

「な、な⁉︎」

 

「女子更衣室を急遽、3階の端の方に移した。廊下は一直線だし部外者からはモロ見え、窓の外側は敷地外から丸見えって訳だ。残念だったな、ムフフな展開じゃなくてよ」

 

「そ、それが男の夢を破壊する人間の言う台詞かッ⁉︎」

 

「そうだそうだ‼︎ 男の桃源郷を奪うなんて神様が許しても俺が許さん‼︎」

 

「きょ、教師のする所業じゃないぞ⁉︎」

 

 非難轟轟。その様子を紫先生は軽く流してチュッパチャプスを弄びながら口に含む。

 

「尻の蒼い蛆虫共が。人間が楽しむ光景は愉悦だが、お前ら蛆虫共の愉悦は肴にならん。保健体育が悪いとは言わんが、他の教科にも目を向けねば、なぁ? お前らの担任教師から頼まれてな……楽しい楽しい特別授業と行こうじゃないか? その煩悩を打ち砕いてやろう。安心しろ、親御さん達にはゆっくり話をつけてやる。毎日、午後9時までの補習授業とな‼︎」

 

「「「ヒッ⁉︎」」」

 

 悪魔に匹敵する形相を浮かべた紫先生を前にして兵藤達は恐怖心が芽生え逃亡を選択した。しかし、数分も保たない鬼ごっこの末に全員が捕まり、生徒指導室へと連行され紫先生主導の元、地獄の補習授業が始まるのであった。

 

 

 

 

 

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