希望と絶望はコインの様な双子の存在だ。何故ならその何方もがお互いの導となるのだから。
「頭が、砕けた……⁉︎」
完全に崩壊した駒王学園。その灼け果てたグラウンドの隅に追いやられたリアスはその光景を見て愕然と言った表情を浮かべていた。突如として現れた『ドラゴン』。コカビエル一派との戦闘の最中に乱入して来た者達に呆気に取られた矢先に現れたこのドラゴンと済し崩しに戦闘へと縺れ込んだ。コカビエルも当初はリアスと戦争をすると意気込んで居たのだが相次ぐ想定外な展開の果てに全く知らぬドラゴンが現れた。その強大さを目の当たりにしてリアスなど目にくれず戦いを挑んだのであった。かく言うリアスは自分の街で暴れ狂う狼藉者達、そして完全に眼中に無くなった事実を前に我慢出来ず本人も『ドラゴン』へと挑んだのだ。
しかし、胴体に幾ら滅びの魔力をぶつけようがコカビエルが光の槍を叩き付けようが全く効果が無く思えた。まるで見えない壁にぶつけて居るかの様な感覚を覚えた程。
そんな矢先、『ドラゴン』がリアスやコカビエルを無視し虚空の方へと視野を向けて火球を吐いた。意識が外へ向いたのを見たリアスはその隙に、自身を無視されたコカビエルは怒りに、攻撃を加えるも然程の効果は現れなかった。その直後、暴風と共に『ドラゴン』の頭部が消滅した。
「何が起きたと言うのだ? 俺は頭に一撃を喰らわせた覚えは無いが……」
リアスは愚かコカビエルもその光景に呆然としていた。最初に戯れで見せた光の槍を数十本、肉体に突き刺しても全く怯みすら見せなかった存在の頭部を一瞬で消し飛ばす一撃。
「……何処の誰だ?サーゼクス共と戦争をする前の余興と言うにはメインに据えかねない程の存在の戦争に横槍を入れる奴は?」
コカビエルからすれば自身の攻撃を悠々と受け止める久しぶりの強敵になり得る存在との戦闘の邪魔をする様な真似は看過出来ない。
「……ん?」
『お………ぉ、ば、ぁ………‼︎』
呻くかの様な咆哮が聞こえる。切断面から粘性の様なモノが溢れ出し聳える様に伸びて行くそれはまるで逆戻しの様な再生する様な動きであった。
「な、さ、再生ですって⁉︎ まさか⁉︎」
攻撃が効かなかったのでは無い。ちゃんと当たっては居た。与えたダメージよりもこのドラゴンの持つ再生力の方が圧倒的に上回って居たと言うのが現実であったからだ。その為、ダメージを受けた直後に再生し無傷の様に見えたのである。
『お……‼︎』
気味の悪い不協和音を立てて象られる頭部。しかし、その形状は明らかに違って見える。そして、その造形はリアスにとって見覚えのあるモノに見えてくる。
「嘘………⁉︎」
『オッパァァァァァァァァァァァァァァァァァァいィィィィィィィィィィィィィィィィ‼︎‼︎』
再生された『ドラゴン』の頭部。其処には鉄仮面は無かった。その鉄仮面の下から曝け出されたドラゴンの素顔。それは、リアスがよく知るイッセーこと、兵藤 一誠の顔ソノモノであった。皮膚の色はピンク色で気味が悪いがそれでも色を除けば瓜二つとも言える。
頭部だけイッセー。そして首から下は黒い鱗や甲殻で覆われた西洋風ドラゴンの身体に、剣刃の翼と言う余りにもアンバランス極まりない姿であった。
「イッセー……貴方、だと言うの⁉︎」
「ククク、クハハハ……‼︎ 噂に聞く亜種禁手と言う奴か? 『赤龍帝の籠手』の禁手は全身鎧と聞くが最早、不完全なドラゴンの姿だな。いや、亜種禁手と言うよりも劣化か? 依代となる本人の力不足で力に飲み込まれたか? だが、俺の攻撃を立て続けに受けて平然と再生する力は大いに認めよう。流石は大戦を引っ掻き回した伝説のドラゴンよ」
再生した『ドラゴン』の正体がイッセーであってもコカビエルは唾棄しなかった。実力が伴えばどんな奴でも敬意を表するに値する。何故ならコカビエルは戦争がしたい、強者と戦いたい。其処に性格や素性はどうだって良い内容であるからだ。
「来い、赤龍帝よ‼︎ 三大勢力の戦争の火蓋を切るは貴様よ‼︎ 此処ならば以前の大戦の時の様なサーゼクスやミカエル、あとハゲゼルの邪魔は入らん‼︎ 思う存分、俺と戦え‼︎」
「オッパァァァァァァァァァァァァァァァあああぃぃぃぃいぃぃぃ‼︎‼︎」
異形の『ドラゴン』……否、おっぱいドラゴンはコカビエルの宣戦布告に対して業火の火球で応えた。吐き出された火球はコカビエルのみならず駒王学園の土地にも降り注ぎいよいよ、この学園の敷地内も崩壊し始める。
「……イッセー‼︎ 元に戻りなさい‼︎ 私の声が聞こえないの⁉︎」
駒王学園にも溶岩の波が入り込んで融解させ始める。校舎は全壊、他の地域も殆どが溶岩に飲み込まれ陸な足場はもう殆ど残されて居ない。
「ハーハッハッハ‼︎ そうだ、もっとだ‼︎ もっと俺を楽しませて見せろ、赤龍帝‼︎」
光の槍を手にコカビエルは歓喜の声を上げおっぱいドラゴンは火炎放射と火球を使い分けて応戦している。双方ともにリアスの事など眼中には無かった。
「この、私の言葉を聞きなさい‼︎ イッセー‼︎」
溶岩に沈みゆく駒王町。其処から距離があり未だに溶岩に沈んで居ない建物の屋上からレーキュはコカビエルとおっぱいドラゴンとの衝突を見物していた。
「……調整、は、及第点。一撃で、殺す、奴が、居る、と、思って、フリ、ガネラ、式、粘性、攻体、を加えて、正解、だった」
以前、滞在して居た世界も大概ではあったがこの世界も充分、イカれっぷりは目を見張るモノがある。折角の『試作品』を一撃必殺で潰されては困る、大いに困る。その為、保険として本来予定して居なかったモノを加えたのである。そして、誕生したのが視界の先で暴れて居る『ドラゴン』擬きである。見た目のセンスは酷過ぎると言って良いが、
無論、構造のタネが分かればアッサリ壊れて崩れ去るモノではあるがコレはコレで研究のデータとして採取は出来る。と言うよりもそう言う意味で試作品とも言えた出来ではある。
「……疑似的、では、あるが、参考、には、なる。しかし、本当、に、一撃、で、吹き、飛ばす、輩が、居た、とは……」
やろうと思えば出来るかも知れないがあの巨体の頭を吹っ飛ばすとは思っては居なかった。調整を間違えた可能性もある。
「……まぁ、良い。この、環境を、作った、皓咲 狐花、なら、あり得る、かも、知れない」
——環境、全体、熱、いいや、分子、運動、を、制御、する。規模に、よる、が、壊滅、に、追い込む、事、も、造作、無い、だろう。本当、に、興味を、尽き、させ、無い、世界、だ。炎、や、氷、を操る、者は、掃いて、捨てる、程、見て、来た、が、熱を、操作、する、者、は珍しい。
「もっと、楽し、ませ、ろ。世界……‼︎」
そろそろ気になる? レーキュがこの世界に来る直前に居た世界
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(/・w・)/
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