「だぁぁ‼︎ その話はもう良いからさっさと本件を進めろよ。馬鹿野郎」
話が脱線し、本題である校舎の再建計画へと無理矢理、軌道修正する。放置すると脱線して帰って来なくなると踏んだからだろう。
「確かにそうだな。天照殿、かの案件は取り下げた方が良いと進言するが?」
「えぇぇぇ‼︎⁉︎」
揉めている理由としては天照大御神様が校舎の造形を城塞にしようと画策しているらしい。然も西洋風と言う何を考えたらそうなるのか理解出来ない。
確かに駒王学園は西洋寄りの雰囲気を持つ校舎であった為に然程、不自然とは言えないが余りにも飛躍し過ぎだと考える意見の方が多いのが現状だ。オマケに礼拝堂まで建てるとか言い出していた。私立故にお嬢様学校の再来を目論んで(結果的にそうなった)いる様だ。定員割れで共学化したのに再び女子校に戻すつもりなのだろうか?
「如何して⁉︎ 百合百合空間なのは至高だよ⁉︎ どうせやるなら、普通じゃなくても思いっきり突き抜けた方が絶対に良いって‼︎」
「前半はテメェの趣味だろ……。後半は理解出来なくも無いがな」
天照大御神様の主張に和奏は半分だけ理解を示した。先程まで天照大御神様に堂々と喧嘩を売っていた者からしたら意外な意見だった。
「ほう? 何故か?」
「悪魔共が深く関与している土地だ。己の身は己で守らねば話になるまい。其処の神楽鈴は誰かを守る様な奴じゃない。
災害が起こっても誰も助けはしてくれん、ならば己でやるしか無い。女子供だから守ってくれる奴は余程の聖人君子だろうよ」
現実では漫画やアニメの様なメサイア主人公が都合よく現れはしない。優しいと言う感情には必ず理由が付随している。理由の無い優しさ程、恐ろしいモノは無いのだから。
「……こと、この町でははぐれ悪魔やら、堕天使の一件やら、爆破テロ……まぁ、半分は其処の神楽鈴が派手にやらかしただろ」
「んにー(ーwー)」
「ぶっ壊れる事が想定されるんなら一層の事、物理的に硬い城塞にしちまった方が気が楽だろ。下手に手を抜いて後で嵩む位ならその方がまだマシだ。タダでさえ、厄介事が乱立している土壌なのに手抜きは返って危険だ」
悪魔連中の乱闘や、狐花の暴走。後、訳の分からん暴動を考慮するなら普通の建て方よりも其方の方が資金的にも有情的だ。
「……それは経験からか?」
「……事務所、しょっちゅう壊されるからな。アイツらの所為で」
和奏はそう言い遠い目で明後日の方向へ視線をズラした。如何やら、個人的にも大変な目に遭っていた様である。
「成程。その経験は余にもある。具体的に工廠での事故は多々あったが故に。その意見は重々と言えよう」
『其方さんも同類かい⁉︎ と言うか折れんの早ッ⁉︎』
和奏の意見にて堅物を地で征く長門があっさり陥落。良いのか、この面子で。
「じゃあ資金繰りはヒーくんにお願いするね〜」
「おい、俺がするのかよ⁉︎」
「あ、音楽事務所だから再建記念でライブとか」
「話を聞けや、この駄女神がッ‼︎」
そして火の粉が襲って来たのであった。この先、小難しい話になって来たので狐花は自然に立ち去って行くのであった。
『何つーか、あの面子やと明らかに人選ミスっとる気がすんでな』
「んにー」
狐花が何を言おうと恐らく天照大御神様が何時もの様にゴリ押し(その裏で伊弉諾尊様が既に完成させていたと言うオチ)で実現するであろう為に時間の無駄であった。
『しっかし、あの『劫末』の正体があないな姿やと思っておらんかったわ』
「吃驚」
多少目付きが悪く口が悪い事を除けば平均的な日本人だと言われても異見は出ないだろう。しかしながら、本性は
『( *`ω´)サメー』
「(・w・)ンニー」
その道中で小さな祇園鮫に遭遇。胸鰭の近くに行燈を下げ、頭の上に工場メットを被っていた。
「( ̄w ̄)ンニー」
『( ?`ω´)サメー?」
その祇園鮫と狐花は何かしら話している。無論、『んに語』で。例え言語が親しい単語に変換されて聞こえる悪魔であろうとも内容の意味がさっぱり分からない言葉で、会話が通じていた。
「(`・w・´)ンニニー」
『(`ω´)ゞサンマー』
『おい、鮫の癖に秋刀魚を名乗ってるぞ……』
五七も会話内容は綺麗さっぱり分からなかったが狐花が祇園鮫に何かを頼んだ事だけは分かった。あの狐花が何かを頼んだ……その事実だけあれば大損害を齎す事は確定的と言えた。過去に事例を上げれば……。
・『とあるホテルに悪魔が出入りしている』→ホテルマン、清掃業者の行動を利用し間接的に硝酸を水道に混入させから水道菅破裂させて民間人諸共、屠る(表向きは清掃業者の手違い事故)。
・『悪魔が潜伏している有人島』→島全域にクレイモア、地雷を大量に仕込んだ挙句に核熱で島を爆破、沈没させる(裏幕府の付喪神達が言っていた黒歴史)。
・『悪魔が巣食う駒王町』→大型タンクローリー、C 4を用い更に追い討ちで町其の物を融解させ燼滅させる(一応、事前に避難させた上、天魔雄様の裏工作で辛うじて未遂)。
敵を殲滅する為なら民間人を平気で巻き添えに燼滅に追い込む。その為、狐花が工作すると言う事は大概、陸な事が起こらない事は容易に想像出来る。
『なぁ、狐花。何頼んだんや?』
「生徒会室と3年生の教室の壁、天井にRDX、セバシン酸ジオクチル、ポリイソブチレン、界面活性剤を追加してと頼んだ」
『おいおい……正気かよ』
それらの物質はC4……即ち、プラスチック爆弾の材料になる物質である。悪魔は3年生、つまり、3年生全員纏めて爆殺する気の様である。正気の沙汰では無かった。
「念の為。無いよりマシ」
『……それ以前の問題やと思うんやけどな』
その後、建築材料の中で危険物の組み合わせがあると付喪神達により発覚した為に、狐花による『教室丸ごと爆破悪魔抹殺作戦』は未遂に終わった……。この事実を聞いて狐花は心底、残念そうな顔を浮かべたと言う。