雷ガ咲く花園デ   作:夢現図書館

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相互認識の中で

 

 

 

「それに、折角ダシ……ゲームをしよう」

 

「ゲーム?」

 

 其処で話題が暗くなり掛けたのを見兼ねたのか狐面の少女はトランプを手に取ってそう提案して来た。

 

「どウ話題を [[切り出す]] か慎重ニナッていて 悩ンでいる。そうダロウ ? 」

 

——また見透かされた。心を読めるのか……? だとするならば厄介だな。仮にレーティング・ゲームで敵だとしたらこの上ない程に厄介な相手になるだろう。俺の知る限り現行のレーティング・ゲームの参加悪魔の中で相手の心を把握する能力者は知らない……。

 

 ライザーは確かに面談は叶ったがどう話題を切り出すか此処に来るまで決めかねていた。主導権を取られる形ではあるが此処は素直に認めた。

 

「ああ……。離反組は現悪魔社会から距離を置いているからな。それに其方側の1人が否定している。君達の中で総評として何方なのか? と言う疑問はある」

 

 だが、それを正面から投げる訳には行かない。他愛の無い世間話であろうとも言葉には慎重にならざるを得ない。

 

「分家とは言え貴族社会から無縁とも言えるお前は分からないかも知れないが……やはり慎重にならざるを得ん事情が脳裏に過っている。貴族悪魔と言う地位と立場は一挙一動で自分自身の今後に影響を及ぼすんだ」

 

 次期当主でなくてもその行動は家名にも響いてくるのだ。自分の行動が全体にも及ぼす事もある。ましてや魔王の行動によりライザーも巻き込まれた以上、相応の行動を理解しなくてはならない。

 

「なら  !!ゲームをシヨウ 。ライザー・ [[ふぇニックス]]。ああ 、金の[[賭け事は レない  !!休憩、。室、。での金銭を 賭けた[[ゲーム]]は禁止なn、。だ。デも !! 情報の [[ヤリ取リ]]は 禁止 され てイ ない」

 

「情報……?」

 

 狐面の少女はそう切り出した。言いたい事は大凡、読めて来た。

 

「ゲームの内容はポーカー。テキサスホールデムでも良かったけど、分かりやすい方が良いでしょ? 君が勝てば聞きたい事を答えよう。答えられる範囲でね」

 

 ポーカーは配役を揃えて勝負するありふれたトランプのゲームだ。其処まで難しいゲームでは無いがやはり運が大きく絡む上にイカサマし易いゲームとも言える。

 

「……待て、俺が負けた場合は?」

 

「特に何も考エていないよ 。所詮は遊ビ ニ 過ギナイnだ から !!さぁ、如何  suる?」

 

 『所詮は遊び』。此処で沈黙を繰り返して居ても時間の無駄だ。その言葉を飲み込んでライザーはその遊びに乗る事にした。

 

「良いだろう。例えば……お前達は悪魔社会に帰参する気はあるのか?と言う問いや、何故……お面を付けて居るのか、と言う問いにも答えるのか?」

 

 狐面を付けていると言う事は顔を見せたく無い理由があるのだろう。デリケートな部分と言える。

 

「勝てたら 答エても良イよ」

 

 狐面の少女は狐面の眼窩の奥の瞳孔を僅かに光らせながらそう答え手に取ったトランプを切って交ぜ合わせる。そして、適当に取り出し伏せた状態の2枚のカードをテーブルの上に放る。

 

「順番決め。こう言うのハフェアジャ ナイト !!アア、配薬の数字が同じならスートで決める  スペード、ハート、dieヤ、クローバーの順だよ

 

「成程な。では右側を貰おうか」

 

 基本的なルールはポーカーのルールに準じ同じ配役、数字だった場合、1番強いスートで勝負となる。コレなら引き分けは無いだろう。

 

 ライザーは右側、狐面の少女は左側のカードを手に取る。そして捲った時。描かれていたスートは。

 

 ライザー:スペードのK

 狐面の少女:ハートのJ

 

「君が 先行だ。交換スル 際。君が先に岾札 かラ引く。*アア !!毎回ボ吼ガ[[カード]]を 交ぜ ては 不正ヲ 、。疑われテも仕方ない。交互二やろう」

 

 ポーカーと言うのは運が絡む。先攻、後攻であっても有利不利にもなり得る。再びカードを交ぜてからお互いに5枚、配る。

 

「ふむ……」

 

——遊びとは言え、出来るならば勝ちたい所だ。カードの内容はK、4、8、J、Aか……マークもバラバラ……。

 

 暫し考えた時、4と8を捨て、2枚山札から引くとKと6。Kとは言えワンペアと言う弱い配役となった。

 

「……』

 

 そして次に狐面の少女は3枚、捨てて3枚山札から引いた。お互い交換が終わったので手札を公開。ライザーはKのワンペア。対する狐面の少女はJとAのツーペアだった。

 

「残念  !!今回 は糢9の 勝ちだね  」

 

「そうだな。だが、次は勝たせて貰うぞ」

 

 遊びとは言え此方の事情として時間の問題もある。何せ自分の領土の復興の問題や事務処理もまだまだ残っている。時間を割いて居るとは言え無駄な真似は出来ない。出来る限り勝って情報を得たい。そして2回戦、お互い交換を終える。

 

——ストレートか……それなりだが、頭の数字が弱いな。6か……。

 

 お互いの手札を公開。ライザーはストレート。対する狐面の少女は3のスリーカード。今回はライザーの勝ちとなる。

 

「*君、。の勝チだ !!  何ガ聞きタイ?ああ、 [[答える]]のは1つだけ だよ」

 

 1回の勝利に対して1回の質問まで。複数回聞きたければ何回も勝てば良い。

 

「ああ。じゃあ……何故、狐のお面を付けているんだ?」

 

——コレはデリケートな部分になる。お面を付けると言うとは見られたくない事がある。コレはある種の篩だ。

 

 ライザーは初めに出方を窺う事にした。悪魔社会から見て他愛の無い内容が相手に取って琴線に触れないとは限らないからだ。

 

「コレかい? それはね……」

 

 

 

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