『全く……言葉を解する事を理解したらどうだ?叶わぬ、と』
爆煙に包まれるが、八咫烏が広げた翼による羽ばたき1回で煙が払われ、全くの無傷の姿をリアス達に見せ付ける。お前達より私の方が格上だと言わんばかりの態度であった。
「な、全然効いていない……⁉︎」
滅びの魔力を込めた弾丸は目の前の八咫烏には全く通じず、リアスは驚きを隠せない。滅びの魔力は文字通り対象を消滅させ物理的にも消し去ってしまうモノ。それが通じない。
『ふむ。『滅びの魔力』、か。予想通り、いいや予想未満の結果に過ぎなかったな。サーゼクスの妹と聞いていたが、予想外を見せてくれるかと思えば……座興にも満たぬか』
「この、馬鹿にして……‼︎ 目的は何⁉︎」
八咫烏は想定外の事態になるかと思ったが想定内の事態に落胆を示す。
『吾は八咫烏。この地を席巻せし汝らに通告す。日本神話は汝らが大和の地に根を張っている事を不服と見ている。よって、汝らは即刻退去を通告する』
「「なっ⁉︎」」
要約すれば『お前ら出て行け』と言っているのである。この国、古来の者達に断り無しにナワバリを主張する。その事に対して文句が出るのは至極当然である。
「ふ、巫山戯るんじゃないわよ⁉︎ この領土は魔王様から直々に……‼︎」
『その魔王とやらは日本神話、日本政府、東京都知事委員会、同盟国であるアメリカ、ブリテン等の先進国各位の他に、防衛省、警視庁、そしてこの駒王町の市役所に『この土地を我々の領土にする』と通告し、その許可を得たか?ならば、その証拠を全て見せて貰おう。その書類が本物であるか、直に各行政機関に確認を行う。無論、当事者である汝にはその書類許可証を所持する必要があるから提示を求める』
だが、八咫烏はリアスの反論を捩じ伏せた挙句、口言葉では無く実質的な『証拠品』の提示を要求する。日本神話だけでは無い、日本の各行政機関や日本と条約を結んでいる先進国各位の署名書。更には日本の防衛省、警視庁と言った細かい所から市役所の正式書類も要求した。そして、その書類が『真』であるかの確認も行う旨を告げる。
「……ッ‼︎」
リアスはそんな事を言われて出せる訳が無い。悪魔陣営は人類とは一応、友好的に事を運びたい旨を持つが、人間社会の柵を無視して居るきらいがある。その許可証と言う諸々の内容を要求されても無いモノは無いから提示出来ない。
『更に必要な事であるが故に続けて言わせて貰う。悪魔稼業をしている事前提であるが故に、リアス・グレモリーは『就労ビザ』……所謂、『在留カード』、或いは『留学ビザ』と『パスポート』、木場 祐斗は『パスポート』と『留学ビザ』の提示を要求する』
更に八咫烏は悪魔にとっては無茶振り、人間にとっては至極当然の物の提示を要求した。リアス・グレモリーは誰がどう見ても留学生にしか見えず、ビザの提示が求められた。そして、祐斗にも提示を要求される。
「そんなの……‼︎」
此方も出せる訳が無い。そう言わざるを得ないがリアスはそれを言えば負けた気になってしまう。それは認める訳には行かない。在留資格を証明出来なければ国外退去を証明する事になる。コレが人間相手ならばどうとでも出来る手段はあるのだが、提示をして来たのはこの国、古来の日本神話の手先。その時点でも自身の滅びの魔力が通じない相手。
『出来ない、か。証明出来ぬのならば、疾く、奴隷共と共に冥界に去るが良い。何、何もせずに去るのであればこれ以上、何もせぬ』
『領土を放棄して帰れ』と言っている様なモノ。領主が領土を放棄して逃げ帰る。それが烏に追い払われたとなれば自身の評判に響いてくる。
「そんな事、する訳には行かないわ‼︎ 第一、はぐれ悪魔だって……‼︎」
『愚問。はぐれ悪魔が出る理由に疑問は出ぬか?汝らの社会に不備があるが故の証明でしか無い。して、組織とは往々としてそうなるモノ。最も汝らの社会は見事なまでの『その現象』の見本市であろう?』
「……」
『退く気は無し、か。ならば是非も無し。駒王町共々、汝らには灰燼の焦土として絶えて貰う。逃げるのならば止めはせぬ、最も……領土を守れぬ汝らには灸となろう』
「な、駒王町の人間全員を葬るつもり⁉︎」
「は、はは……洒落になってないね。コレが日本神話、か……天使共よりも容赦無いね」
「……それが、この国の神がする事かよ……⁉︎」
『汝らを見逃し続けていた町全てが汚点。釈明は十王にするが良い。民草は散るのが自然な事よ』
朱乃や祐斗、一誠の批難染みた声に対して八咫烏はリアス達悪魔共々、駒王町を焦土に帰すと宣告する。
「待ちなさい‼︎ そんな事、させる訳には行かないわ‼︎」
『何を言う?愚かな主であるが故にその地の民は絶える。有史始まってから不変の事実であろう?』
当初の目的が果たせぬ場合、嫌がらせに作戦は移行する。領主が降りる気が無いのならば、その領土を不毛の大地とさせる。何も産まれぬ痩せた大地は灰色の砂漠となる。それはグレモリーの領土に相応しいだろう。
何を言っても八咫烏は『駒王町』を滅ぼすつもりである。完全に立場が逆転してしまっていた。
「リアス‼︎ 乗せられては相手の思う壺よ‼︎ 八咫烏‼︎ どうすれば私達を認めてくれるの⁉︎」
朱乃はリアスの名前呼びで静止させる。八咫烏は煽りリアスを感情的にさせている。朱乃も八咫烏の挑発に乗せられて感情的になっていだが、必死の思いで感情を抑え込みリアスを止める。
『寧ろ、認める要素が何処にある?汝らは日本神話、いいや、この国の人間社会に於いて癌ソノモノだ。好き勝手に誘拐を行い、殺害し、挙句の果てに勝手に領土を主張する……コレを癌と言わず何と言おう?
そも、犯罪者を撲滅させる事に異を唱える者はおるだろうか?』
だが、八咫烏は正論で封殺しにかかる。悪魔の存在は言うには及ばないが、当然ながら人間社会にとっては害悪でしか無いのも確かである。
「……あくまで相容れない。そう言いたいの⁉︎」
『今更、気付くとは愚かも過ぎれば滑稽であるな。これ以上の話し合いは不要であるな』
「待ちなさい‼︎ まだ‼︎」
八咫烏は翼を広げて飛び立とうとするのをリアスは急いで止めようとする。此の儘、逃せば後日。リアスの領土である駒王町は灰燼の塵芥と化し息とし生ける生命が全て気泡と消える。領主として領土を荒らされる以前に、領土其の物を完全に喪うのは致命的な汚点となる。『領土を守れない無能領主』と冥界に瞬く間に広まるであろう。
『地獄の底で合間見えよう』
八咫烏はそう言い捨てて、飛び立って行った。
「そんな事、お断りよ‼︎ 朱乃、皆、追いかけるわよ‼︎ 此の儘、逃しては私達の存亡の危機よ‼︎ 動けなくても動かないと皆、死ぬ事になるわよ‼︎」
2人の顛末を結論から言おう。と言うか、分かりきった結末でもあったが……静香とアイラは一時的に日本神話陣営に身を置く事になった。狐花の手により『転生悪魔』の呪縛から解き放たれた静香には、故郷其の物は失われている為に、帰るべき場所は存在していない。なら、どうするか?
そう言う件も含めて2人の処遇を正式に決める為に一旦、経津主神様と共に高天原へと向かう事となった。夜摩天様は『十王と共に今回の件を慎重に検討する為に、一旦戻り決議します』との事で、帰還するそうである。
『何つーか、はぐれ悪魔が蚊取り線香の煙に巻かれてボトボト落ちる蚊みたいに死んで行くなぁ……』
「加藤 亮二、16歳。江道 六郎、24歳。佐々木李 夏夜、15歳。田中 泰造、49歳。桃井 愛莉、17歳。最後を除いて死後、転生悪魔と化した。そして、つい先程にその命が消えた」
一仕事を終えた狐花はとある電柱の上から街中を見下ろしてそう呟く。駒王町全体に行き届いた破邪の気。龍脈の影響か、はぐれ悪魔が現れやすい様であるが、破邪の気に当てられて次々と衰弱死して行く。静香を殺さずにいたのは夜摩天が来るのが分かっていたから、来なかったら普通にトドメを刺していた。
『つーか、全員。暗記してんのか?』
「ん。必要な事だから……」
『その才能をもうちょい、常識の方向にも向けてくれんかねぇ……因みに何人逝ったんや?』
「高来 静香を除いて27匹。その内、25匹が死後の眷属化。2匹が存命中に眷属化……。目的の理由は大体、似たり寄ったりだから興味が無くなって来た。転生悪魔は片っ端から殺して夜摩天か十王トコに放り込めば良いんじゃない?どうせ、地獄行きで決まってるんだから。面倒臭い真似する理由ないでしょ」
『……後で怒られても知らんで。つーか、夜摩天様は十王を集めて決議すんのに、余計な真似をしてどやされんで』
「悪魔は鏖殺って言ったの誰?」
『いや、おまはんでしょ⁉︎ 言い出したんのは⁉︎』
「そだっけ?」
疑問符を浮かべる狐花。その事に対して五七は溜息を吐く。今日は疲れたのでツッコミのキレは悪い。
「おや、其処に居らっしゃるのは日本神話の噂である秘蔵っ娘じゃないっスか」
その時、頭上に人影が浮かんでいた。青紫色の長髪を三つ編みにして垂らした金眼の双眸を持った少女。そして髑髏があしらわれた鎌に腰掛けて魔女の箒の様にその場に浮遊して浮かんでいる。
「誰……?」
「確か、皓咲 狐花様っスよね?お初目っス。ベンニーアと申しますっス。あ、コレ、お土産とビザ、後パスポート。それから、ハーデス様からのお手紙っス。日本神話の誰でも良いから提示しろって」
ベンニーアと名乗った少女は滑る様に移動して狐花の前に滑り込んで、お土産のお菓子(髑髏クッキー)と、パスポートと就労ビザを提示した。
『えーと?『所属:冥界。名前はベンニーア・オルクス。種族は死神(ミックス)。来国目的は死神の仕事修行』と、ふーん』
「(o・〜・o)」ポリポリ
五七がビザの内容を読んでいる側で狐花はお土産の髑髏クッキーをポリポリと食べていた。
『……あんな、狐花。何でもかんでも拾い食い感覚で食うなや……せめて、家に帰ってから食えや……』
「何と言うか……変わったお方っスね」
『いや、コイツが特別アレなだけやからな。日本神話が皆……どうしよう、イロモノしか居らんくて、前が見えんわッ‼︎』
「何で、涙目になるんスか⁉︎ ベンニーアさん、何かしたっス⁉︎」
「(o・ω・o)」ポリポリ……
ベンニーアの口調って知らないから、取り敢えずこんな形に……。そしてビザ制の導入。
クロスオーバーのキャラの説明は?
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(・ω・)欲しいうにー
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(ーwー)要らないんにー……