『いや、コイツが特別アレなだけやからな。日本神話が皆……どうしよう、イロモノしか居らんくて、前が見えんわッ‼︎』
「何で、涙目になるんスか⁉︎ ベンニーアさん、何かしたっス⁉︎」
「(o・ω・o)」ポリポリ……
喚く五七、慌てるベンニーア、そして俄然せずにお菓子(髑髏クッキー)を頬張る狐花。成程、カオスである。
——このクッキー、美味しい。(*´ω`*) あ、塩味だ。
『つーか、狐花はいい加減にクッキー食べんの止めい⁉︎ で、ハデス?ギリシャ神話の冥界神から何の手紙やねん』
お菓子と共に受け取った冥府を支配する神。ハデスからの手紙を五七は開く。其処に書かれていた内容を要約すると——。
・人間界の人口増加により、相互する形で冥府や地獄へ辿り着けずに現世に彷徨う魂が増加している。また、比例する形で死神達の人数が釣り合わず足りずにいる。
・日本国に仕事修行の為に就労ビザを発行した上で若い死神『ベンニーア』による死神の業務を行わせて頂きたい。
・日本神話陣営は主に悪魔(コウモリ)共の存在に遺憾の意を示していると聞く、故に貴君らと顔を合わせての会談を是非とも検討して頂きたい。日取りを教えて貰えると尚、助かる。
・名前は知らぬ故に『秘蔵っ娘』と明記させて頂くが、その者の能力は魂に関与する能力と聞く。是非とも冥府にスカウトしたいと思っている為に可能ならば直接交渉の機会を設けて頂きたい。
・追記。ベンニーアの滞在する場所も提供して頂けるとありがたい。
内容はそんな所であった。冥府は死者の魂を管理する世界の1つ。神話等の勢力に応じて死者が向かう先の世界は複数の概念が存在している。ゲヘナ、冥府、黄泉、根國底國、地獄……数少ないが『再生の歯車』……等。
基本的には死者が生まれた国や信仰している宗教により行き先が決まる事になっている。中には神秘を信じず、無宗教で現実世界のみ信じる……所謂現実主義的な仕事人間も居るだろう。その者は冥府が引き受ける事となっていた。
日本では六道、黄泉(根國)に向かう事となっている。最も死者を裁く裁判官がある一柱が理由で大変、暇な事になっているが……。
『ほえ〜、ギリシャも悪魔共に難儀してんのか?』
「ベンニーアさん的にはそうでも無いんすけど、ハデス様は結構、怒っているんスよね。冥府が引き受ける魂を横取りして悪魔に転生させるわで……余計な仕事なんスよ」
「(ーωー)」ポリポリ……
五七とベンニーアが話している間も狐花は相変わらず髑髏クッキーを食べている。この手の話は彼女は完全に置物状態であった。と言うか小動物。
『で……おまはんの仕事修行とかは別に好きにしろってのが俺様の意見やけど……会談、なぁ』
五七としてはどうにも自身で即答出来る案件の内容じゃない事に呻き声が出る。日本神話は五七が見ても陸な連中が居ない。
伊弉諾尊様、建て逃げ、と言うか何処行った?
伊弉冉尊様、破壊中毒。
天照大神様、引きこもりゲーマー。
素戔嗚尊様、無理、あれ無理。
『マトモに会話が成立するであろう主神が居らん……』
「そんなにっスか?日本神話はギリシャ神話や北欧の方々と違って、ほぼ表に出て来ないっスから全く人物像が浮かばないんスけど……」
五七が遠い眼をしながらそう嘆息する。会談が成立する連中なぞ、日本神話に居らんやろ。と言いたげな顔であった。
『それに秘蔵っ娘って、狐花の事やろ? まーさか、ハデスが狐花に眼を付けるたぁな』
「ハデス様が言うからにはきっと凄いだろうスけど……ベンニーアさんから見たら、お菓子を頬張る幼女にしか見えないス」
「(ーωー)」ポリポリ……
『ま、まぁ、そうやろうけど……狐花も狐花で暴れ出したらホンマに洒落にならんで、そう言う意味じゃ既に日本神話の主神レベルや。鏖殺が通常手段と考えるやさかい』
「うわー……そりゃエゲツないスね」
死神と雖も其処までやろうとは思わない。と言うか彷徨う魂を導くのが仕事の一環だと言うのに生きとし生けるものを纏めて粉砕するとはこれ如何に。
『おや、此れは此れは……イヌッコロの他に見知らぬ方が』
その時、八咫烏の恐介が狐花の元に戻って来た。その時に傍らに見知らぬ死神少女が眼に映る。
「ベンニーア。ギリシャから来たんだって……」
『お初目に掛かります、お嬢さん。私、日本神話が遣いの八咫烏、恐介と申します』
狐花が頬張っていたクッキーを飲み込み、恐介に紹介すると恐介は狐花の頭の上に止まり、名乗った。
『丁度ええ、おい、ヤキトリ。この手紙を主神達に持ってけや。俺様じゃ手に負えん』
『イヌ如きでは荷が重過ぎて潰れてしまいましたかね?内容を拝見……ふむ、成程。会談の件と、ベンニーア嬢の件。委細承知致しました。して、ベンニーア嬢、滞在場所のご検討は如何に?』
「いやぁ、それがハデス様から『日本神話の連中に見繕って貰え』って言われたっきりなんスよ。ベンニーアさん、日本に来たのが初めてっスからね……」
『事情込みやったら裏京都か裏幕府やろうけど……何方も何方やしな』
「裏京都は他陣営でもそれなりに知名度あるっスからある程度は分かるっスけど……彼処、結構排他的っスよ?つか、裏幕府?」
『簡単に言やぁ、付喪神達の陣営ってトコやな。殆どが帝国時代の軍艦に憑いた事で誕生した付喪神や。付喪神やと舐めとったら、圧殺されんで?』
「あはは、そんなヘマしないスよ。日本神話はヤバいってのが他陣営の見解っスからね……三大勢力を除いて、ス‼︎」
『おい、イヌッコロ。何方も危険な事に変わり無いでしょう?』
『そうやな……裏京都はさもありなん。かと言って裏幕府にはアーク・ロイヤル、アドミラル・ヒッパー、天羽々斬と言う三大ロリコンが居るからなぁ、クソヤキトリ』
「ちょっと待つっス⁉︎ ベンニーアさん、ロリコンの射程範囲内なんスか⁉︎ 胸⁉︎ やはり胸基準なんスか⁉︎ つか、裏幕府ってそんな魔境なんスか⁉︎ ベンニーアさん、そんなヤバい所に放り込まれる直前⁉︎」
狐と烏の会話を聞いてベンニーアは恐怖した。さりげなくロリ扱いされた事よりもロリコンが3人も居ると言う環境の方が恐怖した。
『となれば、お嬢の屋敷となりますね』
『やろな。でも、ええんか?』
確かに狐花の大豪邸+城ならば部屋など有り余っている。その気になれば3倍クラスにまで一夜で増築出来てしまう。問題は狐花が家主である為に認めるかどうかである。五七と恐介は心配する狐花はその出自故に、性格的にドライな傾向がある。
鏖殺を肯定し、焦土を寝床とする。世界を蹂躙し生命を殺戮する術しか知らぬ。隠世と現世の狭間……神と人の狭間、
何かの拍子で燼滅させてしまうのでは無いのかと心配している。ふとした事で滅亡を招きかねない事が実際に起きている。相手が誰であろうと狐花は考慮する事をしないだろう。寧ろ、相手が
『狐花〜……放っておくのもアレやと思うからや。ええか?』
「……?」
『お菓子に夢中で全く聞いて居なかった様ですね……』
「えーと、狐花様?ベンニーアさんを、滞在中だけで良いんで、屋敷に置いて貰え無いっスかね?必要とあれば、狐花様のお手伝いもさせて頂くっスよ。どうっスかね……?」
ベンニーアは狐花に頭を下げる。相手は日本神話の秘蔵っ娘、そしてハデスが直接スカウトの交渉を本気でしたいと思う相手。側使えの五七が『ある意味では既に主神レベル』と言う狐花。気分を損ねれば自分など消し飛ばされるかも知れない。幼いが故の凶暴さと言うモノがある。ある意味、畏敬の念が出ていた。
「ん……良いよ」
「本当っスか⁉︎ いや、死神と雖もベンニーアさんも女の端くれっスから……毎日シャワーは浴びたいから本当に良かったっス。それじゃあ、宜しくお願いするっスね、狐花様」
「……恐介」
『はい、何でしょう?お嬢さん』
「
その言葉の直後、狐花はお菓子の入っていた箱を握る手を揺する。箱は自然発火し燃えて焦げた滓と成り果てて風に靡かれて霧散する。そして眼下の先には、夜中に映える紅の長髪の女性悪魔の姿と、その眷属たる者達(3人程、くたばり損ない)が狐花の視界に入った。
クロスオーバーのキャラの説明は?
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(・ω・)欲しいうにー
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(ーwー)要らないんにー……