雷ガ咲く花園デ   作:夢現図書館

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夢想論と現実論

 

もうくだらない会話は不要。そう判断した天魔雄は目的を終わらせる事にした、不毛な会話は必要無い。

 

「強制退去させても転移魔術等で幾らでも戻って来れる。既に不法滞在で2年経過しているしな……故に利子を徴収する事にした」

 

「利子……?」

 

「……転生悪魔云々は大問題であるがまた別の話。今は貴様らが犯している不法占拠及び不法滞在の件だ、やれ」

 

『( *`ω´)キシャー‼︎』

 

『( *`w´)シシャー‼︎』

 

「「ッ⁉︎」」

 

 その言葉の直後、巡 巴柄と花戒 桃の足元から真下から貫く様に鮫と蛸の様な存在が一瞬の内に現れた。鮫は巡 巴柄に真下から胴体に喰らい付いて喰い千切って抉り殺した。蛸は突如として大きく巨大化し花戒 桃を包み込むように丸呑みして数秒経たずに一呑にした。

 

「巡、花戒⁉︎」

 

『ちょっと、どう言うつもり⁉︎ 流石に私でも見過ごせ無いわ‼︎』

 

 今日の内に一気に3人の眷属悪魔が葬られた。しかもほぼ反撃を許さず一撃でである。残る眷属は最初の頃から既に半数であった。

 

「……利子だ利子。今回は2年分だから1年に付き1人、強制的に屠る。赤い方の癌は、アイツの邪魔するとキレるから俺は無視してやる。で?貴様らがこの地を不法占拠の上に領土にしている。生憎だが、日本神話がそんな行為を認めたか? 話はしたか? 何もしていないだろう?」

 

 鮫は祇園鮫、蛸は衣蛸と呼ばれる妖である。哀れな下僕の眷属悪魔は2体の妖の餌と成り果てた。

 

『でも其処は代々』

 

「黙れ、茄子女」

 

 完全にセラフォルーは茄子女と言う認識にされてしまっていた。

 

「気に入らんか? なら実力で来るか?それとも悪魔陣営提げて総力戦の戦争するか? 俺は構わんし、爺ィも天魔王も阿修羅王も不動明王を始めとした十王も総出で貴様らを潰しに掛かるさ。妖一同も仲間を殺され攫われ怒り心頭だし裏幕府の連中も大艦隊率いて圧砕しに掛かるだろう。最も皓咲 狐花1人相手に圧倒されている時点で程度が知れる」

 

 『狐花を相手に苦戦している時点で詰み』と言われた。日本神話から見て狐花は弱い部類に入る様である。

 

『……』

 

 セラフォルーも言葉に詰まる。此処で『戦争してやる‼︎ マイナーな弱小神話の癖に‼︎』と言えれば簡単であった。

 

「……そう言えば、ゴミ虫。テメェ、他の町(・・・)を不法占拠して領土とか宣っていたな?」

 

「ッ⁉︎」

 

 何をするのか悟ってしまった。マズい、それはマズい。嫌な予感と言うモノは大抵の事は当たってしまうモノ。

 

「まぁ良い。おい、其処の茄子女。サー何とかクズに言っておけ……『京の条約無視した建物建てんな。人の子達にとって迷惑千万だ。もう壊したが』ってな」

 

『ちょ、ちょっと⁉︎ 日本神話はどう言うつもりなの⁉︎ こんな真似して許されると思っているの⁉︎』

 

 そう言うや否やセラフォルーが反論をぶつけた。身内贔屓にはなるが妹の眷属を抹殺した、その癖、魔王の所有物を破壊した。

 

「……あ?驕るな、ゴミ共。事の発端は貴様らが葦原の人の子達を攫い、殺した。他にも神具や宝具を盗んだ、そして勝手に領土を侵犯して縄張りを主張する。で?何処に正当性があるのか143,357文字以上で説明して貰おうか?ついでに皆様方も聞きたいよな?」

 

 その言葉の直後に生徒会室に存在する家具や絨毯、壁、窓ガラス(割れた)がガタガタと揺らめき、割れた窓から青白く光る無数の蝶々が群となって飛び込んで来る。

 

『な、何コレ……‼︎⁉︎』

 

「こ、コレは……⁉︎」

 

「人の……死んだ人達の魂と言う事です……がッ⁉︎」

 

「な、何……⁉︎」

 

「動かな……⁉︎」

 

 ソーナとセラフォルーはこの光景に驚嘆する。生徒会室内には無数の蝶々が現れて視界は青白い光で覆い尽くされお互いの姿が全く見えない。そして聞こえてくるのは——。

 

『返せ、返せ‼︎』

『恨めしや恨めしや』

『コノウラミハラサズニイラレルカ』

『@#々<$○#』

『オロカナアクマドモメ』

『クルシメクルシマセロ』

『お父さんを返せ、お母さんを返せ』

『妹を返せ……‼︎』

『許さない、許さない‼︎』

『お前タチヲ赦しはシナイ』

 

 恨み辛みの言葉の羅列。中には悪魔でさえ聞き取れない程に壊れた言葉を呟いている魂も存在していた。

 

「無理言ってチセちゃんに頼んで於いて正解だったわ……あの子にゃ、土産を用意しないとな。彼らはテメェら悪魔が色々な理由で殺して来た者達の魂だよ。死んでも恨みは残るモンだぜ? ああ、聖書連中は死者を愚弄するのが好きだったな?」

 

 言葉の羅列の裏で天魔雄の声が聞こえて来る。

 

「……半ば悪霊化しちまってんだよね。強い恨みがあると、祟るって話は葦原では有名でな。皆様方、憑き纏う気満々だってさ」

 

『許さない、許さない‼︎』

『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね』

『壊れろ壊れろ、悪魔共めぇ‼︎』

 

「こ、これ私達の身体に入り込もうと⁉︎」

 

「ど、どんどん入って来て……‼︎」

 

「……悪霊ってのはな、物理的な力は通じねぇし魔力も通じねぇ。特にテメェらの様な類じゃ除霊したらテメェらも纏めて祓われるな」

 

「……ッ‼︎」

 

 悪霊を祓う行為は除霊。その魔を祓う行為である以上、悪魔である自分達共々、祓い消される。つまり悪魔である自分達に取り憑いた悪霊を無傷で祓う手段は存在しない。

 

「まぁ、取り憑いて徐々に生気を吸い続ける。何れは動けなくなり寝たきりの状態も悪くは無かろう。死ぬ事よりも苦しむ事の方が過酷なモノだからな。身体が動かなくては死にたくても死ねない身体と言う訳だ。寿命は10,000単位ってか? 良いじゃねぇか、好きに生きたら良いさ……‼︎」

 

「『……ッ‼︎』」

 

 此の儘、放置すればソーナ達に取り憑いた悪霊達によって植物状態に追い込まれる。そうでなくても既に眷属は4人を失った状態。残りは3人(1人は生徒会室から落下)……その気になれば眷属全員、屠られシトリー家として最悪の状態に追い込まれる事になる。

 

『や、止めて‼︎ これ以上、ソーナちゃんを追い詰めないで‼︎』

 

「ふーん? 此の儘、殺すより此方の方が面白いと思ったが予想以上か(頃合だな。全く面倒臭い事だ)。ハッ、魔王ともあろう奴がこの程度で狼狽えるとは、程度が知れよう」

 

 天魔雄は此処で茄子女と呼ぶセラフォルーに対して煽りを加える。

 

『魔王……私の事も、いや知っているか……』

 

「ああ、知っているさ。いけしゃあしゃあと厚顔無恥の厚かましいまでの毳毳しい面構えをした、小娘よりも劣るクソババァとな」

 

「「「ブッ⁉︎」」」

 

 痛い女、魔王熟女などと陰で言われるが此処までストレートにクソババァと断言した。コレは中々キツい。

 だが、セラフォルーにとっては状況は最悪であった。外交担当とは言え、日本神話との会談を望んではいたが……話の通じそうに無い相手(正論ばかり突き付けて来る)である為に優位に事が進められない上に事実上、自身の妹を人質に取られた形となっている。

 

「それよりも領土、拉致、強盗……それらの行動の正当性の説明をまだ聞いて無ぇぞ?早いところ143,357文字以上の説明口語文で説明して貰おうか? 相槌打たんからそのつもりで」

 

 そんな長い台詞、言い切れる筈が無い。

 

『分かった、分かったわ‼︎ 駒王町からも、他の日本の地域を悪魔が勝手に縄張りだと主張する地域を返還する‼︎ だから、ソーナちゃんを殺さないで‼︎』

 

「65文字。全く足らんぞ? 全ての業を背負う位の気概が無ければ王は名乗れん。貴様は王を騙る愚物か?」

 

『……ッ‼︎』

 

「ふん、まぁ……愚物としてはこの辺りが落とし所、か。この場に集う者達全てが証人だ。転生悪魔の件は……他の奴が勝手にやるだろう。まぁ、殆どの場合は見つけ次第、惨殺だろうがな」

 

 この時を以て『駒王町』はリアス・グレモリーの領土では無くなった。ついでにソーナ・シトリーが領有する土地も無くなった。しかし、『ビザ』が無い以上……ソーナ達は不法滞在である事に変わりは無い。

 

「……根本たる『ビザ』が無い以上、貴様らがこの葦原に滞在する事は認めん。疾く、冥界に帰れ。それとも此処で死ぬか? 奴隷共は仲良く阿鼻地獄に行くだろうな」

 

「……ッ‼︎」

 

 死ぬか尻尾巻いて逃げるか、突き付けられた選択肢。ソーナはこれ以上の被害を出す前に冥界に帰る事を選択する。その前に聞かねばならない事があった。

 

「『ビザ』を仮に取得出来たら……また、来れますか?」

 

「……証明出来たのならばな。奴らが納得するかは知らん。『ビザ』あってもあの祟り神はお構い無しに殺しに来るだろうさ」

 

 その言葉を聞いた後、ソーナは転移魔法陣を介して生存している眷属達と共に冥界へと転移し逃亡したのであった。元士郎を置き去りにして……。

 

『…………』

 

「何か言いたそうだな、茄子女愚王」

 

『コレは日本神話の神々の総意?』

 

「空が。コレは俺の独断だ。そもそもテメェの様な茄子ババァ愚王如きに対して、会えると思ってんのか? 舐めてんのか? 最も、伯母(ババ)ァは絶対ェに出て来ようとはしねぇだろうがな(面倒とか言ってな)。つーか、テメェ……外交以前に、上司にも向いてねぇよ……無明、よな」

 

『……‼︎』

 

「……本音を言ゃあ、お前らとの外交関係なんて俺からしたらどーでも良いんだよ。まぁ、テメェらは自分がやって来た事を省みるんだな。じゃねぇと、もっとヤバい奴に目を付けられるぞ? 祟り神よりも爺ィよりも阿修羅王よりもヤバいのがこの国に居るからな。アレの逆鱗には触れんなよ? テメェらだけが劫末すんのなら良いが……アレは纏めて終末に追い込む原子爆弾の塊だからな……‼︎」

 

 天魔雄は暴れて言うだけ言い生徒会室、駒王学園から去って行った。

 

『何処で間違えたって言うのよ……私達、仲良くなれると思っていた筈なのに……‼︎』

 

 セラフォルーは自分達が正しい事をして来た。そう信じている……だが、同意を得られるかどうかは別問題であった。問題を棚上げして目先の出来事にばかり視点が向いてしまっている。

 

『なんで、何で誰も分かってくれないのよ……‼︎ 私はどうすれば良かったのよ⁉︎』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……土産、と言うか……チセちゃんって、好みなんだったっけ? 此間、三鈴に甘酒と間違えてエタノールを贈っちまって盛大にキレられたからな……って、ん?アレ、アイツ何処行った?迷子か?」

 

 

 

 

 




 狐花が怒っていた理由がシレッと判明。
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