マスター1級試験   作:マスターコウジ

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おジャ魔女どれみの世界にて

 コウジが進路樹から降り立ったところは学校の近くの海が見える高台の上だった。

 

コウジ:ここは、美空町か。ま、ここに来たらまず向かう先はあそこだな。

 

と言いコウジは近くのある場所に向かった。

 

 コウジが降り立ったこの場所は美空市美空町であり、海と森に囲まれた自然豊かな町である。ちまたでは、そこに魔女が住んでいると云われているが、それを信じる者はそれほどおらず、噂は定かではない。そんな中、高台のふもとにちまたでは少し人気のお店があった。そのお店は5人の女の子供たちが従業員として働いている。この5人の彼女たちは実は魔女見習いであり、ある理由で魔女になるために修行しているのである。彼女たちは今日もMAHO堂で仲良く時を過ごしていた。

 

どれみ:は~い、ハナちゃん、ミルクですよ~! 

 

どれみは店の奥で魔女の赤ちゃん・ハナにミルクを飲ませた。

 

はづき:ハナちゃん、おいしそうに飲んでるわね    

 

はづきはそんなハナちゃんを見て微笑んだ。

 

 店の中庭にはあいことおんぷが魔法の実のなる木を育てていた。

 

おんぷ:もうすぐで実がなりそうね。

 

あいこ:せやな。ほんま、楽しみやな。

 

あいことおんぷは蕾になっている魔法の実のなる木に水をやりながら、見つめていた。

 

そんな店の外にコウジが店を眺めていた。

 

コウジ:「FLOWER GARDEN MAHO堂」か…。

そうつぶやいていると、店のオーナー・マジョリカと妖精・ララが、顔を出した。

 

マジョリカ:おお、コウジではないか。久しぶりじゃな。

 

コウジ:よっ!マジョリカ、久しぶり!✨ ✌ なんかいつの間に魔法グッズから花屋に変わってんのな。

 

ララ:まあ、ちょっとある理由で赤ちゃんを育てていてね。それに適した店っていうのでお花屋さんになっているの。

 

コウジ:赤ちゃんって?

 

マジョリカ:まあ、ここではなんだから店の中で話をしようじゃないか。

 

そう言ってマジョリカはコウジを店に招き入れた。するとコウジに気づいたどれみたちが彼のそばに寄ってきた。

 

どれみ:あっ、コウジ!久しぶり!

 

コウジ:よっ!お前ら、久しぶりだな!✨ ✌ ん!それが、ララが言ってた店で育てている赤ん坊か?

 

どれみ:うん!ハナちゃんっていうんだよ。

 

どれみがそう言った途端、ハナちゃんが宙に浮き、どれみの腕の中を離れた。

 

コウジ:え?赤ん坊が飛んだΣ(゜Д゜;)!?

 

おんぷ:ハナちゃんは魔女の赤ちゃんなのよ。

 

コウジ:ああ、この赤ん坊魔女なん?(ていうか、魔女の赤ん坊って妖精みたいに飛ぶのが基本なんか?)

 

はづき:女王様から私たちにハナちゃんを育てるように頼まれたのよ。

 

コウジ:へぇ~。で、この子の健診ってやったん?

 

コウジはハナを抱きながら言った。

 

どれみ:うん!定期的に魔女界で健診と育児テストをやるんだよ。

 

コウジ:育児テスト?

 

どれみ:うん、魔女の赤ちゃんは青いバラから生まれて、それに立ち会った人はその赤ちゃんを1年間育てなきゃならないんだって。あたしたちは偶然、ハナちゃんに出会ったってことで女王様に頼まれたの。

 

コウジ:え?子供でも育てなきゃならんのか?しかも4人で。

 

あいこ:うん、せやねん。

 

この時コウジは思った…。

魔女界って本当、なんでも有りなんだな! 

 

はづき:でも育児テストというのがあってそれを合格していかないと、親権を剥奪されて赤ちゃんを育てることができなくなっちゃうんですって。

 

コウジ:ほぅ~ん。んじゃあ、魔女試験みたいなもんだな?

 

あいこ:う~ん、まあ、そんなもんやな。

 

どれみ:ねぇねぇ、コウジ。また、ステーキ出して? ✨

 

はづき:ど、どれみちゃん…。いきなりそれはどうかと…。  

 

どれみ:だってだって、コウジって魔法みたいな力を使えるんだよ?こんなチャンス滅多にないじゃん!

 

マジョリカ:まったく…。お前というやつは…。  

 

おんぷ:本当、どれみちゃんらしいわね。

 

コウジ:まあ、ええよ。ち~っと待ってな! “ドルドル”

 

コウジは片手で印を結ぶかのように構え、ドルドルの呪文唱えた。

 

コウジ:それ!

 

そして、手から蝋を出して蝋の石焼きステーキを作った。

 

コウジ:“クククク”

 

次にククククの実を使い、蝋で出来たステーキに手で触れた。その瞬間、蝋のステーキは瞬く間に石焼き皿の上にジュ~っと音を立てながら、湯気と香りが立ち上った本物のステーキへと変わった。

 

どれみ:うひょー!ステーキだぁ!! ✨

  

どれみはよだれを垂らしながら、目を輝かせて感激していた。

 

コウジ:さあ、召し上がれ!

 

どれみ:えぇ!?いいの!?ありがとう!

 

どれみはコウジに感謝の言葉を述べた。それと同時に、右腕にあるサンクスブレスに赤色の目盛りが点いた。

 

コウジ:あっ、点いた!なるほどね。こういう風につくのか。

 

おんぷはそのブレスレットに点いた目盛りを確認しているコウジを見ていた。そんなことを余所にどれみいっしょに着いていたフォークとナイフを持ち、ステーキを食べようとしていた。

 

どれみ:それじゃあ、さっそく!いっただきま~…ぁ?

 

どれみがステーキを頬張ろうとしたその時、どこからか魔女の歌声が聞こえた。

 

はづき:この声はもしかして…。

 

その時、どれみのステーキが突然膨らみ始めた。

 

どれみ:えっ?なに!?うわぁ!!

 

その瞬間、煙となって爆発し、どれみはイスから転げ落ちた。そしてその煙からデラが現れた。

 

デラ: みなさん、お久しぶりね。わたし魔女問屋のデラデ~ラよ~ 

 

おんぷ:デラ!

 

デラ:はい。次の定期検診のお知らせよ。

 

コウジ:よ~、デラ。久しぶりだな!

 

デラ:あら、コウジ!お久しぶりね!今日はどうしたの?

 

コウジ:ああ、ちょっと修行で来たんだ。

 

と言って、コウジはデラに右腕のサンクスブレスを見せた。

 

マジョリカ:うん?なんじゃ?それは。

 

コウジ:ああ、これは人に「ありがとう」の言葉を言わせると、それが1つの目盛りとなってこのブレスレットに溜まるんだ。

 

あいこ:なんや、魔女界の1級試験みたいなもんやな。

 

コウジ:うん、まさにそれだよ。これは魔女試験を基にしたやつでこれまでの能力を使って人を助けるという修行なんだ。ただ、ルールが変わっていて、別に魔女でも魔法使いでもないから人前で能力使ってもOK。場所は「東堂いづみ」、助ける人の数は30人、制限時間は2日目の日没まで…

 

あいこ:ちょ、ちょ~っと待った!!え、え、なんやて!?な、なんかツッコミたいとこが満載なんやけど…。

 

おんぷ:人前で能力を使ってもいい理由は分かったんだけど、その「東堂いづみ」って人の名前みたいだけどそれって場所なの?

 

コウジ:あぁ、なんかそれにあった世界をひとまとめにした「世界の集大成グループ」なんだってよ。

 

どれみ:世界のグループ…。

 

コウジ:まあ、何故人名みたいな名前なのかはわからんけど、この世界にも人間界、魔女界などを一括りにした名前があるんだってさ。

 

ララ:へぇ~、それっていったいなんていう名前なの?

 

コウジ:名は「おジャ魔女どれみ」という名前だ。

 

どれみ:お、おジャ魔女どれみ!?ってことは、あたし有名人じゃん!いや~、なんだか照れるなぁ…。えへへっ、えへへへっ  

 

どれみはその名を聞いた途端に舞い上がった。

 

おんぷ:でも他の世界の人間にも知られてるはずだから、魔女ガエルになる可能性も出てくるんじゃないかしら?

 

おんぷがそう指摘した途端、どれみは固まった。

 

どれみ:え゛!?そうなの!?

 

コウジ:まあ、知られる可能性はあるけど、だからって魔女ガエルになるとは限らないだろう?なんせ、指で指さない限り魔女ガエルになることはないんだから。

 

どれみ:あ、そっかぁ。そういえばそうだよね。あ~、良かったぁ!

 

あいこ:まあ、世界のことはなんとなくわかったんやけど、助ける人の数が30人ってどういうこっちゃ!?

 

コウジ:ああ、それ?いや、なんかダーツで当ててそうなっただけだけど?

 

はづき:ダ、ダーツ!?

 

コウジ:まあ、人前で能力を使うなというハンデはないから、1回だけだと簡単すぎるからってことでダーツで助ける人数と制限時間を決めるということになったんだけどな。

 

あいこ:いや、制限時間もダーツで決めんのかいな!

 

コウジ:うん、そういうルールだから。ああ、ちなみに1人1回だから、同じ人を助けて「ありがとう」と言われたとしても、ノーカウントなんだってさ。

 

おんぷ:じゃあ、どれみちゃんは望みが叶っちゃったから、もうこれ以上望みを叶えてもノーカウントってことね?

 

どれみ:へ?で、でもステーキ食べ損ねちゃったんだよ?

 

コウジ:まあ、あんたとっさに「ありがとう」言っちゃったしな。もし言わなければもう一つ出せれたんだがな。

 

どれみ:Σ( ̄□ ̄;)!!えぇ~~!?そんな~~!!やっぱあたしって、世界一不幸な美少女だ~!! 

 

コウジ:っていうかさぁ、あんたなんでステーキの中から出てくんのよ? 

 

デラ:え、え?私のせい?Σ(?_?;

 

どれみ:そうだよ!デラが私のステーキから出なきゃ、普通に食べられたのに  !

 

デラ:あ、あら…、そうだったの…  じ、じゃあ、お詫びの印に…それっ! 

 

デラは魔法の杖を使って、ステーキを出した。

 

どれみ:うわぁ~!!ステーキだぁ!

 

デラ:じゃ、私はこれで失礼するわ。ああ、そうそう。そのステーキも勘定に入れておくから。(マジョリカ:なっ!?Σ(゚□゚;))それじゃあ、よ~ろしくね~     

 

マジョリカはデラの言葉に驚愕した。

 

ララ:よかったわね!どれみ。

 

どれみ:うん!それじゃあ!さっそくいただきま~…

 

マジョリカ:まてぇ~い!  

 

突然マジョリカが怒鳴り、どれみがまたもやステーキを食べようとするのを止めた。

 

ララ:どうしたのよ、マジョリカ?

 

マジョリカ:そのステーキを食べることはこのワシが許さん!

 

どれみ:え?な、なんなのさ、いきなり!

 

マジョリカ:ってことでこのステーキはワシが食う。

 

どれみ:ああっ!!あたしのステーキが!!Σ(゚□゚;)

 

そう言ってマジョリカはどれみのいるテーブルへ行って皿をつかみ、そのままステーキを大きな口に流し込んで平らげる。

 

マジョリカ:これ以上、どれみのステーキで店の経営が傾かれちゃ敵わんからな。…って、うぐぉ!?

 

マジョリカがゲップをしながらつぶやくとどれみが後ろから両手で魔女ガエルの体を鷲掴みにし、その手で締め付けながらすごい形相でマジョリカを睨み付けた。

 

どれみ:あ、あたしの…ステーキを…返せ!  

 

マジョリカ:く、苦しい…!うぉ!?

 

どれみ:返せ返せ返せ返せ!

 

どれみはマジョリカをまるでカクテルをシェイクするかのように激しく上下に振った。マジョリカはどれみに振り回され、「ノォォォ~! 」という悲鳴を挙げながらグロッキー状態となっていった。

 

あいこ:こら、完全にマジョリカが悪いで    

 

おんぷ:食べ物の恨みって恐ろしいっていうけど本当なのね。

 

コウジ:そもそも、ステーキを食って経営が傾くとは限らんだろう?それ程高そうなステーキ出してなかったし。でもさ、ウチやっぱ思うんだが、こうもどれみによるステーキを食べることの阻止が多いってなると。どれみって、どっかの魔女かなんかにステーキが食べられなくなる魔法でも掛けられてやしねぇか?

 

はづき:そ、そんなことはないと思うんだけど。

 

おんぷ:でも、ステーキを食べたのが、生涯1回ってそうそうないわよね。

 

ドド:ドドッドドッ!

 

ララ:ドドがね、「まあ、どれみはドジばっかりだから、ステーキの神様に嫌われてるんじゃないの?」だって。

 

あいこ:まあ、どれみちゃんは成績も悪いからその神様に飽きられてんのかも知れへんな。

 

どれみ:も~!みんなしてそんな意地悪言わないでよ!ぷっぷのぷ~!   

 

一同:あっはははは…!  

 

コウジ:んで?お前らは何か悩み事とか、して欲しいこととかないん?

 

おんぷ:う~ん、特に無いかな?

 

あいこ:あたしもあんまないな。

 

はづき:私も今のところあまりないわね。

 

コウジ:そっか!よし、じゃあ、外で困っている人たちを助けに行ってくるとしますか。

 

あいこ:さよか。そいじゃ、気ぃつけてな!あぁでも、外は見つけんのも結構ムズいで? ✨

 

コウジ:まあ、なんとかなんだろ!

 

と言って、見物色の覇気を使い、エコロケーションを美空市全体へと発生させ、感覚を研ぎ澄ませた。

 

コウジ:はっ!!あっちか!剃!

 

コウジは何かの気配を察知すると、感じた方向に向きを変え、剃と月歩を使って颯爽とMAHO堂を離れ、その場所へ向かった。それを見たおジャ魔女メンバーはただ呆然と眺めていた。

 

どれみ:あっという間に行っちゃった…。 

 

おんぷ:困ってる人の声が聞こえたのかしら?

 

マジョリカ:そうみたいじゃ。なんでも、コウジには覇気というものが使えるみたいなのじゃ。

 

はづき:覇気?

 

ララ:なんか人間の中で隠された魔力のようなものなんですって。鍛えれば誰でも使えるらしいのよ。

 

どれみ:へぇ~、そうなんだ。

 

おんぷ:ねぇ?ちょっとコウジの修行、なんか気にならない?

 

あいこ:せやな。あたしもコウジが今どこで何をしてんのか気になっていたとこや!

 

はづき:でも、あの速さで追い着けるかしら?

 

どれみ:大丈夫!こんな時こそ、魔法だよ!!   

 

どれみたちはさっそくMAHO堂の中庭に移動し、リズムタップを取り出した。そして魔女見習い服に着替え、マジカルステージの準備をした。

 

どれみ:ピ~リカピリララ のびやかに

 

はづき:パ~ンパイポンポイ しなやかに

 

あいこ:パメルク~ラルク~ たからかに

 

おんぷ:プ~ルルンプルン すずやかに

 

おジャ魔女たち:マジカルステージ! コウジの居場所を教えて!

 

どれみたちがマジカルステージを使って出たのは、テレビのリモコンだった。

 

どれみ:何これ?

 

はづき:テレビのリモコン?

 

あいこ:せやけど、なんでこんなもんが ❔

 

おんぷ:さっそくこれで、テレビを点けてみればいいんじゃない?

 

どれみたちはさっそく和室にあるテレビに点けてみた。するとテレビにはコウジが映っていた。

 

どれみ:あっ!コウジだ!

 

あいこ:なるほど!そういうことか!  あたしらが箒で追いかけたとしても、あの速さには追い着けへんし、ぶつかる危険もある。

 

はづき:でもテレビなら、追いかけなくても安心でしかも安全に見られるわね。

 

マジョリカ:じゃったら、魔法を使わなくとも、ワシの水晶玉で充分じゃろうが!  

 

あいこ:まあまあ、そういうこと言わんと! 

 

膨れるマジョリカをあいこがなだめる。

 

ララ:マジョリカも見て。コウジ、すごいわよ?

 

マジョリカ:ん?どれどれ?

 

ララの呼びかけにマジョリカも興味本位でテレビを見る。

 

 

―一方そのころ、コウジはというと見物色便りに迅速に飛び回り、早急に対応していた。時にはトラックに積んでいる果物が転げ落ち、困っている人がいれば、サイサイの実による念力の能力で落ちた果物を全部トラックの箱に戻し、また地べたに転んで泣いている子供がいれば、チユチユの実で「チユポポ」を作り、その子供の膝の傷を治し、またクラクションを鳴らした車とどれみたちの同級生・小竹たちがぶつかりそうになった時は、目にも止まらぬ速さで小竹たちの前に立ち、片手で車を止めるなど、自身の超人的な能力でまるでスーパーヒーローのように順調に物事を解決していた。助けられた人たちは、びっくりしてしばらくの間、空いた口が塞がらなかったが、すぐコウジに感謝のお礼を言った。その度に彼の右腕のサンクスブレスに光の目盛りが溜まっていき、気付いたときには既に3分の1ほどの目盛りが溜まっていた。

 

コウジ:ほう、結構溜まったな。まあ、人助けもあいこが言うほどそんなに難しくないかな。普通に耳を傾けてれば困っている人なんて、ちらほらいることだし。

 

あいこ:いや、それだけコウジの能力が凄すぎるってだけやろ  !

 

コウジの様子をテレビで鑑賞していたどれみたちはコウジの次々に対応していく唖然としていた。

 

おんぷ:これって本当に起きた事よね? 

 

はづき:なんか、まるで特撮映画でも見ているみたいね…。 

 

どれみ:うん、でもコウジってほんっとすごいよね!まるでスーパーマンまたいだよ。

 

あいこ:せやけど、あそこまで順調にこなされると、あたしらの苦労はいったいなんやったんや思うで…。 

 

コウジ:ふぅ~。まあ、ここの世界はこのくらいにして、次は魔女界いくとしますか。

 

そう言うと、コウジはドアドアの実を使い、大気にドアを開けて入った。するとその瞬間、テレビの映像が人間界から魔女界に切り替わった。

 

どれみ:あっ!魔女界だ!

 

あいこ:今まだ笑う月は出てへんのに移動出来るんか?

 

マジョリカ:コウジによれば、悪魔の実に不可能はないんじゃと言っておったぞ。

 

ハナ:あいあい…。    

 

その時、ハナが身を乗り出し傍にあったリモコンを触りだした。

 

どれみ:あっ!ハナちゃん、ダメ!!

 

どれみがすぐハナのいたずらを止めようとするが時は既に遅く、ハナの手がリモコンのボタンを押してしまい、画面が切り替わった。どれみはすぐハナを抱くと彼女を叱った。

 

どれみ:ハナちゃん、メだよ!!

 

ハナ:ブ~ッ!!  

 

ハナはどれみに叱られ、そっぽを向く。

 

おんぷ:あら?ねぇ、みんな。これ、見て!

 

どれみ:ん?どうしたの、おんぷちゃん?

 

おんぷが指した映像は、コウジの姿はなく、まるで誰かがカメラでも回しているような映り方だった。

 

おんぷ:ほら!これって多分コウジの目線じゃない?

 

あいこ:そういや、せやな。

 

おんぷ:多分、この「目線」って書いてあるボタンを押すと、コウジ目線の映像に切り替わるのよ。

 

どれみ:そうなんだ!ごめんね、ハナちゃん。大手柄だよ!やっぱあたしたちの最高の娘だよ!  

 

どれみはハナにベタ褒めし出した。

 

あいこ:現金やなぁ、どれみちゃん!  

 

 

 

―その頃、コウジはというと見物色で困っている人の気配を探していた。だが、人間界よりも欲がないためなのか、それほど困っている人はいなかった。そのため、知り合いに会いに行って、直接何か困っていること・手伝えることはないか、聞き始めていた。

 

モタモタ:何か困っている事?

 

コウジ:ああ、まあ、なければいいけど。

 

モタ:ん~と、困っているね~。あ、そうそう。ちょっと体の疲れを癒やしてくれないかしら?

 

コウジ:体の疲れ?

 

モタモタ:そうね~。私たち、テキパキちゃんたちのお世話で結構くたくたなのよ~。  

 

コウジ:テキパキちゃんってのは、その赤ん坊か?

 

モタ:ああ~、コウジは初めてだったはね~?この子達は最近生まれた私たちのお子なのよ~。ちなみにこの子の名前はテキちゃんっていうのよ?

 

コウジ:テキとテキパキかぁ。んじゃ、ウチは海賊大戦士・マスターコウジだ。よろしくな!

 

モタモタ:こちらこそ~、よろしくね~!

 

コウジ:んで、お前らの疲れを癒やすことだっけ?それなら、お任せあれ!

 

そう言ってコウジはニキュニキュの呪文を唱えた。そして、モタの背中に掌で軽く叩いた。すると、モタの疲れが気泡の塊となって現れ、彼女の体から抜けた。

 

コウジ:モタ、体の具合はどうだ?

 

モタ:ん?あら?肩のこりがよくなってる!うそ!?腰の痛みも!!  まあ、体中の疲れが一気に吹き飛んだわ~!!✨  

 

コウジに体の状態を聞かれたモタは肩を回したり、胴体を捻ったりしたが、体の痛みを感じないことに驚き、喜んだ。

 

モタモタ:凄いじゃな~い !次私ね~。

 

モタモタもニキュニキュの能力で疲れを取って貰った。

 

モタモタ:あら、本当!!疲れが一瞬でなくなっちゃったわ!! ✨ コウジ、ありがとね~。  

 

コウジ:な~に、こんくらいわけど~ってことねぇよ!

 

マジョリカ:な、なんじゃと!?体の疲れを一気に吹き飛ばす能力じゃと!?Σ(゜Д゜;)

 

その様子を観ていたマジョリカは衝撃を受けた。

 

どれみ:え?どうしたの、マジョリカ?

 

マジョリカ:ま、まさか…、そんな能力があったとは…! 

 

そう言うなり、前に倒れた。そして、後悔するように駄々をこね始めた。

 

マジョリカ:あ~!!それを知っとったら、頼んでおったのに~!!   

 

あいこ:せやかて、マジョリカは暇さえあれば、勝手に温泉とか行くやないか。

 

マジョリカ:それはそれ、これはこれなのじゃ!!   

 

ララ:全く、素直じゃないんだから!  ただコウジにやって貰いたいだけなのよね。

 

マジョリカ:ふん!  

 

モタ:ところでコウジ、それな~に~?

 

コウジ:ああ、これ?これはサンクスブレスと言って、親切をした人から「ありがとう」の言葉を受け取ると、このブレスレットにエネルギーが溜まっていくんだ。今日は人助けをして、これが満タンになったら、クリアとなるんだ。

 

モタモタ:なんか、1級試験みたいね~。

 

コウジ:まあ、もともとそれを真似したものなんだけどな。ただ、人に見られてはいけないというルールはないから、何してもOKなんだ。

 

モタ:なるほどね~。で、どれみちゃんたちにもやってあげたの?

 

コウジ:いや、まず最初にMAHO堂行って、何か困っていることないか聞いたんだけど「特にない」って言われたんでな。まあ、それ聞く前にどれみの頼み事聞いてあげたんだけどな。

 

モタ:それ~、どうせステーキでしょ~?

 

どれみ:うっ…!  

 

コウジ:ご名答! ✨  よくわかったな!

 

モタモタ:だ~ってね~、あの子ステーキしか頭にないものね~?

 

モタ:そうそう、去年の9級試験の時なんか、あたしが「とびっきりおいしいオムライス」って言ったのにあの子「とびっきりおいしいステーキ」を出したのよ?

 

どれみ:ちょ、ちょっと!?別にそんなの出さなくてもいいじゃん!  

 

コウジ:それ、絶対ぜってぇ「とびっきりおいしい」しか聞いてねぇな…!(゜Д゜;≡)

 

モタモタ:しかも3級の時も世界を旅して制限時間内に戻らなければならないのに、ステーキに釣られて、それも魔法玉全部叩いて買おうとしたのよ?

 

コウジ:で?そのステーキは食えたんか?

 

モタモタ:いいえ、ちょうど時間が経ったときと同時にそのステーキもなくなっちゃうのよ。

 

コウジ:ああ、そう…。  

 

この時コウジは思った…

 

 

 

 

本っ当(ほんっと)にあいつの脳内、ステーキしかないのか?  

 

 

 

 

どれみ:も~、ほっといてよ!  あ~んも~!!あの2人、な~んでコウジにあんなこと言うかな~!  

 

おんぷ:私、どれみちゃんが9級試験落ちたなんて初めて聞いたわ。あんな簡単な試験落ちるなんてね…。

 

どれみ:うっ!   グサ!

 

マジョリカ:ワシも何故こんなやつに見破られたかと思うと恥ずかしくってしょうがなかったわ。  

 

どれみ:ふぐぅ!    グサグサ!

 

ドド:ドド、ドドドドドードドド!(本っ当だよね!それで、私が生まれてくる時間帯がレレたちよりも遅れるなんて、溜まったもんじゃないよ!)

 

どれみ:うぎゃっ!!   ズドーン!! あ~、もうどうせそうですよ!どうせ、頭の中がステーキだけしかないただのバカですよ~だ!!(- ゙ε ´-)  

 

マジョリカやおんぷなどに痛い所を突かれたどれみは口を尖らせて開き直った。

 

コウジ:そんじゃ、ウチはまた困っている人を探しに行ってくるよ。

 

モタモタ:あら、そう~。それじゃあ、がんばってね~!  

 

モタ:さっきはありがとね~!  

 

コウジ:ああ!  

 

コウジはモタたちと別れ、見物色による気配を探しながら月歩を使い、スケートでも滑るかの様に空を飛んでいった。彼の右腕のサンクスブレスには、2つの目盛りが付いている。しばらくするとタコとイカのたこ焼き屋を見つけた。

 

タコ:あ、いらっしゃいませタコ!

 

コウジ:なんかタコがたこ焼き焼いてるのって面白いな!

 

イカ:どうぞ、こちらにおかけになって。

 

そう言うとイカはコウジのために席を用意した。

 

コウジ:ま、時間はかなりあるからいっか。

 

コウジは言われたとおりたこ焼きを焼いてるところの前に座った。

 

んじゃ、たこ焼き1つお願いします。

 

タコ:あ、わかりましたタコ!

 

あいこ:おっ!次はハチ太郎さんの所か。あそこ、結構うまいねんな~。

 

タコ:はい、お待ちタコ!

 

コウジ:んじゃ、いただきやぁす! ( ̄~ ̄)モグモグ… うん、うまい!

 

コウジはハチ太郎のたこ焼きを全部平らげた。

 

コウジ:ごちそうさん!うまかったよ!

 

ハチ太郎:こちらこそどうもありがとうタコ!

 

ハチ太郎がお礼を言った途端、またサンクスブレスに目盛りが1つ点いた。コウジはこの事に気付き、目を疑った。

 

コウジ:え!?目盛りが点いた!?まだなんもしてねぇぞ!?ま~さか、「ありがとう」の言葉に何でも反応するんじゃあるめぃな?

 

ハチ太郎:ん?それは何タコ?

 

コウジ:ああ、これはサンクスブレスと言って…

 

コウジはハチ太郎たちにサンクスブレスの事と、自分が今何やっているかを話した。

 

コウジ:…って事なんだ。

 

ハチ太郎:そうなのかタコ。がんばっているんタコね~。

 

コウジ:なぁ、タコ。なんか困っていることないか?

 

ハチ太郎:困っていること?う~んと…。

 

ハチ太郎は出店の当たりを見渡して言った。

 

ハチ太郎:困っていることとすれば、材料のタコがあまりないことかなタコ?

 

コウジ:なるほどね。なら、ウチに任せて!

 

そう言うとコウジは影分身の術を使い、分身体を一体出した。次にククククの呪文を唱えると、神の袋インペリス・ホールから刀を取り出した。それを見たハチ太郎は怯えだした。

 

コウジ:何怯えてんのよ? 

 

ハチ太郎:そ、それをど、どうするつもりタコ!?  

 

コウジ:別にあんた斬ろうってわけじゃねぇんだから…。ま、見てなって!え~っと…。(゜-゜*)キョロキョロ(*゜-゜)

 

と言ってコウジは何かを探すように辺り見回した。

 

コウジ:この木でいいや。

 

コウジは近くにあった木を見つけると、刀で枝に付いてる葉っぱを斬り落とした。すると、その葉っぱは切り離された瞬間、すぐタコに変わった。そして、分身が持っているボウルで落ちてくるタコの切り身を受け止めた。

 

コウジ:うっし、一丁上がり!

 

コウジは山盛りになったタコの切り身が乗ったボウルをハチ太郎の許に差し出した。

 

コウジ:これでどう?

 

ハチ太郎:すごいタコ!あの葉っぱがあっという間にタコに変わったタコ!

 

イカ:あなたは一体…?

 

コウジ:ああ、ウチかい?ウチは悪魔の実の能力者だ!

 

ハチ太郎:悪魔の実?

 

コウジ:ああ!悪魔の実というのはある世界にしかない果物で、それを食べると魔法のような力が身に付くんだ。

 

ハチ太郎:へぇ~、そんなのがあるのかタコか。

 

コウジ:ま、得られる力は1つだけなんだが、たまにウチのような複数使える者もいるんだ。

 

イカ:その世界は一体どんな所なのかしら?

 

コウジ:ああ!海賊の世界だよ。

 

ハチ太郎:へぇ~、じゃあ、君も海賊なんタコね。

 

コウジ:ああ、そうだよ。あ、自己紹介がまだだったな。ウチの名は海賊大戦士・マスターコウジだ!

 

ハチ太郎:ボクはハチ太郎って言うんだタコ!

 

スルメ子:私はスルメ子。そしてこっちは私たちの子、アタリメ子ちゃんよ。よろしくね!

 

コウジ:ああ、こちらこそ、よろしくな!

 

おんぷ:コウジ、ハチ太郎さんたちともうすっかり仲良くなってるわね。 

 

どれみ:うん、そうだね。

 

コウジ:あ、ウチもたこ焼き作りやってもいいか?

 

ハチ太郎:ああ、どうぞどうぞ!コウジもやったことあるタコか?

 

コウジ:まあ、見たことはあるけどやったことはあんまないな。

 

と言いながら、コウジはさっそくたこ焼きを作り始めた。だが、コウジのたこ焼き作りはハチ太郎たちからも、おジャ魔女たちにも、想像を絶するものだった。コウジはたこ焼き作りは初めてだという言葉とは裏腹に目にも止まらぬ速さで生地や具を入れ、ひっくり返し、作り始めからたこ焼きが出来上がるまで1分も掛からなかった。

 

ハチ太郎:こ、これは……! 

 

スルメ子:す、すご~い……!(゜艸゜;)

 

どれみ:あ、あいちゃん、コウジの手の動き見える?(゜Д゜;)

 

あいこ:あ、あかん!さすがのうちでさえも全く見えへん!   

 

マジョリカ:もはや、コウジは何でもありじゃな…。  

 

それから10分後

 

コウジ:ま、こんなもんかな?

 

ハチ太郎:あ…、いや…、たった10分でここまでできるとは…。 

 

気が付いた時には数十個のたこ焼きが出来上がっていた。

 

コウジ:まあ、味はちと変えたけどな。

 

ハチ太郎:え?どれどれ?

 

ハチ太郎は試しにたこ焼きを1つ食べてみた。が、その味も想像を絶するものだった

 

ハチ太郎:ん!!?こ、これは!?∑(゜Д゜;)

 

スルメ子:ど、どうしたのですか、ハチ太郎さん!?

 

ハチ太郎:な、何といううまさタコ!!こんなの食べたことない味タコ!!

 

スルメ子:え!?どれどれ? パクッ!( ̄~ ̄)…。……!∑(゜~゜;) ほんっと!おいしい!まるで、ハチ太郎さんを超えた味かも知れない!!

 

それを観ていたおジャ魔女たちも驚きを隠せないでいた。

 

あいこ:な、なんやて!?∑(゜Д゜;)ハチ太郎さんのを超えた味やと!?

 

はづき:あのハチ太郎さんのたこ焼きを超えるなんて相当よね…! 

 

おんぷ:どんなたこ焼きなんだろう?

 

どれみ:あ~…。見ているだけでお腹が減ってきちゃったよ…! 

 

マジョリカ:まあ、ワシも気になることじゃし、魔女界にでも行くとするかの。

 

ララ:とかなんか言っちゃって、本当はコウジに疲れを取って貰いたいんじゃないの? 

 

マジョリカ:ギクッΣ( ̄□ ̄;)!ラ、ララ、余計なこと言うんじゃない!お、おい、お前達さっさと行くからとっとと着替えろ!

 

おジャ魔女:は~い! ✋

 

あいこ:て、もう着替えとるわ!

 

はづき:あ、でも月が出ないと行けないんじゃ…。

 

マジョリカ:安心せい。もう月はもう出とる。

 

どれみ:それじゃあ、魔女界へ出発しゅっぱ~つ!!  

 

一同:お~っ!!  

 

おジャ魔女たちは見習い服に着替え、魔女界へ出かけた。

 

―その頃、コウジはハチ太郎たちにONE PIECEにしかない調味料を教えていた。

 

スルメ子:アクア・ラグナ?

 

コウジ:ああ!ウォーターセブンという島があってな。そこにアクア・ラグナというドデカい高波がよく来るんだ。その波は島の人々を悩ませることが多いんだが、そいつが去った後干上がることで天然のミネラル成分が豊富な極上の塩が残してくれる。

 

ハチ太郎:じゃあ、このたこ焼きの秘密はそのアクア・ラグナの塩って事タコ?

 

コウジ:ああ、そうだ!この塩はあらゆる食材のうま味を最高値まで引き立てる役割があって、こいつを少々加えるといつもの味よりも2~3倍うまく感じるんだ。

 

スルメ子:そういうことだったのね。この事をどれみちゃんたちが聞いたら絶対食べに来るわね。

 

コウジ:あぁ、あんたら、どれみたちと知り合いなのか?

 

ハチ太郎:ということは、コウジもどれみちゃんたちとお知り合いタコ?

 

コウジ:ああ、前に少し会ったんだ。ついさっき、そっちの世界で人助けをしてたんだ。

 

スルメ子:どれみちゃんたちにもやったの?

 

コウジ:いや?助けたのはどれみだけで、他のメンバーに聞いても「特に無い」って言ってたからな。まあ、おそらくウチの事が気になるだろうから、たぶんマジョリカの水晶玉にでも見てるんだろうけど…。

 

ハチ太郎:じゃあ、コウジが作ったたこ焼きを食べに来るかも知れないタコね!

 

コウジ:まあな。あいつらの事だから飛んでくると思うけど。

 

そう言うとコウジは見物色で感覚の範囲を広げた。すると、遠くの方からどれみたちの気配を感じ取った。

 

コウジ:おっ、噂をすれば! ❗ <

 

コウジが感じる方へと向けると、MAHO堂のメンバーたちが全員箒やちり取りに乗って飛んできた。

 

どれみ:お~い!コウジ~!ハチ太郎さ~ん!  

 

ハチ太郎:やあ!どれみちゃんたち~、よく来たタコ~!

 

どれみ:いや~、マジカルステージを使ってコウジの事見てたんだけど…。 

 

あいこ:コウジのたこ焼きがハチ太郎さんを超えてるて聞いて、もういても立ってもいられへん様になってもうてな 

 

おんぷ:ほら、私たちコウジにまだ何もお願いしてなかったでしょ?

 

はづき:だから、ついでということでみんなで来たのよ。

 

コウジ:おお、そっか!んじゃぁ、たくさん食べてくれ!勢い余って結構な量作り過ぎちまったからな。

 

あいこ:そんなんお安い御用や!

 

どれみたちは店のカウンター席に座ると積み上がっているたこ焼きのパックをそれぞれ手に取り、自分の所に置いた。

 

どれみ:それじゃ、さっそく…

 

MAHO堂メンバー:いただきま~す!

 

マジョリカとおジャ魔女メンバーたちは、たこ焼きを丸々1個口に頬張り、妖精たちはたこ焼きにかじり付いて食べた。

 

MAHO堂メンバー:( ̄~ ̄)…。  ❗❗❗

 

マジョリカ:な、何じゃ、これは!?  

 

どれみ:こ、この味のうまさ!!

 

はづき:こ、この生地の香ばしさ!!

 

おんぷ:そして、その中のふわふわ感!!どれも完璧よ!

 

あいこ:ああ、さすがのあたしもこれは認めざるをえんな。  せやけど、このたこ焼きソースもなんも掛かってへんねん。

 

ララ:そういえば、そうね。きっと何か取っておきの秘策があるんじゃないかしら?

 

どれも:取っておきの秘策って事は私たちの目に見えない透明なソースとか?

 

おんぷ:でも、このたこ焼き何かが掛かったという形跡はないわよ?

 

コウジ:まあ、そりゃそうだろう。掛かってんのがソースじゃなくて塩なんだからな。

 

あいこ:塩!?へぇ~……このたこ焼きのうまさの秘訣は塩かいな!? ❗

 

コウジ:ああ、海賊の世界でしか採れない、極上の塩をな!

 

マジョリカ:たしかに、少し塩気がある気はするな。

 

はづき:この塩によってたこ焼きのうま味を引き立たせるのね。

 

ハチ太郎:そうなんだタコ。他にもその塩で料理に使うと、通常の2~3倍ものおいしさを引き立たせる役割があるそうなんだタコ!

 

どれみ:へぇ~、そうなんだ。でもコウジ、本当はたこ焼きやったことあるんじゃないの? 

 

おんぷ:そうね。結構スピーディーでこんなにおいしいたこ焼きを作れるんですものね。

 

コウジ:あぁ、いや、今日初めてだけど?まあ、食義ってのをマスターしたから出来ただけなんだけどな!

 

おんぷ:食義?

 

コウジ:食義ってのは食の作法の事なんだ。食林寺というお寺で修行するんだ。

 

はづき:食事のマナーみたいなものね。

 

コウジ:まあ、だいたいそんなものだな。ただ、食義にはある教訓があって「万物への感謝と敬意を片時も忘れずに常に心の中心に据えておくこと」ていうのを心掛ける必要があるんだ。

 

はづき:万物への感謝…ね。 

 

どれみ:万物って?

 

はづき:あらゆる全てのもののことよ。たぶん、食べ物の他にも私たちがいつも吸っているこの空気とか、花や石、草木などの植物とか、私たちにいつもかかせないものに感謝しろってことなのよ。

 

コウジ:他にも自身の感情や技、魔法なども感謝するんだ。

 

マジョリカ:つまり、物のありがたみが分かれとそういう事じゃな?

 

コウジ:まあ、そういう事だな!ちなみに食義を極めるのはただ単に食を正すためだけではなく、自身の技や能力の性能をあげるためでもあるんだ。

 

はづき:技や能力の性能を上げる?

 

コウジ:例えば、ダンサーや楽器の演奏者などが食義を極めれば、上級者レベルに上達出来たとか、料理人が食義を極めれば、ウチのように繊細でかつ素早く作れるようになったとか、それ目的で極める人も多いんだとか。

 

おんぷ:へぇ~、そんなにすごいんだ。もし、出来るのなら入ってみたいなものね。

 

あいこ:せやけど、お寺で修行言うんやから、相当きついんやないの?

 

コウジ:ああ、この食義を極めるのは結構難しくってな。何かに感謝してなかったり、礼儀が正しくない人だと寺に入れてくれないんだ。

 

どれみ:お寺の門から入れないってこと?

 

コウジ:いや、そいつらが寺に近づくと階段から刺が出てきたり、竹槍が降ってきたりして攻撃してくるんだ。

 

MAHO堂メンバー&ハチ太郎夫婦:ええ~~!?∑(゜Д゜;)

 

どれみ:行儀が悪いだけで、そんな仕打ち受けなきゃならないの!?

 

はづき:た、たぶん、それほど厳しいところなのよ、きっと。

 

コウジ:それに入っても合掌の形が違うとサボテンから刺が発射するし…

 

ハチ太郎:ええっ!?  サ、サボテンの刺!?

 

コウジ:きれいな合掌の形になったときは結構体中に刺が刺さったよ。

 

あいこ:なんや、合掌するだけやのに命がけやな…。 

 

コウジ:あと、花びらがハムになっている薔薇の花「ローズハム」ってのがあってな…

 

どれみ:へぇ~、ローズハムかぁ…。

 

コウジ:そのローズハムを咲かせる修行をするんだが、その花を咲かせるには、感謝の念を必死に練らないとダメなんだ。

 

ハチ太郎:その花を咲かせないとどうなるタコ?

 

コウジ:ローズハムが食事だという事だから、例え朝食の時間だろうと花を咲かせない限り、食えねぇんだ。

 

どれみ:え~!?  そんなに厳しいの!?あたしだったら絶対無理だよ~!!

 

おんぷ:でも、それで効果が現れるんならやる価値はあるかもね。

 

あいこ:せやな…。って、おんぷちゃん食義やる気あんのか?

 

おんぷ:なんてね、冗談よ!てへっ! ✴

 

おんぷはアイドルのように舌を出したりしておどけて見せた。

 

あいこ:なんや、冗談かいな! 

 

はづき:ふふっ、おんぷちゃんったら! 

 

どれみ:やだなぁ!もう、びっくりしちゃったよ。 

 

一同:あはははははは… 

 

コウジ:んで、お前ら満足したか?

 

あいこ:うん!こんなおいしいもんごちそうしてくれて、ありがとな! 

 

はづき:とてもおいしかったわ。ありがとう! 

 

どれみ:あたしもステーキに続き、たこ焼きまでごちそうしてくれるなんて、至れり尽くせりだよ!

 

おんぷ:でも結局ステーキ食べられなかったけどね?

 

どれみ:むっ!おんぷちゃんの意地悪! 

 

おんぷ:コウジ、今日は本当に楽しかったわ、ありがとう。 

 

ララ:私たちからもしてるわ。ありがとう。

 

その後にドドたちもお礼を言った。

 

ハチ太郎:ボクたちからもお礼を言うタコ。

 

スルメ子:コウジ、本当にありがとう!

 

コウジ:うっし!結構一気に溜まったな。ニヒヒヒ…!まあ、残りはあと半分ってとこだな。 

 

 

マジョリカ:ちょ~っと待った!! 

 

 

コウジがうれしそうにつぶやくとマジョリカが大声で怒鳴った。

 

どれみ:ちょ、どうしたの、マジョリカ? 

 

マジョリカ:どうしたもこうしたもないわい!まだワシの頼み事を聞いておらんではないか!  

 

ララ:あ~!たしかモタモタさんたちにやっているところを見てて、自分もやって貰いたくなっちゃったんだっけ?

 

コウジ:あぁ、そうなんか。んじゃ、やるか?

 

そう言うとニキュニキュの実の呪文を唱えた。

 

マジョリカ:おぉ、やってくれるのか?すまんのう。

 

マジョリカはそう言ってコウジに背中を向けた。コウジはその背中に手でポンッと軽く叩いた。すると、疲れの塊が出て来た。だが、出て来た塊の大きさがモタモタたちよりも小さかった。

 

おんぷ:あら?疲れの塊がモタさんたちよりも小さいわよ?

 

コウジ:まあ、それほどあまり疲れてないんだろう。疲れのダメージが大きければ大きいほど、出て来る塊も大きくなっからな。

 

あいこ:何やマジョリカ、あんなにやって欲しいって駄々こねてたってのに、実際にやってみたらそれほど疲れてへんやん!  

 

マジョリカ:う、うるさいわい!じゃが、たしかに一気に楽になったわい!ありがとな。

 

マジョリカは肩を回しながらコウジにお礼を言った。するとコウジの右腕についているサンクスブレスに光の目盛りがついた。

 

コウジ:な~に、こんくらいお安い御用だ。まあ、もう目盛りが半分くらいまで行ったから、次の世界へ行くとするか。

 

どれみ:次はどこの世界に行くの?

 

コウジ:ああ。この東堂いづみの世界になんか新しい世界が出来たらしいんだ。

 

ララ:新しい世界?

 

コウジ:そうみたいなんだ。まあ、探索も兼ねてそこで修行してみるつもりだ。

 

マジョリカ:そうなのか。では、ワシたちもおいとまするとするかの。

 

どれみ:そうだね。じゃあコウジ、いろいろありがとう! 

 

あいこ:ほな、またな! 

 

はづき:修行がんばってね~! 

 

コウジ:ああ!またな~!  

 

どれみたちは箒に乗って、帰って行った。コウジはどれみたちを見送るとドアドアの実を使って、次の世界へと行った。

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