とあるオタク女の受難(ゴブリンスレイヤー編)。 作:SUN'S
И月Б日
すでに森人弓手さんの愚痴を聞く会となったギルド食堂、その傍らで邪神と交信する鉱人導士さんに呆れながら蜥蜴僧侶さんに地元から取り寄せたチーズをプレゼントする。
これで好感度は爆発的に上がる筈だ。あわよくば酔わせて宿舎に連れ込んでしまえばいい。そんなことを考えていると彼と神官ちゃんが帰ってきた。なぜか私は来なくても大丈夫と言われたが、私は彼らに嫌われてしまったのだろうか。
そう思ってしまうほど私は好ましく彼らを気に入っているのだろうが、そろそろ信者の暴走を止めるために帰らないといけない。
正直に言えば此方の世界は生きやすい。
それでも私は海の底で眠っている父を助けたい。
そのためにも信者たちの信仰心と生け贄の魂は必要だ。しかし、いくらゴブリンを殺したところで魂の強さは微々たるもの、向こうの世界ほど贅沢な生け贄を渡せない。
それが堪らなく悔しい。私の代わりに供物を捧げる信者は多いが、動物や子供の魂では足りないのだ。もう、私が戻るしか方法はない。
И月Ё日
神官ちゃんの素敵な衣装を見れて大満足だ。それに人間の賑わった声も良い。ただ、なにやら催し事に相応しくない感情を抱いたやつがいる。
なんというか。あれだ、ハスターのやつに唆されたやつらにそっくりだ。私の大嫌いなやつと言ってもいいかもしれないが、あまり関わるのは止しておこう。どうにも嫌な気配を纏ってる。
それにあれが狙ってるのは私じゃなくて彼のようだし、なんらかの接点でもあるのだろう。しかし、神官ちゃんの写真を取れないのは残念だ。いつもなら信者と一緒に舞台セットを作り、聖女へと祭り上げるなどしているのだけれど。
今回の相手は地母神の巫女だ。
そう簡単に連れ去ることは出来ないし、向こうにも連れていけない。いっそのこと絵師を募って神官ちゃんを描かせてみるのもありだな。
И月∪日
なにやら巨大な手らしきものが見える。どうなっているんだと騒ぐ人々と武器を構える冒険者、そっと私を指差す受付嬢さん、私は何もしていないぞ。
そう受付嬢さんに言えば「いえ、貴女なら止められるのではないかと思いまして」等と言い返され、渋々ながら半分ほど地上に出てきた巨人を見る。
あまり関わりたくないのだが、普段から迷惑を掛けている受付嬢さんの頼みだ。ちょっと強めに殴って追い返そう、それでダメなら神聖な気配を垂れ流す少女に押し付けてしまおう。
ちょっと二百匹くらいビヤーキーを喚んで巨人の相手させるか。私も着いていけば問題ないだろうけど、あれは殴るだけじゃ死なないんだろうが、まったく楽しいお祭りを邪魔する最低は死刑だ。
それにしても神官ちゃんたちは何処へ行ってしまったのだろうか。私も一緒にお祭りを見て回りたかったのに仲間はずれなんて酷いじゃないか。
あっ、ビヤーキーが落とされた。
べつにハスターの下僕だから落とされても悲しくないけれど、巨人風情が偉そうに見下しやがってファイナルフラッシュで吹っ飛ばしてやる。