とあるオタク女の受難(ゴブリンスレイヤー編)。 作:SUN'S
♯月♭日
ほんのちょっと本気になっただけじゃないか。そんな冒険者総出で取り囲まれると動きづらいし、あと男の人は汗臭いから離れてほしい。
私の言葉を聞いた過半数の冒険者は離れた。ほとんどが女性の冒険者なのでむさ苦しいオッサンに囲まれ、私は凄く気分を悪くしているよ。
どれくらいかと言えば擬態の魔術を維持するのも大変なぐらいだ。本当に清潔な人だけ私を押さえに来てくれないか。
だいたい、巨人を倒せと言ったのは受付嬢さんたちだったじゃないかと問えば「いくら神の娘だからって山を消し飛ばしませんよ!!」と怒られた。
いや、それはそうだけれど。
あれだけ大きいと超速再生を可能性だってある。もしも六割以下で攻撃して肉片が飛び散れば大変なのは君たちだよ?
そう伝えると「貴女は困らないんですか?」と聞かれたので「私は向こう側に行って本体と手加減せずに戦うつもりよ」と答えたら何人かのギルド職員が安心したような溜め息をこぼす。
いったい、どれだけ私に面倒事を押し付けるつもりなの?と聞けば顔を反らしながらギルドへと帰ってしまった。まったく文句を言うなら考えてから喋ってほしいね。
♯月゜日
ちょっと髪の毛を調達してくると空間の裂け目へと入ったボーボボたちを追い掛けるくそ犬とソフトンくんを見送り、そっとボーボボたちが四方の世界に出てこれないように封印の術式を施す。
最初からこうしておけば良かった。あとで神官ちゃんの使ってるアイスクリームの屋台も片付けて、あいつらの世界に送り返さないといけない。
本当の本当に迷惑な奴らだ。
いくらツァトゥグアと仲良くなったり、何度もショゴスと鬼ごっこしたり、謎の遺跡から銀の鍵束を盗み出したり、本当に意味不明すぎる。
私の立場を勝手にか使って難を逃れたりするのは日常茶飯事だし、頭領パッチくんに関してはショゴスと融合して軟体になったりした。
しかし、なんだろうか。アフロとトゲが空中に浮かんでいる。もし、これを目印に帰ってこられても面倒なので切り取って処分しておこう。
♯月ゐ日
どうやら雪山の砦を根城とするゴブリンを退治するため長距離移動の準備を始めるそうだ。それは私も着いていって構わないのだろうか?と聞けば「ああ、人手は多くて困らん」と言われた。
やはり、彼は言葉足らずだ。
もっと優しく話してくれると嬉しいからね。神官ちゃんに問い掛けると気恥ずかしそうに頷き、燻されたお肉や果物を風呂敷に包んでいる。
こういうものを持っていくのは普段の退治と比べてく長期間になるということかな?
そう彼に問えば「凍死の危険性もある。口を動かせば多少は体温を保てる。それに吹雪の中で火を焚くのはゴブリンに襲ってくれと言っているようなものだ」と長年の経験で培った事を教えてもらった。
しかし、この荷物を抱えるのが私というのは釈然としない。むしろ男の人が率先して持ってくれると思ったのだが、私の停滞キューブに入れれば楽に動けると知られたらしい。
まったく誰に聞いたのやらだよ。