とあるオタク女の受難(ゴブリンスレイヤー編)。 作:SUN'S
↓月ヴ日
なにやら受付の辺りが騒がしいが、なにか事件でも起きたのだろうか。それにしても黄衣の王の眷属とは違うようだけれど、そこはかとなく渋くて格好良いイケメンが居るわね。
たしか此方だと蜥蜴人っていう種族だっけ?と神官ちゃんに聞けば、あまり人前に出てくるような種族ではないらしい。
そういうところは地元と似てるわね。
彼と一緒にギルドの二階へ行ってしまうイケメンさんを眺めていると、またもや神官ちゃんが他の一党に誘われていた。
可愛くて小っちゃな神官ちゃんを誘いたくなるのは分かるけど、彼の悪口を聞き流せるほど私は大人じゃないんだ。
確かに彼は必要最低限のことしか喋らないし、無口で無愛想なところはあるが、彼なりに私たちを気遣ってくれてるんだ。
あまり陰口や悪口は言わないでくれよ。
まあ、君たちの言うように神官ちゃんが色々と大変な目に遭ってるのは事実だけど、それはそれでゴブリン退治には必要不可欠な事だ。
↓月ヶ日
私は蜥蜴僧侶さんと仲良くなりたい。そして、あわよくば子供を産ませて貰えないだろうかと思っていたりする。
そんな変態を見てしまったと言わんばかりに距離を取るのは止めてほしい。これには、ちゃんとした理由もあるんだ。
神官ちゃん、私は邪神の血族なんだ。
それも最高位の神の血を引いている、それがどういうことか分かるかい?それを知った奴らは結婚するのは無理だとか言ってどこかに逃げやがった。
えっ、私は頭の病気じゃないよ?
誰かに意識も乗っ取られてないよ。しっかりと親の顔は覚えてるし、ちょっと蛸っぽい見た目だったけど、わりとイケメンの部類だったよ。
べつに嘘はついてないよ。なんだったら
そう神官ちゃんに話していると前方で彼を値踏みしていた
彼らと私達の歩幅を比べても小話が聞こえる距離ではなかったはずだ。それなのに、どうやって私達の話していた会話の内容を盗み聞いたのだろうか。
↓月ゎ日
私と神官ちゃんの近くに座って先程の話を掘り返そうとする森人弓手さんに事実だと伝えれば、どういうものを司る神なのかと追求される。
私の目的は、とある事情で海底の更に底に沈んだ故郷の復活と我らが父の目覚める時を待つことだけ、それ以外は他の種族と営みを得たり、なにかと腹立つ黄衣の王の眷属と喧嘩するだけよ。
あと自分の赤ちゃん産みたい。
なんとも言えない空気を作ってしまったが、本当のことなので何一つ訂正するつもりはない。むしろ、私の目的なんて親族問題みたいなものだ。
そう焚き火に背を向けながら明日の探索で使いそうな道具を選別していると、鼻水を啜りながら「今日は飲んで忘れようぞ」と訳の分からない事を話す鉱人導士さんに火酒を差し出された。
お酒は好きだから別に良いのだが…。
どうにも釈然としない。