とあるオタク女の受難(ゴブリンスレイヤー編)。 作:SUN'S
◇月∴日
ゆったりと風の吹く場所だ。あいつの下僕でも居るのだろうかと考えていると、またもや四方の神々による心理チェックだ。
そういう無作法なのは使わせない。
いくら私が違法入界したとはいえ何度も彼を利用しようとするのは駄目だと思うんだ。ちゃんと彼のことも私のことも理解しようとしたのかい?
あまりにも杜撰な行動ばかりだ。
もっと仲良くなりましょうってスタンスの地母神、面白そうだからという理由で近付いてくる知覚神を真似しないと魂胆が丸分かりだぞ。
私の独り言を聞いていたのか、森人弓手さんは首を傾げながら神官ちゃんと一緒に歩いている。たった二日間で仲良くなるなんて流石は神官ちゃんだ。
私も少しは見習った方が良いのだろうか?と考えていると森人弓手さんが腕を広げて、私達を後ろに後退するように言ってくる。
どうやら目的の場所は此処の様だ。
◇月¶日
蜥蜴僧侶さんは遺跡ではなく此処は神殿だったかもしれないと言っている。それは当たらずも遠からずだ、よく見れば普通に邪神がンガイの森を焼いてる壁画があるし…。
他にも円筒状の脳収納器や黄金の蜂蜜酒を飲んでる人も描かれている。鉱人導士さんには、お酒を大盤振る舞いしている様に見えるらしいけれど、これって普通に人間を眠らせて脳ミソを回収しようとしてるだけなのよね。
なぜか、さっきまで楽しそうに壁画を見ながら談笑していた彼らが引き吊った顔で私を見ている。なにか変なことを言ってしまっただろうか?
いや、私の父親は善なる神だ。
そんな汚いものを欲しがったりしない。どちらかと言えば何かと故郷復活の邪魔する黄衣の王が、そっち系のものを集めてる変態だ。
私は誰彼構わず襲ってる深きものどもとは違う。確かに、ちょっと子供欲しさにイケメンを追い掛けたりした事あるけど、そこまで性欲まみれな訳じゃないんだ。
◇月Ρ日
彼の予想は当たっていたらしく、ゴブリンの肥溜めに使われていた部屋に怪我を負った森人の女性が拘束されていた。一応、神官ちゃんの
彼女が自暴自棄にならないことを祈りながら嗚咽を漏らす森人弓手さんを立ち上がらせ、次の犠牲者を出さないためにも進もうと言葉を掛ける。
こういうのは頭目とか一党を纏めてる人がするものだよ?と彼に言えば短く答えるだけで、さほど森人弓手さんの体調にも興味は無さそうだ。
私が言えることじゃないけど、しっかりと身近な人の変化には気を配った方が良い。もしかしたら驚きの発見があるかもしれないからね。
そう彼に言えば不思議そうに首を傾け、私の後ろを注視している。そこは見ちゃダメなところだから目を反らして貰えると嬉しい。
もっとも私の後ろには何もいないだけれど。