あとねじれちゃんもいるしね(^o^)…………戦わせるかぁ……
第二十話:リューキュウ事務所
ーーーー 職場体験当日 ーーーー
都市駅に集合した1−A組はそれぞれコスチュームの入ったケースを片手に、事務所先の電車が来るまで待っていた。
狩迅は緑谷、飯田、麗日と共に時間が来るまで会話している。ちなみに狩迅はリューキュウ
、緑谷はオールマイトの推奨でグラントリノ、麗日はガンヘッド、飯田はマニュアルと言うヒーローの元へ行くことになる。
「緊張して来たぁ……」
「確か緑谷はグラントリノだったな。聞いたことのない名前だが…」
「えっと…相澤先生みたいに表に出てないタイプの実力派ヒーローなんだ!かなりの凄腕らしいからね!」
「デク君、狩迅君、飯田君、もうすぐ電車来るよ!」
「いつの間にか時間が来てたな。そろそろ出発するか」
「あぁ、そうだな」
(飯田君、そういえばお兄さんがヒーロー殺しに………)
「飯田君…あまり無茶しないでね?なにか困ったら相談してよ!友達だから…」
「ッ……あぁ、ありがとう。」
飯田はそれだけ言って、立ち去ろうとする。
「飯田……」
「狩迅君…」
狩迅が飯田の事を呼び止める。
「忠告だ。憎悪はヒーローから最も遠い感情だ、気をつけろ。」
「………………分かった。忠告ありがとう。」
飯田は今度こそ立ち去っていったが、どこか悲しみを背負っている背中を見て、どこか複雑な感情に陥っていた。
緑谷と麗日に別れを告げ、ドラグーンヒーローの元へ進む。
ーーーー 移動中 ーーーー
「ここがリューキュウの事務所か。随分と大きいな……トップヒーローは全員こんな物なのか?」
狩迅は巨大なビルを見上げ、インターホンを鳴らした。そうすると水色のロングヘアの可愛らしい女性が出てきた。
「雄英高校1年A組の狩迅龍騎です。職場体験をさせて頂きたく、参りました。指名ありがとうございます。」
「あ!あなたがリューキュウの言っていた狩迅君ね!私は波動ねじれ、よろしくね!」
「よ…よろしくお願いします」
かなり距離感が近い。それにも驚いたが、中々に好奇心旺盛な性格らしく質問攻めにされる。
「ねぇねぇ!なんでリューキュウの事務所選んだの?ヒーロースーツどんなのなの?どんな個性なの?不思議だねぇ!!」
「あー何から話せばいいのか……」
答える前に次々と質問される為、狩迅は内心かなり困っていた。すると後ろから声が聞こえる。
「ねじれ、その子困ってるわよ?君が狩迅君ね、私はリューキュウ。指名に応じてくれてありがとう。短い期間だけどよろしくね。」
青髪の女性にも負けず劣らずの美人さんが微笑みを向けてやってきた。彼女がリューキュウで間違いないだろう。中国風のチャイナドレスを着て、顔に爪のような物をつけている。
リューキュウは26歳と言う若さで速くも独立し、ビルボードでは9位の上位ランカー。彼女とは似た個性同士、きっと何かを身につけることができると思い、狩迅はここを選んだ。
「中に入って。案内するわ。」
事務所の内装はかなりキラキラしていた、目が眩しい。至る所に装飾品のような物が飾られており、女性らしさがあった。と言うよりも女性しかいなかった。途中サイドキックの人と会ったが人数が4人とトップヒーローにしてはかなり少なかった。
彼女曰く、最近独立したばかりでまだ色々な事が残っているらしい。ちなみにさっきの青髪の人はずっと不思議そうに見つめてくる。ちょっと恥ずかしい。
それでも彼女こと波動ねじれは雄英高校の3年、仮免を既に取っており事務所の即戦力。
「ごめんなさいね…これでもねじれは雄英ビッグ3の一人になれるほどの実力があるのよ?」
「ビッグ3?」
狩迅はそういう事にはあまり詳しくない。ビッグ3と言う名前も初めて聞く。
「ねぇねぇ知ってる?ビッグ3って言うのは雄英高校でとっても強い3人の事だよ!凄いでしょ!私以外には通形君と天喰君って言う人がいるの!みんなとっても仲良しだよ!」
(そんなのがあったのか。それにしてもビッグ3か…雄英のトップ3って事だよな?)
狩迅はその集団に興味があった。実力はどれ程なのか、一度戦ってみたいと思っていた。そんなこんなで時間が経ち、更衣室に移動し、そこでナルガクルガのコスチュームに着替える。実は少しコスチュームを改良していて、顔面の防御もしないといけないと思い耐熱性と耐冷性のある赤いマフラーのような物を加えていた。
「独特なコスチュームね。忍者かしら?」
「何で忍者みたいにしたの?そのマフラーは何なの?ねぇねぇ何で?不思議〜!」
「あー…俺の個性は迅竜、大昔に人々を襲ったとされる怪物です。通り名は闇に走る赤い残光……それらしいでしょう?」
コスチュームは結構好評らしい。リューキュウの中国風のドレスに狩迅の日本らしい忍のコスチューム、並んで見てみるとかなり…
「かっこいいねぇ!」
「そう言ってくれると幸いです。波動……"先輩"?」
先輩と言われると波動はにっこりと目をキラキラさせながら嬉しがっていた。
「わぁ〜!後輩が出来たよ!!ねぇねぇリューキュウ!!」
何度か波動に対して"先輩"をつけて呼ぶと子犬の様にとても喜んでいた。後輩ができた事に喜びながら頭を撫でてくる。
「えへへ〜〜」
「本当にごめんね……」
「別に構いませんよ。」
(幼く感じる反応なのにどこか包容力がある。不思議な人だな………)
狩迅も狩迅で悪い気はしなかった。頭を撫でられたのは何年ぶりだろう、これが俗に言うほっこりと言うのだろうか?しばらく撫でたら満足したようで手を離してくれた。
(髪がくしゃくしゃになってる…)
「そういえば聞き忘れていたわね。あなたのヒーロー名は?」
「ナルガクルガ、それが俺のヒーロー名です。」
「いい名前ね、気に入ったわ。それじゃあ早速本題に入るわよ。」
(パトロールか?もしくは他の任務から始めるのか…)
狩迅がそんな事を考えているとリューキュウがとんでもない事を言ってきた。
「まずはパトロール……と言いたい所だけど、まずは君の実力を見させてもらいたいの。言うなれば"模擬戦"ね」
狩迅はその言葉に少し嬉しさを感じ、不敵な笑顔を作っていた。狩迅は個性による物なのか分からないが意外と戦闘好きなのである。
「いきなりですか?」
「基本的にどこの事務所でもやっているわ。画面上だけじゃ実力は測れないからね、特に君は… あとここでは戦闘訓練もやっていくわよ。気を引き締めてね?」
「そういう事なら仕方がない…それで俺の相手は誰が?」
気になる相手だが、狩迅はそんなもの初めから分かっている。
「勿論私よ。これでも力には自身があるのよ。私じゃ不満だったかしら?」
「いえ、寧ろ好都合……」
「リューキュウが久しぶりに燃えてるね!なんでなんで?どうして?」
「強いて言うなら、竜同士だからかもね…」
ロビーから移動し、結構な広さがある戦闘室のような所に来た。狩迅は指をの骨をポキポキと鳴らしながら軽く準備体操をする。柄にも無く楽しみにしていた。
「ここなら思う存分暴れられる。波動先輩、合図をお願いします。」
「任せて!リューキュウ、準備はいい?いいよね?」
「いつでもいいわよ。」
「うん!じゃあ始め!」
(ナンバー9の実力、見せて貰う!)
狩迅は掛け声と共に個性を発動させる。腕と足を迅竜化、亜種羅と嚇眼を同時発動し走りかかる。対してリューキュウは個性を発動させ、巨大な竜へ変貌する。
「フッ!」
空中へ飛び上がり、渾身の回し蹴りを放つ。見事リューキュウの顔面に当たるが、痛そうな素振りをしない。
「いい蹴りね。あの体育祭で優勝しただけあるわ」
「だったら少しは痛がってくれてもいいと思うんですがね」
リューキュウは微笑みながら言い放つ。狩迅はノーダメージのリューキュウを見て少し戸惑い、すぐに態勢を立て直すが、その隙を逃さず物凄い速さで突進して反撃してくる。狩迅は横に回避し、何とか避けることに成功するが当たった壁には巨大なクレーターができている。
(あの巨体であそこまでの速度…決して侮っていたわけではないが、予想以上だ。)
「竜の鉤爪!」
「爪なら私も負けてないわよ!」
リューキュウと狩迅の攻撃が互いにぶつかり合い、火花が飛ぶ。拮抗していたかのようにも見えたが、あと少しの所で押し負けてしまう。
その後はリューキュウの止まらない猛攻が続き、狩迅は防戦一方となる。そして回避する時思わず足を崩し、倒れかけてしまう。
「君の実力はそれ程度じゃない筈よ!あの時見せた力を解放しなさい!」
「チィ!」
狩迅は迫ってきたリューキュウの頭を両腕で抑える。一瞬止めたかと思ったら次の瞬間には吹き飛ばされて壁に叩きつけられていた。
「本当に馬鹿げた戦闘力だ…だがこれで良い、これで俺はまた強くなれる…」
変身を解き右腕、左腕、右足、左足と壁にめり込んだ体を前にだす。リューキュウがこっちへ向かってくる。狩迅は左腕腕をゆっくりと前に出し、静かに目を閉じる。
「…………………」
リューキュウが迫ってくるが狩迅は全く動かない。リューキュウの第六感は警告を流す。
(遂に使ってくるわね、迅竜を!)
勢いは止まらず、そのまま狩迅に激突するがリューキュウの頭は左手で簡単に止められてしまう。瞬間、狩迅の後ろから衝撃波が流れる。
「ッ!?」
「えぇ!?リューキュウの突進止めちゃった!」
「ゼァア!!」
狩迅はそのままリューキュウの顔を鷲掴みにし、片手で投げ飛ばす。今の姿のリューキュウは恐らく7トンはあるだろう。勿論、そんじょそこらの個性ではそんな芸当は出来ない。
「ハァァァァァァァァァッッッ!!!」
狩迅の姿が白く輝いていく、体からは月白色のオーラがにじみ出ている。リューキュウは雰囲気がガラリと変わった狩迅に対して最大限の警戒をし、同じく波動もその異様な姿に目を見開いていた。
(私を簡単に投げ飛ばす程の怪力、あの姿は…)
今度は逆に投げ飛ばされた事で、リューキュウの方が壁に叩きつけられていた。
「迅竜は、使わないのね?」
「あれはまだ慣れていないんです……………あれ程の戦闘力はありませんが、こっちは安定感が良い。月迅竜…俺はそう名付けました。」
圧倒的なプレッシャー、リューキュウはまるで凶悪なヴィランと対峙しているような錯覚に陥った。
(凄いプレッシャー…本当にこの子は高校生なの?)
「……………」
ここは室内なのにも関わらず、何故か狩迅の髪やコスチュームは静かに優しく風に吹かれたかのようになびいていた。その眼は真紅に光っており、どこか神々しくも見える。
「ふぅ…ここらでやめときましょうか。」
「ッ?もういいの?」
「俺は短期決戦派なので長時間の戦闘は無理なんですよ。」
狩迅はオーラを解くと、疲れたかのように座り込む。ハッと我に返ったリューキュウも同様で返信を解き、人間の状態へ戻る。
「ねぇねぇ?この場合はどっちの勝ちなの?引き分け?」
「え?あ~………まぁ引き分けって事にしておいてください。」
彼は引き分けと言うが、どうにもリューキュウにはその言葉が信じられなかった。
(引き分け…か。あのまま続行していたらどっちが倒れていたのかしら……)
リューキュウは立ち上がり、波動に質問攻めされている狩迅の近くに寄って話しかける。
「ナルガクルガ、君の力は良く理解できたわ。無茶なお願いを聞いて貰ってごめんなさいね。それにしても驚いたわ…生中継で見ていたけど、ここまで出来るなんて。」
「強さには結構自身があるんです。簡単には負けませんよ。」
「頼もしい限りね、でも一つ注意点があるわ。君は短期決戦だけど相手の実力をじっくりと図る癖のような物があるわ、それは戦場では命取りになるから気をつけなさい。」
「申し訳ない、精進します。それでパトロールとかの方はどうするんですか?」
狩迅は波動の手を取りながら、立ち上がりリューキュウにパトロールの方法やいつするのかを聞いていた。
「そうね、大体は学校で習ってると思うけど細かい所は今から説明するから会議室に集合しましょう」
「狩迅君こっちこっち!」
波動が疲れている狩迅の手を引っ張り、会議室へ走っていった。
「先輩として、後輩をエスコートしたいのかしら?」
波動はいつもの3割増しで元気だった。
ーーーー 会議室 ーーーー
「到着〜!」
「ここもここで光り物がゴロゴロと……光が反射して目が痛い」
「二人共いるわね、じゃあ適当なところに座って」
そんなこんなでリューキュウのヒーロー雑学が始まった。波動は聞く必要無いのに何故かすぐ隣に座っている。
ーーーー 三十分後〜 ーーーー
「…………と言う事で、あらかた説明したけど理解できたかしら?」
「問題無く。ただ一つを除いてですがね。」
聞き飽きて眠くなってしまったのか、狩迅の肩に寄りかかってスヤスヤと眠っている波動がいた。
「zzz……」
「ねじれ〜起きなさい!」
リューキュウは波動のほっぺたをつねって起こす。
「ん〜、おはよう〜」
ほやほやした顔であくびをして寝ぼけていた。
「これが……母性本能と言うやつか」
「ちょっと違うわね」
「?」
眠い波動さんであった。
女の子は葉隠さんとねじれちゃん、男の子はファットガムが好きです。かあいいです。