闇を駆けるヒーローアカデミア   作:シロロ少尉

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これで職場体験は終わりです!リューキュウにはインターンでもお世話になるでしょう……


第二十三話:職場体験の終わり&救助訓練

「腕が…」

 

 

「痛い……」

 

 

あの事件から一夜が明け、ヒーロー殺しとの戦闘の影響による怪我をここ、保須総合病院で治していた。轟と狩迅以外の二人は腕の傷が深いらしく、しばらくの間入院と言う事になった。

 

 

「やってくれたな、ヒーロー殺し…腕が包帯でグルグル巻だ。」

 

 

「…………」

 

 

「狩迅君はよく動けるね…」

 

 

「迅竜の腕のおかげだろうな。皮膚の強度は通常の数十倍にもなる、そう簡単には折れん。」

 

 

狩迅は二人と比べると比較的軽症で済んでいた。と言っても骨にひびが入ってる程度のこと…

 

 

「でも、冷静に考えると…凄いことしちゃったね」

 

 

「そうだな…」

 

 

「あんな姿見せられたら、生きてるのが奇跡だと思っちゃうよ。僕のこの足、殺そうと思えば殺せてたと思うんだ。」

 

 

「あぁ、俺らはあからさまに生かされた。あんだけ殺意向けられて、尚立ち向かったお前はすげぇよ。」

 

 

轟は飯田に対して称賛を贈る。

 

 

「いや違うさ…俺は………」

 

 

「お前ら、誰か来るみたいだぞ。」

 

 

狩迅がそんなことを言うと、三人は不思議な顔をする。そしてその数秒後、ドアから轟以外の職場体験先で世話になったヒーロー達が面会に来ていた。

 

 

「おぉ、起きてるな怪我人共。」

 

 

「グラントリノ!」

 

 

「マニュアルさん…」

 

 

「リューキュウ、それに何故波動先輩が?」

 

 

「まったく…心配したのよ?ヒーロー殺しと遭遇したら、増援を呼びなさいっていったでしょう?」

 

 

リューキュウが心配そうな顔をして、優しく怒る。一方波動はと言うと、いつもの不思議っ子全開で狩迅に近寄っていた。

 

 

「ねぇねぇ!あの後脳無はどうなったの?ヒーロー殺しは?なんでみんな腕に包帯巻いてるの?不思議〜!」

 

 

「え…えっとぉ…」

 

 

緑谷を含む狩迅以外の三人はかなり困惑していた。狩迅はなんとか波動の事について簡潔にまとめ、緑谷達に話した。

 

 

「とても、個性的な人だね…」

 

 

「無茶はしなくていい、俺も最初は戸惑った。」

 

 

「う…うむ。」

 

 

「?なんでみんな静かなの?」

 

 

「お嬢ちゃん、少しいいかい?」

 

 

グラントリノが波動と場所を交換し、緑谷に話しかける。

 

 

「小僧、お前には色々グチグチ言いたい。が、その前に、来客だぜ?」

 

 

「え?」

 

 

ドアからヒーロー達以外にもう一人入ってくる。そこには犬の顔をして、スーツを着ている男性がいた。

 

 

「保須警察署所長の面構犬嗣さんだ。」

 

 

(面構……所長!?)

 

 

緑谷達は一度立ち上がり、挨拶をしようとする。

 

 

「あぁ、かけたままで結構だワン。」

 

 

(ワン!?)

 

 

(語尾について話していいのか?)

 

 

「君たちがヒーロー殺しを捕まえた雄英生徒だワンね?」

 

 

「はい」

 

(所長が態々……なんだ?)

 

 

「逮捕したヒーロー殺しだが、火傷に骨折と中々重症で現在厳戒態勢の元、治療中だワン。」

 

 

「雄英生徒なら分かっていると思うが、超常黎明期、警察は統率と規格を重要視し、個性を武に用いない事とした。そしてヒーローはその穴を埋める形で対当してきた職業だワン。」

 

 

「個人の武力行使、容易に人を殺められる力、本来なら糾弾されて然るべきこれらが公に認められているのは、先人たちがモラルやルールをしっかり順守してきたからなんだワン。資格未取得者が保護管理者の指示無く個性で危害を加えた事、例え相手がヒーロー殺しであろうとも、これは立派な規則違反だワン。」

 

 

「ッ!」

 

 

「君たち狩迅龍騎とリューキュウ、波動ねじれを除く三人及び、プロヒーローエンデヴァー、マニュアル、グラントリノこの6名には厳正な処分がくだされなければならない。」

 

 

そのあまりにも理不尽なルールに、轟は怒りを見せる。

 

 

「なんで狩迅君だけ?」

 

 

「俺は事前に許可を貰っていたからな。」

 

 

「待ってくださいよ。飯田と狩迅が動いてなければネイティブさんが殺られてた。緑谷が来なければ二人は殺されてた。誰もヒーロー殺しの出現に気づいていなかったんですよ!規則を守って見殺しにしろってッ!!」

 

 

「結果オーライであれば、規則は有耶無耶でいいと?」

 

 

「ッ!」

 

 

「人を…助けるのがヒーローだろ!!」

 

 

「だから君は卵だ…まったく良い教育をしてるワンね、雄英も…エンデヴァーも…」

 

 

「ッ!……この犬がッ!」

 

 

轟が面構に怒鳴ろうとする瞬間、狩迅が声を上げる。

 

 

「止まれ、轟。」

 

 

「だが狩迅ッ!!」

 

 

狩迅は面構の方面をゆっくりと目で見てから、轟に視点を戻した。

 

「そう焦るな、まだ話は終わっちゃいない。これで終わるんだったら面子丸潰れだろうが。それ相応の解決策みたいなのが、あるんじゃないか?」

 

 

「………話が早いワンね。その通りだワン。」

 

 

「先程までの物が、警察としての公式見解、んで、処分云々はあくまで公表すればの話だワン。公表すれば世論は君たちを褒め称えるだろうが、処罰は免れない。一方で汚い話、公表しない場合、ヒーロー殺しの火傷痕から、エンデヴァーを功労者として擁立してしまえるワン。幸い目撃者は極めて限られている。」

 

 

「この違反はここで握りつぶせるんだワン。だが君達の英断と功績も誰にも知られる事は無い。強いて言うなら、エンデヴァーの助力に狩迅君がいたぐらいだワン。」

 

 

「こいつらが書かれてないんじゃ欲しいとも思わねぇな……俺のも取り消しておいてください。後々で面倒な事になるかもしれん。」

 

 

「分かったワン。それで、どっちがいい?一人の人間としては…前途ある若者の偉大なる過ちに、ケチをつけたくないんだワン。」

 

 

親指をグッと立て、前に出す仕草を取る。

 

 

「まっ、リューキュウさん以外は監督不行届きで俺らは責任取らないと出しな」

 

 

涙を浮かべながら語るマニュアル。

 

 

(なんだか…ごめんなさいね)

 

 

罪悪感を覚えていたリューキュウであった。

 

 

 

 

 

 

それからしばらくし、無事に退院する事ができた四人はそれぞれ自分の事務所へと戻り、また活動を再開させていた。

現在狩迅はリューキュウと模擬戦をしている真っ最中、病み上がりの体ではあるが、支障はない模様。

 

 

「発勁衝ッ!」

 

 

「ングッ!」

 

 

狩迅が手の平でドラゴンと化したリューキュウの胴体に触れると同時に、強い衝撃が走った。ここしばらくの間でいくつか武術を学んでいたらしい。今のは先日のヒーロー殺しとの戦いで見せた寸勁の応用技、攻撃力はないが、吹き飛ばし力に重点を置いた技である。

 

 

「加速…」

 

 

移動速度を更に上げ、リューキュウを追い詰めていく、だがリューキュウとてトップヒーロー…簡単にはやられはしない。

 

 

「君の動きには必ずパターンがある。相手を囲むように動き、死角から不意打ち……ここッ!」

 

 

「ッ!」

 

 

狩迅が背後から蹴りを入れようとするが、リューキュウは即座にしゃがみ込み尻尾でカウンターを狙う。

 

 

(普通の人間なら反応すら出来ないはず…予測か…長年培ってきた物はやはり違う。)

 

 

「確かに目に見えない程の速度、だけど君の動きはどこから来るのかが分かりやすい。後はタイミングさえ掴めばどうとでもなるわよ。」

 

 

「流石としか言いようが無いな。この短時間で人の癖を見抜くなんてよ…」

 

 

狩迅は構えを解き、リューキュウに振り向く。

 

 

「そろそろ次の段階へ進みたい…迅竜を…」

 

 

「使いこなしたいって事ね。」

 

 

「そういう事です。ですが軽い暴走状態になってしまうので、もしもの事があれば波動先輩と助力してでも鎮めて頂けるとありがたいです。」

 

 

「分かったわ。ねじれ、少し下がっていて。」

 

 

「うん!」

 

 

(さて、この力を解禁するのはこれで"三度目"果たして上手くいくか?)

 

 

(まぁ、二人を信じることとしよう。折角の職場体験、力をつけなければ勿体無い。)

 

 

狩迅は脱力し、心を落ち着かせる。少しの間瞑想を初め、できるだけ邪念を祓う。

呼吸を整え、その力に身を委ねる。その刹那、狩迅の体から突如として黒い煙の様な物が辺りを包もうとしていた。

 

 

「………………」

 

 

煙の中から見る者を戦慄させる、過去に実在した闇の先駆者がそこに居た。

 

 

「早めに終わらせよう…」

 

 

「ねじれ、ごめんだけど、あなたの力も借りる事になるかもしれないわ。」

 

 

リューキュウは冷や汗を流す、今までの力の比ではない、むしろ可愛く思える程の強靭さがそこにはあった。まだ戦っていない、なのにも関わらず敗北の二文字がデカデカと見えていた。

 

 

「始めようか。」

 

 

その紅い眼光は確実に彼女を捉えていた。

 

 

「手加減は、必要ないわね?」

 

 

リューキュウは確認を取った刹那、猛スピードで狩迅に襲いかかる。一方で狩迅はまったく動かない、次の瞬間、狩迅から途轍もない轟音が響き渡る。体育祭で見せた竜の咆哮だろう。

 

 

「壁にひびが……」

 

 

「すっごく大きい声!」

 

 

『スゥ………フッ!』

 

 

刹那、リューキュウ達の目から狩迅の姿が消え、次の瞬間背後から途轍もない威圧感が芽生える。その巨体にも関わらず、あまりにも速すぎるその速度。リューキュウは後退り、距離を置く。

 

 

「リューキュウ!後ろ!」

 

 

(ッ!……反応出来なかった……)

 

 

『まだだ…』

 

 

狩迅はその強靭な爪でリューキュウを攻撃しようとする。リューキュウも自身の鉤爪で反撃しようとするが、力もスピードも狩迅の方が上だった。一瞬にして数トンもある肉体を軽々と吹き飛ばされた。

 

 

(以前とは比べ物にならない!なんて言う破壊力!?)

 

 

『チッ…あまり長い時間できねぇか…』

 

 

『制御は、取り敢えず出来るようだ。リューキュウ、ここらでやめておこう。充分に実験できた。これ以上は意識が保たない。』

 

 

狩迅は元の状態に戻り、床に座る。リューキュウはその姿に不覚にもホッとしてしまっていた。

 

 

「そんなに体力を使うのかしら?」

 

 

「いえ、体力自体は減りません。ただ、何かに意識を乗っ取られそうになるんです。」

 

 

「ねぇねぇ、なんで個性が暴走しちゃうの?なんで乗っ取られるの?教えて!」

 

 

距離感を無視して話しかける波動。狩迅はもう慣れている様に質問に答えた。

 

 

「そこに関してはなんて言えばいいのか…元々俺の個性は突然変異によって生まれた物なんです。母の個性は猫又、文字道理猫らしい事ができます、父の個性は確か………」

 

 

「なんだったか…"ティガ"……、すみません忘れてしまいました。だけど結構強い個性らしく、ヒーローもやっていたそうです。」

 

 

「少し違和感のある言い方ね?今君の両親はどうしているの?」

 

 

リューキュウは狩迅の言い方に少し疑問を抱いていた。まるで今は居ないかのように話していた狩迅に質問する。

 

 

「いえ、昔に他界しました。母は謎のヴィランに、父は不慮の事故らしいです。」

 

 

「……ごめんなさい、聞いてはいけなかったことかしら…」

 

 

「いえ、母の事は残念でしたが、今では養父がいるので大丈夫です。まぁその人は他にも俺の様に親がいない子供を保護したり、殺処分にされる動物を保護する活動をやっているらしく、大変そうだからあまり会えませんが。父に関しては、顔も名前も知りませんしね。」

 

 

少し気まずい空気になった。リューキュウはどのような言葉をかけるか迷っていた所、波動がいつも通りの元気な声で狩迅に話しかける。

 

 

「じゃあさじゃあさ!私、お姉ちゃんになろっか!」

 

 

『………ハ?』

 

 

これまた不思議な事を言い出す波動。突然の事にリューキュウは口が閉じなかった。

 

 

「ふっ……」

 

 

狩迅はそんな彼女の事を見て、少し笑ってしまう。

 

 

「む〜なんで笑ってるの〜」

 

 

頬を膨らせムッとしている波動。狩迅は優しく話す。

 

 

「前から思っていましたが、本当にあなたは不思議な人だ。本気でそんなことを言う…だから俺も惹かれたのかもしれない…」

 

 

「気が楽になりました。ですが波動先輩は波動先輩のままでいて欲しいんです。」

 

 

「そっか〜…でも大変な時は言わないと駄目だよ!私、先輩なんだから!」

 

 

波動はにっこりとしながら狩迅の頭を撫でる。狩迅は波動の優しさがかつての母に似ていて、思わず温もりを感じ取り、涙腺が緩みかけた。狩迅は尻尾でゆっくりと波動の頭を撫で返す。

 

 

「もふもふだー!」

 

 

「こうして見ると、本当に姉弟みたいね。なんだか感慨深いわ。」

 

 

「もう少し、二人には早くに会っていたかったですよ。」

 

 

 

 

 

 

こうして時は過ぎていき、職場体験も終わりを迎える。そして翌日の午後……

 

荷物を纏め、一度事務所に戻り挨拶をする。見送りの為、リューキュウや波動、サイドキックのみんなも前に立っていた。

 

 

「短い間、世話になりました。」

 

 

「一週間、お疲れ様。もう少し教えてあげたい事があったけど、それは次の機会に回すとするわ。今から数カ月後になると思うけど、仮免試験があるはずよ。もし取れたときはうちに連絡をちょうだい。インターン先として受け入れさせてもらいたいの。」

 

 

「えぇ、ありがとうございます。」

 

 

「また来てね!絶対だよ!絶対だからね!」

 

 

波動は狩迅の腕をブンブン振りながらまた来るよう促す。狩迅自身としても必ずここに戻ってくると思っていた。

 

 

「その力、しっかり自分の物にしなさい。雄英じゃあ林間合宿もあったはずだから、今後の君に期待させてね。高い戦闘力、状況判断能力、索敵もできる…本当はうちのサイドキックに欲しいくらいなのよ?」

 

 

「そう言って頂けるとこちらとしても嬉しい限りですよ。」

 

 

『こうして見ると親子みたいだな〜』

 

 

サイドキックの面々は会話する二人を見て、そんな事を考えていた。そして時間が来る。

 

 

「もうそろそろ電車が来る時間です。それではここら辺で…」

 

 

「時間が経つのがやけに早く感じるわね。また会える日を楽しみにしているわ、ナルガクルガ。」

 

 

狩迅は少し微笑んだ後、後ろを振り向き帰るべき場所へと帰ろうとする。その後ろ姿を

リューキュウ達は黙って見送っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー 翌日の朝 ーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「女の本性は………お…女?アァァアァァァァ!!!」

 

 

「コォォォオォォオォ………」

 

 

「ヒィィィハッハッwwww爆豪wwおまっww髪型wwwww」

 

 

「笑うな…癖になって直らねぇんだ殺すぞ……」

 

 

体験明けの初日。A組の殆どが自身の体験について話を盛り上がらせていた。皆いい経験ができたのだろう。中には発狂してる奴や波紋の呼吸法を取得した者、髪型が8:2ヘアーになっている者もいる。

 

 

そんな中、彼らの注目がとある四人に集中する。ヒーロー殺しに遭遇した緑谷達である。

 

 

「まぁ、一番変化したっていうか大変だったのはお前等四人だな!」

 

 

「そうそうヒーロー殺し!」

 

 

「命あって何よりだぜ、まじでさ…」

 

 

「心配しましたわ…」

 

 

「エンデヴァーが助けてくれたんだってな!」

 

 

「凄いねぇ…流石ナンバー2ヒーロー!」

 

 

轟は面構に言われた事を思い出し、みんなに嘘を付く。

 

 

「………そうだな、助けられた。」

 

 

「俺ニュースで見たんだけどさ、ヒーロー殺し、敵連合とも繋がってたんだろ?もしあんな奴がUSJ来てたらと思うと、ゾッとするよ…」

 

 

「でもさ、確かに怖ぇけどさ、尾白動画見た?」

 

 

ヒーロー殺しが気絶する瞬間の映像が、付近にあった監視カメラによって撮られており、それが動画として公開されていた。それは短期間でかなりの視聴率を獲得しており、やはりヒーロー殺しの執念に共感していた者も少なからずいた。

 

 

「なんつーか、一本気つーか執念つーか、かっこよくね、とか思っちゃわね?」

 

 

「上鳴君!」

 

 

「あ!?わりぃ飯田!」

 

 

「いや、いいさ…」

 

 

ヒーロー殺しは確かにヒーローに対する信念はあった。ただやり方を間違えただけのヒーローに憧れた者の一人に過ぎなかった。飯田は奴の事は憎くはあるが、同時に敬意を払っていた。

 

 

「俺は俺のような人を出さない為にも、改めて、ヒーローとしての道を俺は歩む!」

 

 

腕をまっすぐピンと伸ばし、他の人を誘導する。いつもの飯田が戻ってきた。

 

 

「さぁ!そろそろ始業だ!全員席につきたまえ!」

 

 

『うるさい………』

 

 

(かっこいいよ、飯田君!)

 

 

ーーーー

 

 

ーーーー 一時間目の授業開始 ーーーー

 

 

A組はヒーロー基礎学として、救助訓練をする事となり、運動場に集まっていた。

しかし運動場と言っても、パイプや建物が蔓延っている市街地のような場所、訓練にはうってつけの場所でもある。

 

 

「ハイ私が来たーてな感じでやっていくわけだけどもね!」

 

 

(ネタ切れか…)

 

 

「久しぶりだ少年少女!元気か?さて今回のヒーロー基礎学だが、職場体験直後って事で、遊びの要素を取り入れた救助訓練レースを行うこととする!」

 

 

「救助訓練ならUSJでやるべきではないのですか!」

 

 

飯田が腕を真っ直ぐに上げ、オールマイトに質問する。

 

 

「あそこは災害時の訓練だからなぁ!私はなんて言ったかな?そう、レース!ここは運動場γ!複雑に入り乱れた密集工業地帯!5人4組に別れて一組ずつ訓練を行う!」

 

 

要約すると、オールマイトがどこかで助けを求めているので誰が一番速くに到着するかを競うと言うことだ。その際、周りに被害は出してはいけない。

 

 

「勿論建物の被害は最小限にな!」

 

 

オールマイトが爆豪に向けて指を指す。

 

 

「指指すなや…」

 

 

 

そうして組が決まり、訓練が始まる。

 

 

一組:緑谷 飯田 尾白 瀬呂 芦戸

 

二組:切島 狩迅 八百万 砂糖 耳郎

 

三組:口田 爆豪 峰田 葉隠 障子

 

四組:常闇 青山 上鳴 轟 蛙吹 麗日

 

 

「じゃ!始めの組は位置について!」

 

 

クラスの中でも機動力が良い者が揃った。緑谷は言わずと知られたパワーと機動力、飯田のスピード、尾白のバランスの良さ、瀬呂の市街地での縦横無尽さ、芦戸の運動神経。

 

 

残ったクラスのみんなは誰が一番速いか考察していた。こういった場所では瀬呂が有利だっり、芦戸の運動神経は個性無しなら爆豪や狩迅にも匹敵する。緑谷に関しては結構な人数が投票していた。尾白と飯田もまずまず……

 

 

そうして開始される訓練レース、瀬呂は持ち前の機動力で縦横無尽に飛び回る。芦戸も酸で滑りながら移動、尾白は尻尾を駆使し、飯田は全速力で走る。

一方で緑谷はと言うと………

 

 

「ちょーと今回俺にうってつけ過ぎるッウェエ!?」

 

 

「うってつけ過ぎる!」

 

 

今までは20%が限界だったのを職場体験を通じて常時25%瞬間的には30%まで上げられるようになっていた。その速度は凄まじく、みるみるうちにオールマイトに近づいていく。

 

ーーーー

『おぉぉぉーーーーー!!!緑谷!!!』

 

 

「前よりも速くなってねぇか!?」

 

 

「デクくん…スッゴ……」

 

ーーーー

 

「ウッソだろ!?」

 

 

緑谷は何故か爆豪の様な動きで建物を飛びながら移動していた。その姿にA組の全員が驚く。

 

 

(俺が職場体験でアホみてぇな時間過ごしてる間に……また………クッソがぁ…)

 

 

「はっや!?何あれ!!」

 

 

「骨折関係無しかよ!!?」

 

 

そうしてあっという間に緑谷はオールマイトの元へつき、一位を獲得した。

 

 

「フィニーーーーッシュ」

 

 

「ありがとう!そしておめでとう!」

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

「きぃぃ悔しい!」

 

 

「俺の面子丸潰れじゃねぇか!?」

 

 

「本当に凄いな…以前よりも速度が上がっていないかい!?」

 

 

「一位は緑谷少年だったか、みんな入学時より個性の使い方に幅が出来ているぞ!この調子で期末テストに向けて頑張ってくれ!」

 

 

『はい!』

 

 

「一組目退場!次の組!位置について!」

 

 

嬉しそうにする緑谷にオールマイトが近づき、話しかける。

 

 

「見違えたよ、凄いじゃないか緑谷少年!この授業が終わったら、私の元へ来なさい。君に話さなければいけない時が来た。私とワンフォーオールについて………」

 

 

「え………」

 

 

オールマイトらしくも無い、真面目な表情をしながら、緑谷に話した。

ーーーー

 

「それじゃあ二組目!開始!」

 

 

「さて、赫眼…」

 

 

狩迅はまず、オールマイトの正確な場所を特定し、すぐに亜種羅へと変化する。

 

 

(緑谷にとってうってつけかもしれんが…この訓練、俺にとってもうってつけだ。)

 

 

狩迅は自分よりも早めに移動しているみんなを無視し、高速で突っ走る。

 

 

「速い!緑谷さんの様な動きですわ!?」

 

 

「そうだった…うちのクラスにはもう一人化け物がいたんだった……」

 

 

ーーーー

 

 

「いや狩迅も狩迅ですっげぇな!?」

 

 

「あの形態はパワーとスピードは緑谷には劣るが、安定性は抜群だ。動き方には関しては奴の方に軍配があがっている。」

 

 

「いやだから俺の面子が!?」

 

 

「緑谷といい、狩迅といい、流石だな。俺も追いつかねぇと…」

 

 

「チッ…」

 

 

ーーーー

 

 

そんなこんなでほんの一分弱で狩迅はオールマイトの元へぶっちぎりの速さでゴールした。

それに続き、八百万、砂糖、切島、耳郎の順番でたどり着く。

 

 

「おめでとう!狩迅少年!以前よりも動きにキレが入ってたよ!」

 

 

「ありがとうございます。」

 

 

「おま…あれは速すぎんだろ!?」

 

 

「驚いたぜ!?」

 

 

「何したらあんな動きできんの……」

 

 

「また完敗ですわ…」

 

 

「速さには自身があるんでな。少し本気を出させてもらった。」

 

 

「先程の組と言い、ホントに君達は成長しまくっているね!この調子で期末テストまで頑張りたまえ!」

 

 

『はい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー

 

 

こうして訓練が終わり、全員更衣室で着替えをしている。ちなみにあのあとは爆豪と轟の圧勝ではあったが、全員それぞれが以前よりも遥かに強くなっており、特に成長ぶりが凄かったのは常闇と麗日、狩迅の組も入れると八百万も大きく成長していた。

常闇に関しては飛んでいた。個性の応用らしい。職場体験でホークスに色々教われた様だ。

 

 

「中々ハードな訓練だったな〜!」

 

 

「久々の授業、汗かいちゃった☆」

 

 

「俺は機動力課題だなー」

 

 

「情報収集で補うしかないな。」

 

 

それぞれが今回の訓練での反省をしていた。確かに全員成長はしていたがまだまだ成長過程、今よりももっと強くなれるだろう。そんな時だった……

 

 

「おい緑谷!すげぇ事が発覚した…こっちにこい!」

 

 

峰田が手をクイクイさせながら緑谷を呼ぶ。なんとそこには女子更衣室に繋がる細い穴があった!

 

 

「見ろよこの穴、恐らく諸先輩方が頑張ったんだろう……」

 

 

『ッ!?』

 

 

「峰田君やめたまえ!覗きは立派な犯罪行為だ!」

 

 

飯田が止めるが峰田は止まらない。性欲を抑えることができないのだ。

 

 

「オイラのリトル峰田はもう立派な万歳行為なんだよぉ!!」

 

 

「八百万のヤオヨロッパイ…芦戸の腰つき…葉隠の浮かぶ下着!麗日の麗日ボディに蛙吹の意外オォォォッッパァァァァァァァァ」

 

 

その瞬間ぶちゃっと言う鈍い音が響き渡る。

 

 

「イィィィィィィ!!!!」

 

 

峰田の目に耳郎のイヤホンジャックが炸裂!これは痛い!

 

 

「ありがとう響香ちゃん!」

 

 

「なんて卑劣…すぐに塞いでしまいましょう。」

 

 

「ウチだけ…何も言われてなかったな…」

 

 

どこか残念がる耳郎であった。

 

 

 

 

 

 




次回からは期末テスト編……しばらくのお待ちを……









ここで少し余談、狩迅と特に仲が良いのは緑谷、轟、耳郎、八百万、飯田、麗日の6人なんデス。

狩迅の相手は……

  • オールマイトを3対1で……
  • オールマイトとタイマン勝負
  • 轟と八百万と一緒に相澤先生〜
  • それ以外の先生方〜
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