闇を駆けるヒーローアカデミア   作:シロロ少尉

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今回は短いお話です。あまり期待せずに…あと戦闘ばかりなので文章力が下がっているかもです。


第二十六話: VSオールマイト

全身に力を込める、足、腰、胴体、腕、体中の血管が浮き出てくる。狩迅の体から白い半透明のオーラが流れ出てき始めた。

 

 

(凄いじゃないか、本当に。少し戦慄してしまったよ…)

 

 

表情はいつも通りの笑顔ではあるが、内心としてはかなり焦っていた。以前言っていた相澤の言葉を思い出し、納得してしまっていた。

 

 

「ガァァァァァァァァ!!」

 

 

その瞬間、辺りから爆発が起きた。狩迅の強力な気合は地面をえぐり、空気を更に重くする。その埃の中から見えたのは体育祭の時に見せた月迅竜の姿である。

 

 

「準備はできたようだね」

 

 

「待たせました、生半可な力ではアンタには勝てないんでね…」

 

 

再度静寂が訪れる。向き合っているだけなのにも関わらず、その様子は龍と虎の大喧嘩を想像させる。

 

 

ーーーー

 

 

「麗日君、君は…どっちが勝つと思うかい…」

 

 

「私はどっちの実力も間近で見たからこそ言わせてもらうけど、正直言って分からないな…」

 

 

「戦闘力が互角だと仮定して、ハンデを背負っているオールマイト先生の方が若干不利でしょうか?」

 

 

「でも狩迅ちゃんは立体的な場所でしか本領を発揮できないわ。この勝負、お互いにハンデを背負っているわね…」

 

 

「だがあの人にとって重りはハンデの内に入るのか?」

 

 

 

ーーーー

 

 

「いくぞ狩迅少年、今の私はヴィランだ。遠慮せず掛かってきたまえ!」

 

 

「それでは遠慮無く」

 

 

そういった瞬間、狩迅はオールマイトを殴り飛ばし弾丸の様な音が響く。オールマイトは間一髪でガードしていたが、不意を突かれ大きめのダメージになってしまった。

 

 

「この威力…本当に君学生かい?」

 

 

「アンタからしたら大したこともないでしょうに」

 

 

地面を蹴り、巨大なクレーターを作り出す。オールマイトの足場を不安定にして、隙を突く作戦だ。

 

 

「セァ!!」

 

 

オールマイトの顔面を蹴りで吹き飛ばそうとするが、寸前で右腕で受け止められる。

 

 

「そう簡単には、いかないか」

 

 

「まだまだ詰めが甘いな、少年!」

 

 

オールマイトは狩迅をまるでヌンチャクのようにして振り回し、何度も地面に叩きつける。

その度に小さい地震が起こり、砂埃が舞う。6回程叩きつけられただろうか、次の瞬間には彼方まで吹き飛ばされ岩に衝突してしまっていた。

 

 

「痛ぇ…なんつぅ馬鹿力だ…!」

 

 

だが狩迅とてやられっぱなしとは行かない。次はこっちの番だと言わんばかりにオールマイトへ突撃していく。

 

 

「結構本気でやったんだけどな…ならば!!デトロイト………」

 

 

「ガンヘッド…」

 

 

オールマイトが右腕のデトロイトスマッシュを放ったと同時に、狩迅は懐に入り込み腕を掴み無力化する。

 

 

「これは!?」

 

 

「マーシャルアーツッ!!!」

 

 

麗日がやっていたのを見様見真似でやってみたが、なんとか成功、オールマイトは地面に投げられ血反吐を吐く。倒れたオールマイトの顔面にパンチで追撃をする。

 

 

「危ねえ!?あっちょ危ない!!」

 

 

横に転びながら回避するオールマイト、狩迅に足払いを仕掛け、なんとか態勢を直す事に成功する。

 

 

「チッ」

 

 

「チャンス!!カロライナ!!」

 

 

狩迅は足を崩して、バランスが取れていない状況。両腕をクロスさせ手刀による打撃をくらわす。

 

 

(まず…!?)

 

 

「スマァァァァッシュ!!!!」

 

 

「ゼァッ!」

 

 

当たる寸前に地面を思い切り殴り、その勢いで空中に飛ぶ事で難を逃れる。オールマイトもその動きにすぐ対応し、追い打ちをかける。

 

 

「想定内!!空中戦は私も得意なんだぜ?」

 

 

「終わりだ!テキサァァァス……スマッシュ!!!」

 

 

「必殺技バンバン打って来やがって…だがまだ終わらせはしない…」

 

 

目を閉じ、全神経を研ぎ澄ませる。狩迅の体から流れるオーラが変わり、より白く、より力強い、現状狩迅が扱いきれる最大最強の形態…

 

 

「白疾風…!」

 

 

体中から白い紋章が浮き出てくる。その姿はオールマイトの渾身の一撃を片手で受け止め、

カウンターまで放つ。左のストレートを右手で抑えながら、左足でオールマイトの腹を蹴り飛ばす。

 

 

「遂に使ってきたかッ!それを!!」

 

 

「…………」

 

 

「なら、先生も本気でいっちゃうぞ…!!」

 

 

狩迅の足が地面に付いたその時だった。

 

 

ーーーー

 

 

『!?』

 

 

「二人の姿が消えた!?」

 

 

「どこ行ったの!?」

 

 

(いえ、消えたんじゃない…恐らくこれは至極単純…)

 

 

「安心しな、二人共超スピードで戦ってるだけだよ。ほれ、よく見てみぃ」

 

 

よくよく見てみると衝撃波の様な物が周りから起こっている。リカバリーガールの言っている事は本当らしい。

 

 

「二人共、力と速さに特化してるからかねぇ。」

 

 

「あそこだけジャンルがまるで違うわね」

 

 

ーーーー

 

 

(体育祭で見せた動きとはまるで違うッ!!こりぁ…)

 

 

拳圧がぶつかり合う毎に爆発や嵐が舞起こる。地面はえぐれ、大気は震え始める、モニターで見ていた麗日達の所にも影響が出ていた。

 

 

「…………」

 

 

(ガチでやらないとちょっとやばいかも!!)

 

 

オールマイトはワンフォーオールの出力を脳無の時同様100%以上に解放し、狩迅を近くにあった岩に叩きつけ追い詰めていく。パワーでは流石にオールマイトに軍配が上がるが、スピードでは狩迅が有利、まさに力と速さの頂上決戦とも言えるだろう。

 

 

「………ガッ!?」

 

 

オールマイトに数え切れない程の超連打をもろに受けてしまう狩迅、しかし、獣というのは

やられる寸前にも、悪あがきをする者…

 

 

「まだだ……まだ終わらせねぇ…」

 

 

体中血みどろになりながらも、闘志は燃え尽きてはいない。オールマイトがトドメのスマッシュを放とうとするが、真正面から受け止める。

 

 

(ノーガード!?)

 

 

「悪アガきィ…さセ…てモら…ウゼェッ…!!」

 

 

ドスの利いた声と血塗れの顔でオールマイトを睨む。その表情は、ヴィラン顔負けの形相…正面にいたオールマイトは嫌なことを思い出してしまう。その笑顔を自分は知っていた。

 

 

「獣の…真の力が発揮される時は……いつだと思う?」

 

 

「どこにそんな余力が…」

 

 

痛みを無視してオールマイトへ手をのばす。

 

 

「飢えている時と、死にかけの時だ…!!」

 

 

腕を掴み、そのまま数十m前に投げ飛ばす。そして次の瞬間、狩迅は空に向かって大きく飛び跳ねる。

 

 

(なんだ!?)

 

 

「今咄嗟に考えついた……重力に逆らう方法」

 

 

「気持ち悪いほど脳が冴えてきた。ここから先は、俺の絶対領域だ」

 

 

飛び上がった狩迅は落ちてくることは無かった、それは何故か、普通の人間ならばそのような個性がなければ長時間の飛行はできないはず、ならば竜だから?それも違う…

彼の個性は竜ではあるが、恐竜で有名なティラノサウルスと同様飛ぶ事はできない。

 

 

「空気を足場にしているのか!?」

 

 

足を力強く下に突き出し、それによって起こる衝撃波で飛んでいたのだ。なんとも脳筋な技であるが、それ故に強力である。

 

 

「エアーグラウンド(空気の大地)」

 

 

「この短時間で………ッ!」

 

 

全てが足場となった狩迅にとって、もはや自分の重りになっている物は何一つとして無い。

あとはオールマイトを倒し、カフスをつけるだけだ。

 

 

(時間が無い、さっさと決着をつけたい所だが…)

 

 

「君には時間制限があるんだってね!!もうそろそろ来るんじゃないかァ!?」

 

 

(チッ…やはり聞いていたかッ!)

 

 

土壇場で進化したはいいものの、オールマイトにダメージはそこまで入っていない。

対して狩迅は時間が迫って来ている上に骨が数本折れている程のダメージ、これを覆さない限り彼に勝利は無い。

 

 

「なら…次で仕留めればいい話ッ」

 

 

動きを更に加速させていき、オールマイトの周りを囲むようにして飛び回る。体が悲鳴をあげるが、関係ない。痛みを無視して最大の一撃を準備する。

 

 

「竜の…」

 

 

狩迅の得意技であり決め手の竜の鉤爪でトドメを刺す。右腕を迅竜化させ、超スピードで突進する。空気が足場となっている為通常より遥かに速い速度で移動できる。

 

 

「テキサス…」

 

 

左腕に全神経を集中させる。オールマイトもこの一撃で終わらせるつもりだろう。

そしてその時は来る。

 

 

「鉤爪ェェェェェェェェ!!!」

 

 

「スマァァァァァァッシュゥ!!!」

 

 

ーーーー

 

 

「振動がこっちまで!?」

 

 

「あの二人ちょっとやり過ぎだよ!!限度ってのを知らないのかい!?」

 

 

遠くで閲覧していた飯田達の元にもその衝撃は行き渡っていた。非控室で休んでいた者達も、その事に気がついており動揺していた。

 

 

「うわァァァ!天井がぁ!!」

 

 

「崩れかけてるわ…」

 

 

「皆さん!!災害マットを作りましたので早く中へ!」

 

 

ーーーー

 

 

「……………」

 

 

「参ったな…ガッ…!」

 

 

体力が底をつき、膝から崩れるオールマイト。激しい爆風の中、決着はついた。オールマイトの腕にはカフスがつけられていた。狩迅は制限時間が迫ってきていた為、最大の一撃が放てずにいた。

 

 

攻撃される瞬間倒すことは諦め確保に専念し、直前まで迫ってきたところをギリギリでカフスをつけることに成功した。

 

 

「ハァ…ハァ…戦闘訓練での緑谷少年の時のような、捨て身の一撃か…」

 

 

正に勝負に勝ち戦いに負けた、と言うやつだろう。気絶した狩迅はリカバリーガールの元へ運ばれていっていた。

 

 

ーーーー

 

 

「なんで私があんたの治療までせんといけないのかねぇ…」

 

 

「すみません…」

 

 

「緑谷といい爆豪といい狩迅といい…まったく!!アンタは手加減ってもんを知らないのかい!!」

 

 

「冗談抜きで死ぬかと思いましたよ。取り敢えず傷も塞がった、彼奴等の元に戻ります。」

 

 

「こら!!あんたはまだ安静にしてな!!」

 

 

「いや、すまない狩迅少年…」

 

 

咳き込みながらリカバリーガールから説教をされるオールマイト。少しやりすぎてしまったと反省はしているようだ。

 

 

(初めて出会った頃より、見違える程強くなったな、緑谷少年。そしてそれ以上にこの子も…爆豪少年。何故なら君も壁を前にしてよく笑う!!そう、君達はまだまだ強くなれる!!)

 

 

色々なことがあった。自分の弱さを知り前に進んだ人、ヒーローに必要な物を教えられた人、高い壁に阻まれた人、自分の無力さを知った人、新たな目標に向けて進む人、更に強くなりたいと願う人、悲喜こもごもの中、期末試験は終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー 薄暗いバー ーーーー

 

 

「気になりますか?死柄木弔、その二人の少年。緑谷出久と狩迅龍騎…」

 

 

死柄木の手には、緑谷と狩迅の写真が握られていた。

 

 

ーーー ガチャ

 

 

扉が開く音がする。そこに立っていたのは…

 

 

「死柄木さん、こっちじゃ連日あんたらの話で持ちきりだぜ?何かデケェ事が始まるんじゃねぇかと?」

 

 

タバコを吸いながら、軽快に話す男の名は義爛(ぎらん)現在敵連合と協力関係のようだ。

 

 

「で?そいつらが」

 

 

写真を崩壊させ、義爛に問いただす。義爛は不敵な笑みを浮かべ、誰かを呼びに行った。

 

 

「あんたがそうか…写真で見ていたが、生で見てみると気色わりぃな」

 

 

「わは!!手の人!!ステ様の仲間だよねぇ!?私も入れてよ、敵連合!!」

 

 

全身火傷の様な痕がついている奇妙な男と、中学生の女の子、そしてもう一人…

 

 

「あなたが、あの方の後継者…か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エアーグラウンド(空気の地面):ワンピースに出てくるサンジのスカイウォークと同じ様なものだと思ってください。名前ダサくてすんません。
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