闇を駆けるヒーローアカデミア   作:シロロ少尉

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林間合宿編ではありますが、プールの所を先に書きます。ご了承を…


林間合宿編
第二十八話:夏休み!プール!&林間合宿〜


ーーーー 自宅 ーーーー

 

 

 

ショッピングモールでの事件が終わり夏休みへと突入した頃、音楽を聞きながら机に向かい勉学に励んでいた狩迅の元へ一通のメールが届く。

 

 

(メール?緑谷からか…)

 

 

『上鳴君と峰田君からトレーニングの一環でプールに誘われたんだけど来ない?』

 

 

狩迅は一応全員分のメールを交換していた為、早速それが役に立っていた。

 

 

(上鳴と峰田がか…何か企みがあるだろうな。まぁいい)

 

 

『分かった、俺も行くとする。準備は何をすればいい?』

 

 

『多分水着だけでいいと思うよ!』

 

 

『了解、他の奴等には伝えたのか?』

 

 

『いや、まだ轟君と飯田君しか伝えてないよ?』

 

 

『なら手分けして誘おう、緑谷は口田と尾白と瀬呂と障子を頼む。』

 

 

『俺は爆豪と切島と砂糖に青山、常闇を誘う。』

 

 

『ありがとう!助かるよ〜!じゃあ明日学校のプールで集合でよろしくね!』

 

 

『了解』

 

 

その後、A組の全員からOKを貰えることになった。プールに行きたい理由は十中八九峰田達が女子生徒の水着姿を見たいからだろう。残念だが、その夢は潰させてもらうことになる。そして翌日の約束の日に全員集合する事になった。

 

 

ーーーー 学校のプール ーーーー

 

 

「軽く準備体操しておくか」

 

 

「そうだね、それにしてもあの二人が特訓したいだなんて言うなんてビックリしたよ。」

 

 

「恐らく淫らな事が目的だろうな。彼奴等はそう言った目的の事で行動する事が多い」

 

 

「そう言っている間に来たぞあの二人」

 

 

プールに繋がる廊下からドタドタと2つの足音が聞こえる。何か"いざ行かん!!"とか何とか言っていたが恐らく峰田と上鳴で間違いないだろう。ドアを開けた瞬間の二人に飯田が挨拶をすると、勢い良くズコォォォと地面に顔面を押し付けながら転んでいった。

 

 

「遅かったじゃないか!」

 

 

「な…なんでお前らがいんだよォ!?」

 

 

「プールで体力強化するからみんなにメールで送っておいたんだ!」

 

 

その言葉に上鳴が非常に悔しそうな顔を浮かべていた。緑谷は生真面目な為、こういった事は素直に受け取ってしまう。二人にとっては盲点だった。

 

 

「落ち着け上鳴、まだ水着姿の女子達がいるのは間違いねぇ!!」

 

 

「ハ!?この目に焼き付けるぜ!」

 

 

「新しく買った水着をぉ!」

 

 

まだ希望が残っている、それを理解した瞬間二人の目には輝きが戻っていた。女子達の水着姿を目に焼き付けようと振り返るが………

 

 

「あ、峰田ちゃん」

 

 

「上鳴も来てたんだ」

 

 

残念だが、水着は水着でもスク水であった。上鳴は膝をついて絶望していたが、性癖が幅広い峰田にとってはスク水でも眼福だった。どこか爽やかな顔をしている。

そんな二人を飯田が学校内での体力強化の提案が素晴らしいと評価され、男どもの元へ運ばれていってしまった。

 

 

ーーーー

 

 

女子達はプールでボールを使い遊んでいるのに対して男子側はみっちり特訓していた。

 

 

「よし、十五分休憩しよう!俺からの差し入れだ、飲んでくれ!」

 

 

飯田はクーラーボックスを持参しており、その中には冷えたオレンジジュースが入っている。真夏の特訓後にはこれ以上ない物、運動後はちゃんと水分を取ろう。

飯田と緑谷が何かを話していると爆豪が何故か怒りながら喧嘩を吹っかけていた。

 

 

「僕は色んな人に助けられてここにいるんだ、もっと頑張らないと…」

 

 

「当たりめぇだ!!でなきゃ俺がテメェ見てぇなクソナードに負けるわけねぇだろ!」

 

 

緑谷に鬼の形相をしながら向かっていく爆豪を抑えながら切島が緑谷に謝る。

 

 

「メールくれたのに遅れてわりぃ!爆豪連れ出すのに手間取っちまって…」

 

 

「おいクソデクゥ!なんなら今すぐ白黒つけるかぁ?あぁ!?」

 

 

手から爆発を起こしながら、緑谷を挑発する爆豪。緑谷自身としても、あまり乗り気では無い。

 

 

「いやぁ…そんな…!?」

 

 

「確かに、訓練ばかりじゃつまらないな」

 

 

飯田が何か閃いた様に顎に手を置く、出てきた提案は男子で50mを誰が一番速く泳げるか、という物。全員がその意見に賛成し、早速ルールを説明する。

 

 

「ぶっ潰してやるよクソデクゥ…勿論お前等もなぁ、半分野郎、忍者野郎!!」

 

 

「………」

 

 

「俺もマークされてんのかよ」

 

 

ーーーー

 

 

最初の組は上鳴、爆豪、口田、常闇、峰田の順番、水泳に有利な個性はいない気がするが…

 

 

「それでは位置について!よーい…」

 

 

「爆速ターボ!!どうだこのモブ共!!?」

 

 

ホイッスルの音で開始された。爆豪は爆速ターボで泳がずにゴールまで辿り着いてしまう。これはありなのかと切島と瀬呂が言うと、どうやらこれは自由形なのでOKらしい。

 

 

ーーーー

 

 

二組目は切島、砂糖、瀬呂、轟、青山、狩迅の6人、これは強いて言うなら轟が有利だろうか、狩迅はあまり水泳は得意ではないらしいが…

 

 

「位置について、よーい…」

 

 

ーーー ピーーッ!

 

 

狩迅はホイッスルの音が聞こえたと同時に水の中に潜る。

 

 

(うまくいくか…水中での戦闘を想定したエアーグラウンドの改良版……一瞬にして大量の水を押し付けながら加速する、ブルーグラウンド!)

 

 

以前オールマイト戦で見せたエアーグラウンドの応用技、ブルーグラウンド、原理は一緒で水を蹴り飛ばし、一気に進むという物。狩迅は足を迅竜化させ、一直線に進む。

 

 

(上手く行ったが…轟のそれずるくねぇか?)

 

 

轟は氷結を発動させ、水の上を進んでいた。爆豪と同じで泳いでいない、結局同時ゴールになってしまった。

 

 

「ッ…轟、あれずるくねぇか?」

 

 

「自由形だから大丈夫だろ。それよりも狩迅、あれどうやったんだ?」

 

 

「あれは空気を蹴る事によって発生する衝撃波を水の中で応用したただけだ。」

 

 

「よくわからねぇな、と言うより結構同時にゴールしたぞ。この場合はどうなるんだ?」

 

 

「それは最終ラウンドで決めるとしよう!」

 

 

 

ーーーー

 

 

続いての組は飯田、緑谷、障子、尾白、スピードに、特化している飯田か緑谷が有利そうだが…

 

 

「位置について、よーい…」

 

 

ーーーー ピーーッ!

 

 

開始される第三回戦、緑谷はフルカウルを発動させ一気に進んでいく。それに対抗するは

スピードの鬼、飯田であるが…泳いでいない。体育祭の時のような感じでフロートの上を直進している。激闘(?)の末、ギリギリで緑谷が勝利する。

 

 

ーーーー

 

 

「各予選の勝者、緑谷君、爆豪君、轟君、狩迅君で優勝者を決める!それでいいか?」

 

 

「うん」

 

 

「あぁ」

 

 

「問題無い」

 

 

「忍者野郎、体育祭の時みてぇに手加減なんざすんじゃねぇぞ。本気で来やがれ!」

 

 

「勿論、手加減はせんぞ。」

 

 

「上等だぶっ殺したるわァ!」

 

 

互いに睨み合う爆豪と狩迅、爆豪は以前の時の結果をまだ根に持っているようだ。狩迅自身としてもあれは手加減というよりも制御がきかなかっただけだが、そっちの方が面白そうなので、あえて挑発してみる。

 

 

「お前らもだ、クソデク!半分野郎!」

 

 

「分かったよ、かっちゃん」

 

 

「あぁ」

 

 

ーーーー

 

 

「それでは50m自由形の決勝を始める!!」

 

 

始まる決勝戦、周りの人も皆興奮しているように見える。

 

 

「やったれ爆豪!」

 

 

「相手殺すなよォ?」

 

 

「轟も負けんなー!」

 

 

「デク君頑張れー!」

 

 

「狩迅ー!ボッコボコにしちゃいなー!」

 

 

「狩迅さんファイト!」

 

 

「みんな頑張ってちょうだい!」

 

 

峰田が若干緑谷と狩迅を睨みつけているように感じるが取り敢えず始める事になった決勝戦、誰が勝つのか胸を躍らせるA組のメンバー。そして飯田のホイッスルが開始を知らせる。

 

 

(一気に駆け抜ける!)

 

 

(滑り抜く…)

 

 

(全力で泳ぎきれ!)

 

 

(踏みつけて駆ける)

 

 

「よーい!」

 

 

ーーー ピーー

 

 

『な!?』

 

 

勢い良く飛び出す四人、かと思われたが何故か個性が発動しない。そのまま水に落っこちてしまった。

 

 

「17時、プールの使用時間はたった今終わった。早く家に帰れ、」

 

 

「そんな!?」

 

 

「せっかくいいところなのに!」

 

 

何人かが相澤に対してイチャモンをつける。四人の決着が気になっていて仕方が無いようだが、相澤はそれで引き下がるほどおしとやかでは無かった。

 

 

「なんか言ったか!?」

 

 

威圧感たっぷりで生徒らを睨みつける。個性を発動している為目が赤く、それが更に怖さを引き立てていた。

 

 

『なんでもありません!』

 

 

結局決勝戦はなしという事になってしまった、相澤のドスの利いた声が効いたようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー 敵連合 ーーーー

 

 

 

 

 

「流石先生だ、どんなに調べても分からなかった目的地をこうも容易く見つけてくれた。」

 

 

トランプで遊びながらその先生について語る死柄木、オールフォーワンの事だろう。

 

 

「彼らを待機させておいたかいがありましたね。」

 

 

「まぁな」

 

 

ーーー ガチャ

 

 

そこのドアが開き、男の声が薄暗いバーの中に響き渡る。

 

 

「組合から連絡が来た、明日の朝までに届けるそうだ。給与次第なんで見て呉れはヒト酷いが、品質は保証するってよ?」

 

 

「無理なお願いをしました、申し訳ありません。」

 

 

「なぁ死柄木さん、組合があんたの無茶な要求を飲んだ理由が分かるかい?皆あんたに期待してるからさ、敵連合が活気づけば闇の中でくすぶってる連中が動き出す。そうなりゃあ俺達みたいなのも、そのおこぼれに預かれるってね。」

 

 

「安心しろ、時期忙しさで手が回らなくなる。」

 

 

「はは、そりゃ楽しみだ…んじゃまいど」

 

 

にやけた顔を隠しながら、その空間から出ていった。

 

 

「目的地に手駒、獲物がさらった。なら、ゲームスタートだァ…」

 

 

笑みを浮かべながら、死柄木はその時を待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー 1年A組 ーーーー

 

 

ーーーー ミーンミンミンミンミーン

 

 

「雄英高は一学期を終え、現在夏休み期間に入っている。だがヒーローを目指す諸君に安息の日々は訪れない。この林間合宿でさらなる高みへ、PulseUltraを目指してもらう」

 

 

『はい!!』

 

 

林間合宿に行く為、全員外に出ていた。出発まであと少し時間があったので軽くみんな雑談していた。

 

 

 

「デク君!遂に林間合宿の始まりだね!」

 

 

「う…うんそうだね麗日さん!!」

 

 

(近いィィ!!?)

 

 

緑谷は麗日の急接近に緊張し、顔を真っ赤にして照れていた。

 

 

「どうしたの?」

 

 

「いやーそのー!?」

 

 

麗日は一瞬心配するが、期末試験の時の青山の言葉を思い出しこちらも顔を真っ赤にしてし、一気に距離を取る。

 

 

「が…合宿だね!合宿〜合宿〜」

 

 

「合宿〜合宿〜」

 

 

「テンション高いなー麗日さん達…」

 

 

楽しげな雰囲気のA組、きっとこの合宿は楽しい物になると心踊ろさせていた中、あの男がまたやって来た。

 

 

「え?なになに?A組補習いるのぉ?つまり期末で赤点取った人がいるって事ぉ?あれぇ?おかしくない?おかしくない?A組はB組よりずっと優秀なのにぃ?あれれれれれ?」

 

 

また物間が喧嘩を吹っかけてきたが、狩迅が腹にボディブロー、拳藤が首に手刀で難無く撃破する。

 

 

「懲りないなこいつも」

 

 

「ごめんなA組…」

 

 

「う…気持ち悪…オロロロロロ……」

 

 

物間は拳藤に連れて行かれた。なにかキラキラした物を吐き出していたようにも見えるが、恐らく気のせいだろう。

 

 

「物間怖」

 

 

「B組の!」

 

 

「体育祭じゃ色々あったけど、まっよろしくねA組!」

 

 

「ウン」

 

 

「確か、B組に配属された推薦入学者の一人だったな。取蔭切奈だったか?」

 

 

「あぁよろしく!そっちはその推薦入学者フルボッコにしたんだってね?」

 

 

「相性が良かっただけだ、こちらこそよろしく頼むよ。」

 

 

「あの野郎また女の子と仲良くなりやがって…だがB組もB組で…ジュル…よりどりみどりじゃあねぇか!!」

 

 

「お前駄目だぞ、そろそろ」

 

 

よだれを垂らしながら、B組の女子を凝視する峰田を切島がそろそろ本当に危ないと警告する。このあと本当に事件を起こすのは言うまでもない。

 

 

「みんな!A組のバスはこっちだ!席順に並びたまえ!」

 

 

ーーーー しばらくして…バスの中 ーーーー

 

 

「お前ら、一時間後にバスを一時停止させる。その後しばらく…」

 

 

相澤が話をしようとするが、周りはガヤガヤとしているためまったく聞こえない。

どこか呆れた様子で見つめていたが、たまには見過ごすことにする。

 

 

「まぁいいか…ワイワイ出来るのも、今のうちだけだ。」

 

 

ーーーー 到着 ーーーー

 

 

「ようやく休憩かー!」

 

 

 

「おしっこ!おしっこ漏れる!」

 

 

 

「つかここパーキングじゃなくね?」

 

 

 

「あれ、B組は?」

 

 

なにやら様子がおかしい、同時に出発したはずのB組のバスがきていないし、なにより休憩場としての役割を果たしていない所についた。嫌な予感がする。

 

 

「なんの目的もなくでは、意味が薄いからな。」

 

 

「トイレは…?」

 

 

「やぁイレイザー!」

 

 

突然隣の黒い車から相澤のヒーロー名を呼ぶ女の声が聞こえてきた。

 

 

「ご無沙汰してます」

 

 

「煌めく眼で~?ロックオン!」

 

 

「キュートにキャットにスティンガー!」

 

 

「ワイルドワイルドプッシーキャッツ!」+謎の少年

 

 

奇抜な格好をしたヒーロー(?)が出てきた。それはプ○キュアやセー○ームーンが言う決め台詞のようなものなのだろうかと、狩迅は心のなかで思っていた。

 

 

「今回お世話になるプロヒーローのプッシーキャッツの皆さんだ。」

 

 

「有名事務所を構える四名一組のヒーロー集団!山岳救助などを得意とするベテランだよ!キャリアは今年で12年にもなる…ぶべら!?」

 

 

いきなり金髪の方に頭を鷲掴みにされる緑谷、どうやら年齢のことには触れないでほしいらしい。

 

 

「心は18!」

 

 

「心はぁ?」

 

 

「じ…18……」

 

 

「高校卒業が18歳だとしたら…大体30…」

 

 

その後、狩迅は緑谷のように頭を鷲掴みにされたとさ

 

 

「お前ら、挨拶しろ」

 

 

『よろしくお願いします!』

 

 

「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね、あんたらの宿泊施設はあの山の向こうね?」

 

 

『遠!?』

 

 

「え…じゃあなんでこんな半端な所に?」

 

 

「これってもしかして…」

 

 

A組のメンバーは直感した、これはヤバい。全員バスに戻ろうとするが…

 

 

「今は午前9時30分、速ければぁ、12時前後かしら?」

 

 

「駄目だ…おい!」

 

 

「やばいって!?」

 

 

「バスに戻れェェェェ!」

 

 

「12時半までかかったキティは、お昼抜きねー?」

 

 

「悪いな諸君、合宿はもう…始まってる。」

 

 

前に突然ピクシーボブが現れると個性を発動させ、地面を動かし波のようにして崖から落とす。

 

 

『ウワァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』

 

 

「あ…危ねぇ……」

 

 

間一髪で足を迅竜化させ、エアーグラウンドで空中を飛んでいた狩迅はその悲惨な光景を目の当たりにして、戦慄していた。

 

 

「あら?一人取り逃がしちゃった」

 

 

「狩迅、悪いがお前も行くんだよ」

 

 

「だと思った…行ってくる」

 

 

「おーい!私有地につき、個性の使用は自由だよー!今から三時間、自分の足で施設までおいでませ!この、魔獣の森を抜けてね!」

 

 

「魔獣の森!?」

 

 

「なんだそのドラクエめいた名称は!?」

 

 

「雄英こう言うの多すぎでしょ…」

 

 

「文句ばっか言ってもしゃーねーよ、行くっきゃねぇ!」

 

 

「うおぉおぉぁぁぉ!!」

 

 

(オイラ、耐えた、耐えたんだ!)

 

 

峰田が閉じ込めておいた聖水を解放すべく、物陰へと入っていく。

 

 

『グアガァァ…………』

 

 

だがその願いも叶わず、奥から化け物が出てきた。

 

 

『ま…魔獣だぁぁぁぁぁ!?』

 

 

「ア…」

 

 

「静まりなさい獣よ!!」

 

 

「口田の個性が効かない!?緑谷、峰田を!」

 

 

「峰田君!」

 

 

「真空波!!」

 

 

緑谷が魔獣に押し潰されそうになっていた峰田を間一髪で助けだし、赫眼&亜種羅を発動させた狩迅が真空波で一刀両断にする。

 

 

「峰田、無事…か?」

 

 

峰田は神のような微笑みをしながら黙って頷いた。

 

 

「ま…まぁいい、取り敢えず魔獣の森って名前もどうやらハッタリではないらしい。この先もこんなやつがゴロゴロといると考えたら、少々面倒だ。」

 

 

「まじかよ、道中死人でんじゃねぇかこれ!?」

 

 

「やめろぉ!そういうの!!?」

 

 

「てめぇら!ゴチャゴチャ言ってねぇでさっさと構えやがれ!次来るぞ!」

 

 

奥の方から魔獣らしきものがこっちに向かってくる。一匹だけではなく、数匹に囲まれてしまった。

 

 

「おいおい、いったい何匹いるんだよ…」

 

 

「どうする、逃げる!?」

 

 

「冗談、12時までに施設につかなきゃ昼飯抜きだぜ?」

 

 

「なら、ここを突破して最短ルートで駆け抜けるしかありませんわ!」

 

 

「よし、いくぞA組!」

 

 

『おおおおおおおお!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー PM5:20 ーーーー

 

「あっやっときたにゃ~?」

 

 

「ずいぶん遅かったね~?」

 

 

「ッ……」

 

 

「くそがぁ……」

 

 

「う…く……」

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

「チッ……」

 

 

轟達に続いて他の面子も続々と集まってきた。現在の時刻は夕方、約8時間ほど経過していた。

 

 

「何が三時間ですかぁ!?」

 

 

「それ、私達ならって意味、悪いね~!」

 

 

「実力差自慢かよ!やらしいな!?」

 

 

「ねっこねこねこねこ!でももっとかかるかと思ってたよ?私の土魔獣が簡単に攻略されちゃった!いいよ君ら、特に~?そこの五人!躊躇のなさは経験値によるものかしら~?」

 

 

「あ?俺らか?」

 

 

「らしいな」

 

 

狩迅達五人を指差して何か笑ってるピクシーボブ、次の瞬間猛スピードで突進してくる。

 

 

「三年後が楽しみ!唾つけとこー!ペッペッ!」

 

 

「きたねぇ!?んだてめぇ!」

 

 

「マンダレイ、あの人あんなでしたっけ?」

 

 

「彼女焦ってるの、適齢期的なあれで」

 

 

「適齢期といえばあの…」

 

 

またもや口が滑ってしまう緑谷、ピクシーボブに頭を鷲掴みにされるのは本日二回目。

 

 

「といえばってぇ?」

 

 

「ず…ずっと気になってたんですが!その子はどなたのお子さんですか!?」

 

 

マンダレイの近くにいた詳細が不明の小さな男の子の方へ指を向ける。確かにそういえば最初からいたが、名前すら聞いていない。

 

 

「あー違う、この子は私の従兄弟の子でね。洸汰、ほら挨拶しな、一週間一緒に過ごすんだから。」

 

 

「えっと僕雄英高校ヒーロー科の緑谷、よろしくね洸汰く…!?」

 

 

緑谷のリトル緑谷に渾身のパンチ、流石の緑谷も廃人化してしまっていた。

 

 

「ァ…ァァ…………」

 

 

「緑谷君!おのれ、何故緑谷君の陰嚢を!」

 

 

「ヒーローになりたいなんて連中と、つるむ気なんかねぇよ」

 

 

「つるむ!?いくつだ君は!?」

 

 

「ハッ!マセガキぃがよぉ?」

 

 

「お前に似てねぇか?」

 

 

「あぁ?似てねぇよ!」

 

 

「茶番はいい、バスから荷物を下ろせ。部屋に荷物を置いたら夕食、その後風呂に入って就寝だ。本格的なスタートは明日からだ、さぁ早くしろ。」

 

 

ーーーー

 

 

「いただきます!」

 

 

苛烈な道のりを終えて、ようやく食事にありつけたA組。中には涙しながら食らいつく生徒もいる程、今日の疲れを癒すべく食事に集中する。

 

 

「へぇーじゃあ女子部屋は普通の広さなんだな!」

 

 

「男子は違うの?」

 

 

「見た~い!ねぇねぇ、後で見に行っていい?」

 

 

「おお!こいこい!」

 

 

「おいしい!!米おいしい!!」

 

 

「ほっかほかに温まってやがる!あぁ、ありがてぇ…」

 

 

「この体に染み渡る、ランチラッシュに匹敵するつぶだち…いつまでも噛んでいたい!!ハッ…土鍋?」

 

 

米を飲み込むようにかきこむ切島と上鳴と狩迅、疲弊した体には非常に効果的面!

 

 

「土鍋ですかぁぁぁぁ!!?」

 

 

「あぁ、つぅか腹減りすぎて妙なテンションになってんね……まぁ色々と世話できるのは今日だけだし、食べれるだけ食べな!」

 

 

『あざす!』

 

 

 

ーーーー 風呂 ーーーー

 

 

 

「まぁ、飯とかはね、ぶっちゃけどうでもいいんすよ。求められてんのはそこじゃないんすよ、その辺分かってるんすよオイラ。求められてんのは、この壁の向こうなんすよ。」

 

 

女子風呂に繋がってる大きな木材の壁の前に立ち、峰田は何かよからぬことを独りでに呟いていた。

 

 

「一人で何を言ってるの、峰田君?」

 

 

(嫌な予感がする。)

 

 

キモチイネー  オンセンアルナンテサイコウヤワー

 

 

「ほらぁ、いるんすよ。男子の入浴時間と入れ換えないなんて、事故。そう、もうこれは事故なんすよ。」

 

 

そう言ったことに興味がある系の男子はのぼせているのか、はたまた興奮しているのか分からないが、顔が赤くなっていた。

 

 

「お前、まさか!?」

 

 

「やめたまえ峰田君!君のやろうとしていることは、己も女性陣も貶める様なことだ!!」

 

 

飯田が峰田を止めようとするが、今の峰田に歯止めは効かない。神々しい表情で優しく飯田に言い返す。

 

 

「やかましいっすよ。壁とは、越えるためにある!PulseUltraaaaaaaaaaa!!!」

 

 

自分の個性であるもぎもぎを駆使し、壁をよじ登っていく。峰田は生まれてこの十数年、最も自分の個性に感謝しただろう。

 

 

「この時のため…この時のためにオイラはァァァ!!」

 

 

あと少しで頂上に手がついてしまう。もう駄目だと男子陣の一部が思っていたとき、峰田にとって一人の悪魔が舞い降りる。

 

 

「ヒーロー以前に、人のあれこれから学び直せ」

 

 

手をパチッと叩き、峰田を落とす。

 

 

「クソガキィィィィィィィィィィ!!!」

 

 

峰田はそのまま落下、飯田の顔面に尻を押しつけて沈んでいった。

 

 

ーーーー

 

 

「やっぱり峰田ちゃん最低ね」

 

 

「ありがと洸汰君ー!」

 

 

後ろを振り返ると、そこには男なら誰しもが一度は求める楽園があった。うっかり見てしまった洸汰は………

 

 

「うぇいうぇーい!」

 

 

「んが!?」

 

 

『あ!?』

 

 

足を踏み外して落っこちてしまった。地面にぶつかる直前に緑谷に助けてもらうが、鼻血を出しながら気絶していた。

 

 

「ナイスキャッチ緑谷!」

 

 

「失神してるな、落下の恐怖か。今すぐマンダレイの元に連れていった方がいいな。」

 

 

「うん!ごめんみんな!」

 

 

緑谷はそそくさとマンダレイの元へと走っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー 合宿二日目 AM5:30 ーーーー

 

 

「おはよう諸君、本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は全員の強化、それによる仮免の取得、具体的になりつつある敵意に立ち向かうための準備だ。心して挑むように、というわけで狩迅、そいつを投げてみろ。」

 

 

「これは、個性把握テストのときのやつか」

 

 

相澤からハンドボール用のボールを投げ渡された。

 

 

「前回、入学直後の記録は3046.8m、どんだけ延びてるかな?前回と同じ形態でやってみろ。」

 

 

「おぉ!成長具合か!!」

 

 

「この3ヶ月色々濃かったからなぁ。ワンチャンもうあのままで宇宙まで行くんじゃねぇの!?」

 

 

「いったれ狩迅ィ!」

 

 

狩迅は前に出て、ボールを投げる為の構えを取る。

 

 

(悪いが、恐らく期待には答えられないな。)

 

 

「赫眼、亜種羅!」

 

 

狩迅の髪の色が緑色に光り、目は深紅に染まる。右腕を迅竜化させ、以前のように思い切り投げ飛ばす。

 

 

「はぁぁぁ!!」

 

 

轟音が辺りに響き渡り、飛んでいったボールはもはや見えなくなってしまった。

 

 

「3053.2m」

 

 

「あれ、思ったより…」

 

 

「だと思ったよ…」

 

 

『え?』

 

 

「入学してから、確かに色々とあってはいたがそれによって成長したのはおおよそ精神面や技術面だけだ。今回の合宿は、その点を埋める為の物って訳だな。」

 

 

「そう言うことだ。個性は今見た通り、あまり成長していない。だから今日から君らの個性を伸ばす。死ぬ程キツいが、くれぐれも死なないように…」

 

 

不敵な笑みで生徒達を向かい入れる相澤、死ぬ程キツいと言っていたが果たしてその過酷さとはどのようなものなのだろうか…A組のメンバーはその言葉に固唾を飲んでいた。

 

 

 




次回から個性強化の話です。多分。できたら敵連合襲撃の所まで行けたらいいな〜と…
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