第四話………はじまるよぉ
個性把握テストが終わり、しばらくの時が経った。個性把握テストはそのあとも持久走で八百万がバイクを創造して半ば反則の様なことをしたり、飯田のエンジンが活躍したり、除籍処分は合理的虚偽だったりとあったが、狩迅は一つ疑問を浮かべていた。
「緑谷の個性…何か違和感を感じる。体が個性の負荷に耐えられないなんてことありえるのか?」
狩迅が"極み駆ける"を発動してハンドボール投げを終えた後のこと。
狩迅が円を出ていくと同時に緑谷が円の中を入っていった。
一度目は無茶をしようとしていたらしく、相澤先生こと抹消ヒーローイレイザーヘッドにとめられ、二度目はうまく個性を発動させボールを高く上げることに成功した。
最終的な結果は700m超え、素晴らしい成績だが、投げた指は青紫に腫れ上がっていたのだ。
「個性は普通、体の身体機能の一部…手足の様に動かせて当然のはず。だが緑谷は未だに個性を扱い切れていないように感じる………あれは…まるで………」
狩迅がそのように考えていると一人の生徒から声をかけられた。
「狩迅君!良ければなんだが一緒に昼食を取らないかい!」
横には麗日と緑谷もいる。
「僕も君の個性に関して、少し話を聞きたいんだ!」
「あっそうそう!凄かったよね〜あの白いの!」
飯田達に昼食の提案をされ、狩迅は勿論断る訳もなく…
「あぁ、俺で良ければ構わない。」
友達らしい友達ができた事に狩迅はとても嬉しく思っていた。
自分の個性を見せたら、怖がられるんじゃないかと思っていたが、その逆で尊敬をされていたのだ。
「あれ、狩迅君はお弁当なの?」
「あぁ、一人暮らしでな…習慣付いているんだ。ランチラッシュには劣るかもしれないが…」
「そんなことないよ!とっても美味しそうだよ!!」
「あぁ見ているだけで、腹が空いてくるようだ!」
そんな他愛の無い会話をしていた。だがそれは狩迅にとっては酷く暖かい物だった。
常に人から後ろ指を刺され続けてきた彼にとっては、自分から歩み寄ってくれる、自分を友人として接してくれることに幸福を感じていた。
それからしばらくの時が経ち………午後の授業がはじまる。
「わぁあたぁしいぃがぁあ!!普通にドアから来た!!!!!!!!」
どうやらオールマイトが雄英の教師をやっているというのは本当だったようだ。
それぞれが違う反応をしているが、全員等しく興奮していた。
「マジで教師やってるのか!!」
「今着ているのは…銀時代のコスチュームみたいね」
オールマイトといえば数多の事件を解決し、実力、人気度共にナンバーワンのヒーロー。
そんなオールマイトから直々に授業を受けれるのだから興奮しない者はほぼいないだろう。
「さてでは早速行こうか!!私が受け持つ授業、それはヒーロー基礎学!!少年少女達が目指すヒーローとしての土台、素地を作るために様々な訓練を行う科目だ!!正にヒーローになるためには必須とも言える!!単位数も多いから気をつけたまえ!!そして早速今日はこれ、コンバット!!戦闘訓練!!!」
オールマイトが持っているプレートには、BATTLEと書かれており殆どの者が闘争心を燃やしていた。それと同時にオールマイトが指を鳴らすと、壁が動き出した。
そこに収められていたのは各自が入学前に頼んでいた戦闘コスチュームだった。
「着替えたら各自、グラウンドBに集まるように。遅刻はなしでたのむぞ!」
『はいっ!』
皆が勢いよく自分のコスチュームを手に取り、駆け足で更衣室へとむかっていった。
「形から入るって事も大切な事だぜ少年少女諸君、そして自覚するのさ!今日から自分はヒーローなんだと!!」
それぞれが希望したコスチュームへ着替え、グラウンドへ向かった。
ちなみに狩迅のコスチュームは頭を抜いたナルガ装備一式である。
「狩迅お前っ!?それ最早忍者じゃねぇか!?」
「あそこだけジャンルちげぇ!?」
「まぁ…問題は無いだろう。」
「だけどめっちゃかっこいいよ!狙った獲物は逃さない…みたいな感じで!」
「あ…あぁ、ありがとう葉隠さん。」
狩迅は葉隠のコスチュームについて、あえて触れないでおいた。
それからオールマイトの戦闘訓練の説明が行われた。今回は基礎を知る為、屋内戦闘訓練、ヒーローとヴィランに分かれて戦うらしい。
ヒーローチームはヴィランチームか核兵器を確保したら勝利。
対するヴィランは、ヒーローチームを確保するか、制限時間まで核兵器を守り抜くことで勝利できる。
今回は二人一組でクジによって決めるらしいが、今年は異例の21人クラス、一人余ってしまう。そんな中狩迅が引いたクジには、【ハズレ】と書いてあった。
「ハズレ?」
「狩迅少年が引いてしまったかぁ。そのクジは、一人で、つまり2対1で戦わなければいけないんだ。ヒーローをしていると人数不利なんてのはよくある事!
PulseUltraで乗り越えていけ!ちなみに戦いたい相手を選べるから考えていたほうがいいぞ!」
戦いたい相手を選べる。そんな言葉を聞いて、二人の男が名乗りを上げた。
「おい、忍者野郎!」
「狩迅…」
『俺と戦え!』
次回は"轟&爆豪VS狩迅"です!
この二人は果たして、迅竜の進撃を止められるのか!
次もぜってぇ見てくれよな!