デジモンと命を共有する転生者   作:銀の弓/星の弓

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昔から簡単な本でも何回も読み返さないと覚えられないタチでした。

…まだ完全体が3体しかいなかったことも懐かしい。
初代はグレイモンやヌメモンによく進化させてた気が…


第8話 オルクス大迷宮と地球への通信(その4)

進示視点。

 

「血だらけで肉体を再構築されていくハジメ…俺にできることと言えば、ヤツが正気を失わないようにすることだけだったが、極限状況化に追い詰められたハジメは、既に邪魔する奴は殺す覚悟を決めちまった」

「まあ、実際出来なきゃ、死んでたし、魔物の肉も食ってねぇ」

 

魔物の肉を食べたら死ぬことは教えていたが、あらゆる怪我も治療する神水と同時に飲んでいたので、このような現象が起きた。

 

南雲夫妻は沈痛な表情を浮かべる。

 

「そのおかげで俺のステータスが上がってたし、進示にあらかじめもらってた拳銃もあったから、自作の銃【ドンナー】も完成間近だった」

 

ところが

 

「ステータスが上がったのを見て、優花が『自分も魔物の肉を食べる!』って言いだしてね」

『優花!?』

 

園部夫妻は驚いたように優花を問い詰める。

無理もないか。

 

「パパ…ママ…あたしも躊躇はしたんだけど…このまま進示達の負担になり続けるのは嫌だったし、…私が何もできないのが嫌だったの…」

 

一見ギャルっぽく見えるが、優花はとても責任感の強い子だ。

 

…俺がマジの高校生だったころはてんで大したことなかったが…本物の女子高生がここまでの覚悟を持てる事に嬉しさと悲しさが混じった複雑な感情を覚えた。

 

 

『そう言えば、そっちの彼らのデジモンは進化出来ないのか?』

 

成り行きを見守っていた関原の疑問だ。

 

「いや、Dアークはこれから造る。デジヴァイスという呼び方でもいいが、どっちみち、ハジメの錬成能力でも再現できない技術で造られているからな。部品が足りなくて途中までしか作れてないが、オスカー・オルクスの隠れ家に錬成して材料にできそうなモノがあったからな」

 

「いつかぜってー造ってやる」

 

そう息巻くハジメ、正直Dアークには未知の部分も多いが何故自分でも作れるのか疑問の部分もある。

…ひょっとしたら【あちら】側からバックアップしてくれている可能性もあるが。

 

「…ただ、一回だけ彼らのデジモンが完全体になったことがある。…正直得体のしれない所から支援を受けている可能性もあるが、デジヴァイス無しでの進化はやはり安定しない。さっきの杏子は記憶回復の頭痛で退化したからな。いずれにせよ、デジヴァイスの作成は急務だ」

 

「正直不覚だった。もしかしたらアレがなければ落下せずに済んだかもしれないが…その場合、ユエ君の救助がなかったことになる」

「ん」

 

 

杏子が補足すると、ユエが頷いた。

やっぱり300年も独りぼっちは寂しいもんな。

 

『その【ユエ】さんのパートナーにルナモン?』

『【ユエ】という名前に【ルナ】モンか…どちらも【月】の名前だ』

「…ああ、偶然…ということもあるかもしれないが…、ハジメの方の完全体に進化したデジモンを見て思った…アレはまるでオリュンポスの…おっと、デジモン界ではオリンポスだったな」

 

モニターの向こうの俺の悪友たちがユエとハジメのパートナーとの関係性に気付き始めた模様。

 

「さて、また話が脱線したが…優花はアレをみせたくないよな?」

「うん…」

「…まあ、女の子が見せたいシーンでもないしな。どうしてもなら、帰ってからご両親にだけみせようか」

 

優花は自分が魔物肉を食べて変質した自身の姿を見せたくはないようだ。

 

「あの時は本当に死ぬかと思った…私の心が折れないように…抱きしめてくれてありがとね」

「おっと、私も支えていたんだけどね」

「あ゛っ!?も、もちろん忘れてないわよ!?杏子!!」

「ならいいが、恋する乙女とはこういうものか…いや、私も人間社会に紛れ込んで生活していたが、恋愛感情というものはどうにも実感が薄い。

…いまは進示と魂が繋がっていることで私の感性は大分進示寄りになっている。…私の本来の使命より思わず進示を優先してしまうくらいには」

 

杏子がまだ完全に思い出せない記憶を想いながらそういう。

 

「そう言えば、デジモンは人間の精神に影響されやすいんだったな」

「ああ、その上、キミと出会ったのは記憶をほぼロストした状態でのデジタマから生まれた状態からだったしね」

「コーヒーの味覚は?」

「…なら、帰ってから試したいブレンドがあるのだが」

「「結構です!!」」

「…残念」

 

 

杏子の【ブレンド】を知っている俺たちははそろって拒否。

 

 

 

 

 

 

 

…また話が脱線した。

 

「とにかく、出会ったギルモンとガジモンを連れて、ハジメが自分の腕を食った魔物にリベンジを果たした。ハジメと優花は魔物の肉を食い続けて、ステータスが上がるほか、食った魔物の技能までも吸収するに至った…魔人〇ウみたいだな」

『むしろカー〇ィじゃね?』

「…進示、お前のダチもすぐこういうネタに反応するが」

「ま、俺たちの同類だよ」

「そうか…」

 

そう言うとハジメは微妙な顔をした。

同類がいて嬉しいような悲しいようなという顔だろう。

 

「おっと、ここから先は映像は見せないでおくよ。ユエとの出会いのシーンなんだが…」

「ああ!ぜってー見せるな!!」

「…ハジメ君、既にユエ君えへの感情移入が深すぎないかい?」

『ん?何故だい?ハジメの嫁との出会いのシーンは父さんも見たいぞ!!』

「ダメだ父さん!!!」

 

事情を知らない面々のために説明しようとしたが、優花が口を開いた。

 

「…あの、このシーンのユエ…素っ裸なんです」

 

真実を口にする。

 

『『え!?』』

「ん…私の裸を見ていいのはハジメだけ」

「俺もなるべく見ないようにしてるしな。救助するときだけは状況的に仕方なかったし、300年もたってりゃ服着てたってボロボロに風化してても…」

 

そう言えば裸で閉じ込められたんだろうか?

 

「まあ、ハジメは最初は罠の可能性も考慮して助けることを躊躇してたんだ。…状況的にも心理的にも余裕がなかったっとも言えるがな」

「まあ、ユエ君の【裏切られた】といった言葉でハジメ君の心が動いた。我々も封印されていた理由を質問したが」

 

《私、先祖返りの吸血鬼……すごい力持ってる…ケホッ……だから国の皆のために頑張った。でも……ある日……家臣の皆……お前はもう必要ないって……おじ様……これからは自分が王だって……私……それでもよかった……コホッ…でも、私、すごい力あるから危険だって……殺せないから……封印するって……それで、ここに……コホッ》

 

 

これは音声だけ流す。

永いこと喋ってなかったのか、咳き込んではいるが。

 

何人かが『吸血鬼!?』と聞いておろおろしていたが。

 

「しかも、その再生能力は首は寝られてもすぐ治るらしい」

『戸〇呂兄じゃん』

「いや、思ってても今言うか?」

「…戸愚〇兄?」

「…地球に帰って漫画に興味があったら見せてやる」

 

ユエは地球の文化…というよりはハジメの好きなものを知りたいゆえかどんどん聞いてくる。

ハジメが話せない状態の時は俺達にも聞いてくる。

…ユエは地頭はいいので、詳しく説明すればすぐに理解するのだが。

 

「で、ユエ…本来の名はまた別にあるらしいが、もう本名を名乗りたくないから、俺に名前を付けてほしいって…まあ、髪の色と目の色が月みたいな感じだったから【ユエ】って名付けたんだが…」

『おお!中国語だな。流石我が息子、ネーミングセンスもいいじゃないか!』

「茶化さないでくれ、父さん」

『ユエちゃん、その名前好き?』

「はい、お義母様」

 

ユエよ、ハジメのご両親に対してはもう義親呼び安定か。

 

「だが、その時に蠍のような化け物が現れてな、ここまでくるとデジモンももう成熟期じゃキツイレベルだから、杏子をグレイドモンにして、ユエもハジメの血を吸って魔力を回復させて、総攻撃で仕留めた」

「魔物肉食べたから、私の攻撃も通じるようになったしね」

「「俺【僕】達は進化出来ないから、何もできなかったけど」」

「…Ⅾアークが完成したら、お前らも活躍できるからもう少し待ってくれ」

「「うん」」

 

ガジモン、ギルモンが悔しそうに言うが、死んでは元も子もないし、今は焦りは禁物なのだ。

 

「で、なんでか蠍の化け物に捕まって、転がり落ちたのがルナモンだったわけだ」

「わたしも気づいたらあの蠍に引っかかってて、どうやってこの世界に来たか覚えてないの」

 

ルナモンがコメントする。

 

…恐らくは。

 

 

 

あ、このシーンは…キーをうっかり押してしまった。

何の映像化察したハジメが「オィイッ!?」と叫んだがもう手遅れ

 

植物のような魔物にとらわれたユエに対し、映画のワンシーンのような《ハジメ…私はいいから撃って…!!》と叫ぶシーンだ。

 

因みにこの戦闘の俺は優花と杏子を庇って花(?)に寄生されてしまったので、役立たずになり下がった。

 

 

普通は人質を取られたら発砲を躊躇するところだが、

 

《え?いいのか?助かるわ》

 

と、躊躇せず撃ってしまった。

 

「…ハジメの馬鹿」

「ああああ!?ホント悪かった!!?機嫌直してユエさん!?後進示何映してやがる!?」

『ハジメ!?あんた何やってんの!?』

 

当然ながらクレームが来るわけだ。

 

他の皆さんも殆どがドン引きか非難の眼差しをハジメに向ける。

 

「いやぁ、その躊躇のなさはいっそ長所ではないか?ハジメ君」

 

杏子が状況を楽しむように…お前ホントに記憶が完全に戻ってないのか?

 

「女心にちょっとは気を使いなさいよ…」

 

優花があきれるように

 

モニターの向こうの樹は、ハジメの余裕のなさとユエの心情を両方気遣ってか何てコメントすべきか迷っているようで、困り顔だ。

 

『そう言えば気になってることがあるんですが』

 

そういうのは関原。…コイツ時々敬語になるんだよな。気分らしいが。

 

『何で下を目指してるんですかねぇ?上に上がって脱出するという手も』

 

「残念ながらそれは無理だ。この迷宮、101層目あたりから下へ続く階段しかない。

…上への階段は消えるか出てこないという鬼畜仕様だ」

 

『厳しすぎませんかねぇ!?』

『…非常食を持たせて正解でしたね』

 

樹が冷汗を流しながらいう。

ホント樹には感謝しかない。

 

…世界を隔てている以上、抱き合うことも出来ないが、モニター越しでも俺の表情から俺の言いたいことを察したのか

『帰ったらめいいっぱい甘やかします』

というウィンクをした。

 

それを察した優花が「話には聞いてたけどやっぱりそうなんだ…ううん、気にしなくていいよ」と小声で言ってた。

う…正直軽率だったか?

すると。

『もう進示様と杏子ちゃんと優花さんの意思確認は済んでいるのでしょう?…なら、帰ったら任せてください』

と、言ってきて、優花が俺の手を握り、杏子が俺の肩に手を置いた。

 

…ホントいい女(1名デジモンかつ本来性別不明)に恵まれたなぁ…。

樹は俺にハーレム作らせようと画策しているようだが…裏があるのはなんとなくわかっている。

が、俺や周りを傷つけない配慮もしている。

…帰ったら教えてくれよ。

 

 

 

それはともかく、迷宮の攻略だけで何日もかけている以上、非常食がなければ、俺も魔物肉を食べていた可能性が高い。

 

 

そこに

 

「おっと、200層目に現れたまるでヒュドラみたいな化け物だ…まあ、名称も同じだったけど」

『ギリシャ神話に出てくる怪物に似通った魔物ですか…これはハジメさんとユエさんのパートナーデジモンがその子達なのも…なんとなくわかります』

 

「やっぱり何かが起きてるようだな」

 

と、ハジメも異常事態をなんとなく感じたようだ。

 

「首を全部潰しても新しい首が生えてきてどこの英雄だと思ったよ。首ごとに能力違うし

再生したヒュドラの反撃にあって、ハジメはユエを庇って右目が潰れた。俺は優花を庇って致命傷は免れたが、左腕を負傷。まあ、こちらは治ったが」

「うう…私、足手纏いかなぁ」

「大丈夫。ユウカもヒュドラの首一本潰した。ユウカは強い」

「あ、ありがとう…」

 

《杏子!出し惜しみはなしだ!》

《了解だ!私も本来の姿に戻るとしよう!!》

 

戦闘が始まってからグレイドモンの姿でいた杏子は一旦退化して杏子に戻る。

 

俺はⅮアークを自分の左胸に押し付ける

 

 

MATRIX EVOLUTION

 

 

 

そうして俺と杏子は融合し、黒い聖騎士、アルファモンになる。

 

因みに杏子はアルファモンになるためには、現実世界では俺と融合しなければならないが、デジタルワールドや電脳世界では自由自在になれる。

 

 

『これが…話には聞いていたが』

 

「これが本来の私の姿です。世代を上げるとエネルギー消費が激しいので、状況に応じて形態を使い分けているのです。…ともかく、私の必殺技【聖剣グレイダルファー】の一斬で仕留めた…かに見えました」

 

まだ終わらない。言外にそう込められた杏子の言葉に全員が息をのむ。

 

すると、ヒュドラの色が変わった。

 

白を基調とした理解しがたいおぞましいものに浸食され始めたのだ。

 

『イーターか!?』

 

ヒトもデジモンも捕食するまだ謎多き捕食生命体。

 

人が触れればほぼ一発アウト。デジモンなら生命力が尽きない限りはある程度耐えられる。

 

俺と杏子はそう判断し、みんなを庇うように前に出る。

 

≪『ぐあっ!?』≫

 

イーターに攻撃された瞬間、俺と杏子は分離し、気絶はしなかったものの、戦闘不能になってしまう。

 

身体がバラバラになりそうだったが、何とか意識を保つ。

 

≪逃げろ!説明の時間はない!人が触れれば一発で【捕食】される!!!デジモンならあるいは…≫

 

 

俺はここまでほぼ戦力外だった、ギルモン、ガジモン、ルナモンを見る。

 

《…嫌よ!!!》

 

しかし、逃げることを拒否する声を張り上げるのは優花だ。

 

 

《ここまで一緒に戦って!ここまで一緒に来て!!今更私たちにだけ逃げろって言うの!?

…私たちはもう托生よ!!みんなで生きる!死ぬときはあなたと一緒に死ぬわ!!!》

 

すると横で優花が顔を真っ赤にして蹲る。

 

「…まだこの時点では告白もしてないってのに我ながら大胆だったわ…」

 

…ああ、今思えばとんでもないセリフだ。

 

 

《…当然だ。園部の言うとおりだ。ここまで来て諦めるか!!》

《ん…!!最後まであがく!!》

 

ハジメとユエも立ち上がる。

 

イーター化したヒュドラに立ち向かうにはデジモンしかない。

 

《フフフ…決意は固いようだな?》

 

杏子は倒れたまま笑う。

 

《お前ら…まだ正式なパートナーではないが、ガジモン、ルナモン、ギルモンに心を送れ…!!これまでの探索でそれぞれがコミュニケーションをとってたことは知っている…!!!1回だけなら何とかなる!》

 

《…え?》

 

 

《完全体以上に進化させるとデジモンが受けたダメージはテイマーにもフィードバックがある…ジールで学んだ魂の秘術…ハイネッツで学んだデジタル理論…あとは、お前たちがどれほどデジモンを信じられるかだ!!》

 

一応攻撃を受けるときに同時に一斬しておいたので、まだ再生にもたついているが…時間はない。

ぶっつけ本番だ。

 

《俺達も戦うぞ!!》

《何か手があるんでしょ!?》

《僕たちも見ている毛なんて嫌だよ!!》

 

ガジモン、ルナモン、ギルモンが叫ぶ。

 

《…あなた達…私たちと戦ってくれる!?》

()()()()()()

 

 

…これで俺の決意は固まった。

 

《…では任せるぞ…ソウルマトリックス!!!》

 

 

 

俺のエネルギーを基盤に優花にギルモン、ハジメにガジモン、ユエにルナモン、

 

それぞれの心が重なり合う。

 

 

ギルモンはメガログラウモン、ガジモンはフレアモン、ルナモンはクレシェモンに進化した。

 

《成熟期を通り越して完全体に…》

《…一撃で決めてくれ!!!もう進化はさせられない…》

 

 

そう言って、俺の意識は途絶えた。

 

まあ、今見ているのは記録映像だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ほう、不安定だが魂の力のみでデジモンを進化させたか…これは期待できるかな?」

 

 

金髪の4枚の翼をもつ大天使がその様子を隠れて見ていた。

 

 

 

 

 

 

 




トレードの進示ハーレム化計画。

自身を含めた女性たちによる榊原進示にハーレムを持たせる計画。
しかし、ハーレムメンバー全員が【心を通わせる】状態でなくてはならない。
金や権力や洗脳で作るようなハーレムはトレードの計画が破綻するため、ハーレム化は難航していた。
最も、これまでの異世界でも進示に惚れた女性はいたが、ガラテア以外は死亡した。
フェーも死亡しているはずだが、【蘇る未来】を視ているが、天文学的な確率らしい。


追加

リリアーナヒロインアンケートは大迷宮が終わるころ締めきります。

ミュウはどちらがパパ?

  • オリ主(榊原進示)
  • 南雲ハジメ
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