デジモンと命を共有する転生者   作:銀の弓/星の弓

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ありがとうございます。

少しミリアのエピソードを入れます。
龍の杖と亜空間倉庫を譲る理由も。

そしてとんでもないことをしでかすようです。

そして杏子の心がかなり人間に近づいていますが、これもこの作品を書く上でテーマにしたかったことです。
…進示はまだミリアの計画を知らないんですけどね!


第15話 凶悪コンビ!ライセン大迷宮

杏子視点

 

懐かしいデジモンとの対面に感慨深くなるが、エテモンを油断なく見る。

 

進示が死ねば私も死ぬので、とりあえず生きているようだ。

 

というか、進示なら今の攻撃は避けられたのではないか?

 

「いや、避けようとしたよ?どっかから聞こえた声が『笑いのために喰らっとけ』みたいな声が聞こえて硬直したんだよ!?」

 

と、割とすぐ起き上がった進示が何かを悟ったようでしかし、言い訳じみたことを叫ぶ。

 

…普通なら一笑に付す言い訳だが、今の私であればなんとなく言わんとすることが分かる。

 

「ギャグ補正か」

「エテモンも今のフライング・ニー・ドロップで殺す気はなかったようだしな…どちらかというと嫌がらせか」

 

…嫌がらせ、進示達と一緒に暮らすようになってからよく聞く、【精神攻撃は基本】という概念はあるが…なるほど効果的なようだ。

 

魂が繋がってるので、進示の動揺も手に取るようにわかる。

 

…まあ、繋がってなくても分かるのだが。

 

…因みに後で聞いた話だが、本来の元ネタは【猿も木からフライング・ニー・ドロップ】だが、ここは木が無いため、崖になったのだそうな。

 

「まあ、今のドロップ喰らってすぐ起き上がるなんてなかなかやるじゃな~い」

 

あの時と一切変わらない口調で喋りだすエテモン。

 

あの時の事件をすべてモニタリングしてたわけではないが、会話の一部は拾えていたので、分かっていた口調だ。

 

オネェ言葉というのだったか。

 

「フン…流石に【3度】も死ぬのはゴメンだからな」

 

進示がそう吐き捨てる。…前世で命を落としたのと、冤罪で処刑された時か。

 

 

 

 

ジールで邪神討伐後、その功績を横取りされた…だけであればまだしも、戦争を起こした責任を被せられた。

ちなみに私たちは邪神を討伐する気などなく、地球に帰るための手がかり探しのついで、さらに言うなら、邪神に襲われたから返り討ちにしたに過ぎない。

 

長い年月、邪神を倒せなかったために、国民の不満を鎮める手段として進示が生贄に選ばれたのだ。

私は見た目が人間の少女であった(当時の見せかけの肉体年齢は11歳)私は捕まり、奴隷承認に売り飛ばされてしまった。

 

…最も、こちらの事情を知らないとはいえ、進示が死ねば私も死ぬのだから、無駄に金を使うだけだが。

私は落札され、どこぞの人間に買われてしまったのだが、私を落札したのは変装したミリアだった。

おかげで薄い本のように貞操を失わずに済んだが。

 

 

『いいですか?進示が処刑されれば杏子、貴女も死にます。魂が繋がっている以上それは避けようがありません。ですが、魂は個人差はあれど成仏するまでに若干の時間はあります。私が進示を蘇生するのと、その間貴女の魂を現世に繋ぎ止める魔法をかけておきます。…そして、私の能力では1人1度きりしか蘇生は叶いませんし、実質二人分の命を掛け持ちするようなものです。…それに、あなた達を元の世界に送り返す事もしなくてはなりません』

 

『でも、そんなことをしたらミリアはどうなるの?』

 

『…まあ、ロクな休息もなしでそんな大規模魔法を連続行使すれば間違いなく死ぬでしょうね。捕食されるのが先か、寿命を使い果たすのが先か』

 

『…捕食ってなに?』

 

『すぐにわかります。…進示を処刑させずに済ますことはもう無理でしょう。警備も厳重ですし、進示達は相手を殺害してでも脱出するという意思がありません。…お師匠様が危惧してたのはコレでしょうね。

【必要があれば相手を殺してでも生き延びる】。その意思を持てないせいで彼は死に…世界が終わる。そもそもそれ以前に状況的に仕方なかったとはいえ、補給無しで戦い続けた無理がたたって抵抗する力がありません』

 

『世界が…終わる?』

 

当時の私の顔が暗くなる。

 

『この世界の滅びは確定しました。進示が死ねばそれがトリガーとなり、あなた達がイーターと呼ぶ捕食生物が出現します。もともと精神だけを捕食するだけの存在が何をどうしたら肉体まで捕食するようになるんだか』

『イーター…』

『それに…御神楽ミレイと言いましたか?貴女が記憶を取り戻すまでは彼女も【貴女の居場所】を観測できません。現実世界に容易く干渉できないとはいえ、ちょっとおかしい味覚を持つ友人であるあなたの危機には手助けしそうなものですが、それがない時点で貴女を見つけていない』

『…思い出せないけど結構きつい言い方だね』

『…これが最後の軽口かもしれません。…はぁ、まさか本当にフェーの未来視通りの展開になるとは…未来は無限大ですが、未来を絞れている時点で滅びを疑うべきでしたね』

『?』

 

『未来は絶対ではないからこそ寿命に限りがない。…ですが未来が分かっている…複数の未来ではなく、1つの未来しか分からない時点で、先がないのです。貴女の世界の創作物でも割とよくある展開ですよね?』

 

『…うん』

 

『…ですが、私もそう簡単に死ぬつもりはありません。杏子と進示をずっと間近で見ていて思いついたことがあるんです。それに、お師匠様に腹に穴を開けられたときに私の龍の因子を治療に使いましたが、それを利用します』

『それは?』

 

昔の私がミリアに問うとミリアはいたずらっ子のような笑みを浮かべ

 

『私自身が…デジモンになる事です!!』

『?』

 

恐らく、仮に私の記憶がこの時点で戻っていても私の目が点になっていただろう。

 

『ドルガモン、ドルグレモン、ドルゴラモンと言いましたか?その情報とリソースをください。暫くは進示の体の中で眠ることになりますし、杏子の記憶が戻るまで目が覚めません。私の体もデジタルデータになりますので、魔法も使えなくなるでしょう。それに、デジシンクロとは違いますが、私の命は進示のものになるでしょう。なんで、私の分身を作って地球に帰す魔法行使は分身にやらせましょう』

『そんなことできるの?それに…ドルゴラモンは…』

 

ドルゴラモンはミリアの師匠を殺した姿だ。いい印象はないだろう。

 

『前代未聞の試みですが成功させます。…私は天才ですから!

お師匠様に関してはお師匠様にも落ち度があります。あんな極端なやり方を選ぶのも、世俗を永く離れすぎたからです。…思うところはありますが、もう割り切っています。

…そうなると、龍の杖は進示にあげましょうか。彼なら使いこなせるでしょう。…それと、途中で物資が尽きないように、亜空間倉庫も進示に譲りましょう。倉庫の中のものは全部あげます。どう使うかもお任せします』

『どうしてそこまでするの…?』

 

 

『…好きだから…ですよ。

…さて、間もなく進示はギロチンにかけられます。首が切断されるので、その痛みが杏子にもフィードバックされます。苦しいでしょうが耐えてくださいね、杏子。

進示は本来守られる側の人間ですが、不可抗力の環境で戦う側に無理矢理立たされた存在。

戦わせないといけない上に死なせてもいけないという立ち回りを要求されます。本人の意思とは関係なく戦わされる進示の心は私たちで守るんです。…私が目覚めるまでは杏子とさんざん話で聞いたトレード様にお任せしましょう』

 

 

 

その後も何度か戦闘はあったが、今回は割愛する。

私や進示、ミリア(分身)の奮戦が無ければ、オーストラリア大陸をも上回る大きさと質量を持ったイーターもどきがいきなり日本に出現していただろうことは言っておく。

状況から推測するしかないが…私たちが戦っていなければ一瞬だけ見えた大天使の到着も間に合わなかっただろう。

…金髪の羽が4枚ある大天使。

 

この思考はわずか数秒だが、過去に浸り過ぎた。

今はエテモンだ。

 

 

 

 

「キミは…やはりタワレコにいたエテモンか」

「あらぁ、やっぱりアンタアチキのファンなんじゃない!!」

「キミの音楽思考は独特なのはいいが、なぜこの世界にいる?」

「それはアチキも知りたいのよねぇ。でもミレディちゃんの指示でアンタ体を迷宮に案内するように言われてるのよねぇ?」

「なに!?」

 

反応を示したのはハジメ君だ。

 

ハジメ君にとっても地球への期間は望むもの。

 

現在の私達の技術ではデジモンがいないと次元の壁を越えられない。

 

進示の友人が異世界で現地妻を作っているのにも関わらず、地球に連れて帰れないのはそういうことだ。

 

まあ、天使くらい超常の存在ならば話は別だが。

 

「それと、あっちでちょっと恥ずかしい状態になってるウサギちゃんはアンタたちの仲間かしら?」

「ん?」

 

恥ずかしい状態?シア君の事か?

 

「ひゃあああああっ!?見ないでくださいいい!?」

 

どういうことかと、視界に入ったシアを見ると、股の間を濡らしていた。

 

ああ、そう言えば花を摘みに行ってたな。

 

そして、足元にはバナナの皮がある。

 

恐らく、状況的にはうまい具合にバナナトラップが仕掛けられていて、トイレに行く途中で滑って転んでしまい、その衝撃で…か。

 

「ついて来なさーーい!大迷宮の試練の攻略者はまだ誰もいないのよぉ!!」

 

そう言ってエテモンはこちらに背を向けて走り出した。

 

人間でも追いつけるペースだが、迷宮に案内というのは本当だろう。

 

「…あれがミレディ・ライセンの指示なら間違いなく迷宮にはいやらしいトラップが仕掛けられてるな。ぶっ飛ばしてやるか」

「準備は万端」

 

ハジメ君とユエ君が闘志を滾らせる。

 

「シア、キミがハジメに惚れてるのは分かってるが、その…その下半身の乾かしと消毒と防臭を数秒で終わらせられるのは現状俺しかいない」

「ううう…」

 

シアは恥ずかしいのか俯いているが、進示の言う通りそれが出来るのは彼しかいない。

 

龍の杖をシアに向けて、シアの状態を整える。

 

「は、恥ずかしいですけど便利ですぅ…。でもこの環境で魔力消費は大丈夫なんですか?」

「これくらいは問題ない。ユエが言ったように10倍効率は悪いが」

 

ライセン大峡谷の魔力が分解される環境での魔法行使は燃費が悪すぎるが、一定レベル以上の達人なら話は…別でもないか。

 

「だが、疑問もある。ミレディ・ライセンは大分昔の人間だ。オスカーの手記にもあったしな。

あのエテモンは『ミレディちゃんの指示』って言ってたが、ミレディが人間である以上この時代まで生きてるはずがない」

「ん、嘘をついているか、何らかの方法で延命したか」

 

それには同意だ。

どちらにしろ、行って確かめるしかない。

 

「杏子…大丈夫か?心が乱れていたが」

「…問題ない…はずだ」

「昔のお前は体は人間心はデジモンだったが、今のお前は体はデジモン、心は人間にかなり近づいている」

「…大丈夫だ。私はそこまで軟じゃない。それに万が一の時は慰めてくれるだろう?」

「そりゃそうだが」

「ならそれでいい。迷宮に行こう」

 

進示は純粋に私の心配をしてくれている。

…自分が死にたくないのもあるが、進示はあれで情が深く、情に脆い。

…最近の私もか。

記憶が戻れば昔の自分と同じになるかと思ったが、案外そうでもないらしい。

 

【我が助手】の名前を発音できない悲しさが込み上げてくる。

 

これが人間の情なのか…。

 

「やっぱり割り切れてないじゃないか」

「そのようだ」

 

 

 

 

進示視点

 

エテモンを追いかけてライセン大迷宮に入る。

 

隠し扉があったり、アクション映画みたいなトラップのオンパレードだったり、

 

『ビビった? ねぇ、ビビっちゃった? チビってたりして、ニヤニヤ』

 

 

 

『こんな簡単なトラップに引っかかっちゃった奴は相当マヌケだね! ぶふっ』

 

何てこっちを煽る文章が浮き上がって来たりで、シア、ユエ、ハジメがそれぞれ種類は違うが怒り狂っている。

 

優花も若干いら立ちを隠せないようだ。

 

デジモンは万が一の事も考え、極力温存する。

 

あのエテモンが究極体に進化できるかもしれないからだ。

 

現状三人は完全体、シアは成熟期までの進かしか出来ないので、究極体の相手が出来るのは現状俺と杏子の組み合わせしかいない。

 

床トラップを踏んだと思ったら、回転のこぎりがきて、危うく切り刻まれそうになった。

 

デジモンを抱えてトラップをよけようとしたら、いきなり現れたバナナの皮に足を取られて転んでしまった。

 

「ハジメ!?」

「バナナの皮…エテモンの仕業か!」

 

俺は咄嗟に亜空間倉庫から自動大型拳銃を取り出し(何気に使うのは初めてか)、連射する。

マグナム弾を使う銃だが、独自のカスタマイズをしたものだ。

 

ドキュン!ガキン!!

 

そんな擬音が数回。

 

のこぎりを粉砕し、ハジメがどうにか回避できる隙間が出来た。

 

「た、助かった…」

「いいってことよ」

 

洞窟の中はさらに強力な魔力分解が働いており、魔法を外に出せないことはないが、大幅なランクダウンは免れないだろう。

 

「という事でシア、身体強化が出来るお前にかかってる」

「はい!!」

 

 

しかし、

 

「このドジウサギ! 言った傍からへましやがって!!」

 

 

 

「すみません~~~~!」

 

 

 

滑り落ちながらハジメが怒鳴る。

 

階段を降りていた時、シアが何かトラップを踏んだようで、階段の段差が無くなり、急なスロープとなった事で全員猛烈な勢いで階下に向かって猛スピードで滑り落ちているのだ。

 

パタモンは空を飛べても飛行速度がいまいちだし。

 

その時、

 

床下に鋭利な突起!?

 

「来翔!」

 

ユエが風の魔法を利用してハジメがシアとユエを抱えて…ルナモンはユエの頭に乗ったままだが、ハジメとユエは咄嗟にパートナーをデジヴァイスに格納してワイヤーで危機を脱した。

 

優花も咄嗟の判断でギルモンを格納。

俺は杏子と優花を抱え、フックショットで天井にぶら下がり、危機を脱する。

 

『焦ってやんの~~~~ダッサ~~~~イ!』

 

 

 

『この位で疲れるようじゃ先が思いやられるねー、ププッ』

 

「潰していいか?」

 

ハジメが苛立つ。

 

「ん、人類の敵」

 

「流石に怒りがこみ上げてきますぅ」

 

 

そしてスタート地点に戻されたり、ゴーレムの群れが襲い掛かってきたりと、散々なトラップ部屋を突破して、かなり広い場所に出た。

 

足場が無数に空中に浮いており、その部屋の中央には20メートルサイズのゴーレムとエテモンがいた。

 

「やほ~、はじめまして~、みんな大好きミレディ・ライセンちゃんだよぉ~」

 

 

 

そんな空気をぶち壊すお気楽な挨拶がその巨大ゴーレムから聞こえた。

 

 

 

「「「「「…はい?」」」」」

 

 

 

俺達は思わず固まる。

 

 

 

「あのねぇ~、挨拶したんだから何か返そうよ。最低限の礼儀だよ? 全く、これだから最近の若者は……もっと常識的になりたまえよ」

 

 

その言葉が終わると同時に天井から何か降ってきた。

 

今までのトラップと比較して殺意が低かったため、それがお笑い番組で使われるようなクリームが乗った大皿だと気づくのに数秒。

 

 

ベチャ!!!

 

 

「「「「「…」」」」」

 

「…フム、これがド〇フで使われてるあの小道具か」

 

杏子もクリームを被っているはずなのに、冷静に分析してるし。

 

「…潰す!!!」

 

ハジメが怒りのあまりドンナーとシュラークをミレディに向けて発砲するが、エテモンに叩き落とされてしまう。

 

「…ちっ!腐っても完全体デジモンか!」

「腐ってるなんてヒドイわ!!」

 

俺はそんなコントをよそにクリームをできるだけ吹きとると、ミレディに質問をする。

 

「オスカーの手記にキミの事が書いてあった。人間の女性としてね」

 

「オスカーって言った? もしかして、オーちゃんの迷宮の攻略者?」

 

「そうだ。それにそのゴーレムも遠隔操作だな?…本体は…見つけた!あの方角だ!」

 

「ちょっ!?なんでわかるのさ!!?」

 

俺がゴーレムの本体の位置を捕捉すると流石に焦ったようだ。

 

「魂に関してはちょい詳しくてね。それにキミ、生身の肉体を持ってるね?状態から言ってつい最近肉体が復元されているようだ。それに、僅かながら天使の残滓を感じる」

「!?」

 

俺の言葉にミレディは絶句したようだ。

 

「魂だけの状態のモノに生身の肉体を与える権能を持つのは創造神かその天使のみ。…だが、キミからっ感じる天使の残滓の名残は破壊神の天使の力も僅かながらに感じる。キミの肉体を与えた天使は翼が何枚あった?それと、天使の顔の特徴も知りたい」

「…4枚だよ…顔はクールで金髪赤目だったね」

 

「!?」

 

…マジか。ミレディの情報が本当ならアイツは恐らく破壊神天使のはず…。創造の権能は持たないはずだ。

 

「すると、大天使が動いているということ。大天使は神が…エヒトじゃねーぞ?暴走した際の抑止力の役目も果たすが…」

 

「あ、そうそう、エヒト…あのクソヤローで思い出した。こっちの質問にも答えてもらおうかな。

君達の目的は何? 何のために神代魔法を求める?」

 

 

先ほどのおちゃらけた態度は一転、こちらを威圧するような雰囲気になる。

 

ソレに答えるのはハジメだ。

 

「…………俺達はお前等のいう狂った神とやらに無理やりこの世界に連れてこられた。お前等の代わりに神の討伐を目的としているわけじゃない。この世界のために命を賭けるつもりは毛頭ない。…が、俺達の世界の座標はもう割れているし、俺らの家族も狙われる可能性が出来た以上、脳天に風穴開けてやる。邪魔する奴は誰であろうと殺す!」

 

 

 

「ん~、そっかそっか。なるほどねぇ~、別の世界からねぇ~。うんうん。それは大変だよねぇ~よし、ならば戦争だ! 見事、この私を打ち破って、神代魔法を手にするがいい!」

 

 

 

「脈絡なさすぎて意味不明なんだが……何が『ならば』なんだよ。っていうか話し聞いてたか? お前の神代魔法が転移系でないなら意味ないんだけど? それとも転移系なのか?」

 

 

 

「んふふ………それはね……………教えてあ~げない!」

 

「死ね」

 

 

 

勿体ぶって最後には秘密にしたミレディにハジメは遂に我慢できなくなった。

 

まあ、さっきも変なクリームぶっかけられたし。

 

いきなりミレディゴーレムに向けてドンナーをぶっ放す。

 

ミレディゴーレムは後ろに仰け反るが、あまりダメージを受けていない仕草で体勢を立て直すと、

 

「この程度じゃ私は倒せないよ!」

「はん!そっちもエテモンがいるならこっちも進化させるぜ」

 

ハジメがそう言うとブルーカードを取り出し、いつの間にかデジヴァイスに格納していたデジモンを外に出していた。

と、

 

「ラブ・セレナーデ!!」

 

突如、エテモンが五臓六腑を吐き出したくなるような歌声で部屋を響かせた。

 

「「「「「「ぎゃあああああっ!?」」」」」」

 

「ちょ!?まだ耳塞いでないんだけど!?」

 

ミレディにまで聞いていたようだ。

 

っていうか耳あるの?そのゴーレム。

 

ああ、よく視たら本体もダメージを負っている。

 

「あっちのデジモン達に進化されると厄介だから、妨害したわ!それよりほら!ゴーレム軍団を!」

「分かってるよ!」

 

いつの間にか現れたゴーレム軍団に俺達は舌打ちをする。

 

ぶっつけ本番になるが仕方ない。

 

「杏子!」

「ああ!」

 

 

杏子も俺の意図を察したようで、俺の隣に並ぶ。

 

デジヴァイスとカードスラッシュを介さない魂のみの融合進化。

 

これならカードと違ってタイムラグはない。

 

現状デジシンクロ状態の俺達のみが可能な技。

 

「ソウルマトリクス!」

 

俺と杏子は一瞬で融合し、黒い聖騎士が姿を現す。

 

「アルファモン!!」

 

究極体の聖騎士、降臨。

 

「「さあ、勝負はここからだ」」

 

「…へえ、それが話に聞いていた進化か。

じゃあ、こっちも。その変な機械はないけど、一回きりなら自力で進化できるんだよね?」

「そうよ!そっちに究極体がいるならこっちも究極体じゃないと試練にならないわね!」

「「試練か…」」

 

そう言えば各大迷宮は攻略者の実力を何らかの形で試すようなものなのか。

 

じゃなきゃ【試練】なんて言わないだろうし。

 

「「いいだろう、試練を突破しなきゃ神代魔法を手に入れられないならそっちもなるといい」

「リクエストにお応えして、アチキのライブを始めるわよーーーーー!!!」

 

 

そう言ってエテモンは自力で進化した。

おいおい、マジでできるのかよ!?

 

「メタルエテモン!!!」

 

 

クロンデジゾイドに身を包んだ猿のデジモン、メタルエテモンが出現した。

 

「「お前たちはミレディ・ゴーレムを頼む…ん?」」

 

 

俺達はハジメに指示を出そうとするが、ハジメ達の前にはナイトモンが3体いた。

 

 

「こっちのデジモンが一体とは言ってないよ。まあ、借り物だけど」

「「…これは少々手古摺りそうだ」」

 

優花たちもそれぞれのパートナーを完全体、シアは成熟期のウッドモンに進化させる。

 

「これで条件は対等かな?さあ、第二ラウンドだよ!」

 

 

戦いはまだ続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




タワレコ事件
サイバースルゥースにおいて、赤色(重要)のクエスト。
タワレコとのコラボでもある。

CDショップにエテモンのCDを並べるというビミョーないたずらを解決するために田和玲子から依頼される。
犯人はエテモン。
CDを聞くと分かる人は分かってしまう往年のファン歓喜のクエスト。

サイスルもハカメモも、物語が一定のポイントをクリアしてから渋谷のCDショップに行くと、ちゃんとエテモンのCDコーナーが作られている。

※誠に勝手ながらアンケートの内容を変更させていただきます。寝ぼけて書いてしまったので、申し訳ありません(変更前のアンケートはミュウとリリアーナにパートナーデジモンをつけるか)。
前2つのアンケートは以前の決定通りです。
1つ目はリリアーナはどちらのヒロインかは大差で進示、
2つ目のミュウはどちらがパパかは僅差でハジメです。

ハジメが好きなユエさん、シアさんその他これからの候補も進示と恋愛相談がしたい。ハジメを好きになるために

  • やっちゃおう!
  • やらなくてもいいかな
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