パソコンの退院はよ
杏子視点。
榊原進示について語るとするならば…
まず一言で言うと前世の進示は、優秀どころか何もできない無力な人間だった。
ん?何故私が進示の前世を知っているかだって?
【デジシンクロ】で、進示と魂がつながっているからな。
ミレディの過去を見たときについでに読み取らせてもらった。
最も、進示の前世を知れたのは記憶が戻ってからだったが。
無力というのは【社会的】にはという但し書きがつく。だが、日常生活においての気遣いができないわけでもなかった。
私も…まあ、多少サボる事もあるとはいえ、勤労意欲は高く、自分でなすべきことを見つけられる
進示の前世はサブカル好きが重度だったが、酒を飲まない、暴力は振るわないのは救いだった。しかし幼少からイジメ、抑圧を受けていてそれが日常化し、自分の意見を言わなくなった。
何か言われても本音を抑える、口論になったら勝てない、暴力が飛んでくるというのは珍しくなかった。
子供の頃はよく泣いていたが、年を取るにつれ次第に感情を消してしまうようになった。
勿論笑いが全くないわけではない。
お笑い番組や日常のコマなどで笑ったりはする。
…彼は表面上人付き合いはできても孤独だった。
誰かと話す度にすくみ上ってしまうのも(魂で繋がっているのでわかるが、私や優花、ミレディ…そして転生して17年一緒に住んでいる樹、彼の前世の友人にさえも、怯えが僅かに見え隠れしている。)、そうした幼少からの蓄積があるからだろう。
…一つ二つならそれなりに時間をかけて向き合えば解消されるだろうが、蓄積がなかなかに多く、これが厄介だ。
それに、無意識に【ミスをしてはいけない】、【何かあれば責められる】…など、そういう時には心の底から寒気を感じ、無意識に自分を抱きしめてしまう。
【本音を言ってはいけない】
【でも、自分の意見を言え】
など、複雑な社会構造と風潮が枷となり、感情と理性が板挟みとなって震えている。
それに、前世の彼はだいぶ虚弱で、年頃になると体調を崩すことが多くなった。
社会人になれば通用しない場合も多く、現実と向き合おうともがいても、結局うまくいかなかった。
…正直に言って一人にしておくと野垂れ死ぬ可能性は非常に高いと言わざるを得ない。
現在デジシンクロで彼と命が繋がっている私にとっては頭の痛い問題である。
…おっと、私がこんなことを考えていたら進示から罪悪感の想いが響いた。
転生してもしばらくは虚弱な状態が続いていた。
樹はもし進示が無力なままでも神の都合につき合わせた慰謝料として、養うつもりでいたらしい。
しかし、進示は本当にゆっくりではあるが、若返った体を利用し、樹からパソコンを自作できるように教わったり、世の中の知識を集めたり、…本当に一歩ずつではあるが、学んでいた。それでも知識には偏りがあるが。
…デジタマになった私を拾ったことで、彼の運命は転換期を迎える。
そしてジールへの異世界召喚。
進示が龍の因子を体に入れた経緯は以前に語ったので今回は割愛するが、あのあたりから体が頑丈になり、頭の冴えも良くなっているように見えた。
…これは憶測だが、龍は力強く聡明であり、その因子を受け継いだことで彼の能力が劇的に向上したのではないか?
…コミュニケーション能力と度胸は相変わらず低いままだったが。
…それと、生きる意志も薄かった。
ジールの人々から指名手配を受け、味方がほとんどいない(私や進示の味方だったエルフの国や他の種族の国も大体焼き討ちにされた)状況で逃亡生活。
結局捕まってギロチンで首を刎ねられ、ミリアが機転を利かせた進示の救出がなければ、彼と私はあそこで終わっていただろう。
実を言うと、デジシンクロとはいっても、相手が死んでも魂が下界から消えるまでは生きていられるのだ。
転生者と天使の契約も同様で、転生者が死んでも、魂が消えるまで天使は下界にとどまれる。
故に進示が死んでも契約が切れなかったのは、そして私が死ななかったのは、魂が消える前に蘇生がかなったからだ。
記憶喪失で精神年齢の低かった私は進示と再会した後彼の胸で泣きじゃくった。
『バカバカバカバカ~!!!!うぇ~…!!』
『…すまなかった』
…途中で体力と気力が尽きるまでは生きようとしてたようだ。
ただ、その理由は自分が生きるためではなく、
「私を守るため…か」
生きる理由を他人に預ける精神性はどこか危険だと思っている。
それはこれまでの私の人生経験からもほぼ間違いない。
…だが、
「だからこそ全力以上を出すことができる…か」
…何事も自らの足で立つ、それが世界の常識だし、世の理である。
しかし、社会常識ではそうであってもそれができる人間は意外と少ない。
進示も【相対的には】できない方だろう。
自立できる
デジモンにもそういう個体はいる。
…人間は時に愚かな選択をし、怠け、臆病になり、怒り、他者を虐げることもある。
それはあくまで一側面でしかない。
「樹は縋る相手、私のことは守るべき対象としていたようだが、私の記憶が戻ったら頭が上がらなくなる…か」
社会性で言えば確かにそうだろう。
…だが、
「理由はどうあれ、キミは私を守ろうとしてくれた。…本来キミの嫌いな厄介ごとであるはずの私を…樹の手を借りながらとはいえ、守ってくれた。育ててくれた。時に力及ばず叶わなかったこともあるが」
どうあれ進示は龍の因子がなければ無力なままだっただろう。
それでもここまで私の面倒を見て、無力でも、運に助けられた部分は大きくとも、デジモンテイマーとしては上位に入るほど成長した。『マサルダイモン?アレレベルはさすがになれない』…あれは比較対象が悪すぎる。
…絆された、というのだろうか…。
…進示。私と君はどうあっても逃げられない関係になってしまった。
龍の因子がなければ、かつての助手と比べても大きく見劣りするだろう。
だが、
「私は、キミと運命を共にしよう。キミの可能性、どんな素晴らしい人生でも、どれほど地獄の人生でも可能性はきっとある。キミのような弱い人間でも…一側面だけで計るのはあまりにも早計だ…だから能力が上がったとはいえ、今までの無力感と罪悪感を拭い去るように過剰な仕事をするのはやめてくれ。メンタルが変わっていない…いや、どれほど鍛えても英雄の精神性になれないキミは、必ずどこかで破綻する」
私は進示の腹部に友愛神殺剣を突き刺して運命を共にする誓いを改めて告げた。
進示も転生者である以上、【神】のカテゴリなので、特攻対象になってしまう。
アポロモンとなったハジメ君がその様子に引き攣っている。「殺し愛かよ…」と呟いているがたぶん気のせいだ。
いや、先ほどまで暴れていた竜人族の女性もそのパートナーらしきデジモンも、そして姿は見えないがミリアも引き攣っている。
そして、優花に神水を飲まされて復活した進示は。
「ああ、暴走を止めてくれてありがとう。世話をかけた、皆。…そしてミリア」
『…あーそれなんですが、今回は私のせいなので。
急激な覚醒で進示の心と体が追い付いていなかったので、あんな暴走になったんだと思います。この5年間の記憶を見ましたので、状況の説明は不要です。そりゃあ、進示がトイレの時にする癖も完全に把握して』
「プライバシーってなんだっけ?」
…そこについては完全に済まない。なるべくいじらないように気を付けよう。
『【なるべく】ってなんだ!?』
…おっと私の心も読まれるようになってしまったか。
私のプライバシーもないのかい?
…とにかく、私とて情がないわけではない。
波乱万丈の人生を歩んできたが、人間の繋がりという可能性を見せてくれた我が助手、絆されるという感覚を教えてくれたキミ。
…一人で何でもかんでもやろうとすることは【自立】とは言わない。それは【孤独】だ。
キミが最も恐れるものだ。
社会的に自立とは一人で生計を立てられる意味合いで使われるものだが(これもかなり大雑把な解釈だが)、本当の意味で一人で生きられる人間はいない。
…今まで記憶を失っていて、キミと暮らした時間は記憶喪失の時間の方が長かったとはいえ、私はそんなに頼りないかい?
『…違う。杏子はむしろ頼りになりすぎる。だから依存してしまいそうだ』
…そういう事か。
ならば、私たち全員で舵取りをしようじゃないか。
『そうですよ!進示が無力であったとしても、私は貴方に付き合いました!それに、私だって進示や杏子に出会う前は介護される側になってしまったこともありますので、当時の無力感はわかります!…まあ、すぐに介護期間は脱出してしまったのですが』
…ほう?それは初耳だな。
『詳しいことはかつての生徒でもあったティオも交えて話します。…それより、ちょっと予想外の事が起きまして』
ん?
『…以前、杏子にはドルガモン、ドルグレモン、ドルゴラモンのデータをくださいとは言いましたが…ぶっちゃけアルファモン以外の全データを取ってしまいました!』
…まあ、それに関しては私の本来の姿を失わなかっただけ良しとしよう。
『それと、私の計算ミスで進示とデジシンクロを起こしてしまいました!これで実質私と進示と杏子は三心一体の関係ですね!今の私は進示のパートナーデジモンでもあります!』
………………。
『…おい、その可能性あるんなら事前に言っとけや』
それに関しては全く同意だ。『進示のものになる』としか言ってないな。
『……進示、杏子、判定は?』
『『ギルティ!』』
『ですよねーーー!?』
実体化早々進示に逆エビ固めを喰らうミリアだったが、その顔はどこか恍惚としていた。
それを見ている竜人族の女性は戦慄しながらもどこか…心なしか震えているように見えた。
樹視点
杏子ちゃんの回想(メタい)から少し時間を戻しましょう。
現在仮眠をとっている進示様以外は全員行方不明者のウィル・クデタさんの捜索で車移動している間に召喚依頼初めて親御さんたちと会話をする生徒さんと畑山先生の様子があった。
緊急事態が起こるか、捜査に進展がある以外は自由に会話をさせている。
「それじゃあ、【豊穣の女神】なんて呼ばれてるのね、愛子」
『は、恥ずかしいから言わないでーー!?』
とか、
「なるほど、その依頼を成功させれば、ギルドからバックアップが得られるようになって、社会的にも有利に立ち回れると」
『はい、いざという時のために保険はかけておきたいですから』
とか、
「知らない世界にいるってだけでもストレス半端ないのに、ちゃんと農業してんだね。立派じゃない?」
全く面識がない生徒さんや関原さんたちからも褒められ涙ぐむ生徒さんたち。
『おっと!』
突然車を止めたハジメさん。
『こっから先は車じゃ無理だ。進示を起こせ。俺はちょっと偵察機を飛ばす』
そういって、ドローンのようなものを飛ばすハジメさん。
『ふぁああ…。でも、通信用の魔力はいつまでも持たないしなぁ。こうやって樹たちがナビできる状況ならこっちも大助かりなんだが』
…進示様が、あくびをしながらそんなことを言う。
それに関しては進示様を含め、今までの彼らはできなかったこと。
故に自力での帰還を余儀なくされていた。
「シュトース、アレは出来ているかしら?」
「はい。といっても完成したのは三日前ですが」
『あん?』
出口光代さんの守護天使、シュトースが持ってきた電気ストーブくらいありそうな大きさの装置を現在通信している装置に繋げる。
「【エネルギン1号】で、エネルギー問題はある程度ですが解消されますよ。まあ、風力水力火力電力…それから魔力のマルチ型なので、完成に結構時間かかりましたが。それに、異世界間の通信でかなり魔力を消費するので、もしかしたら無いよりマシ程度かもしれませんが」
『おい、もう少しマシなネーミングはなかったのか、シュトース』
進示様がネーミングに突っ込む。
ちょっと安直すぎるけど私は特に反対はしなかった。
「名前に関してはもう適当でいいかなと、契約者達は遊〇王からなんとか名前を捻りだそうとしてましたが」
『うーん、怒られそうな気がする』
「ファンはむしろネタができて喜びそうな気もしますけどね」
そんなやり取りをしながら、ハジメさんがまだ新しい鞄や装備を見つけたので、向かうことにする。
畑山先生たちは少し疲れているようだが、手掛かりを見つけた以上休むわけにはいかないと思ったのか、必死についていく。
『車は亜空間倉庫に収容する。ここから先は召喚前に樹から預かった端末で映像を映しながらだ』
滝の奥に洞窟があり、そこで気を失っている要救助者、ウィル・クデタさんがいた。
ハジメさんがデコピンでウィルさんを起こし、自分だけ生き残って自責に駆られるウィルさんに対し、生き続けろと檄を飛ばす。
『そうだよ、生きていれば素敵な出会いだってあるかもだよ』
そういってハジメさんに賛同したのはミレディさんだ。
ミレディさんは1000年以上生き続けた結果、進示様達と出会っただけに発言の重みがある。
すると、
「おい、これ、とんでもない魔力反応!?」
「それだけじゃない!これは…マトリックスエボリューションの…それにしては反応がぐちゃぐちゃだ!」
『なに!?』
マトリックスエボリューション。
それは人間とデジモンが絆を結び進化する一つの進化形態。
解析する関原さんたちは
「反応はオウリュウモン…っぽいけど、変な形で融合している!」
変な形…、
直接見ないとらちが明かないと判断した一行は洞窟から出る。
戦えないメンバーはユエさんと、すぐに進化させたクレシェモンやまだ戦えるほど回復していないミレディさんも守る側に回るようだ。
そこには
黄金、しかし漆黒。
全身に鋭い刃を生やしたとてもオウリュウモンとは呼べない形で融合した何かがいた。
デュークモンに融合進化した優花さんが竜から放たれた無数の空気の刃を盾で防ぐ。
玉井さんたちも一般人よりはだいぶ逸脱した力を持つものの、それでも喰らってしまえば一瞬で切り刻まれてしまう。
『ゆ、優花っち…!』
『…くそ、デジモンなしで立ち向かえそうにはないな…進示、暮海!』
ハジメさんが進示様に視線を向けるが進示様の様子がおかしい。
この状況ならすぐにでもアルファモンになりそうものだが…、地面に手をついて、かなり苦しそうにしている。
『はあ、はあ、…なんだこれは…!!』
『進示!?ぐあっ!?』
心配して駆け寄った杏子ちゃんも吹き飛ばす。
『ぐ、ぐあああああああああああああ!?!?』
『進示!?』
『シンちゃん!?』
竜が暴れ、刃を防ぐデュークモン。
刃を殴ったり、武器ではじき返すエテモンやシアさん、クレシェモン、魔法で対応するユエさん、
ミレディさんはまだ戦闘できるほど回復しておらず、援護すらできないことに歯噛みしている。
そして、原因不明の進示様の異変。
いや、進示様の次の叫びで異変の正体がわかった。
『ミリアインストーーーーーーールッ!!!!』
『!?』
その叫びに驚いたのは杏子ちゃんだ。
そして、全身が超高密度の赤い魔力光に包まれ、立ち上がった進示様は目が赤く、瞳が黄金になっていた。
日本人の黒髪黒目ではない。
『…そうか!!師匠に大怪我をさせられて、その治療のために使ったミリアの龍の因子か!!』
すぐに思い至った杏子ちゃんが叫ぶ。
その話は私も聞いていた。
定期的に進示様の体はチェックしていたはずなのに、こんなことが!?
すると変身した進示様に向けて、竜が超高密度のエネルギーを口に集めて放射しようとしている。
…推定温度…約1万8千度!?
「進示様!!」
避ければ他の生徒さんが巻き添え、進示様でも掠らなくても蒸発してしまう。
竜の口から超高密度の熱戦が発射され、
進示様は正面から突っ込んだ。
「…!!」
しかし、蒸発してしまうと思った私の予想に反し、進示様はエネルギーを搔き消しながら竜に突っ込み、
殴り飛ばした。
その攻撃だけで、周辺の大地が震える。
『ずあああああっ!!』
殴り飛ばした竜に追い打ちをかけるように進示様は竜の腹を踏みつける。
『GAAAAAAAAAA!?!?』
『おらぁっ!!!』
悶える竜を意に介さず、進示様は竜の頭に頭突きをする。
『オオオオオオオオオッ!!』
しかし、竜の方もただではやられまいと、その太い腕で(前足でもいいが)進示様を殴り飛ばす。
『!?』
殴られた進示様は数百メートル吹っ飛び、岩盤にたたきつけられるが、猛スピードで戻ってきて、再び竜を殴り始める。
『ど、どうしたんだよ進示!?』
動揺するハジメさんだが、それはこの場にいるもの全員の相違だろう。
『エッちゃん!?』
『駄目ね~さっきからラヴ・セレナーデしてるけど、全然進示の力が落ちないわ!!』
エテモンでもダメですか…。
すると、
『聞こえますか!!杏子!トレード様!!これはデジタルネットワーク理論の通信です!!その端末とデジモンと融合進化している優花さん!!そしてデジモン全員は私の声が聞こえているはずです!!』
その声に真っ先に反応したのは。
『…ミリア!?』
『はい!5年ぶりですね!!進示が見聞きした事は全部知ってるので、状況の説明は不要です!!(情事の事も全部筒抜けだけど)
…ティオがいたのでつい私が反応してしまって…、私の龍の因子が覚醒してしまいました!もっと段階を踏むはずだったのですが、急激な覚醒で進示の心と体が追い付いていません!!』
『どうすればいい!?』
『杏子の友愛神殺剣ならば、一撃で沈められるはずです!転生者である進示には特攻対象です!』
『…それは当たれば、だろう?今の私と進示のスペックが違いすぎて近寄ることさえできない!!』
通信の理論は後回し、そして、杏子ちゃんの言うことは最もだ。
「ミリアさん、ミレディさんはまだ戦えない、ユエさんとシアさんは【きっかけ】がない、優花さんは皆さんを攻撃の余波から守るので精一杯、今の進示様は究極体レベルで無ければ足止めさえできない!」
『はい!なのでここはハジメさんが適任です!!』
『なっ!?俺か!!?』
『南雲が!?』
突然名指しされたハジメさん。
杏子ちゃんの端末からミリアさんの声がするので、融合してないハジメさんにも声は聞こえている。
『ハジメさん!貴方が究極体になる力はもうついています!あとはきっかけ一つです!!』
『きっかけ…!?』
『そう、きっかけというのは案外馬鹿にできません!!トータス召喚前から進示たちと交流があったことや、あなたの趣味や生活を理解してくれていた進示に思うところはあったはずです!奇しくもトレード様が、南雲のゲーム会社に入り、それがきっかけで交流するようになって、進示や杏子とも関わるようになったはずです!』
ミリアさんの言うことにハジメさんはハッとなる。
その趣味や生活態度が原因でクラスメイトの約半数以上から白い目で見られていたハジメさん。
ハジメさんは気にしていなかったが、絡んだり、嫌がらせを受けたりは日常茶飯事だった(原因は白崎香織さんにもあるのだが、ここでは割愛する。香織さんの心が整うまで様子を見ていようとしたがそれが裏目にも出てしまっていた。指摘すべきだったか)
『…ハジメさん!!貴方は進示をどう思っていますか!?別にウホッ♂とかそんな変な想像はしなくていいです!』
『おい、今なんつった!?』
『…こんな時までネタに走るのか。変わっていないなミリア』
『【本来の私】はもう少しおとなしいのですが、トレード様から受け取った知識や負けた歴史で進示に合わせているんです!!まあ、本来の私も下ネタに理解はありますけどね?』
…私から受け取った?
…少なくともミリアさんにそんな情報を渡してもいないし、直接話すのはこれが初めてだ。
それに【負けた歴史】とは?
『その説明は後で!なので、ハジメさん!!進示を友達と思ってるか否か!それだけです聞きたいのは!!』
通信で叫ぶ…今までの話のニュアンスから言って、進示様の体の中から通信をしているミリアさんの問いにハジメさんは…
『ああ、ダチに決まってんだろ!!…それに、究極体進化に関しては園部に先を越されて悔しかったしな!!』
そういうとハジメさんのデジヴァイスが輝き始めた。
『あ、気にしてたのね』
優花さんは苦笑い。
『俺ももっともっと強くなってハジメに付き合うぜ!それにゲームや漫画も作ってみたいしな!』
ガジモンもやる気十分というように吠える。
――MATRIX EVOLUTION――
オリンポス十二神族の1体で、太陽級の火炎エネルギーを秘めた神人型デジモン。
アポロモンに進化した。
「ところで、この周辺一帯に天使の反応があるのはどういうことですかね?」
「天使ってことは転生者がいるんでしょ?大天使じゃなくて普通の天使だけど」
『ああ、そのことなんだが少し時間をもらってもよいかな?我はガンクゥモンというのだが』
「「「!?!?」」」
突然通信に割り込んできたのはロイヤルナイツの一席
『転生者というよりはタイムリープに近い状態の者がいるのだが、それも転生者という扱いになっているらしい。その者の名は、清水幸利』
オリキャラ・ミリア
作中のジールという世界の出身の龍の女性。
このSSでは様々な世界を旅しているが、ティオとも交流があった模様。
進示の体の中で眠っていたが、進示がティオと再会して思わず飛び出ようとしたため、進示の龍の因子が暴走。
デジタルネットワークの仕組みすら把握しているいるが、聡明な彼女でも数分で理解できるはずはない。
本編中に語ったことにヒントがありそうだが?
あと、さりげなくティオからドМ変態ポジションを奪った。
しかし、ティオにも素質はあるので、一歩間違えばありふれ原作のような変態化もありえた。