あと、銀の弓/星の弓ワールドの転生者を管理する神様世界も少し明かします。
異世界トータス。
そこに召喚された俺たち生徒(+畑山先生…社会科担当で担任というわけではない。近くにいたため巻き添えになった)はイシュタルとかいう教皇のじいさんに数で圧倒していた人間が魔人族が魔物を使役するようになったため、人間のアドバンテージが崩れた、それを人間の危機と悟ったエヒト様とやらが異世界から勇者を召喚したと言っていた。
ちなみに、龍の杖で召喚術式を破壊しようとしたところは、何人かに見られてしまったため(召喚後にすぐ亜空間倉庫にしまったため他の人間には気づかれていない)、今、その生徒たちと一年弱学校の生徒を観察していた中で信用できそうな生徒と畑山先生を俺にあてがわれた自室に呼び出し、先に呼び出した杏子と一緒に待っている。
ちなみに待っている間、メイドに飲み物を頼み、持ち込めたパソコンのキーボードを叩いている。
「地球に帰れた時に公安警察に提出する書類を書いている。あと、ウチの組織のメンバーに救難信号を送り続けている。…電力も供給手段があるので、書けなくなる心配はない。紙媒体にも書いておくがな。キーボードを叩いている理由はそれだ、遠藤」
「うわっ!?気づいてるのか!?」
「うん、さっきから臭いでわかってたよ」
遠藤浩介。影が薄いことで有名で、それは自動ドアすら反応しないほどである。3回に2回は反応しないのか?
「お前や暮海さんは俺に気付いてくれる…!!一生ついていく!!!」
「…今だから言うが、お前の影の薄さは世界とお前の周波数…チャンネルが合ってないからだ。…というか一生ってなんだ」
「だって!出席日数足りてるのに認識されてなくて留年しそうになったし!家族旅行だって俺だけハブられたり!!」
「……すまん、俺が悪かった」
「…大変なんだね」
遠藤の苦労話を聞いて流石に罪悪感が沸いてきた。
…しかし、これはある意味優秀な人材なのでは?と、思考を張り巡らせていると、ノックの音が聞こえた。
「榊原様、お飲み物をお持ちしました。…使途様が数名扉の前にいらっしゃいますが」
「構いません、通してください」
すると扉から入ってきたのは飲み物を持ってきたメイド、ハジメ、白崎、八重樫、園部、永山、畑山先生が入室した。
因みに白崎は呼んだ覚えはないが、ハジメに憑いて来たのだろう(樹から白崎母娘について聞いてみたが、聞けば聞くほど【憑いて】来るが誤字と言えなさそうなのが怖い)。八重樫にストッパーになってもらうか。胃のケアをしないといけないな。
「『酒はダメなんで、オレンジジュースください』と渋い声で仰られていましたが、この果実水でよかったのでしょうか」
「この世界にオレンジあるのか…うん、それでいい」
前世でも殆ど酒は飲まなかったしな。
ハジメがメイドの台詞を聞いて「え?戸〇呂?」と言っていた。
世代はそこそこ古いが知ってたのか。
園部、八重樫、先生、永山は俺が冗談飛ばすとは思ってなかったのか、意外そうな目で見る。
まあ、必要以外のコミュはあまりしてなかった。
そもそも高校には空間の揺らぎ現象監視のために入学したんだし。
…しかし、この金髪ロングヘアーのメイドはガラテアと名乗ったが、コイツはかなりできる。
直接戦闘という意味では俺の足元にも及ばないが、諜報スキルはかなり高いだろう。スカートや脇にナイフを隠している。
しかし、悪意…というよりは俺の中の何かを見定めようとしている。
「やはり…貴方が裏切者とは思えない」
「…なに?」
「いえ、何かございましたらお呼びください」
そういってガラテアは退出した。
…初対面だよな?
……いや、候補は今までの俺の旅路にあるが、ジールでもハイネッツでも面識はない。
裏切者…のワードから連想して…冤罪で指名手配を食らったのはジールだけだ。
ジールで縁が深い女性は、俺と杏子を助けた龍族の女にして俺に龍の杖と亜空間倉庫をくれたミリア、エルフの王女であるフェーか。
どちらも…いや、大陸ごと【捕食】されてしまったため、もう会うことは叶わないし、樹の胸でミリアの喪失感でさんざん泣いてしまった後だ…割り切っているつもり…だったが。
(フェーには影武者の妹がいるって話だったが…耳はとがっていない…耳以外は姉の面影がある…残念ながらミリアはまだしもフェーとの接点は少なかったな。…もっと話しておくべきだったか…)
しかし、当時の肉体年齢が幼いスケコマシと思われるのも微妙だったし、再学習途中の杏子から目を離せなかった。
それに…
(ジールでの旅がなければ俺が杏子と命を共有していることには気づけなかった。知らなければ迂闊な行動して共倒れしていた可能性は高い。…理屈を知ったのはハイネッツに行ってからだが)
いずれにせよ、大陸を捕食したイーターとも違う怪物は、ドルゴラモンでも吹き飛ばせず、再生されてしまった。アレを吹き飛ばすなら、究極対レベルがドルゴラモン含めて4体必要だ。
いつまでも考えても仕方ない。
呼び出したのは俺なので、話をしょう。
…一瞬鼻・塩・しおうとか思ってしまったのは内緒だ。
「夜遅く呼び出してすまなかったな、天之河が即答で戦争参加を表明してしまったが、この世界の宗教を考えると拒否すれば背信者と見做され、魔女狩りが起きる可能性も否定できなかったため、俺は敢えて何も言わなかった。自活の手段を見つけるまでは従いつつ、庇護をうけるべきだと思った…ハジメも同じ結論だな?」
「うん、この世界の情報が少ないから、うかつな手段にはでれないよね」
先生や八重樫は理解したのか沈痛な表情だ。
園部と永山、白崎、遠藤も一瞬遅れて理解したようだ。
杏子はここ何年も俺と旅をして俺の考えが分かるのか、特に口を挟まない。
精神年齢はまだ低いままだが、知識はかなり豊富で、ネットワーク技術も、思い出してるように再学習が進んでいる。
しかし、元の杏子(アルファモン)と比べて少し無口になってしまったか。
「それで、榊原君は何故パソコンを」
「遠藤にはすでに言ったが、地球に帰れた場合、公安警察に提出する報告書を書いている」
「…いたの!?遠藤!!?」
「ちょ!?いたよ!!」
…やはり気づいてもらえなかった。
「っていうか公安!?」
「そうだ。八重樫の祖父とは警察庁で時々顔を合わせている」
「おじいちゃんと!?」
俺の爆弾発言に驚く八重樫。無理もないな。
「そして唐突だが、6年前に人間を捕食していた怪物と戦ったモンスターは知っているか?」
俺の急な話題転換に驚きつつも、園部が真っ先に反応を示す。
「え、ええ…その時化け物と戦ったモンスターと子供たちがいるって…それ以上の報道はなかったけど…」
「…やはり隠蔽は完璧には出来ないか。仕方ないと言えば仕方ない」
俺はぼやきつつ、杏子に目配せをする。
杏子は俺の意図を察したのか頷いた。
その瞬間、杏子の体…デジタルデータで構成していた見せかけの人間の体を分解し、再構築…ドルモンの姿になった。
そしてこの後起きる悲鳴を予想し、防音結界を張る。
「「「「「「「ええええええええええええええ!?!?!?」」」」」」」
その反応に思わずニヤリとしてしまう。いかんいかん。
「デジタルモンスター…略してデジモン。俺と杏子の保護者、双葉樹は表向き、ハジメの父のゲーム会社に就職し、ここ2,3年で流行りだしたゲーム…デジモンの製作者として名を連ねている。勿論これも意図してネットワークを構築するためのもの」
まあ、元居た世界でこれをやれば盗作になってしまうが、この世界では樹が1次創作者…ということになっている。
これももちろん、これからやってくるであろう宇宙崩壊案件の災害に立ち向かうための下準備の一つに過ぎない。
高度なネットワークを武器にするとしても、人間の脳では負荷が大きいため、リアル、そしてデジタル世界両方対応できる媒体としてデジモンを選んだのだ。
超高負荷の情報処理を大部分をデジモンに代行させれば、テイマーの才能があっても、処理能力が低い人間も戦えるようになる。
「まず、結論から言おう。この宇宙に崩壊の危機が迫っている。
トータスという世界に関してはほぼ知らん。…が、高校入学前から複数の高校から次元の揺らぎ反応を観測したため俺の仲間たちは反応があった高校に別々の学校に入学した。この理由、ハジメなら大体わかるな?」
「…す、スケールが大きすぎるし情報がいっぱいありすぎる…けど、監視と有事の際の対応のためだよね?」
…やはりオタクはこういう時真価を発揮する。
ハジメレベルになれば俺の言うことも瞬時に理解するか。
…やはり稀有な才能だ。特にこの事態に対しては。
俺を超えるかもしれんな。
いや、是非超えてほしい…が無理強いも出来ないか。
「そうだ。タイミングも分からなかったし、日常生活と並行して、警察や自衛隊でも手に負えない案件の処理をしていた。…だから部活に入らなかったし、授業中もたまに寝ていた」
俺の言葉を聞いて目を見開く先生。まさかそんな裏事情があるとは思わなかったのだろう。
「で、でもこういうのって一般人には言っちゃいけないんじゃ…」
「そ、そうだ…んなこと混乱するよな!?」
園部と永山がいい突っ込みをしてくる。
「ごもっともだが、異世界召喚はもう隠蔽できないし、地球に帰還したら公安の保護を受けざるを得ない。信じるかは別だが、マスコミや関係各所からの攻撃がやっかいだ」
その言葉で、大体理解したのか、全員が渋い顔になる。
「お前たちと先生に話したのは、俺がこの1年、皆を観察し、この異常事態を冷静に受け止められると判断したからだ。…他の人間にはもう少し時間が必要だと思った。脳の処理は個人差もあるが限界があるし、召喚初日に地球の方がヤバいってなったら、どう受け止めていいかわからないだろうからな。人材に関しては独断と偏見が混ざってるし、…ギリギリ清水にも話そうかと思ったが、恐らくご家庭の事情とイジメ…確かめる術は本人に聞くしかないが、デリケートな話題だし、不穏なデジタルデータを清水から観測したので、有事に対応できるアンチプログラムの製作途中にトータス召喚を食らった。…データはあるがまだ完成してないし、ワクチン作成の大部分は樹が持っている」
クラスメートの一人がそんなことになってることに沈痛な表情を浮かべる先生。
まあ、この人の理念からすると、見過ごせないよな。
それに、いじめというのは、前世の俺のカンだ。
俺もいじめられていた経験がある故の偏見に過ぎないが。
しかし、大半のメンバーが事態を冷静に受け止められると聞いてそんな評価をされていたことに嬉しいやら接点がなかった相手からの評価故か微妙やら…複雑な気分のようだ。
白崎は本来呼んでなかったが…しっかり理解し、神妙な顔をしているところから大丈夫そうだ。…昨日の夜とはまるで別人だが。
「そう言えば…樹さんは榊原君の保護者なんですよね…?どうして呼び捨てなんですか」
そう言えば面談の時に面識があったか先生。
「プライベートでは呼び捨てですよ。流石に外ではそれなりに丁寧に話していますが」
社会人としては複雑な先生だが、表情を見るに、TPOをわきまえている以上は余人が口を挟むことではないと思ったのか「そうですか」とだけ頷く
…樹とは【深い】関係であることは黙っててもいいだろう。
…まあ、初めてしたのはジールから帰ってきた直後だったな。
恩人であるミリアを見殺しにしてジールを脱出しなくてはならなかった当時の無力さを嘆いていたところにこれ以上俺を見ていられなくなった樹がトレードの姿になってそのままなんとなく…だ。
中身の年齢はセーフでも肉体年齢、戸籍上の年齢的に完全にアウトだったが、
俺の心が壊れないことを優先したらしい。
…男の方が泣きながら女の胸や腕や股の中で慰められながら初体験というのも中々ないかもしれない。
官能小説でも普通は男の方が慰める側だ。
そう言えばジールってどっかの外国語で【魂】という意味があったような…?
っていうかデジモンの究極体4体必要なレベルの災害がヤバいのだが。
と、いつの間にかドルモンを抱っこしてた八重樫が質問をしてくる。
…なんかすごくうっとりした顔をしてないか?
ハジメや遠藤、永山もモフモフしたそうにしていたが、杏子の姿を知っているだけにセクハラで訴えられることを危惧したのか…デジモンに性別の概念はないが、今のドルモンは感性は女の子寄りである。
「ねえ、そう言えばデジモンってみんな人間の姿になれるの?」
「…いや、俺のドルモン…杏子が特別だ。
事情があってパラレルワールドの人間、暮海杏子の肉体に長年憑依していたらしく、その履歴があるデジモンが別の人間と融合進化したために起きたエラーで憑依した人間のデータが実体化した状態だ」
「…え?」
「夜も遅いし、詳しい説明はまた後日行うが、その時の副作用で俺とドルモンは命が繋がってしまった」
「それって…」
ハジメがのどを鳴らす。
「俺とドルモン…杏子は本当の意味での托生関係、片方が死ねばもう片方が死ぬ状態になってしまった」
その言葉に目を見開く一同。
と、八重樫が得心がいったという顔をした。
「だから守りあう…なのね」
「そうだ」
今朝言ってたことを覚えていたようだ。
そして俺は大きく深呼吸をする。
「改めて頼みがある。返事は今すぐじゃなくていいし、強制もしない。
だが、願わくは、この宇宙を崩壊の危機から救うための協力者になって欲しい」
そう、俺は頭を下げた。
…ある意味イシュタルより質が悪い願いだ。
だが、俺たちだけでは手が足りないし、下手したら破壊神が動くかもしれない。
転生者のサポートをする神・天使の系列は概ね創造神・維持神・破壊神の系列があり、転生者のサポートをするのが殆どが維持神系列の天使。【樹たちも維持神系列】
生産系、技術チートのサポートはケースによっては創造神系列の天使…18歳未満禁止のひたすらイチャイチャハーレムするような転生者につくのも創造神系列の天使だ。
…だが
どうあがいても【滅ぶしかない世界】は
破壊の転生者と破壊神系列の天使が現れる。
もしそれが現れれば。
それは99.5%以上の確率で【詰み】だ。
転生者の気質にもよるが、どこかの世界の守護者以上に容赦がない。
まだ短い時間しかこの世界で生きてないが。
…まだみんなと一緒にバカやりたい。
くだらないことで笑い合いたい。
そんな動機で動いている俺は責められるべきか。
ドルモンが俺の感情と同調したのか、首を横に振ったのが見えた。
…ありがとうドルモン【杏子】
日本某所。
「リアル天使来たーーーーーーー!?翼が4枚!?」
「樹さんが天使!!??か、カメラはどこだ!!?いや、スマホがある!!?」
「被召喚者たちの説明をしますし、私の天使としての姿を撮るのは…止められないでしょう。ネットに流したら…いろいろな機関に狙われますので…流さないでくださいね?南雲社長方?」
南雲夫妻はあまりのインパクトに息子が行方不明である事実も忘れて騒いでいた。
予想はしていたが。
因みに娘を【マイエンジェル】と呼ぶ白崎智一は
「ま、まさか本物の天使がいるなんて…いや、やっぱりマイエンジェルが一番だ…ブツブツ…」
と、自分の世界に入っていた。決して妻が怖いから…ではないはずだ。
出口のガブモンが
「なあ、この阿鼻叫喚止められるの?」
と聞いて来たので、テイマーである転生者、出口は
「無理じゃない?」
と答えた。
樹の横では、関原とそのパートナーの天使がコンソールをひたすら叩いている。
行方不明になった彼らを探すために。
人物紹介3
ドルモン=暮海杏子=アルファモン(サイバースルゥース)
サイバースルゥース本編後のアルファモン。
イグドラシル反応消失の原因を探るためにデジタルワールドの調査をしていたが、世界をデリートするような情報抹消の嵐に飲まれ、完全消滅を避けるために自らをデジタマ化。どこかの世界の地球に流れ着き、記憶をほぼロストした状態で榊原進示に拾われる。
暮海杏子に憑依していたデータが残っていたため、進示と融合進化を起こしたときにエラーが起き、杏子の体が実体化、さらに進示と命を共にする関係になる。
【探偵】や【助手】などのワードに懐かしさを感じるも、まだ思い出せず。
因みに味覚のデータも残っている。
進示はサイスルの主人公に合わせるべく並行世界に行く装置を開発中。
彼女の名前を付けたのも記憶を回復させる助長になればと願っての事。
リリアーナはどちらのヒロイン?
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オリ主(榊原進示)
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南雲ハジメ