駒王。そこは第二次世界大戦が終結してから作られた比較的新しい土地であり、悟達が暮らしている総耶からは電車を乗り更に一本乗り換えると着くことが出来る町だ。キリスト教の影響をそこそこ受けていたのだろうか、町には現在は廃れているが大きな教会が存在しており、町外れにはどういう訳か廃墟が広がっている町だ。
しかし、この駒王は不思議な事に毎夜の如く様々な都市伝説が語り継がれている。ムキムキmuscleな魔法少女のコスプレイヤーが闊歩したり、蝙蝠やカラスのような黒い翼を生やした人間が空を飛んでいたり、人間の顔を持った醜い怪物が人間を襲った等々明らかに怪奇現象の領域を越えた都市伝説や猟奇的事件が度々起きているのだ。
都市伝説絡み以外にも不自然な点が多いだろう。義務教育である筈の小学校や中学校も含め、駒王には1つの私立学園しか存在しないのだ。その私立学園は駒王学園、幼稚園から大学院までエスカレーターで上がることが出来る学舎であり、駒王在住の学生の多くはこの駒王学園に通っている。しかし、考えて欲しい。この駒王学園は私立であり、お受験をしなければ小学校や中学校にも入れない。駒王には小中学校は駒王学園しか存在せず、駒王学園に入れなかった義務教育生徒は隣町まで出向かないといけないのだ。これは行政の仕組みから考えて有り得ない。だが、この駒王ではそれがまかり通るのだ。
「シエル。学校を抜けて良かったの?出来ればお賽銭恵んで」
「副長…私だって手持ちのお金が少ないんですよ」
お面の代わりにお賽銭箱を被り素顔を隠した埋葬機関序列1位の男こと、悟の嘗ての恩人である仮面の男は駒王の公園で1人の少女と話していた。その少女は青い髪をしておりスタイルも良く普通に美少女だったが、彼女も唯の人間ではない。埋葬機関序列7位のエクソシストであり、仮面の男の部下なのだから。
「電話も盗聴される恐れが有りますし、学園は悪魔の根城ですからね」
彼女の名前はシエル。本名ではないが、仮面の男に救われた過去を持っている少女であり、仮面の男に鍛えられた過去を持っている。
シエルは外見上の年齢が若いという事も有ってか、駒王学園高等部に学生として潜入している。学年は2年生だが、未だ潜入したての為か学園にそこまで馴染めていない。
「ノエルは教員だったね。彼女は?」
「職員室でウマ娘してましたよ」
「そっか」
そしてもう1人、シエルと比べても普通の人間である女性が教員として駒王学園に潜入している。その女性はノエル。今年で27歳、現在は26歳の大絶賛彼氏募集中でSNSが大好きなエクソシストである。なお、埋葬機関の上位連中が全員ぶっ壊れ…仮面の男なんて1人で大国を落とせる程の強さが有るがノエルはそこまでぶっ壊れていない。
「悪魔は相変わらず魔王の妹とその眷属だけかな?」
「はい。彼女達は何らかの手段で日本国籍を全員が取得しており、なに不自由なくくらしてますね。あと、魔王ルシファーの妹が覗き常習犯な性犯罪者を眷属に加えてましたね」
シエルはそこで言葉をきり、更に続ける。
「その性犯罪者は副長より助平なんてレベルではなく、覗きは勿論、エロ本やAVを教室でもぶちまけ、やりたい放題」
「はは、ラッキー助平を望む僕の方が健全だね。で、その新人悪魔がどうしたの?」
シエルは申し訳なさそうか表情をし…告げる。
「副長の後輩…つまり、赤き天龍を宿した当代の赤龍帝かと思われます」
「マジで?」
「はい。マジです。悪魔に成った性犯罪者から、副長の持つ破天と同じ魔力の質を感じました」
赤龍帝の籠手。それはブリテンの守護龍であり守り神でもあるウェルシュドラゴンことドライグの魂を封じた神器であり、宿した段階から宿り主の肉体に影響を与える代物である。
仮面の男もそれを宿しており、仮面の男は
「そいつは参った。悪魔に成ったか…ドライグの入れ知恵では無さそうだ。だとしたら、神器を自覚して無いのかもね」
破天。仮面の男が幼き悟を救うために振るった長剣であり蛇腹剣。それはドライグ亡骸の尾骨部分から作られた特級呪具であり、所有者が赤き龍の力を解放すればするほど威力と性能が上がっていく代物だ。
破天を含めドライグの亡骸から作られた特級呪具は9つ存在しており、それらは全て教会勢力及びその上位者である天界が保有している。剣or蛇腹剣である破天、斧槍である崩天、弓である滅天、大剣である戒天、ボウガンである空天、大剣である斬天、大楯である守天、大鎌である絶天、そして複合最終武装として極天聖典が存在する。
その中でも仮面の男は破天を含め、3つ所持しており…後の6つはヴァチカンで厳重に保管されているのだ。仮面の男が保有しているのは破天、滅天、極天聖典の3つだ。
なお、ドライグにはアルビオンという宿敵も存在しており、アルビオンの亡骸からも武器が作られたそうだが仮面の男を含め埋葬機関はその存在を知らない。
「それより副長…」
「ああ、分かってる。僕達が駒王に来たのは独断だ。教会の老人達は悪魔と繋がっている。アーシアを…君の妹分を必ず助けるぞ」
埋葬機関の3人がやって来たのは独断である。そして…
「先日、貴方に殺された女よ?これ、落とし物よ」
「ふぁ!?」
JR駒王駅で悟はあの時に巻き添えにしてしまった筈の、金髪の少女と遭遇していた。
「私の名前はアルクェイド・ブリュンスタッド。宜しくね」
メインヒロイン、遂に登場。
「お金くだちゃい」
さとるん、仮面の男と再会する!?なお、仮面の男の名前は未だ明らかに成りません。
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