突如現れた黒い羽を撒き散らしながら空を舞う黒い天使の女。この女は嘗ては天使だったが、天使ではない。彼女は堕天使だ。堕天使、天使だった存在が何らかの罪を犯して墜ちた存在である。
「なんだ?烏天狗?」
しかし、堕天使は日本ではあんまり表だって活動はしていない。危険な神器を宿した人間を暗殺したり、諜報活動に徹してる為か悟のように堕天使の容姿を知らないものも居るのだ。なにせ、日本で堕天使は表だって行動はせず神器を宿した協力者の人間に任せることが多いためだ。
「悟、あれは堕天使だよ。堕天使、墜ちた天使ね」
「烏天狗との違いが分からんが…あからさまな見た目だな」
堕天使の女は悟達には目もくれず、ニヤニヤと笑みを浮かべてアーシアを見下ろしていた。そう、この堕天使の目的はアーシアに有ったのである。
「ふふふ…アーシア…やっと見付けたわ」
「レイナーレ……さま…」
アーシアはガクガクと震えるようにシエルの後ろに隠れた。そしてアーシアが告げたレイナーレという名前、恐らくはこの堕天使の名前なのだろう。だが…すかさず、シエルは瞬時に黒鍵を出してはレイナーレ目掛けて投擲する。その速度は弾丸より速くレイナーレに迫った。
鉄甲作用。埋葬機関に伝わる投擲方法であり、その方法で投げられた物は通常の投擲と比べて遥かに強力であり、鉄板やコンクリート壁程度なら軽く貫き…悪魔の魔力で強化した外皮さえも余裕で貫く。
だが…
「無駄よ」
黒鍵がレイナーレに当たる寸前、レイナーレを護るように薄ピンク色の防壁がレイナーレを守り、黒鍵を弾いてしまった。確かに堕天使や悪魔は魔力や光力と呼ばれる力を使っては防御障壁を展開する事が出来るだろう。だが…埋葬機関の面々はこれまで多くの堕天使や悪魔、吸血鬼を討伐してきたがあのような障壁を見たことがない。
「さとるん…見えた?」
「魔力の波長が全く無い…もしかして神器なのか?」
レイナーレが使った障壁は悟の六眼でも仕掛けが見えなかった。つまり、魔力や呪力等を用いた物ではなく…恐らくは神器なのだろう。
「神器!?いやいや、そんな事は無いですよね!?だって、神器って人間にしか宿らないんでしょ!?混血だったら宿るかも知れませんけど」
ノエルが驚きながらそう言った。彼女の言う通り、神器は原則的に人間にしか宿らない。勿論、人間と他の種族の間で子供が産まれた場合…その混血児も神器を宿す場合は有るのだが、それは本当に極まれである。
「いや…堕天使には神器を移植する手段がある。他の人間から神器を奪って移植したって事か」
仮面の男こと緋人が説明する。そう、彼の言う通り、堕天使には神器を移植する手段が存在するのだ。移植すると言うことは神器を抜き取る手段が存在すると言う事であり、人間から神器を奪ってるのだろう。
「ねえ、マスクマン。神器を抜き取られた人間はどうなるの?」
「生命力も一緒に抜かれ、歩く事も出来ない程に弱体化して直ぐに死ぬ。まあ、死ぬ前に生命力を回復させる事が出来れば助かるけどね…それはこの中では僕でしか出来ない」
そう、神器を引き抜かれた人間は死ぬ。勿論、死ぬまでに生命力を瞬時に回復させる手段があれば神器を抜かれた人間を救う手段は存在する。だが…それが出来るのは現時点で出来るのは七夜緋人だけなのである。
「ふふふ…そうよ。埋葬機関…貴方達の噂は聞いてるわ。でもね、私は神器を複数宿してるの!!人間が私に勝てるわけ無いでしょ?アッハハハハ!!」
レイナーレは高らかに叫び、彼女の両手に籠手が展開され、更に周囲に冷気を撒き散らす氷の鳥が現れる。そしてレイナーレは黒い槍を右手に展開させた。
「うわ、幾つ?」
「おら、死ねよ!!人間の分際で!!」
レイナーレは槍の鋒を悟達に向けた。その瞬間、槍の先から爆雷が解き放たれ…その爆雷に堕天使の光が上乗せさせられ辺り一面を破壊する。
「ふっ、雑魚……さてと、アーシアの遺体を確認しようか」
レイナーレは煙で見えないが、悟達が死んだと思って地面に降りる。だが…
「あー、びっくらこいた」
そこには無傷の悟達が居たのだ。しかし、悟の周囲に居るアルクェイド、シエル、ノエルは何が起きたのか分からずポカーンとしており…アーシアは本気で死んだのかと思ったのか放心状態に成っていた。
「ちっ!!貴様も神器か!!」
レイナーレは舌打ちを鳴らし、再び空に浮かび上がる。
その時だった。
「きゃぁぁぁあ!!」
「ひっ!!なんなんだ!?この化物!!」
「うっうわわわ!!ここ化物…人を食べてる!!」
突如として何処から沸いたのか不明だが、人間大から数メートル程のクリーチャーと言えるような怪物が現れては民間人を次々と襲い出したのだ。そのクリーチャーは明らかに現存で人々が良く知る動物とはかけ離れた外見をしている。そして、共通点として身体の何処かに蜘蛛を模した刻印が刻まれていた。
「チッ!!あのアラクネ……妨害してきたか!!」
緋人が舌打ちしながらそう言った。だが、場は突如として現れたクリーチャーのお陰か大パニック。それを好機と見たレイナーレは笑みを浮かべて、瞬時にアーシアを連れて何処かに飛んでいってしまった。
「アーシア!?」
今すぐに追い掛けたいが、クリーチャー達が邪魔で直ぐに追い掛けられない。
「ここは僕が片付ける。アラクネ本体が出てきたら、僕以外は絶対に死ぬ。君達はアーシアを拐ったアイツを追え!!
大丈夫、直ぐにコイツ等を全員破壊してそっちに合流する」
緋人が蛇腹剣 破天を振るい、1体のクリーチャーを両断する。辺りに青い血が吹き飛び、更に悲鳴が木霊する。
「副長!!」
「でも、マスクマン!!」
「速く行くんだ!!時間がないぞ!!」
その瞬間、緋人は空間を立体的に駆け回る。まるで、空間自体に蜘蛛が数多の巣を張ったかのように、空間を駆け回っていた。そして次々と破天でクリーチャーを切り裂いていく。
「えっ?あの人…速すぎなんだけど」
「悟行くよ!!」
「ええ、行きますよ…えーと、遠野君でしたね?速く!!」
此処は緋人1人に任せた方が良いだろう。そして…悟達はアーシアを連れ去ったレイナーレを追って、彼女が飛んでいった方向に走っていった。
「うふふふ、これで念願のレア物である回復神器が私の物に!!
早速、移植の儀式を始めるわよ!!」
レイナーレは儀式を始め。
「もしもし?お兄様。埋葬機関の撃墜王が私の領地に侵入したの。助けて」
リアスは世界最強と称される神すら滅ぼす魔王ルシファーに連絡を入れていた。
次回…アーシア救出大作戦…開始!!
???「姐さん!?なんで此処に!?」
シエル「フリード!?貴方の潜入先って此処だったの!?」
シエル、敵組織に潜入してた後輩と遭遇する。
ノエル「雑魚専のノエル先生、張り切っちゃいますよ!!おら、死ねぇぇ!!」
???「此処は俺っちとノエル先生に任せて先行きな!!姐さんに兄ちゃん達よ!!」
雑魚はノエル先生と???に任せて、悟とシエルにアルクェイドは敵アジトに突撃する。
レイナーレ「ハッハハハ!!」
だが、入った時にはレイナーレが儀式を完了させていた!?
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