ガンダム ビルド…ビビットアーミー艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
ミモザの敗北後、次はクレアが名乗りを上げた。
「じゃあ次は私が行くっさ!」
「頑張ってクレア!私とビビの仇をとってきてよね!」
「仇って…でも、勿論勝ちにいくに決まってるから。当たり前っさ!」
そして、クレアはバトル台を挟んで深海と対峙した。
「深海提督さん。よろしくお願いしますっさ!」
「ああ。それでは始めるぞ」
深海はバトルシステムを起動した。
そして今回の舞台となるのは大小様々な島と海が点在するステージ「アイランド」だ。勿論海中への侵入も可能で、バトルシステムが作り出すステージの中でも陸上、海中、空中と3種の戦闘領域が存在する非常に珍しいステージだ。出撃場所は空中である為、最初クレアのガンプラ、ブルーノアアビスガンダムは空中を飛行し深海のガンダムディオリアスを探した。クレアの製作する機体は、大抵が全領域に対応した機体だ。特にバックパックに装備しているカオスガンダムの「機動兵装ポッド」によって、水中戦用のアビスガンダムでさえ空中戦が出来るようになっているのだ。
「深海提督さんの機体は……いた!」
ブルーノアアビスガンダムの正面方向から深海のガンプラ、ガンダムディオリアスは一直線に突っ込んできた。両手にはいつものナイフが握られていた。
「一気に突撃してくるっさか!?なら!」
クレアはブルーノアアビスガンダムの全砲門。胸部中央のカリドゥス複相ビーム砲、シールド裏面の3連装ビーム砲を一斉射した。威力も高く、有効範囲の広い攻撃だが、案の定ガンダムディオリアスは右脚で真下の空間を蹴ることで回避し、続け様に機体を上下反転させて足元をもう1度蹴って再加速、ブルーノアアビスガンダムの元へ向かって行った。ブルーノアアビスガンダムは頭部の12.5㎜CIWSで牽制を掛けながら、ビームランスを構えて防御の態勢を取った。
「はあっ!」
左下段から降り上げたガンダムディオリアスの右手のナイフはビームランスの長い柄に命中し、ギリギリギリ!とナイフの刃が擦れる音が鳴り響いた。
「一斉射を回避され、一気に間合いを詰められても焦らずビームランスを正確に構えて防御。クレア、お前は相当長い間ガンプラバトルをしているな」
「っ!なんでわかるっさ!?」
「今のお前の動きは無駄が殆どない。長い間戦い続けた者は、動きが効率的で無駄がどんどんなくなっていくからな」
「そうなのっさ?」
「ああ。俺が体感したことだから、よくわかる」
「っ!」
その時、クレアはハッとした。今自分の目の前に立っている相手は、深海棲艦との戦争を終結させ、その間に何人もの敵を屠ってきた人物なんだと。正直、クレアの心中には相手を侮っている。と言う物が少しだけあった。だがしかし、自分が
間違いなく強敵だ
クレアはそう確信した。
「ならこれでどうっさ!」
クレアは頭部の12.5㎜CIWSと肩口の20㎜CIWSを同時発射した。それに気づいた深海は鍔迫り合いを止めて足元を蹴って急上昇して回避した。そしてクレアは続け様に上空へ向けて3連装ビーム砲を撃ち放った。深海はこれも早々に気づき、スラスターを右方向へ噴かして緊急回避した。そして今度もクレアが攻めた。ビームランスを両手で保持したまま、柄先端のビーム刃を発振し、回避し終わったガンダムディオリアスに真正面から斬りかかった。ビームランスを最上段まで振りかぶり、それを一気に振り下ろす。
「くらえっさ!」
ガンダムディオリアスはナイフを正面でクロスさせるように構え、ビームランスの刃を受け止めた。
「くそ、防がれたっさ!」
「やはりいい腕だ。比較して申し訳ないが、お前が1番4人の中で強いのかもしれないな…だが!」
「うわぁ!」
ガンダムディオリアスはビームランスを受け止めた態勢のまま右足でブルーノアアビスガンダムを蹴りだし、ブルーノアアビスガンダムを弾き飛ばした。
「落ちろ!」
深海はすかさずブルーノアアビスガンダムへ向けヴァリアブルバーストライフルを右脇下から構える砲撃形態で構え、そして発射した。撃ち出された黄色いビームはブルーノアアビスガンダム本体ではなく、左肩を狙ったものだった。
「防ぐしかないっさ!」
態勢を整えていたクレアはヴァリアブルバーストライフルの射撃を左肩の対ビームコーティングが施されたバインダーで防ぎ、機体へのダメージは防ぐことに成功した。だが、防御した衝撃でブルーノアアビスガンダムは海へと墜落、海中へと沈んでいった。すかさず深海も追撃し、ガンダムディオリアスは海へと飛び込んだ。
「海に落ちてしまったっさ…仕方ない。ハイドロジェットエンジンに切り替えっさ!」
水中ですぐに態勢を整えたクレアは、バックパックの機動兵装ポッドの機能をハイドロジェットエンジンに切り替えた。それと同時にもう1つの物体が水中へと落ちてきた。ガンダムディオリアスだ。
「まさか、追ってくるなんて!」
「俺のディオリアスは全領域対応機だぞ?水中だろうが追える」
そう言った深海は左脚で後方を勢いよく蹴った。すると先程と同じようにガンダムディオリアスはブルーノアアビスガンダムへと迫ってきた。
「水中でも使えるっさか!?」
ガンダムディオリアスの行動にやはり驚かされるクレア。だが、起こってしまったことをいつまでも嘆いてはいられない。クレアは両肩バインダーの上端に位置する4基の高速誘導魚雷を撃ち出し、ガンダムディオリアスへと向かって行った。その間にも高速誘導魚雷を撃ち続けて合計12発の魚雷による弾幕を形成した。
「避けられるっさか!?」
基本、水中で重火器、ビーム兵器の類は使用できない。ガンプラバトルをしている者であれば誰もが知っている常識だ。故に魚雷を破壊することは基本、出来ない。攻撃を避けることくらいしか出来ないのだ。だが、例外はあった―――
「その程度!」
と、ガンダムディオリアスはバックパックからヴァリアブルバーストライフルを取り外し、右手に保持した。そして、引き金を引いた。
「!?」
次の瞬間、ヴァリアブルバーストライフルの銃口から緑色のビームが撃ち出され、ブルーノアアビスガンダムが発射した12発の魚雷に次々に命中、全ての魚雷を破壊したのだ。
「ええ!?す、水中でビームライフル系の武器が使えるなんて!なんで!!」
「隙あり!」
「あっ!」
その一瞬を突かれ、ブルーノアアビスガンダムはガンダムディオリアスに一気に距離を詰められた。一気に距離を詰めたガンダムディオリアスは、今度はヴァリアブルバーストライフルの銃口から緑色の刃を持つビームサーベルを出力し両手で保持したまま、右上段から斬りかかってきた。ブルーノアアビスガンダムはビームランスの柄を掲げてビーム刃を防いだが、クレアは動揺を隠せなかった。
(どうしてっさ!?どうして水中でビームライフルとビームサーベルが―――)
「使えるんだ。か?」
「!?」
クレアは更に動揺した。考えていることまでも読まれたのだから当然である。自身の経歴のみならず、考えまでも読まれた。クレアは驚愕したままの表情で深海の言葉に耳を傾けた。
「簡単なことだ。水中で使えるビーム兵器を銃のパーツとして使えばいい」
「………っ!ウイングガンダム系のビームサーベルッ!!」
「そう言うことだ」
「新機動戦記ガンダム
「まあ、ビームライフルと言っても射程と威力は無改造のビームマシンガン1発程度くらいしかないがな」
「いや、それでも凄い装備っさ!流石、深海棲艦との戦争を終わらせた英雄っさ!武器選出も他とは違うっさ!」
「………そうだな」
「でも、私は負けないっさ!」(いくらウイングガンダムのビームサーベルと言えども、ここは水中。機体の総推力なら!)
クレアは直後にバックパックのハイドロジェットエンジンと、脹脛裏の推進器を一斉に噴かした。
「なにっ!」
「うおぉぉぉー!!」
突然の事で深海も流石に驚き、すぐに行動を起こすことが出来なかった。ブルーノアアビスガンダムはその勢いのまま徐々に海面へと上昇していき、やがてブルーノアアビスガンダムとガンダムディオリアスの2機は海面から飛び出した。クレアは高速で手元の操縦桿を動かし、ハイドロジェットエンジンを通常のジェットエンジンに戻し休むことなくスラスターを噴かし続けた。海面スレスレを互いに鍔迫り合いの状態で進んだ2機は、やがて近くの小島の砂浜を削りながら乗り上げ、そのまま中央の森林地帯へと入っていった。そして森林の一角で大きな砂煙が舞い上がった。
「くっ!まさか、ここまでやるとはな!だが―――」
「久しぶりの強敵で燃えるな!っさか?」
「!!」
今度はクレアが深海の心の内を読んだ。そしてその言葉を聞いた深海は思わず驚いた。
「…よく分かったな」
「いえ、私も同じ気持ちっさ。昨日は戦うことが出来なかったけど、深海提督さんの強さは見ていてわかったっさ。だから私も、これほど強い相手とガンプラバトル出来て―――」
今、最高に燃えてるっさ!
「…フッ、面白い。なら―――」
決着を付けようじゃないか!
ガンダムディオリアスは重荷となるヴァリアブルバーストライフル、バックパック左側のウイングバインダー、そして脹脛の4連装ミサイルポッドを全てパージし両手にナイフを逆手で握り、両足を開いて少し腰を落とした。それに対してクレアも同様に足を開いて腰を落とし、右手で保持したビームランスを右下段に構えた。
「あれが、ガンダムディオリアスの…ううん。深海提督さんの本気の構え……凄い、機体越しに殺気みたいなのを感じるっさ」(重荷となったパーツを全てパージしたなら、相当軽量化しているはず…きっと、勝負は一瞬っさ!)
「………いくぞ!」
深海の掛け声と共にガンダムディオリアスは地面を蹴って一気にブルーノアアビスガンダムへ向かって突っ込んでいった。
(なんてスピードっさ!でも、まっすぐ突っ込んでくるなら!)
ブルーノアアビスガンダムは右下段に構えたビームランスを更に深く構え、そしてほぼ零距離にガンダムディオリアスが入った瞬間に1歩踏み出し全力の突きを放った。
「うおおぉぉぉぉー!!」
だが、ビームランス先端のビーム刃がガンダムディオリアスに命中しようとした瞬間、ガンダムディオリアスは身を捻じるようビームランスの真横スレスレを回転しながら飛び、着地の瞬間に左膝の関節部分を両手のナイフで斬りつけた。その直後、クレアの目の前に左膝稼働不能の警告表示が出現した。そして、ブルーノアアビスガンダムは左膝から崩れ落ち、地面に膝をついた。そこへ目の前でナイフを突きつけるガンダムディオリアスの姿がクレアの目に入った。
「決着…だな」
「………ふぅ…私の負けっさね」
「…だが、これほど熱いバトルは久しぶりだった。ありがとうなクレア」
「こちらこそっさ!」
「機体の操縦と性能は申し分ない。あとは、洞察力に磨きをかければお前はもっと強くなれるだろうな」
そしてクレアは降参し、バトルは終了となった。
「よし。じゃあ、最後は僕が行くよ」
バトルシステムがシャットダウンしてすぐ、アミオが最後の対戦相手として名乗りを上げた。
「アミオ…」
「わかってるさ。ビビの仇、取って来てみせるからな!」
「ああ。頼んだぞアミオ!」
そしてアミオは黒野深海と対峙した。
「深海提督、よろしくお願いします!」
「ああ。お前の力、見せてもらうぞ」
深海がバトルシステムを起動し、バトルが始まった。
「昨日は負けてしまったけど、今日は勝つ!」
アミオは意気揚々とJガンダムエースを宇宙空間へと発進させた。そして、アミオはガンダムディオリアスを探した。しばらく進むと、Jガンダムエースは大きなデブリに遭遇した。それは地球連邦軍の戦艦「マゼラン」の残骸だった。
「なるほど、ここはデブリが漂っているステージなんだな。奇襲に気を付けないと駄目だな」
直後、アミオに上方からの接近警報が鳴った。アミオはハッとして上を向くと、マゼランの影から飛び出してきたガンダムディオリアスがヴァリアブルバーストライフルをこちらへ向けた姿があった。
「もらったぞアミオ!」
「深海提督の機体!」
アミオはすぐさまその場を飛び退いた。その直後にヴァリアブルバーストライフルが火を噴き、Jガンダムエースが先程までいた場所はヴァリアブルバーストライフルのビームによって薙ぎ払われた。Jガンダムエースはその隙に上空のガンダムディオリアスへ進路を向けた。手にしたビームライフルを撃ちながらガンダムディオリアスへと向かって行くJガンダムエース。ガンダムディオリアスも反撃と、威力を抑えたヴァリアブルバーストライフルを撃ち、ゆっくりと後退していく。
「逃がしませんよ深海提督!」
そう言ってアミオは左手の武装スロットでビームサーベルを選択した。Jガンダムエースは左手でエールストライカーに装着されているビームサーベルを抜き放ち、距離を詰めていく。そしてガンダムディオリアスもまた左手でナイフを抜き逆手に持って、距離を詰めてくるJガンダムエースに備えた。そして、ビームサーベルを左上段から斜めに斬り降ろしてきたJガンダムエースの攻撃を、ガンダムディオリアスは逆手に持ったナイフで受け止めた。
「流石に受け止められるか!」
「当り前だ。これくらいは出来ないと、家族は守れないからな」
「やっぱり深海提督は、家族を護るためにガンプラバトルを?」
「まあな。さ、無駄話はここまでだ。押し返させてもらう!」
「なっ!うわっ!」
だが、鍔迫り合いとなってすぐJガンダムエースのビームサーベルはガンダムディオリアスによって押し返されてしまった。その隙を突いてガンダムディオリアスはその場から離れ、ディオリアスウイングを展開した。
「行け、ディオリアスウイング!」
4基のディオリアスウイングがJガンダムエースに迫ったが、体勢を立て直したアミオは即座に行動を起こした。頭部バルカンを周囲にばら撒いて牽制射を掛け、続けてビームライフルをディオリアスウイングに狙いを定めて撃った。だが、その全弾が当たることはなかった。そして接近を許したディオリアスウイングは4方向からそれぞれビームを撃ち、Jガンダムエースに襲い掛かった。
「くそっ!」
Jガンダムエースは何とかディオリアスウイングを振り切ろうとしてスラスターを噴かす。そしてJガンダムエースをディオリアスウイングが追いかけていく。幸い、Jガンダムエースのスラスター推力がディオリアスウイングを上回っており、追いつかれることはなかったがそれでも、Jガンダムエースが逃げる限りディオリアスウイングは執拗に追いかけてきてビームを撃ってくる。
「しつこい!」
アミオは機体を振り向かせてビームライフルを放つが、やはり当てることは出来ない。
「くそ…何で当たらないんだよ」
「そこだ!」
直後に再び、ガンダムディオリアスのヴァリアブルバーストライフルのビームが飛んできた。だが、不意打ちではあったもののアミオはヴァリアブルバーストライフルのビームを回避することに成功した。
(ドラグーンが墜とせないなら、深海提督の機体を狙うしかない!)
そしてJガンダムエースは再びガンダムディオリアスへと向かって行った。だが、深海はあることに気づいた。
(先程と同じ攻め方か…)
Jガンダムエースは右手のビームライフルを放ちながら左手にビームサーベルを持ち、まっすぐガンダムディオリアスへと向かってくる。
(確かに牽制を掛けながら、距離を詰めるのはいいことだ。だが、それだと……少し試してみるか)
そう思った深海はディオリアスウイングを回収すると、即座にその場で足元を蹴ってその場から飛び、一気にその場から飛び去った。
「ディオリアスウイングを回収して退避?どうしたんだ深海提督は?いや、これはチャンスかもしれないな。よし、追いかけるぞ!」
ガンダムディオリアスの後を追って行った。
「………」
そしてその間にも、やはりアミオはビームライフルを撃ちながらガンダムディオリアスを追撃していたのだ。だが、Jガンダムエースの攻撃は何発撃っても命中することはなかった。
「くそ!なんて反応だよ全然当たらない!」
すると、突如ガンダムディオリアスは反転しJガンダムエースへと一気に向かって来た。
「なっ!このタイミングでいきなり!?」
アミオは少し焦った。だが、それでもすぐに平常心を取り戻しビームライフルを撃ったが今更、当たるような深海ではなかった。そしてJガンダムエースは左手のビームサーベルを再出力し、最接近した瞬間、左から右へ斬りはらった。
「え―――」
だが、ガンダムディオリアスはそれをしゃがんで回避しそのまま、顎にアッパーをした。まともにくらったJガンダムエースは吹き飛ばされた。
「え?え?」
アミオは唐突にカメラが移動した為、訳がわかなかった。すると、次の瞬間目の前にヴァリアブルバーストライフルが付きつけられていた。
「戦法が単純過ぎだ。広い視野と戦術をしっかりと学べ、射撃も当てられないなら無駄弾を撃つな。この際言わせてもらうが射撃に関してならミモザの方が正確で撃ち方も上手かったぞ」
「深海提督……」
「今のままでは、お前はビビを守ることも出来ないぞ。それで良いのか?」
「!!」
深海のその言葉がアミオの心に突き刺さった。彼にとって、ビビはこの世で誰よりも大切な人だ。彼女を守る。それがアミオの、今1番成し遂げたいことだった。
「アミオ、強くなれ。ビビを守れるのは、他の誰でもない―――」
お前だけなんだからな
「……はい」
アミオは弱々しく返事をした。だが、深海は言った。
「諦める気か?」
「え?」
「ここから逆転して勝とうとは、思わないのか?」
「でも、僕が動き出すより前に深海さんの銃が先に当たりますよ」
「実弾だったらそうだろうな。だが、ヴァリアブルバーストライフルはビームライフルだ」
「………」
「5秒」
「え?」
「ヴァリアブルバーストライフルの発射されるまでの時間だ。その間に逆転の方法を考えてみろ」
「あ―――」
「5…」
「!?」
アミオは直後に全力で思考を巡らせた。
「4…」
(どうすればいい!どうすればこの状況から逆転できる!)
ヴァリアブルバーストライフルのトリガーにガンダムディオリアスの指がかかる。
「3…」
(何かないのか!クソッ、カウントがもうすぐ――――カウント?)
ヴァリアブルバーストライフルのトリガーが引かれる。
「2…」
(カウント…発射までのカウント……銃の発射のカウント――――っ!そうだ銃!)
ヴァリアブルバーストライフルの銃口が淡く光り出す。
「1…」
「そこだあぁぁぁー!!!」
発射の直前、アミオは全力でJガンダムエースの左脚を蹴り上げた。蹴り上げられた脚はそのままヴァリアブルバーストライフルを握った右腕を跳ね上げガンダムディオリアスを一回転させた。その反動でヴァリアブルバーストライフルは宙へと投げ出された。それを見た深海は、フッ。と小さな笑みを浮かべた。
「うおおぉぉぉぉー!!」
その状態からJガンダムエースを起き上がらせたアミオは左手で握ったビームサーベルを最大出力で発振させ、起き上がった勢いを乗せて左上段から一気に右下へと振り下ろした。そのビームサーベルは勢いに乗ったままガンダムディオリアスの右首元に吸い込まれるように流れていった。だが、その首元でビームサーベルは止まった。
「え!?」
「見事だなアミオ。よく答えを導き出したな」
一回転したガンダムディオリアスの右手がJガンダムエースの左腕を掴んでいたのだ。おかげでビームサーベルはガンダムディオリアスを捉えることは出来なかった。そして深海は、Jガンダムエースの首元にナイフを突きつけた。
「その感覚を忘れるな。そして、最後の最後まで諦めるんじゃないぞ」
「っ!はいッ!!」
結局、アミオはその後降参し、アミオも負けてしまった。だが、アミオは先程と打って変わった、とても明るい表情をしていた。
「お疲れ様だったなお前ら。今教えたこと、忘れるんじゃないぞ?」
「ああ、言われなくても忘れないよ」
「当り前よ!」
「当然っさ!」
「はい!ありがとうございました深海提督!」
深海はそれぞれ4人の顔を一弁し、頷いた。深海は時計を見ると時間はもう17時になっていた。
「さて、もういい時間だな。ホテルまでおく―――」
「なんじゃ。こんなところにガンプラバトルが出来るようになっておったのか!」
その時、体育館の入り口から古めかしい女性の声が聞こえてきた。5人は揃って声のした方を振り向くと、そこには赤と青に彩られた着物を着ていて、腰まである長い黒髪の頭に角が生えた日本人女性が立っていた。
「うん?何じゃアミオ、何でお主らがここに居る?」
「お前は―――」
この5人の中で、その女性を知らない者はいなかった。
続く