ガンダム ビルド…ビビットアーミー艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
撫子をボコボコにした深海はその後、アミオたちを連れて夕食へと向かおうとした。アミオたちは夕食までお世話になるのは迷惑だと断ったが、夜空に、折角だから。と頼み込まれ断れずに黒野一家と夕食を頂くことにした。すると、体育館を出ようとしていた深海がふと何か思い出すと口を開いた。
「撫子。お前、晩ご飯はどうするんだ?」
「!?」
深海が思い出したのはあろうことか撫子の事だった。それを聞いたアミオたちはとても驚いた表情を見せたが、深海は気にしている素振りは見せなかった。
「妾は鬼じゃ。食べずとも多少は生きられるが、お主がどうしてもと言うのなら―――」
「もう1回殺られたいか?」
「マジでごめんなさい。ご一緒させてもらってもよろしいでございましょうか?」
深海は、やれやれ。と肩をすくめながら、着いてこい。と一言呟いた。そして撫子も食事に加わることとなった。
そして夕食が始まり、昼食時の黒野一家にプラスで明石と夕張も加わると、その規模は昼食のそれを凌駕していた。そして夕食の中で、深海はアミオたちと初対面の夕張を紹介した。
「こいつは夕張だ。物づくりに関したら、こいつの右に出る奴はいないだろうな」
「初めましてね!私は夕張、話は提督から聞いてるわ。よろしくね!」
そしてアミオたちも改めて自己紹介をした。勿論、撫子もである。だが、深海の圧に押された撫子はいたって普通の自己紹介をしていた。
(相当、深海提督のアレが効いたんだろうな……)
と、アミオは勝手に納得していた。そして夕食が済むと、深海は本庁舎の前にキャンピングカーを回してアミオたちをホテルへ送る準備をしていた。そうしていると、準備を済ませたアミオたちが本庁舎から出てきた。
「深海提督、お待たせしました!」
「ああ。こっちも今準備が終わったところだ、乗ってくれ」
そしてキャンピングカーに乗り込んだ4人は、車に乗っているもう1人の人物に気づいた。
「あれ?貴女って確か、大鳳?」
「あ!覚えてくれていたんですねミモザさん。嬉しいわ!」
乗っていたのは大鳳だった。とは言え、昼食時の服装と違いグレーのフード付きパーカーと黒のジーンズを履いた格好ではあったことにクレアは驚いていた。
「大鳳さんの私服って、結構普通なんっさね」
「え、え?」
「だってお昼はあんな格好してたっさから」
「あ、ああ!あれは艦娘としての正装なの!私服もそうだけど、慣れ親しんだ服だからついつい着ちゃうんですよ!」
「それにしてもアンタ、何で車に乗ってるんだよ?まさか行方不明の英雄と2人でこんな時間から遊びにでも行くのか?」
「いや、これから飲みに行こうと思ってな。大鳳に代行を頼んだんだ」
そして運転席に乗り込んできた深海が言った。
「長門さんも誘ったんですが、今日は1人で飲みたいって……いつもなら一緒に来てくださるのに…どうしてかしらね提督?」
「さあな?まあ、誰にでも1人で飲みたい日くらいあるだろうからな(今日は、陸奥の命日らしいからな。無理もない)」
「それもそうですね」
「…それじゃあ出すぞ」
そう言った深海は車を発進させた。外灯に照らされた鎮守府を横目にしながら、キャンピングカーは走り、やがてトンネルを抜けた。そしてしばらく市内を走り、駅前に到着した。到着した車から4人は順番に降りていったが、アミオだけが降りる直前で脚を止めた。
「あの、深海提督―――」
「今は、深と言え。アミオ」
「あ、ごめんなさい」
アミオは降りる直前に深海に声を掛けたのだ。
「それで、なんだアミオ?」
「あ、はい。えっと、深さんの飲みに…僕もついて行っていいですか?」
「アミオ?」
アミオの言葉を聞いたビビは、思わず彼の名前を呼んだ。するとアミオはビビに謝罪を入れた。
「ごめんよビビ。僕、深さんともう少し話がしたいんだ」
「何のだよ?」
「そりゃ男としての在り方とか、ガンプラバトルの話だよ。僕は、深さんの話をもっと聞いて、ビビを守れるくらいの男になりたいんだよ!」
「バカッ!こんな所でそんなこと言うな!」
アミオの告白を聞いたビビは完全に赤面してしまった。そしてアミオはビビに向かって頭を下げた。
「だから今日は行かせてくれ、頼むよ!」
「ああわかったよ!行けよ!」
「ありがとうビビ!」
赤面をするビビに気づいているのかいないのか、アミオはとても嬉しそうな表情だった。そして、アミオと大鳳を乗せたキャンピングカーは駅を後にし、深海の行きつけの店へと車を向かわせたのであった。
続く