ガンダム ビルド…ビビットアーミー艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
それから何度か電車を乗り継ぎ、車窓の風景に少しずつ山が増えてきた。
「なんか、凄く田舎になってきたね!」
「そうっさね!ビビッ島ではなかなか見れない光景っさ!」
「ところでアミオ、海原市には何があるんだ?」
「えっとね。海原市で1番有名なのは、日本食街って所があるんだ。なんでも、日本食を扱うお店が軒を連ねて立っているんだって」
「うわぁ~日本食街っさか!?私、すっごい楽しみっさ!」
「それ以外には何があるの?」
「海原市にある山の山頂から見る街の夜景がとっても綺麗なんだって。世界遺産みたいな凄い物はないけど、海も山もあるし初めての日本旅行にはいいかなと思ったんだよ」
「へー!アミオって結構調べてたんだ!」
「後半になるにつれて、めんどくさがったのは誰だったっけ?」
「さ、さあね~?」
アミオの指摘にミモザは目を逸らしてニヤニヤしていた。すると車内アナウンスが流れた。
「次は、暁学園前~暁学園前~降りになられる際は―――」
アナウンスからしばらくして、電車は止まり扉が開いた。何人もの乗客が降りていき、しばらくして3人の乗客がアミオたちが乗っている号車にキャリーケースを引きながら乗ってきた。1人はアホ毛のある焦げ茶色の長髪の一部を三つ編みにして三つ編みの毛先を茶色とオレンジ色の髪留めで止め、紺色の生地に白い雨が降っているデザインのTシャツの上に白い襟元に赤い十字ラインが入った黒い上着を着て、裾の部分に赤いラインが入った黒いスカートを穿いた赤い左目と青い右目の少女
もう1人は髪の先が少し赤みがかった長くて白い髪に黒いリボン、真っ白のマフラーを巻いて、水色の生地に「そろもん」と縦に白字で書かれたTシャツの上に胸元にボタンを止めた紅色のカーディガンを羽織った、裾の部分に赤いラインが入った黒いスカートを穿いた赤い目の少女
3人目は癖のある緑色の長い髪を高い位置でハーフアップにして動物の耳のような形の黒いリボンを付け、前髪は左右に黒いヘアピンを2つずつ留めている白いワンピースの上に白い襟元に紺色の十字ラインが入った白と黒で色分けされた長袖の上着を羽織っているエメラルドグリーンの目をした左の額に黒い角がある少女だった。
その額に黒い角がある少女を見たアミオたちは驚きを隠せなかった。
「え?あの女の子、額に角がある?」
「何言ってるんだアミオ?疲れてんじゃ―――あれ?マジじゃん……」
「ええ!な、なな、なんで額に角があるの!!」
「ちょっとミモザさん、声が大きいっさ!」
最悪なことに、今この場にはアミオたちとその女の子3人しかいない。そして更に悪い事にミモザの声に赤い目の少女に反応し、目が合ってしまった。
「ヤバッ!目、合っちゃったよ!」
すると、その女の子はゆっくりとミモザたちの所へ歩いてきた。
「ねぇ、そこの赤い髪の人」
「は、はい!な、なんでしょうか!?」
その女の子はミモザに声を掛けるとにっこりと笑って話しかけてきた。
「まさか山風ちゃんのこと、気持ち悪い。とか思ってないっぽい?」
その女の子の笑みとは打って変わって、言葉にはかなり怒りが込められていた。ミモザは焦りながら、早口で答えた。
「滅相もございません!そのようなことがあろう筈がございません!私よりかわいい女の子が、気持ち悪いだなどと!」
「ふーん…」
「ちょっと夕立!何してるの!」
「ぽい!!」
そこへアホ毛のある焦げ茶色の長髪の少女がやって来て、ミモザを睨んでいた髪の先が少し赤みがかった長くて白い髪に黒いリボンをつけた少女「夕立」を制止した。
「知らない人をいきなり睨みつけるなんて、一体何を考えてるんだい!」
「ご、ごめんっぽい夜空」
「謝る相手が違うよまったく…妹が無礼を働いてしまって、すみません」
そう言ってアホ毛のある焦げ茶色の長髪の少女「夜空」がペコリとミモザに頭を下げた。
「あ、いえ…こ、こちらこそ、大声で、ごめんなさい」
「ほら夕立も謝るんだよ!」
「ご、ごめんなさい」
夜空に無理矢理頭を押さえられて、夕立もミモザに謝罪をした。
「まったく……あ、そのキャリーバック。もしかして、お姉さんたちは旅行ですか?」
「あ、はい。そうですけど、その…貴女たちもなんですか?」
「ううん。僕たちは実家に帰省するんだ」
(え?今、僕って言ったっさ?)
夜空の第一人称に驚くクレア。クレアの知人に一人称が「僕」の女性はいないから余計だ。
「そ、その…貴女たちは…何処に、行くの?」
すると横から、癖のある緑色の長い髪の少女が問いかけてきた。
「あ、
「ううん!な、何となく…だから、答えなくても…」
「僕たちは海原市に旅行に行くんです。初めての日本旅行なので、海原市みたいな都会だけど自然があるところがいいなって思って…あ、僕はアミオって言います。こっちは僕の彼女のビビ。で、こっちの2人が友達のミモザとクレアです」
「ビビだ。よろしく」
「ミモザです。その、さっきはごめんなさい」
「ううん…気にしてないから…大丈夫」
「クレアっさ。初めましてっさ!」
「僕は黒野夜空。こっちが妹の夕立で、もう1人が双子の妹の深空だよ」
「夕立だよ!よろしくね!」
「み、深空って言います。よ、よろしく…」
お互いに自己紹介を済ませた7人は、そのまま談笑を始めた。最初は夕立の早とちりでピリピリしていたが、その雰囲気は今はもうなかった。
「それにしても、まさか目的地が一緒だなんて奇遇ですね」
「夜空さんたちの実家は海原市に?」
「うん。お兄ちゃんが迎えに来てくれるんだ」
「へぇー!良いお兄さんっさね!私も兄がいて昔からお世話になりっぱなっしっさ!」
「にぃに、優しいから…あたしたちも、色々お世話になってる」
「いつも新鮮なお野菜送ってくれるから、夕立たちは大助かりしてるっぽい!」
「へぇ、農家やってるんだな。お前たちの兄は」
「農家かぁ~ちょっと私には向いてないかも…」
「ミモザさん。農薬の分量とか、間違えそうっさ!」
「あ~そりゃ有りえそうな話だな」
「ひっど!」
「次は海原市~海原市~」
しばらく談笑していると、車内アナウンスが次に停車する駅を告げた。
「あ、もうすぐ到着っぽい!」
「やっと到着か~ビビッ島から遠かったなぁー」
「そうだね。まずはホテルに向かおう。荷物を預けてから、日本食街に行ってみよう」
「了解っさ!」
アミオと夜空たちは荷物を手にすると、電車の扉へと歩いていった。しばらくして電車が停車し、7人は海原市駅に到着した。ホームから駅構内へと入っていく中でも、7人は会話を止めなかった。
「アミオさんたちはビビッ島から来たんだね。僕と夕立も、一度だけ行ったことがあるんだ」
「そうなんですか!?何か、初対面の人とここまで接点があるなんて初めてですよ!」
「それは確かにね。僕も驚いちゃったよ」
「夕立も驚いたっぽい!すっごい偶然だね!」
その後もしばらく談笑は続き、7人は改札を出て駅の入り口へ出た。すると、駅のロータリーの先に腰かけていたグレーのフード付き上着を着たフードを被った男がゆっくりとアミオと夜空たちの元へ歩いてきた。
「遅かったな夜空、深空、夕立」
「ごめんごめん。この人たちと話してたら、遅くなっちゃって」
「そうか。妹が世話になったな」
「いえ!僕たちは何もしていませんよ。僕はアミオって言います。こっちは僕の彼女のビビ。この2人が友達のミモザとクレアです」
「
「ありがとうございます!(夜空さんたちのお兄さんって、夜空さんよりちょっと背が低いんだ…驚いたな)」
「………行くぞ夜空、深空、夕立。車で皆が待ってる」
「わかった!アミオさん、じゃあね!」
「バイバーイ!」
「また、ね」
「はい!ではまた!」
そう言ってアミオたちと夜空たちは別れ、アミオたちはホテルへ、夜空たちは深海の車へと向かって行った。
「なあアミオ。あの兄妹、全然似てなくなかったか?」
ホテルへと向かうアミオたちの中で、夜空たち兄妹の話になった。深、夜空、深空、夕立。この4人が異常なまでに似てないことが理由だった。
「私も思ったっさ!あそこまで似てない兄妹なんているっさ?」
「クレアが言うんだから、相当なんだ…」
「うーん。僕も思ったけど、よくわからないや……それに…」
「それに、なんだよ?」
アミオは1粒の汗を流して言った。
「僕が、深さんの身長が低いって思った事もしかしたらバレちゃったかも知れない…」
「はあ?そんなこと出来る人間そう居る訳ないだろ?」
「そうだよ!それこそ、命がかかったような場所で身につけた高度な観察力でもない限り無理だよ」
「私もそう思うっさ。流石に考え過ぎじゃないっさ?」
「そ、そうかな?(…そうだよな。他人の心を読めるなんて、そんな人間そうそう居ないよな)」
アミオたちは一路、ホテルを目指した。
「ねえお兄ちゃん。なんで偽名なんか使ったの?」
一方その頃、車を目指して歩いていた深海たちは、深海が偽名を使った事を話していた。
「バレるとめんどくさいからな。デパートで初めてガンプラバトルした時もそうだったろ?」
「そう言えばそうだったね。それにお兄ちゃん、アミオさんから何か言われてたんじゃないの?」
「よく分かったな」
「まあね!お兄ちゃんの観察力が超ド級に凄いのは知ってるし、お兄ちゃんはすぐに返事しなかったからね!」
「ねぇねぇ、なんて言われてたっぽい!夕立気になるっぽい!」
「お前らより背が低い。って言われた」
「にぃに、気にしてるの?」
「別に気にしてない。むしろ、喜んでるくらいさ」
「そうなんだ…」
「それよりも3人とも、良く俺の事を黙っていてくれたな。ありがとう」
「お安い御用だよ!」「ぽい!」
「にぃにとの約束だから……」
「フッ、そうか…さて、帰るぞ(あの青年。昔、ビビッ島に旅行に行った時見かけた気がするが…まさかな)」
深海たちは駐車場へ向かって歩いていった。
続く