ガンダム ビルド…ビビットアーミー艦隊これくしょん 作:黒瀬夜明 リベイク
「………」
つい自分の口から正体をバラしてしまった深海はその場で凍り付くように動きを止めてしまった。
「…え?今、この人、肯定した?」
「確かにそう言ったっさ…ということは……」
「本物の行方不明の英雄…ってことなのか?」
「ま、マジかよ…まさか、こんなところで会えるなんて…」
「あ、いや…えっと…これは、その…」
深海は必死に言葉を紡ごうとしようとしたが上手く言葉が出て来ることはなかった。そして最終的に―――
「いててて……あ、この人たちが深海が昨日言ってたお客さん?初めまして!私は深海の母の空母水鬼!よろしくね!」
空母水鬼が答え合わせをしてしまった
(あ、終わったわコレ)
そして深海も観念して自己紹介をした。
「はぁ…まあそうだな。母さんの言った通りだ。俺の名前は黒野深じゃない、本名は黒野深海だ」
「嘘でしょ…」
「騙すつもりはなかったんだが、本名をバラしたくなかったんだ。すまなかったな」
「深海さん。お会いできて光栄です!まさか日本旅行に来て深海さんに会えるなんて…」
「私も同じっさ!最初は驚いたけど、改めてお会いできて嬉しいっさ!」
「まあ、世間は俺の事行方不明扱いだからな」
「あらあら!深海ったら人気者なのね!いつから人気者になったの?」
「知らん。それとバラしたこと、後で覚えとけよ母さん」
「勿論!後で思いっきりギュッとしてあげなきゃだからね。覚えてるよ!」
「はぁ……(全くこのバカ母は…)」
深海がため息を吐いているとき、アミオはミモザとビビの反応が薄いことに気づいた。
「2人は驚かないのか?深海棲艦との戦争を終わらせた英雄が目の前に居るんだぞ?」
「いや、私は驚いて言葉が出ないだけなんだけど…」
「私は別に何とも思わないな。学校の授業も寝てたし」
「そ、そっか……」
アミオは2人の示した反応に苦笑するのであった。
その後、荷物を本庁舎の玄関に置いたアミオたちを連れ、深海はレンガ造りの建物へ向かって行った。そこの入り口にはピンク色の髪を横でおさげ風にまとめ、水色のシャツの上にセーラー服を着て腰回りの露出したスカートを穿いている少女、明石が待っていた。
「あ、提督!やっと来てくれましたね!」
「すまない。こいつは明石。修理に関してなら右に出るやつはいない腕の持ち主だ」
「貴方たちが提督が言っていたお客さんですね。私は明石って言います。えっと、ガンプラが壊れてしまった方が2人要るって聞きましたけど…」
「あ、はい。僕と―――」
「私です」
明石の質問にアミオとミモザの2人が手を上げた。そして、肩掛け鞄から前日に大破したガンプラの入ったガンプラケースを取り出した。2人のガンプラケースを受け取り、中身を確認する明石。
「どうだ明石」
「これくらい全然問題なしです!むしろ、大破した提督の機体を修理した時の方が大変でしたよ?」
「そ、そうか…」
「ではしばらくの間、ガンプラお預かりしますね!たぶんお昼過ぎにはお渡しできる筈ですよ!」
「え!そんな短時間で仕上げられるんですか!?」
「はい!方法はちょっと教えられませんが、この明石に任せてください!」
「一体どんな方法で直すのか凄く気になるっさ…」
「確かに気になるなぁ…でも…」
「詮索しても無駄。そうなんだろ?」
「正解です!それではお待ちくださいね!」
そう言って明石はレンガ造りの建物へと入っていった。
「明石に任せておけばいい、俺が保証する」
「わ、わかりました」
「それでどうするんだ英雄さん?今から鍛えてくれるのか?」
「そうだな―――」
「あ、提督!」
そこへ時雨が駆け寄ってきた。
「あ、夜空じゃない!」
「え?あ、僕は夜空ちゃんじゃないよ」
「え?髪型が違うけど、夜空じゃない」
「確かに僕は夜空ちゃんとそっくりだけど、人違いだよ?僕は時雨、初めましてだね」
「え?どういうことっさ?夜空さんにそっくり過ぎじゃないっさ?」
「あ~それについては俺が説明するよ」
そうして深海は時雨について説明を始めた。時雨と夜空は元艦娘で、同じ白露型駆逐艦の時雨だったからそっくりなのだと語った。
「な、なるほど…だからそっくりなんだ」
「うん。ちょっとややこしいよね…ごめんよ」
「謝らないでくださいっさ時雨さん!時雨さんも夜空さんも深海棲艦から人々を護ってくれていたんですから!」
「うん。ありがとうね……あ、そうだった。お昼ご飯の用意が出来たから、みんな本庁舎に戻って来てほしいな。夜空ちゃんたちも待ってるから」
「わかった時雨。先にお昼にしよう、特訓はその後でいいか?」
「わかりました深海さん」
そして6人は本庁舎へと戻っていった。
続く