怪しげな洞窟に佇む3人。そのうち2人は大柄な男、1人は見るからに子どもと言えるほど小柄な少女だった。
「何とか聖杯の模造品は用意出来た。あとはこれを起動し魔力を注ぎ込むだけで我らの願いは成就される。」
「本当にこれだけで聖杯戦争の真似事ができるのか?念の為サーヴァント召喚のための触媒は用意したが、如何せん落ちぶれた一族の用意した紛い物だからなぁ?」
「アンタ達、言い争いは辞めなさい。アタシから見れば榊原も西園寺もそこら辺の一般人と変わらない没落した魔術師なんだから。」
その言葉に顔を顰める2人の男。見たままとは違い、男2人は少女に対して頭が上がらないようだった。
「クッ...。そんな事より、ホントに俺たち3人だけで聖杯は満たされるのか?自分で言うのもアレだが、俺達の魔力量はそこまで多くないぞ?」
榊原と呼ばれた男は少女に尋ねる。
「さすがに、追加でアタシの魔力量をプラスしても全然足りないわ。だから文明の力を借りることにしたの。」
そう言いながらスマートフォンを取りだし、2人に画面に表示させた文章を見せる。
「ん?何だこれは?こんなもん使ってどうする気だ?まさか聖杯戦争の参加者を集めようってんじゃないだろうな?」
「そのまさかよ。この文に術式を組み込んでインターネットに流すの。そうすれば適正のある人間にしか検索されないわ。」
「なるほどな。そして何も知らない他の参加者を殺して魔力を集めようって事か。水瀬の嬢ちゃんも中々考えることが悪いなぁ」
そう言って西園寺と呼ばれた男は悪い笑顔を浮かべる。
「人聞きの悪い事を言わないで。別に参加者の命までは奪わないわ。あくまで私たちの目的は聖杯を満たして願いを叶えることなんだから。」
そう言って軽蔑したような顔をする水瀬。しかし、声色は全く変わっていなかった。
「つまり、コレを見た者がサーヴァントを召喚し、聖杯戦争に参加してくれるのを待つ...ということでいいんだな?」
「その通りよ。あとは今ここで聖杯戦争の準備を終え、その後各自自分の工房にてサーヴァントを召喚する...。これでいいわね?なにか質問は?」
「2つほどある。まず、俺たちが聖杯戦争を行おうとしてることは教会側は知っているのか?あと、他の家の者は参加しないのか?」
尋ねる西園寺、それに対して水瀬は
「教会側は認知していないわ。だから監督者はいないの。もし敗退したりでもしたらあとの身は自分で守りなさい。それから他の家の事なんだけど、アインツベルンに関しては冬木の聖杯戦争で本家が壊滅状態になったから参加は出来ないでしょうね。あとは確か家名を変えた一族がいたと思うけど...まぁ気にしなくていいわ。どうせ大した事ない家だろうし。」
「そうか、ならもう質問はない。んじゃ、とっとと準備して、帰って召喚しますかっと。」
「そうだな。俺も妹の事が気にかかる...早く終わらせよう。」
2人は魔法陣に近づきながら準備を始める。それに対し、
「全く...2人だけじゃ魔力を全部吸い取られて死んじゃうわよ?魔力量が低いって言っても仮にも魔術師。3人揃ってやっと起動できるんだから。」
「わかったよ。じゃあ嬢ちゃんも早く準備してくれ。俺はさっさと終わらせたいんだ。」
急かす西園寺。水瀬はため息をつきながら魔法陣に近づき準備を始める。
こうして聖杯戦争の準備が進められていたのであった...。
なるべく早く続きを書こうと思いますので、よろしければ次回も閲覧ください。