惑星フリーザの一室に、ドドリアは報告書類を見ながら向かう。
「ち、これ本当かよ?」
思わずこぼれてしまった愚痴を同僚のザーボンが聞きとる。
「私も正直信じられない。
だが、この数値は本物だろ。」
ザーボンも書類を目にしながら、ドドリアに話しかける。
「でもよ。あのベジータが戦闘力10万以上って、ありえなくねーか?」
「お前の気持ちは分かるが、ナッパの奴に仕掛けておいたスカウターの数値は10万まで計測していたんだ。間違いないだろう。」
二人で話していると目的の部屋の前へと辿り着く。
「・・・さて、入るぞ?」
「ああ。」
ザーボンがドドリアに話しかけ、ドドリアが頷くのを確認すると部屋をノックする。
「フリーザ様、ザーボンとドドリア、入ります。」
ザーボンがそう話すと、部屋の中から声が聞こえる。
「おはいりなさい。お二人とも。」
その声を聴いた二人は中へと入る。
二人が中に入ると、窓に向かって立っている彼らの上司、フリーザが立っていた。
「報告書は確認しましたか?」
「はい。にわかに信じられませんが、あのベジータが戦闘力10万を超えたとのことです。」
「しかし、この数値、本当に信じていいものですかね?」
ドドリアがいまだ納得がいかないという様子でフリーザに話しかける。
「そうですね。サイヤ人の戦闘力は高くても2~3万程度だと思っていましたが、この数値は正直私も信じられません。
しかし・・・。」
そこまで言うとフリーザは二人に向きなおす。
「この間のアーリア星の件をお二人はご存じでしょうか?」
「はい、あのベジータが殲滅ではなく、服従を強いて、被害を最小限に抑え我が軍の手中に収めた件ですね?」
ザーボンが尋ねるとフリーザが頷く。
「その通りです。ベジータさんらしくないですが、結果、我が軍の技術力はかなり向上しました。
きっと、侵略中にコツでも掴んだのでしょう。いきなり戦闘力が大幅に上がるとは驚きましたが、その過程で彼に余裕が生まれたとしたら、途中で殲滅から支配に変わってもそう不思議ではないでしょう。」
「フ、フリーザ様は本当にベジータが戦闘力10万まで上昇しているとお考えなのでしょうか?」
「ホホホ、私はベジータさんの戦闘力が10万なんて思っていませんよ。」
「そ、そうですよね。あのベジータが10万だなんて・・・。」
「50万」
「「え?」」
フリーザの言葉に二人が驚く。
「少なく見積もっても50万、そのくらいはあると私は思っています。」
「ご、50万ですか?」
「ええ。この私に匹敵するほどの戦闘力は持っていると私は思っています。」
「な・・・。フ、フリーザ様に匹敵・・・。」
「ホホホ、これはサイヤ人の扱いについて考えなければなりませんね。
ベジータさんは今、休暇を取り、地球という星に行っているのはご存じですか?」
フリーザの言葉にザーボンが頷く。
「はい。地球という星に、休暇を兼ねてラディッツの奴を迎えに行ったはずです。
確か、カカロットとかいうサイヤ人の生き残りがいて、そいつがラディッツの弟らしいです。」
「そうです。そして今、ベジータさんはこちらに向って帰還しているようですよ。」
「え?ほ、本当だ。あいつ、どうしたんだ?」
スカウターを操作しながらドドリアが驚く。
「まあ、首尾よく、ラディッツさんの弟さんを連れ帰ってくるのでしょうが、そんなことはどうでもいいのですよ。
実は私は地球での彼らの会話を傍受していましてね。そこで面白いことを言っていたのですよ。」
にやりと笑いフリーザが二人に話す。
「なんでも願いを叶える不思議な玉をナメック星人が作れるという話をね。」
「な、なんでもですか?」
「そうです。そんな素敵な物があるなんて思いもよらなかったのですが、これは好機です。あの願いを叶えるね。」
フリーザの言葉に二人が歓喜する。
「それでは、早速ナメック星に向かいますか?」
「ええ。早速、準備をお願いします。準備ができ次第ナメック星に向かいます。
それと、例の準備は抜かりなく進めているんでしょうね?」
「もちろんです。キュイの奴に命令して準備させてます。」
「彼らはライバル同士でしたからね。正直思うところはあるとは思いますが、今回は手を抜かずに進める用に言っておいてください。」
「はい。もちろんです。フリーザ様。それと、ギニュー特戦隊の連中もそれぞれ準備を進めているとのことです。」
「おお、それは素晴らしい。楽しみですね。ベジータさんの驚く顔が・・・。」
「はい。それでは、私はナメック星に向け、移動する準備を進めてきます。」
「俺は、例の件を進めておきます。それと、時間稼ぎも必要ですよね?」
ドドリアの質問にフリーザが考え込む。
「・・・そうですね。
彼の弟に足止めをお願いしましょう。」
「ああ、居ましたね。そんな奴が。
では、それを含めて準備してきます。」
「ええ、お願いします。」
退室していった二人を見送り、再び窓から外の景色を見ながらフリーザがほほ笑む。
「ナメック星・・・。フフフ、年甲斐もなく楽しくなってきましね。」