赤い雲赤く染まった空 そんな空から降る赤い雨
雨に反応するかのように集まり始める荒神。
人々は長い年月と共に進化しつつある。
だが、荒神もこの世を喰らう為に進化している。
それも、人間とは比べものにならない速度で。
[適合試験]
ああ…緊張するな…
ゴッドイーターとしてちゃんとやっていけるだろうか
別に俺は戦いが好きでゴッドイーターになるわけじゃない
何かを守るためでも…自分の為でもない…
ただ、何もないこの独りの世界から出たかっただけだ。
「気を楽になさい。貴方は既に選ばれてここにいるのです。今から貴方には、対荒神討伐 ゴッドイーターの適合試験を受けて頂きます。」
俺は今、ゴッドイーターの適合試験を行う為、試験台の上で仰向けに寝転がっていた。
俺は…少し怖かった。神機に触れる事が…
このフェンリルの兵器になる事が…
そして…普通な人間でなくなってしまう事が
「試験といっても不安になることはないですよ。貴方は既に[荒ぶる神]に選ばれし者なのだから フフッ」
選ばれた存在か…
俺は別に嬉しい訳じゃない…
俺から言わせれば、ゴッドイーターはフェンリルに飼われた犬だ。
選ばれ…戦わされ…そして最後には捕食され終わる
これが、ゴッドイーターの末路だと俺は思う。
こんな仕事に誇りなど持てるだろうか…
俺は神機を手に取り強く握り締めた。
神機を持っている腕に腕輪をつけられ、プレス機のような物にドリル状の針がついておりそれが高速で回転しながら俺の腕輪に針が刺し込まれた。
その瞬間激痛が自分の右腕を襲った。
「ぐあぁぁぁぁぁぁぁ」
痛いなんてもんじゃない…腕をえぐられてるようだ…
知らなかった…こんな激痛がはしるなんて…
俺は…痛みから逃れるように暴れ、試験台の上から落下する
「あがぁぁぁぐうぅ…はぁ…はぁ…はぁ…」
「適合失敗か?」
「いいえ、よく御覧なさい。」
俺は、神機を地面につき立ち上がった。
「フフッ、貴方に洗礼を施した時とそっくり。」
ああ…なんつう痛みだ。意識が飛びかけた。
「おめでとう。これで貴方は神を喰らうゴッドイーターになりました」
これで俺もゴッドイーター………
そして…フェンリルの犬になった…
試験から数時間後、俺はフライアの庭園に来ていた。
綺麗な場所だな。ホントに室内かよ。
「ああ…適合試験、お疲れ様。無事、終わって何よりだ。まぁ、座るといい。ここはフライアの中でも、一番落ち着く場所なんだ。暇があると、ずっとここでぼーっとしてる。」
綺麗な人だな。同じ男には思えないくらいだ。
俺は男性の横にゆっくりと腰を下ろした。
「確かにいい場所ですね。」
「ああ、凄く気に入っている。そういえば、まだ名乗っていなかったな。俺は、ジュリウス・ヴィスコンティ。これからお前が配属される、極致化技術開発局ブラッドの隊長を務めている。」
この人が俺の隊長…!? 無礼な事をしてしまった
「あまり恐縮しなくていい。これから、よろしく頼む。さて…休んだあとでフライアをゆっくり見て回るといい。また後で会おう。」
ジュリウスはその場から立ち上がり此方を少し見て去っていった。
俺は…自信を無くしていた…
何故、ゴッドイーターというフェンリルの犬をやってるだけなのにあんなに強い瞳をしていたのだろう…