「いやー、私の娘も貴方のファンでして」
「ありがとうございます。拙い歌で恐縮です」
「いえいえ、そんなご謙遜を」
「フェンリル広報活動にもご協力いただいて大変感謝しています。」
「いえ、周辺地域への物資配給はフェンリルの方々のご支援でかろうじて継続できている状況です。私に出来ることがあれば是非」
「もしよろしければなんですけどね、本部の方で慰問コンサートとかは……」
「あ、すみません……先程申し上げた通りできればもう少しの間 極東からはなるべく離れなくなくて……サテライト拠点の食糧事情がもう少し改善されてからお伺いできれば、と思います。」
「なるほど……そういう事情だったのですね 承りました、本部に掛け合ってみましょう。」
「助かります!ありがとうございます」
「立ち話もなんですから……」
俺達は、討伐作戦を終わらせみんなで集まっていた
「だいたいお前らさー、前に突っ込み過ぎなんだよー 敵の動きをちゃんと見極めてからさー」
「えー、ロミオ先輩がビビりすぎなだけなんじゃない」
平和だなぁ……こんな時間が続けばいいのに。
クスッ…ナナってば、ロミオ先輩に近づき過ぎ……ハハッ
「ちょっ、ちょっ、ナナ、近いよ!」
俺は、上の階で話している人間の声を聞いていた。
どうやら有名人が来てるらしい
まぁ…たいして興味はないけどな
などと、考えているとロミオ先輩がナナから逃げ俺の方に下がってくるが俺は、考える事に夢中になっていて気付かず、ロミオ先輩とぶつかり脚を絡めてバランスを崩してしまう。
そして、丁度上の階から降りてきた女性に俺は接触してしまった。
「あ、すみません……うぁ!?」
謝ったのは俺ではなくロミオ先輩だった。
俺も失礼だったと思い、一言謝罪を入れた。
何を動揺してるんだ?ロミオ先輩は。
すると、綺麗な金髪の女性の隣りから勲章を沢山掲げてるいかにもプライドの高そうな男が寄ってきた。
「全く、貴様らは……ユノさん、本当にすみませんねぇ」
「いえ、そんな……」
今度は、赤髪の白衣を着た女性が寄ってきた。
「フフッ、あまりロビーでは、はしゃがないでね?大事なお客様にご迷惑でしょ」
「はーい……すみませんでしたー」
ナナも一言謝罪を入れたが、俺は苦笑いしていた。
お偉いさんに軽い謝罪だな…ナナらしいがちょっと危ないよな…
「いやー不躾ですみませんね、戦うしか脳のない奴らで」
そう言って、ロビーのエレベーター付近に向かって歩いて行った。
俺は、さっきから固まっているロミオ先輩を見た
ロミオ先輩はさっきからどうしたんだ?
「あれー、先輩、どうしたの?」
「ばっか、お前……アレ、アレ……ユノっ!」
ロミオ先輩は慌てた様子で先程の金髪の女性を指差した
「ユノ?知ってる?」
ナナは俺の方を向いて聞いて来たので、知らない。と首を横に振りながら答えた。
「マジで?葦原ユノだよ!ユノアシハラ!超歌美味いの!有名人!」
有名人ねぇ…
俺は、エレベーター付近に立つ葦原ユノを見ていた。
確かに、綺麗な人ではあるけどな。
ユノは此方に気付いたのか少し此方を向き頭を下げてきたので俺もつられて頭を下げた
となりで、「あー、カメラ持って来てればよかった!くっそー!」などと、ロミオ先輩が呟いていた。
しかも、ユノの匂いがついてるから風呂に入らないとか言い出してナナに呆れられてるし。
「お風呂には入ってくださいね。ロミオ先輩」
とだけ告げて、先に行ってしまったナナを追いかけた。
にしても、あの赤髪の女性は、ラケル博士に似ていた気がするな…