走ることしか考えていないスズカのおはなし。   作:サイレンススズカ専属トレーナー

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サイレンススズカIF2

 

スズカへ。

 

 

この手紙を読んでいるということは、私はもうスズカの側にはいないのだと思います。

 

ごめん、こういうこと書いてみたかっただけ。置き手紙だから当然だね。

 

 

私からスズカへ、謝らなければいけないことがあります。直接言うときっとスズカは聞いてくれないと思うので、手紙で許してください。

 

そうそう、忘れてはいけないので初めに書いておきます。机に置いた通帳には、たぶんこれまでスズカの賞金から配分されたお金と同じくらいのお金が入っていると思います。返しますから、スズカのために使ってください。

 

 

それでは、本題です。

 

 

まずは、スズカに黙っていなくなってしまってごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

Bad√2 『わたしをわすれて』

 

 

 

 

 

 

 

 

私がスズカから離れなければいけない理由が、二つあります。

 

 

 

一つは、スズカがトレセン学園を卒業したから。

 

私は、スズカの後も誰かを担当しなくてはいけません。それは私の知る誰かかもしれないし、知らない誰かかもしれません。でも、私はお仕事でトレセン学園にいるから、何かしなければいけません。

 

 

でも、しばらく考えて、これ以上誰かを担当することはできないと思いました。

 

 

スズカはどう思っているか解らないけど、私は、スズカが勝てたのはスズカの実力あってこそだと思っています。私の力なんてそこには入っていなくて、いてもいなくても同じ。

 

もし私のおかげで何かがあったとして、それは精々、スズカが故障せずに走りきれたことくらいだと思います。

 

 

私には、ウマ娘を導く力なんてありません。

 

内緒にするつもりだったんだけど、スズカにだけは本当のことを言っておきます。私には、ウマ娘の能力が見えるという不思議な力があります。

 

でも、だからこそ、私はウマ娘をどこかキャラクターのように見ていたんじゃないかとも思います。スズカのこともそうだよ。

 

 

私はきっと、これからもトレセンに期待され続けるんだと思います。初めのうちは良いでしょう。スズカや、ブルボンや、他のみんなみたいに、私が何もしなくたってうまくいっていたような強い子を見つけられるかもしれません。

 

でも、それはきっと長くは続きません。そのうち私では、きっとやりようがなくなります。

 

そうしたら、きっとみんな私を責めるでしょう。責めなくとも、私が育てるのに失敗したウマ娘の人生はどうなるでしょう。

 

 

これもスズカには言っていませんでしたね。私は、ウマ娘に情熱を燃やしたことはありません。不思議な力があって、それが活かせそうだから軽い気持ちでトレセンに来ています。

 

 

普通に退職することはできません。スズカにはこんなこと知って欲しくないけど、トレセンはトレーナーに少し冷たいところがあります。私みたいに有能だと思われているトレーナーは、辞めさせてもらえません。だから逃げることにしました。

 

 

どこまでも自分勝手な私を許してください。どれだけ考えても無理でした。私に救いを求める手を振り払うのも、信頼を裏切ることも、そんなことが毎年あるなんて耐えられません。自分のためにスズカを裏切ってごめんなさい。

 

 

 

 

二つ目は、スズカが引退するからです。

 

一つ目と同じになっちゃいました。でも、一つ目よりもっと気持ちの悪いことを言ってしまうかもしれません。

 

 

私は、スズカのことが好きでした。いつからかは解らないけど、あなたに、年齢も性別も立場もおかしな気持ちを抱いていました。気持ち悪いですよね。読むに堪えなかったらすぐに手紙を破り捨ててください。

 

 

でも、本当に好きなのです。好きです。スズカが好きです。ごめんなさい。スズカのことを好きになってしまって本当にごめんなさい。

 

 

スズカはきっと、これから誰かパートナーを見つけて、子供を作るんだと思います。スズカほどのウマ娘ならみんながそれを求めると思うし、それを止める権利は私にはありません。

 

 

そうなったら私はたぶん耐えられないと思います。私のスズカでいてほしい。サイレンススズカを誰にも盗られたくないと思ってしまいました。ごめんなさい。また気持ちの悪いことを言いました。ごめんなさい。

 

でも、本当に嫌なんです。スズカが他の誰かの一番になることが、どうしても嫌だったんです。きっと旦那さんができても、スズカは私とかかわるでしょう。私は生きている限りずっと、私のものではないスズカと、私からスズカをうばった誰かを見続けなければなりません。

 

それに、スズカのことがすきな私が、結婚したスズカと関わることはできません。それはきっと許されないことだとおもいます。

 

 

いっそスズカを連れて逃げてしまおうかと思いました。でも、それはいけないことです。それに、スズカの自由をまたうばうことになります。それに、そんなことをしたらわたしはスズカにこの気持ちを言わないといけなく

 

 

だから、そんな思いをする前に、私はスズカの前からいなくなろうと思います。どこかとおくで、スズカのことを思いながら、スズカと関わらずに生きていきます。だから、好きでいることだけはゆるしてください。二度とスズカの前にあらわれません。

 

 

 

長くなりましたが、最後に。

 

 

スズカ、卒業おめでとう。ラストランも、卒業ライブも、ちゃんと見ました。アンコールは時間的に見られなかったけど、とっても良かったです。ほれなおしました。ごめんなさい。

 

 

スズカを捨てて消える私は、もうスズカのトレーナーではないと思います。わたしはずっとそう思っていたいけど、スズカも、みんなも、そうは思わないでしょう。

 

でも、まだ学園にいるスズカへ。スズカのおかしなトレーナーから、最後の指示です。

 

 

わたしのことは、わすれてください。

 

 

スズカはやさしいから、わたしのことを忘れずに生きていこうとすると思います。でも、そんなことをしてもなんにもなりません。私みたいなゴミのことを覚えていても、スズカはしあわせにはなれません。

 

 

スズカはだれかあなたのことを一番に思ってくれる人とけっこんして、しあわせになってほしいです。こんなおかしなやつに好かれていたなんて、忘れたほうが幸せです。

 

 

そして、最後のお願いです。

 

体に気をつけて、長生きしてください。こんな勝手なわたしだけど、元気なスズカの姿や、スズカの娘が走る姿を見るのはゆるしてください。

 

 

自由に走るスズカを祈っています。さようなら。

 

 

あなたのことが大好きなあなたのトレーナーより

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを読んだ人へ。

 

 

トレーナーさんを探しに行きます。

 

何かの拍子に連れ戻されても困るので、スマホは置いていきます。いつになるかは解りませんが、トレーナーさんに会えたら帰ります。それまで探さないでください。

 

 

もし私がどこかで倒れていたら、叩き起こしてください。トレーナーさんが戻ってきたら、私が探していると伝えてください。机の上の通帳は私の賞金の全部です。お父さんとお母さんに渡してください。

 

 

トレーナーさんのことが大好きなサイレンススズカより。

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