狩人になった私の話。   作:ぽんぱたあすか

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13.シュラちゃんと一緒:寄生っぷり

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 「カグラちゃん、私もう回復尽きちゃったんだけど」

 逃げ出したフルフルの軌跡を追いながら、傍らのシュラが唐突にそんなことを言い出した。

 そんなに手持ち少なかったのか。怪訝な顔を向けると、誤魔化す気満々の愛らしい笑みが返される。お前、今更私に媚が通用すると思うなよ。

 記憶を辿ってみれば、そういえばさっきから何度も何度も、私を一人放置して遠くまで回復に向かう姿を目撃していた気がする。おかげで私一人に攻撃が集中してとっても怖かったですありがとうございました。

 「回復薬もないの?グレートきらしたとかじゃなく?」

 「もう何にもなーい」

 何か言おうと口を開き──いや、無駄だな、無駄だ。何を言ったところで私の声帯の労力が泡と消えるだけのことだ。

 諦めに首を振ると。

 「今私のこと馬鹿にしたでしょ!」

 何を勘違いしているんだこの虫野郎。私はただお前の図太い神経を人外のものとして認めただけだぞ。

 馬鹿にしてるのは散りばめられた日常行為だけれど、別に今は馬鹿にしてない。後で改めて渾身で馬鹿にさせて貰うと決めたから。

 ともあれ、回復できないというのならどうしようもない。幸い既にフルフルは巣に戻っているわけだし、今日の目的は捕獲。仮に倒してしまっても、まあ近くのフロアにいれば剥ぎ取りには間に合うわけで。

 「……仕方ないな、じゃあ、外で待ってなよ。降りちゃ駄目だよ」

 「はーい。カグラちゃん大好き!」

 そんなヨコシマな好意は嬉しくない。

 我が意を得たりと言わんばかりの勢いで冷え込む洞窟から脱出する背中が、毒投げナイフが手元にあったなら思わず投げ付けてしまうであろうほど憎らしい。フルフルごときに使い切ってしまうんじゃなかった。調度いい的があんなところにあったのに。

 まあ、仕方ないものは仕方ない。割り切って道を曲がって巣に入る。寝顔も全く可愛くないターゲットを一時放って、手早くギアノスを一掃した。うーん、私も成長したもんだ。

 これで飛竜と二人きり。やっぱり嬉しくない。そろりと足を忍ばせて近寄って、息のかかる距離に落とし穴を設置した。ばさりと音を立てて広がったネットがフルフルの足元にかかって。

 「げ、足りない」

 ギリギリ奴さんが落ちてくれるには距離が足りなかった。相手はドリーミング状態だというのに、情けなさ過ぎる大失態だ。

 しかし嘆いていてもただただ相手の体力を回復させるだけのこと。数秒の躊躇の上で剣を抜き、死なない程度に切り付ける。

 当たり前だけど怒ったフルフルが、そのまま前に進んでくれることを祈ったが……人生そう上手くない。

 「ああ、ばか、飛ぶなー!」

 地面を転がって避けたはいいが、罠から随分遠ざかった。

 何度もおびき寄せようとうろついても、何の不精だこの野郎、どうしても歩かず飛び掛ってきやがるもんだから、穴に落ちてくれることがない。切りかかってみたり角笛を吹いてみたりしてもまるで効果ナシ。

 あーもうイライラするなー。

 「カグラちゃん、大変!」

 悲鳴じみた声にギクリとして、思わず足を止めかけた。幸い本能が働いてくれたから尻尾は頭上を通り過ぎるに留まったが、何という危機一髪なことだ。

 「何!?」

 距離を取って頭上の足場を仰ぐ。まさかもう一匹フルフルが現れたとかじゃあるまいな。絶望にも似た危惧を覚えた私の視界の中で、ヒョイとシュラがこちらを覗き込んだ──ピッケルを片手に。

 

 「鉄鉱石が出ない!」

 

 電撃を避け損ねた。目の前が真っ白になったのは、ダメージのためか、それとも言いようのない怒りのためか。

 人がどんだけだな、頑張ってると思って。痺れた身体に逆らわずそのまま膝を着く。電撃体当たりを食らって、けれど奇跡的に死にはしなかった。日頃の行いがいいからだ。

 「わ、何やってるの、大丈夫ー?」

 いいからお前、ちょっとここまで降りて来い。

 

 

 

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14.シュラちゃんと一緒:相変わらずな彼女

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 久しぶりに見た幼馴染の姿に顔を顰める。あからさまに傷付いた顔するなよ、悪かった、反射なんだ。数日ぶりの再開に、今すぐ踵を返してお前の前から退避しろと私の中の警戒心がアラームを鳴らして告げたんだ、仕方ないと思うだろ?

 「もう、ばか、最大ばかー!」

 「語彙の貧困さが健在で何よりだ」

 シュラちゃんのボキャブラリーレベルが上がったりなんかしたら、殺意が育ち過ぎて思わず殺害に走っちゃいそうだから気を付けてね。

 心優しい私の気遣いに何故だか顔を青くした彼女は、親しき仲にも礼儀ありって言葉を知らないんだろうか、無礼にも太刀に手をかけて今にも引き抜こうとしている。全く、常識くらい勉強しなさいよ。

 とはいえ一体今日は何のジャンルの迷惑をかけに来たんだこの寄生虫。キサマなんぞ早く東京都の目黒寄生虫館に展示されてしまうといい。寄生虫から捕食寄生者に進化する可能性を多々秘めた珍生物として一躍大の人気者になれるぞ。オイシイじゃないか。

 「……カグラちゃん、今日、いつもに増して酷くない?」

 それがさ、イャンガルルガに時間切れで2連続で負けてさ。

 「八つ当たりじゃん!死ねばいいのに!」

 「私にはシュラちゃんに八つ当たりする権利があるの」

 ひとしきり鬱憤晴らしてスカっとしたところで気付いたことがある。シュラの装備が前回よりも一回り良質なものになっているような。

 ギアノスヘルムとマフモフミトンは論外として、腰周りの装備はもしかしてザザミじゃないのか。

 一度は一緒に狩りに行ったけど──案の定遠くで「頑張れカグラちゃん」とか応援されて思わず石ころぶつけたけど──装備が作れるほどに材料は獲れなかったはず。

 てことは。

 「気付いてくれた!?私頑張ったんだよー!」

 聞けば、あれ以来自力で二つ星村長クエストはあらかた制覇したらしかった。それが普通なんだけどなとは言うまい。確かこないだ会ったときにはドスファンゴなにそれ状態だった。それがまさか、一人でイャンクック討伐まで終えてしまうとは!

 ドスガレが狩れないと口を尖らせたものの、寄生に徹していた彼女を考えればアメーバがチンパンジーに進化したような劇的進歩だ。うむ、これで私の心労が一つ減ったな。

 「その割に、こないだ欲しいと息巻いてたダークサイス持ってないじゃない」

 持って当然の疑問がストッパーを構える前に迂闊にも私の口から飛び出した。何という愚かな口だ。痛くなければ取っちゃいたい。でもそうすると私のシュラに対する唯一の武器がなくなっちゃうなあ。

 待ってましたと顔を輝かす幼馴染から目を逸らす。視線を追って顔を動かされて、視界一面を満面の笑顔に占められた。私は美しい空を見ていたいのに、どうして黒いもの蔓延る世の中の非常さを見せ付けられなきゃいけないのか。

 かくなる上はもう、殺すしか。

 「カグラちゃん、一人は寂しいの」

 本音は。

 「音爆弾もったいないの」

 ガレオスめんどくさいのと。

 私だってめんどくさいよ、音爆弾勿体なくて嫌いだよ。

 要は遠まわしに手伝えと、申し訳ないと思う心の欠片もなく告げたシュラを殺す100の手段、1000の死体遺棄方法が脳裏を駆け巡り──消えた。おかしいな、まあいいかの一言で手伝いに乗り出すほどに私は良い人間じゃなかったはずなのに。

 もしかして奴隷根性が染み付いたのかな。

 閃いた結論に、殺すよりも死ぬ方がいいかなとか思えてきて少しだけ泣いた。

 

 

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15.衝撃?毒入り?原因不明

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 ドドブランゴを片手剣チマチマ殺法により撃破し、更に調子に乗ってガード性能+付きランスでチキン戦法を駆使してティガレックスを粉砕した私──そうそう、ランスにも手を出し始めたよ──は、只今キリン装備を集めようと努力を惜しまない日々を送っている。

 具体的に言うと、ドスイーオスとかイャンクックとかの比較的弱いのを片付けては、村長にキリンクエスト出てないか聞きに行く日々を。幻のというだけあってこれが中々発見されない。キリン以外の古龍?そんなん無視ですよ。怖いもん。

 無駄足10回目。こちとらいい加減鬱憤が溜まってきた。キリン装備は属性マイナスがないから、無精者の私には最適なのだ。アレを集めれば相手を見て装備変えなくてもよくなるじゃない。だから早く集めたいというのに。

 待ち続けての弱い者虐めも飽きてきた。そろそろ一回、新しいヤツにでも挑戦しようかと依頼を見回して。

 「だったらハンターどの、そろそろガノトトスを片付けたらどうかね?」

 「あー……そういえば放置してたっけ。アイツ怖いんだよね」

 一度アマゾネスで特攻して以来だ。しかし三ツ星クエストの中に未クリアのまま燦然と居残り続けるその姿が憎らしいのもまた事実。

 まあいいかと依頼書を受け取ってサインする。

 ニコニコ笑顔のオババに契約書を渡して、武器は久しぶりに双剣を持ち出してきてみた。最近気付いたんだけど、フルフル以外の飛竜族は片手剣より双剣の方が戦いやすいんだよね。

 初めてのトトスソロ狩りに随分と緊張する。バサルモスやモノブロスのときだってこんなに緊張しなかったのに、何で高々三ツ星にこんな圧倒されにゃならんのか。

 ひょっこりと岩陰からオアシスを覗き込んで……いた。これからヘタレハンターが特攻するとは露知らず、悠々呑気に遊泳してやがる。カエル片手に慎重に近付いて、釣りポイントを探して釣り糸を垂れる。こんなんでほんとに釣れるんかな。

 「……お、お?」

 巨大な魚影が近付いてくる。何て馬鹿な奴だ。カエルを二度三度と口の先で突つき、よし、今だ──!

 「おおおおお!?」

 釣り上げようと力を込めた腕に、横合いから突進を食らって釣竿を落とした。あああああチクショウ、お前攻撃して来ないいい子の方じゃなかったのか。巨大な亀の甲羅を背負ったザコは、良く見れば赤い。ホーミング生肉の方だ。

 この野郎、もうちょっとで10メートルを超える大物を釣り上げるという偉業を成し遂げられたものを!

 八つ当たり気味に鬼人化した上で双剣を振り回して切り刻んでやる。悲痛な声を上げて倒れるアプケロスにすかっと爽快な気分にギャアアアアアアアオオオオオンしまった気付かれた。そりゃ水辺でやってりゃ当たり前だよね。

 ところでこっちの総防御力は300近いってのに、体当たり一発で5分の2減ってどういうこった。キリンの雷でも4分の1減で済むのに。レベル詐称してんじゃねえよ。音ゲーかお前。

 待って釣って出して切って逃がして音爆弾かまして外れて音爆弾かまして出して轢かれて逃がして待って釣って。

 何度同じ歴史を繰り返したらこいつは死ぬんだろう。このエリアから絶対出るのもめんどくさくて、どっか行ってしまったトトスを追う気もなく岩陰で武器を研ぎながら思う。

 「モノブロスの方が断然楽だったなあ……と、帰ってきた」

 4度目の釣り。こっちは助かるからいいんだけど、どうしてそろそろ学習しないんだろう。3回同じ場所で釣られたんだから、4度目も痛い目に合うとはさすがのシュラちゃんでも理解するだろうに。

 釣り糸に負荷がかかる。切れるなよ。疲れてきた腕に気合を入れて、今度こそ地上にいる間に仕留める決意を固めた。

 「えええええええええりゃあああああああああああ!」

 カジキの一本釣りだってここまで気持ちよくはあるめえ。しかし綺麗に上がった巨体に嬉しがる暇はない。素早く釣竿を放してダッシュして──。

 「……え?」

 何故かピクリとも動かないガノトトスに唖然とする。待てど暮せど動かないものは動かない。

 

 釣り殺されるって人生における死に方ランキングワースト1位じゃない?

 

 

 

 

 

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16.その理屈はおかしい

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 キリン戦って肩こり解消に最適じゃない。右から左から前から後ろから、全身電気ショックで弛緩した身体で帰るのは物凄く大変だけど。ちなみに突進で首がムチ打ちになる可能性を多大に秘めてるから素人にはオススメできないけど。

 そこかしこを焦がしてようやく武器を納める。はしっこかったキリンの末路を、達成感と虚脱感、複雑に入り混じった思いで見下ろした。

よくも貴重な落とし穴とシビレ罠無駄にしやがったな。まさかどっちも効かないとは思わんかった。捕獲できないんだね、こいつ。

 「……まあいいや、剥ぎ取りしよ」

 前回は確か、角が全く獲れなかったんだったか。今回こそはと気合を入れてナイフを滑らせる──目を瞑って。

 ほんっとに意味がわからないから止めて欲しいんだけど、ハンターたるもの目を瞑ってランダムに回数分だけ剥ぎ取りを行うこと、という心底不明のルールがあるのだ。村長クエストと言えどギルドの一環である限り例外ではない。お陰で剥ぎ取り中に攻撃されても気付けないから避けれない。

 誰もいないんだから遵守する必要ないだと?何のために気球が浮かんでると思ってんだ。夜でも天候悪くても、代わりの何かはそこらじゅうに存在するんだぜ。

 その証拠にこないだちょっと薄目開けてただけで、アイテム全没収されたんだよ!

 そういう訳で手探りで目的の箇所を捜索しつつ、手早く獲物を捌いていく。

 キリンは2回だっけ、3回だっけ。多分余ったところはギルドの儲けに変わるんだろう。これぞ現代の錬金術。いいよな、お前ら監視しときゃ素材が手に入るんだもんな。まあ、クエスト終了後にランダム報酬として一部回してくれるからよしとしよう。

 立ち上がって祈りを込めて目を開ける。手に握った素材は……雷尾だった。

 何でだよ。私ちゃんと狙って頭部確かめて手動かしてただろうが。ちょっと、そこに隠れてるアイルー出て来い。お前摩り替えたのか本体動かしたのか言ってみろ。

 「あーもう、もう一回来ないといけないじゃんかー!」

 どんだけセコイんだハンターズギルド。考え付く限りの罵りを吐き出しながら山を降りた。

 

 受付のお姉さん、報酬頂戴。私の見るに耐えない仏頂面とは正反対の輝く笑顔で、可愛らしーいお姉さんが報酬の入った布袋を差し出した。ありがとう。

 角こい、角こい!宝くじの当選番号を見る気持ちで紐を解く。前回のショボイ中身と違い、内容はすごーく良かった。小躍りするくらい良かった。

 でも、何でキリン一体倒しただけなのに角3本も入ってるんだろう。そんな珍種じゃなかったよね。

 いいことだから文句は言うまい。

 

 

 

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17.アマゾネスと一緒:緊張感

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 人待ち。実に暇な時間だと思う。

 テーブルについて、度数の強い酒がなみなみ注がれたジョッキを弄ぶ。まだ待ち人は来ない。入り口には竜人のお姉さんが立っているだけで、あれ、お姉さん、双子とかだっけ。受付に凭れるように立つ姿がいつもより一人多い。ん、よく見れば受付のお姉さんも4人いるな、新人さん雇用の時期なのかな。

 深く考えずに酒を煽った。咽喉を冷たいはずの液体が焼いて過ぎる。別にそんな凄い酒好きってわけでもない私だが、この感覚は案外好きだ。

 「アザミちゃん、聞いて」

 「なーにー?」

 トロンとした目が機嫌良さそうに向けられた。顔真っ赤だよ。そろそろ止めといた方がいいよ、強くないんだから。人のこと言えないけど。

 「こないだクシャさまクエスト挑戦してみたのよ」

 「負けたからきらーい」

 「思ってたよりちっちゃくてね」

 前触れなく、背に負った巨大な笛の重さに耐え切れなかったようでアザミがバランスを崩した。彼女の姿が椅子の向こうに消えて、代わりに騒音と埃が椅子に座った。アザミがいたところに座ったんだから、きっとその埃はアザミなんだろう。どうしたの、そんなに小さくなって。

 気にせず見えないほどの小粒の集団になった彼女に話しかける。

 「歩き方がネコみたいで、超可愛かった」

 「あんなのネコじゃないよ」

 声は遠くから聞こえた。姿と共に声まで小さくなったらしい。声帯が縮んでるんだもんね、仕方ないよ。責めるまい。

 「可愛いよねクシャルダオラ」

 「可愛くないよ」

 ジョッキを傾けて──あれ、中身がない。すいませーん、アルコール下さい。

 私もー、と声がして、埃のような姿になったアザミの背後からニュッと腕が生えた。腕が生えた場所から、肩が出て、頭が出て、身体が出て、最終的に席に戻る。埃のアザミの席に座ったということは、きっと生えてきたのもアザミなんだろう。成長期か。よかったね。

 「ところでアザミちゃん、双子だっけ」

 「双子じゃないよ。酔ってるんじゃない?」

 「酔ってないよ。アザミちゃん酔ってるんじゃない?」

 「酔ってないよ」

 ふと沈黙。ぼんやりと見詰め合って。

 「クエスト受けなきゃ」

 「そうだ、クエスト受けなきゃ」

 覚束ない足取りで同時に立ち上がった。うっかり右足に左足を引っ掛けて転ぶ。衝撃と騒音に顔を顰めた直後、テーブルのあちら側でも同じような衝突音が聞こえてきた。あははばーかばーか、倒れてやんの。ん、そういえば私、何で倒れたんだっけ?

 軍隊の見本のような匍匐前進でクエストボードに近付こうとしたが、もういいやめんどくさい。動きたくない。息もしたくない。

 

 「何でクエスト前にお酒飲むんですか」

 「酔ってないよ」

 「酔ってないよー」

 ところでナスカちゃん、双子だっけ。

 

 

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