一方カイジン達を仲間にしたリムル達はジュラの森に帰り、住まいの建設を執り行う話をしていた。
そしてその頃、ジュラの森に5人の冒険者が向かっていた。
嵐牙の背に乗り村に戻っている途中、リードはリムルに『繋がる者』で説教を受けてた。
『(全く、普通は事前に何か言うのが当たり前だぞ何考えてんだ!?)』
『(スマン、ガゼル王の表情を見て、話を聞いてくれる相手だと俺が勝手に思っただけだったから…)』
『(まぁ、少し前と比べて良い成長だったとしても、俺に相談くらいしろ、良いな?)』
『(……ハイ)』
異世界に転生してタメ口でも良いと言われたが、精神年齢ではリムルが歳上だったので、最もすぎるリムルの言うことを聞き、反省しながら村へ帰った。
⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪
「………なんでこんなに増えてるの?」
村に帰ってきたリードの一言目はそれだった。そこには多くのゴブリン達がいたからだ。
大賢者の情報では、ヴェルドラが消えたことで、上位種族の
ちなみにどうしてこの村の事を知ったのか聞くと、偶然この村の噂を聞いたそうだ。
リムルとリードは『繋がる者』の脳内会話で、
『(リムルこれからは村を離れる時、俺かリムルの片方は残る方が良いよな?)』
『(だな、もし上位種族が俺達2人の留守を狙って来たらコイツらは恐らく………)』
(決まりだな!…ところで大賢者、このゴブリン達全部でどれくらいいるの?(汗))
『およそ、500ほどです』
『(………前回同様、半分でやるぞ)』
『(………ああ)』
リードとリムルは500のゴブリンを250ずつに分け、名付けを行った。
数が多かったがリムルとリードは今回はスリープモードになることはなかった。
リムル曰く「1人だったら、絶対スリープモードになってた」そうだ。
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カイジン達が来て数週間が経ち、住まいの建設がある程度進むと、リードはリムルに少しの間村の事を任せた、それはリードが空を飛ぶための練習と見回りを兼ねているからだ。
『天界の翼』と『魔界の羽』は思ったより早く使えるようになった。本人曰く感覚は歩くことや走ることを意識するのと同じだそうだ。
俺は現在『魔力感知』を限界まで広げて、周囲の見回りをしていた。
しかしどうしてもドワルゴンでみた予知夢の事が気になって仕方なかった。
(恐らく、もうすぐ夢で見た事になるだろう……そして俺は…)
俺はジオウウォッチのスイッチを押した瞬間が頭の中によぎったが、すぐに掻き消した。
(最悪リムルに全部話せば良いか………うん?)
俺が考えをまとめたところで複数の魔素を感知した。
(5つの魔素を持つやつが複数の魔物に追われてるな、でもそのうち2つはその集団の中で1番魔素量が高い、………まさかこんなに早くやって来るとは…)
俺は速度を上げて追われている魔素の集団のところに向かった。そこには、夢で見た通り5人の冒険者が巨大な蟻に追われていて、2人が戦おうとしたが、俺は夢の通り『大海』と『竜巻』で助けた。
“
追っていた蟻の2匹は巨大な2本の水柱に腹を貫かれ絶命し、
“
広範囲の円弧状の風が3匹の蟻の頭を飛ばした。
(よし!これで「まだあと1匹いるぞ!」何!?6匹いたのか!!)
俺は不意を突かれ倒し損ねた1匹が襲って来たが、
(全く~次は気を付けろよ~)
“
最後の1匹が黒いカミナリで焼き尽くされた。
「助かったよ~、ありがとうリムル」
「全く、次は気を付けろよ」
「………スライムに、見たことねえ魔物だな?」
「む、スライムで悪いか?」
「あ、いや……」
剣を持った中年の冒険者があまりの出来事に遭遇し、さらに自分達を追っていた巨大蟻が見たことない魔物とスライムが倒した事に驚き、思った事を口にし、リムルが威圧的に聞くと、申し訳なさそうに誤魔化した。
「ほら、そこのお姉さんのだろ?」
「ありがとう」
「!」
リムルは先程の爆風で黒髪の女性の冒険者の仮面を拾って渡し、気づいた。ドワルゴンの『夜の蝶』の水晶で見た、リムルの運命の人『爆炎の支配者シズエ・イザワ』 に。
リードもマフラーが特徴的で黒い本を持った美青年『ウォズ』と目が合うがウォズは軽く会釈しただけだった。
(思ったより早く会えたな、運命の人)
「はあぁぁあ…」
すると、剣を持った中年の冒険者が息を深くはきながら、腰をおろした。
「どうした?まさかどこか怪我を?」
「いや、精神的疲労つーか…」
「あっしら3日も追われていていたんでやんす」
「3日も!?」
「しかも、荷物は落とすし」
「振り切ったと思って休めば寝込みを襲われるし」
「装備は壊れるし、くたくただし、お腹ペコペコだよ」
冒険者達の話、いや愚痴を聞いたリムルとリードは良く無事だったなと思っていた。
『(あれ?そういえばこの三人どこかで?)』
『(ほら、以前洞窟の扉で見かけたあの三人だよ)』
『(おお確かに)』
「仕方ないな、簡単な食事で良ければご馳走するよ」
「「「え?」」」
流石にこの冒険者達を放っておくわけにはいかず、リムルが食事の招待を提案すると、中年の2人の冒険者と杖を持った女性の冒険者の3人が驚いていた。
「スライムさん達はこの辺に住んでるの?」
「そうだよ」
「と言ってもまだ発展途中の町だけどね」
「魔物が町!?」
「怪しい…」
「でも悪い魔物達じゃなさそうでやんすよ」
3人は当然警戒しているが助けたこともあったか、あともうひと押しで信頼を得られるところまではあった。
『(やっぱり警戒するか)』
『(よし!ここは俺に任せろ!)』
『(…何をする気だ?)』
『(フッフッフ、まあ見とけ)』
「僕はリムル悪いスライムじゃないよ!」
「ぶ!」
リムルがネタをやると仮面の冒険者シズさんが吹いた、やっぱりあの人、日本人だな
「俺は
一応俺も自己紹介をした。
「…行ってみても良いかもしれませんね、シズさん」
「そうね、この子達は信用できる」
ウォズがそう言って俺の隣に近づくとシズさんがリムルを抱えた。
「町はこっち?」
「あ、ああ」
そしてそのまま町の方に歩いていく。他の三人は顔を見合わせたがすぐについてきた。するとシズさんがみんなに聞こえないくらいの声で俺とリムルに話しかけた。
「自分で歩けるんだが」
「ねぇ、スライムさんの国はどこ?」
「国なんて呼べる程の規模ではないよ」
「ええ、最近町になったほどで名前も無く」
「そうじゃなくて、さっきのはゲームのセリフでしょ?」
その言葉で俺とリムルは確信した、やはりこの人は同じ日本人であると。
「私はよく知らないけど、同郷だった子から聞いたことがある」
「同郷………日本だよ」
「あと俺も日本出身だよ」
「そうだったの!私と同じだね、会えて嬉しい」
シズさんは仮面を外し、笑ってリムルと俺を見た。
これがリムルとってはヴェルドラに次いだ二番目の運命の出会いであった。
そしてそれはリードにとっても同じだった。
こうして私は我が魔王と接触することができた。そして、間も無く最強の魔王の道が開かれる。しかし、その先は最低最悪の魔王か最善最良の魔王になるのかはまだ分からない。