今日は私、
謁見式が執り行われて一日目は特になんの問題もなく終える事が出来たけど、二日目であの魔王ダグリュールの息子達が暴れるという騒動になってしまった。
しかし、末っ子のアスラは
すると、なんとグランドジオウウォッチが完成したの。
騒ぎが起きたけど、これで後は安心して執り行う事が出来るわね
ひと騒動が起きたが、その後は順調に謁見式が進み、二日目の最後の種族はこの森に住むエルフだ。
代表であるエルフの長老は、とても若く青年と言ってもいい。
そして、寿命が近づくと急激に老衰して二十年程で亡くなるそうだ。
エルフの長老:「お目にかかれました事、光栄に存じます。本日はお祝いと、そして、御礼を述べさせて頂きたく存じます」
長老は挨拶と感謝の言葉を述べるとリムルは、よくわかっていなかったから、『
長老の言葉の意味、それは
それらのせいで移住を検討していたが、広大なジュラの大森林とは見つけるのは困難であり、この謁見式で俺達に解決してほしかったのだと、簡潔に説明した。
リムル:『(なるほど…ん?それなら)』
ここで、リムルは族長に迷宮95階層に引っ越さないかと提案した。族長はこの提案を快諾、とても安心しきっていた。安住の地を見つけることができたら誰だってそうなるか。
リムル:「(…チッ、ばれたか)」
煉武義兄さんの指摘に、舌打ちをして答えるリムル。
…感心した俺が馬鹿だった。そういえばドワルゴンの『夜の蝶』に夢中になってたな。
シズさんという
以前シズさんとシュナに怒られたのにまったく懲りてないな。こういうところは俺を少し見習ってほしい。
煉武:「それはそうと長老、行方不明となっている者達なのだが、所在が判明しているぞ」
長老:「本当ですか!?」
煉武:「ああ、
長老:「そうでしたか…!…無事でよかった」
煉武義兄さんの報告に涙を流す長老を、俺達は長老の涙がおさまるまで待ち、二日目の謁見式を終えた。
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その晩、グレイドとディアブロ、ハクロウが帰還してきた。
リード:「お帰り、グレイド」
朱菜:「お疲れ様です」
グレイド:「ハッ、このお二人からの労いの言葉を賜り、歓喜の極みです」
リード:「大袈裟な…」
朱菜:「そうですよ」
コイツって忠誠心が強すぎて物欲というより、俺とシュナの言葉によって精神面が作用されるみたいだな。
少しだけコイツの手綱の握り方のコツが掴めた気がする。
リード:「ハクロウもお疲れ様」
白老:「なんのこれしき。
リード:「そうか…だけどハクロウ、いま息子じゃなくて娘のことを俺達は聞きたいんだよ」
白老:「ほ?娘…?」
やっぱり知らなかったみたいだな…
まあ、無理もないか
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場所を変えて、リムルの庵に、俺、リムル、ベニマル、ハクロウ、コウホウの五人で集まり、ハクロウに
白老:「なんと…ワシに娘が…!?」
リムル:「そうだよ。しかも『ベニマルの伴侶にしてくれ』って持ちかけられてんの」
白老:「なんじゃと?それはつまり、若はワシの娘が気に食わぬということですかな?」
黄奉:「いいぞハクロウ!もっと言え!」
紅丸:「そんな事は言ってないだろうが!あとコウホウは煽るな!俺にだって都合というか立場がある!」
リード:「ベニマルの言い分に一理あり」
黄奉:「それを言うなら次期頭領として
リード:「コウホウの言い分にも一理あり」
リムル:「そこんとこどうなんだ?未来のベニマルの
リムルの言葉にベニマル、ハクロウ、コウホウの視線が俺に集まる。
現状では、二対一とベニマルが不利であり、リムルはどちらかというと中立の立場であるので、俺の次の言葉次第では、状況は変わる。
本当ならベニマルに味方すべきなんだろうけど、ここは俺の意見を正直に言うか。
リード:「俺はどちらかいうと、コウホウとハクロウの側かな」
紅丸:「そんな…!」
黄奉:「よっしゃー!」
俺の答えにベニマルは絶望し、コウホウが勝利の雄叫びを上げながら、拳を高く上げた。ハクロウも嬉しそうな笑みを浮かべている。
リムル:「理由は?」
リード:「まず一つ目、ハクロウが愛した
白老:「ほっほっほっ。さすがリード様、よくわかっていらっしゃる」
リード:「二つ目、その二人の間に生まれた娘で、ベニマルやコウホウの話を聞く限り、礼儀正しくて、努力意識が強い。それならベニマルの伴侶としても、十分に務まると思う」
黄奉:「その通りです!流石リード様」
リード:「三つ目、ベニマルとモミジが結ばれたら、ハクロウが俺の親戚になるから」
リムル:「絶対最後の願望が決め手だろう」
いやだって、時魔家の当主をやって最初の頃はアホみたいな見合いが毎週必ずあったからな。そのせいでこういうことに敏感になるのは仕方ないと思うけど…
リード:「まあでも、これはあくまでベニマルの問題だから。決めるのはベニマルの自由だな」
紅丸:「そう言ってくれるなら少しは気持ちは楽になります」
黄奉:「チッ…」
コウホウはベニマルを睨みながら、お茶を飲む。コウホウも言い分は間違ってはいないのだが、この手の問題は当人達で解決するしかない。
そう思いながら、
結局結論は出ることはなく、この話は再び保留となった。
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謁見式最終日で、
紅葉:「魔王リムル、魔王リードよ、初めまして。私は
リード:「初めましてモミジさん、それとそんなに緊張しなくても大丈夫。俺とリムルはあなたの父を師事しているので、娘のあなたに敵対する意思はありません。それはこの国の幹部皆も同じかんがえのはずだから」
紅葉:「そう言って下さるとは、娘として光栄です」
その後は特に問題なく、トンネルに関しては保留になったがこれは仕方ない。安全面がまだ確定していない状態で決めるのそれこそ今後が危険になる。今回はお互いの交流が許され、何かあったら協力し合うという事で話は纏まった。
リムル:「これで終わりかな?」
リード:「いや、こちらもそちらが気に病むような関係にならなくて安心しています」
さて、モミジの母親であるカエデさんが持ち出したベニマルとモミジの婚姻はどうするべきか…俺としてはベニマルにはすぐに決めてほしいんだけどな。
若武者が封書を取り出し、俺とリムルの間の位置になるように差し出した。
俺は封書をシュナに渡し、シュナが開封し、読み上げ始める。
最初は、丁寧な挨拶から始まっていたのだが、読んでいくにつれ、内容が明らかにおかしくなっていった。
朱菜:「『─何か色々拗らせてるし、誤解もあるようだけど、娘を宜しくお願いしますね。それとあの子、ベニマル殿を振り向かせるとか豪語しているので、本人も悪い気は───』」
紅葉:「ちょ、ちょっとお母様ぁー-ッ!?」
モミジが慌ててシュナから書状をひったくる。
本来なら失礼なことだが、今回は仕方ない。全員モミジの行動には触れないでいた。
こんなところで公開処刑されては、たまったものではない。
紅葉:「やっぱり二通ある!?大雑把過ぎよ、お母様‥‥‥」
やっぱり、ハクロウ宛ての手紙も、封書の中に入っていたのか。
白老:「フフ、アヤツらしいのう」
ハクロウが苦笑しながら、モミジから手紙を抜き取り、残りの部分を読み上げた。
白老:「なるほどのう。『───あの
紅葉:「お、お父様、なのですか?」
白老:「そうじゃ。ワシがそなたの父、ハクロウじゃよ」
紅葉:「お、お父様!」
三百年という時を越えて、父と娘の初対面。
レミンとレントもそうだが、やっぱり、こういう家族ってどこか羨ましく感じるなあ。
白老:「モミジよ、ワシの修業は厳しいぞ」
紅葉:「はい」
白老:「じゃが、それを見事乗り越え、若の心を射止めて見せよ!」
紅葉:「はい!!」
おっと、これはハクロウ外堀から埋める気だな。意外とハクロウも親バカなんだな。エラルドといい、レントといい、なんで俺の知り合いにいる娘を持つ父親、娘の事になると暴走するんだ?
紅丸:「おい、ハク───」
ベニマルが抗議ようとするが、コウホウが素早く背後から首を絞め口を塞ぐ、おそらくコウホウもハクロウに全力で協力する気だろう。
これはもうバラすか。
黄奉:「ベニマル…我もハクロウの側なのでな。手段は選ばんぞ」
リード:「コウホウ、お前も他人事じゃないぞ」
黄奉:「…えっ?どういうことですかリード様?」
リード:「シュナ~」
朱菜:「はい。コウホウ、アルビスさんから伝言です」
黄奉:「な、なんでしょう?」
シュナは半眼になって、アルビスからの伝言を口にした。しかも丁寧に口調を真似して
朱菜:「『コウホウ様、私は覚悟を決めました。モミジ殿が惚れた男を振り向かせてこそ良い女という言葉はまさに正論、現にシュナ様もそうしてリード様と結ばれたと聞いております。ならば私も実力であなた様の心を射止めてみせます。決して諦めませんので、お覚悟してください』。とのことです」
アルビスから伝言を聞いたコウホウは、すぐさまベニマルの拘束を解き、コンドルデンワー出現させてどこかに電話をかけようとする。
紅丸:「させるかー!」
しかし、復活したベニマルは、すぐさまコンドルデンワーをコウホウから奪いどこかに投げ捨てる。
黄奉:「ベニマル貴様!?なんてことする!?」
紅丸:「やかましい!こうなればお前もろとも道連れにしてやる!!」
黄奉:「ふざけるな!第一何故我に惚れる!?お前に惚れるなら分かるが、何故我なのだ!?」
いや、目の前で自分以上の戦いを繰り広げ、さらにはカリュブティスの一体を目の前で一撃でライダーキックで倒す。
しかもコウホウはワイルド系のイケメンで実は結構人気がある。
そんなコウホウが、目の前で自分では圧倒的とも言って良い強敵を倒せば、惚れないわけがない。
まあ、俺はシュナに好かれてればそれでいいけどな。
リムル:「いやあ、しかし。モテル男達は大変だね‥‥‥」
煉武:「悟、もう一度同じことを言ってみろ。国境付近まで蹴り飛ばしてやる」
リムル:「なんでだよ」
いや、リムル。リムルもリムルで結構人気あるからな。だからリムルも人の事言えないからな。
しかし、理由はそれだけでなかった。
実は前世のリムル、つまり三上悟は、それなりにモテていたそう。しかし、持ち前の鈍さとデリカシーの無さで、数多の女性たちの心を傷つけてしまって、その後始末をしていたのが、煉武義兄さんだったようだ。
しかも、一緒に行動することがリムルの友人の中では一番長く、距離感が近かったせいで、一部の噂では、二人がデキているなんていう噂が出てしまったようだ。それを消すのに煉武義兄さんは、とても苦労していたようだが、この時の俺は、そこまで知らなかったので、最初の理由だけだと思っていた。
ディアブロ:「クフフフフ。私はリムル様一筋なので、恋愛など、興味ありません」
グレイド:「関係無く、聞かれてもいないこと言うな。場合によっては好感度下がるぞ」
グレイドの指摘にディアブロは慌てて口を塞ぐ光景を見て思った事は、ディアブロってグレイドの前じゃどこか抜けてるところをよく見る気がする。
リムル:「そうか?」
自然:「ちなみ三上さんは、実力で相手を振り向かせるという点ではどう考えてるんだ?」
リムル:「いいんじゃないか?直接対決とか駄目だけど、好きな人に振り向いてもらえるように努力するとかなら」
縁護:「だそうですよ。シズさん、シオン」
リムル:「え…」
紫苑:「負けませんよシズ様!」
シズ:「私の方が圧倒的有利だけど、手加減するつもりはないからね」
ニッコリと微笑み合うシズさんとシオン。
あの空間は、決して手を出してはいけず、しかも協力を要請されては断る事が出来ない絶対勝利を目指す者達の対立だった。
煉武:(ああ、これからの事を思うと、感じるはずのない腹痛が再び…)
姉さんは、複雑そうな表情でその光景を見て、煉武義兄さんは、これからの事を想像して、感じるはずのない腹痛に襲われた。
リード:「…わざとだよね?縁護義兄さん、生夢義兄さん、釈迦人義兄さん、自然義兄さん」
縁護:「仕方ないだろう」
生夢:「いつまでも僕たちの事ばかり気にしてもらうわけにはいかないよ」
釈迦人:「そっそっそっ。いい加減、三上さんには身を固めてほしいし」
自然:「俺達の幸せより、自分の幸せを見つけてほしいっていう
前半二人はまだ良いけど、後半の二人は信じられるか微妙なんだよなあ。多分楽しんでる節がある。
朱菜:「ふふ、これからあちこち大変になりますね」
リード:「だな。けど、結果が少し楽しみでもあるんだな」
俺とシュナは、笑いながらこの空間を見守る。こういう空気って、感じた事がないから新鮮だな。
この日以降、
こうして謁見式を終えること出来たわ。
だけど、相変わらずこの国は話題に事欠かないというか、色々な進化をしているというか、とにかく飽きが来ないわね。
‥‥‥