転生したら天魔人だった件   作:通りすがりの気分屋

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今日は私、井沢静江(シズエ・イザワ)がやるね。
開国祭の近況報告でいくつかの問題が起きちゃったけど、どの問題もすぐに解決できる方法が出たり、勇者といわれてるマサユキっていう子がリード君の後輩で対応もリード君があたることになったの。
そして開国祭を目前に控えると、リムルさんとリード君の予定はいっぱいになってるんだけど、あの子たちの迎えは大丈夫みたい。


千客万来

開国祭が目前になると各国の王侯貴族の相手をすることになり、俺とリムルのどちらかに対面希望をとり、その方々との面会することになっているのだが、何故かリムルの方が多く希望していたようだ。中には両方希望する者もいたが、それでもリムルの方が多かった。

しかし理由は明白、俺の事を怖がってヴェルドラと交渉したことになっているリムルの方が話の出来る者だと世間では認識されているのだろう。その中には恐らくリムルの事を軽く見ている輩もいるはずだ。だから俺は、煉武(レンム)義兄(にい)さんに傍にいるように頼んだ。経験値の浅いリムルには、最強の助っ人っと言ってもいい。

そして俺にも少なくだが、面会を希望した者との対応があった。例えば、ブルムンド王夫妻。

リムルやウォズの言う通り、絵本から出てきたような王だな。王妃も若いが、フューズ曰くおしどり夫婦のようだ。

 

リード:「わざわざお越しいただきありがとうございます、ブルムンド王」

 

ブルムンド王:「いえいえリード殿、お気になさらず」

 

ブルムンド王は、先にリムルとの面会を終えてから俺の面会に来てくれた。

 

ブルムンド王:「それよりリード殿、聞きましたよ。あなたがあの聖人ヒナタの実の弟であるとう話を」

 

リード:「やはり驚きましたか?」

 

ブルムンド王:「もちろん!しかしそれと同時に良かったと思いましたよ」

 

リード:「えっ?」

 

ブルムンド王:「ワシもフューズも、まだ若いあなたを心配しておりました。あなたの人柄を知る者としては、あなたが自身の優しさで苦しんでいないか本当に心配しておりました。しかし、ヒナタ殿と再会したあなたはに心のゆとりが出来てホッとしております」

 

リード:「ブルムンド王…」

 

ブルムンド王:「何より、人間と魔物の考えが出来るあなた達とは、これからも友好な関係を築いていきたいのが本音です」

 

本来この言い方は誤解を招くかもしれないが、ブルムンド王国も自分達の国を守る為に必死なのだ。

だから俺には、回りくどい言い方をせずに率直に言うようにしているのだろう。

 

リード:「こちらもです。あなたのような切れ者がいる国とは友好な関係を築いていきましょう」

 

俺が手を差し出すと、ブルムンド王も手を出し、固い握手をした。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

次に来たのは、ガゼル王だった。

今回はいつもの鎧ではなく、ちゃんとした正装だった。

リグルの報告じゃ、すごい数の馬車だったようだ。

 

ガゼル:「来てやったぞリード」

 

リード:「来てくれてありがとうガゼル王」

 

ガゼル:「全く、お前はリムル以上に話題に事欠かぬな」

 

ガゼルのこの口ぶりは、俺と姉さんの一騎討ちの結果や関係の事なんだろう。

キッカー達が、俺達の戦いをドワルゴンの暗部が見ていたという報告は聞いていたから、バレているのは確実だろう。

 

ガゼル:「まさかお前が、あの聖人ヒナタの実の弟だったとはな」

 

リード:「その事は、黙っていてすまなかった」

 

ガゼル:「いや、お前の事だ。大方ヒナタを守る為に黙っていたのだろう?」

 

リード:「‥‥‥」

 

ガゼル:「寧ろ、お前は大丈夫だったのか?暴走したという報告もあったが、それは七曜の老師が原因ではないのだろう?」

 

リード:「‥‥‥」

 

まさかそこまで見抜かれるなんて…伊達に百年以上生きている訳ではないな。

俺は、暴走した理由をガゼルに正直に話し、リムルや煉武義兄さん、シュナ達のおかげで死者を出さずに済んだ事を伝えると、ガゼルは安心したように息を吐いた。

 

ガゼル:「そうか、それなら仕方ないと言わざるを得んな。俺もベルンをそんな理由で殺そうとしたのなら、ドワルゴンの総力をあげて対応するだろうからな」

 

リード:「あんまり、干渉するとベルンに口をきいてもらえなくなるよ」

 

ガゼル:「ふん、それならリムルにも言えることだ」

 

リード:「えっ?どういう事?」

 

ガゼル:「ベルンから聞いたのだが、リムルはどうやらエンゴ、ショウム、シャカト、シゼンに大分過保護になっているようだぞ」

 

リード:「やっぱり…」

 

最近のリムルは暇さえあれば縁護(エンゴ)義兄さんと一緒にいることが多し、俺にも少しずつだけど甘くなってるように感じることが多くなってるからな。

ベルンでも過保護になってきてるのに気づくほどだ。今度少し言っておくか。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

次に来たのは、ファルムス王国改めファルメナス王国の国王となったヨウム、王妃になったミュウラン、騎士団長に任命されたグルーシス、エドマリスの息子で今は従者のエドガー君だ。

 

ヨウム:「リードの旦那、久しぶり。約束通り王になったぜ」

 

リード:「久しぶりヨウム、ミュウランも様になってるよ。いや、これからはミュウって呼んだほうがいいか?」

 

ミュウラン:「フフッ、シゼンも同じことを言ってましたわ。『これからは、ミュウさんって呼んだ方がいいか?』って言われて、流石に仲間に敬語で話されるのは嫌なので断りました。私のことは好きに呼んでください」

 

リード:「そうか」

 

ヨウム:「にしても聞いた時は、王になれって言われた時より驚いたぜ。まさかリードの旦那があの聖人ヒナタの実の弟だったとはな」

 

グルーシス:「その姉弟(きょうだい)又従兄(またいとこ)であるシゼンのあの実力も納得だけどな」

 

エドガー:「グルーシス団長!魔王リード様の前で、義兄(あに)であるシゼン様を呼び捨てにするのは───」

 

リード:「気にしてないよエドガー君、自然(シゼン)義兄さんも仲間からそう言われたくないと思うから」

 

エドガー:「あ…はい」

 

エドガー君は、幼い故の真面目さが目立つな。まだ十歳だから仕方ないけど、この様子ならファルメナスもしばらくは大丈夫だろう。

 

ヨウム:「ラーゼンさんも旦那の事を聞いたら、泡を吹いて気絶したんだぜ」

 

リード:「そうなんだ…ところで自然義兄さんとはもう話した?」

 

ミュウラン:「ええ、リムル様の過保護ぶりの愚痴を聞かされました」

 

ヨウム:「俺もそのことを、さっきリムルの旦那に注意してきたんだ」

 

ヨウムってこういう上の相手にも欠点を言えるところは良いところだけど、少し心配になるな。

それから軽い雑談をして、ヨウム達は部屋を出た。

それから、他の国の王侯貴族の対応があったが、どれもすぐに終わった。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

煉武のおかげもあって、俺に時間が出来た。だからシズさん、ウォズ、煉武を連れてある場所に転移した。

そこは、

 

ユウキ:「やあ、リムルさん、シズさん、ウォズさん久しぶり!アレ、そちらは?」

 

煉武:「初めましてユウキ。私は、聖司(セイジ)いやリードと日向(ヒナタ)の義理の兄で、(サトル)いやリムルの腐れ縁の時魔煉武(レンム・トキマ)だ」

 

ユウキ:「あなたがあのレンムさんですか!リムルさんから聞いていますよ。僕は自由組合総帥(グランドマスター)でヒナタの同期の神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)です」

 

ユウキの部屋に転移し、ユウキと煉武はお互いに自己紹介を済ませた。

 

ユウキ:「それにしても驚きましたよ、リード君がいつもヒナタが言っていた弟君だったなんて…」

 

ん?コイツの口ぶりからして日向に弟がいたことは前々から知っていたようだな。

 

リムル:「まあでも、それを知って納得してる点もあるよ。一度こうだと決めたことは梃子でも動かぬ不動の意志って感じで頑固だし」

 

ユウキ:「やっぱりそんな感じなんですね。でも僕が聞いた弟君の印象は少し違うな」

 

リムル:「そうなのか?」

 

ユウキ:「はい。僕が聞いた限りでは、泣き虫で甘えん坊だけど強くて優しい自慢の弟っていつも言ってましたよ」

 

リムル:「へぇ…」

 

ユウキの言葉に少し納得する。

確かにリードはシュナと一緒にいるときは、結構な頻度で甘えてたな。そう考えているとユウキが少しゲッソリとした表情になっていった。

 

ユウキ:「一か月間毎日弟の話を聞かされて、ひどい時なんて夜明けまで聞かされた日があったんですよ。しかも同じ話も何度も聞かされて、もう本当に疲れました」

 

リムル:「なんだ夜明け程度か…」

 

ユウキ:「えっ?夜明け程度…」

 

リムル:「俺なんて、煉武の弟自慢話を丸一日聞かされた日なんてあったんだぞ」

 

シズ・ウォズ:「「えっ…」」

 

煉武:「ストレス発散のサンド…いや聞いてほしい相手がいなくてな」

 

リムル:「よし表出ろ、お前に一生の黒歴史刻んでやる」

 

煉武:「ぬかせ、返り討ちにしてくれる」

 

ウォズ:「二人とも落ち着いてください。そんなことをしたらイングラシアが地図から消滅してしまいます」

 

俺と煉武が立ち上がり爆発寸前になるが、ウォズが割って入ってきたのとシズさんの視線で俺達は大人しく座る。ユウキもホッとして息を吐いた。

 

シズ:「ところでユウキ。お祭りには参加出来るの?」

 

ユウキ:「フッ。行くに決まってますよ!そのために必死こいて仕事を片付けたんですから」

 

煉武:「丸で普段は仕事を怠けているような言い方だな」

 

ユウキ:「失礼ですね。僕は普段から真面目に仕事をしてますよ」

 

煉武:「似たようなことをいうヤツは、大抵仕事を怠ける事を考えているぞ」

 

煉武はそう言いながら俺の方を見ていた。遠回しで「お前も少しは盟主としての仕事を真面目にやれ」と言っているのはわかっている。

その後、ユウキから副総帥(サブマスター)のカガリを紹介してもらい、俺達は自由学園に転移した。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

???:「遅ー--い!」

 

自由学園に転移すると同時に後ろいた煉武とウォズが俺から少し離れると、体当たり並みの勢いで抱きついてきたが、何とか踏みとどまることが出来た。

小さい時の縁護達の体当たりを受けた経験がここで活かされるとは…

しかし、こんな元気に抱きついてくるとしたら、

 

アリス:「もう!リムル先生来るのが遅い!」

 

リムル:「ははは、悪い悪い。元気そうで安心したよ、アリス」

 

ゲイル:「そうですよ。シズ先生もウォズ先生も遊びに来てくれるって約束だったじゃないですか」

 

シズ:「ごめんねゲイル」

 

ウォズ:「私達にもいろいろあってね」

 

ケンヤ:「俺達のことなんて忘れちゃったのかと思ったぜ」

 

リムル:「そんな訳ないだろうケンヤ」

 

リョウタ:「でも来てくれて嬉しいです!」

 

シズ:「私も嬉しいよリョウタ」

 

クロエ:「あの…あのね、おかえりなさいウォズ先生」

 

ウォズ:「…ただいまクロエ」

 

ゲイル:「ところで先生、そちらの人は誰ですか?」

 

子供達との再会を終えると、ゲイルが煉武の存在に気付いて聞いてきた。

 

リムル:「紹介するよ。コイツは煉武、先生の幼馴染でリードと日向の義理の兄だ」

 

ゲイル:「えっ!?リードさんの!」

 

クロエ:「ヒナタ…もしかしてルベリオスの聖騎士(ホーリーナイト)団長(だんちょう)坂口日向(ヒナタ・サカグチ)さんの事?」

 

ケンヤ:「うえぇっ!」

 

煉武:「因みに聖司いや、リードはその日向の実の弟だ」

 

ゲイル:「ええっ!?どういう事ですか?」

 

煉武:「それは答えても良いが、今は時間がないんだ」

 

クロエ:「どういう事?」

 

リムル:「君達五人を、俺達の国に招待しようと思ってね。明日からお祭りするんだよ。別に行きたくないって言うなら―――」

 

俺の言葉が終わる前に、ケンヤが走り出した。

 

ケンヤ:「急げ、直ぐに準備するぞ!」

 

リョウタ:「わかったよ剣ちゃん!」

 

アリス:「うわーーーん!?そういう大事な事は、もっと早く言ってよーーーっ!!」

 

ゲイル:「そうですよリムル先生!突然来てそんな事言うなんて!?」

 

クロエ:「えっとね、私は楽しみ!!」

 

シズ:「持ってくるのは着替えだけで良いからね!」

 

子供達:「はーーーい!」

 

シズさんの言葉に子供達は元気欲返事をする。

 

???:「いらしてたんですね、リムル先生、ウォズ先生、シズ先生」

 

ウォズ:「これはこれは、ティス先生」

 

シズ:「久し振り」

 

俺達の後任で、あの子達の担任になったティス先生がやってきた。

すると、場所を変えて話したい事があると言ってきた。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

ティス先生の話は、やはり子供達の事だった。

座学面は問題ないのだが、戦闘面で教えるものがこの学園にはいないらしい。

 

ウォズ:「なるほど。確かにあの子達の実力は、そこいらの冒険者よりも上なのは確かだね」

 

ティス:「はい。だけどあの子達はまだまだ成長途上。やはり壁になり得て、戦う術を教えられる人物は必要です」

 

リムル:「フッフッフッ、それなら安心してくれティス先生」

 

シズ:「あの子達が魔国連邦(テンペスト)に来れば解決だよ」

 

ユウキ・ティス:「え?」

 

ウォズ:「なるほど、そういう事ですか」

 

ウォズは俺とシズさんの言葉の意味を悟り、煉武に目線を向ける。煉武もどうやら気づいているようだ。

 

煉武:「私達時魔家を利用するとは、相変わらず凄いことを言うな…」

 

そう、煉武達なら子供達の成長には良い刺激になるし、日向もいるから人間社会の常識を学ばせる事も出来る。それに、我が国の孤児院には人間の子供もいるから大丈夫。友達もすぐに出来るだろう。

しかし、まだ決めるのは早いため一度この話は保留となった。子供達が準備を終えて来るとティスも誘い、ティスも笑顔で準備をして来て俺は全員いることを確認して転移した。

 

      ⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

リムル達がユウキと子供達、ティスさんを連れてきたと連絡を受けた直後、ゲリオンからの報告で正幸(マサユキ)が到着したという報告を受けて出迎えるに向かった。

そこで捕らえられていたエルフ達が乗っている馬車と正幸とその仲間達が乗っている馬車がやって来る。

下りてきた正幸の顔を見ると、確かに俺の知っている正幸だった。向こうも俺の存在に気付き言葉を失っていたがすぐに平然を装い、俺の前に進み出た。

 

ジンライ:「貴様は魔王リードか?わざわざ俺達を出迎えてくれるとはな」

 

ジウ:「マサユキ様は偉大なる勇者。魔王とて無視出来ぬのは当然でしょう」

 

バーニィ:「マサユキ君どうします?ここで雌雄を決しますか?」

 

正幸:「…はぁ…」

 

正幸の仲間達が好き放題に言うが、正幸は分かりやすく溜め息をついた。

 

正幸:「みんな、僕達がここにきた理由はなに?」

 

ジンライ:「どうしたんですか急に?」

 

正幸:「良いから答えて」

 

ジウ:「それは魔王リードまたは魔王リムルの討伐―――」

 

正幸:「いつ僕がそんな事言ったの?」

 

バーニィ:「エルフ達を送り届けること、ですか?」

 

正幸:「そうだよね。なのに何でそんな喧嘩腰なの?」

 

ジンライ:「し、しかしマサユキさん。コイツは魔王で―――」

 

正幸:「それだけで何で戦うことになるの?この人は異世界の転生者なのはみんな知ってるよね?そんな人と何で戦わないといけないの?」

 

正幸の言葉に全員が黙る。

おそらく、こんな正幸を見るのは初めてだったのだろう。確かに昔の正幸は気が弱かったが、俺と接していくうちに、正しい方に気が強くなっていった。

一方的に相手の主張を聞かずに押しつけることはせず、相手の主張を聞いた上で正論で潰すようになっていくとう方向に。

 

リード:「エルフ達を救ってくれたお礼にこの町に好きなだけ滞在しても構わないが、そちらそれで良いか?」

 

正幸:「魔王リードよ。明日は確かに武闘大会があると聞いたのですが本当ですか?」

 

リード:「ああ、あるぞ」

 

正幸:「でしたら、それに参加させても良いですか?」

 

リード:「…理由は?」

 

正幸:「この国の者達に僕の実力を知ってほしいというだけです」

 

…なるほど正幸個人の理由はそれだろうが、本命は違う。

おそらく大会に出場して適当なタイミングで俺達の関係を暴露して、西側諸国に楔を打ち込む気なんだろう。

今はそれを利用するか。

 

リード:「分かった。認めよう」

 

正幸:「ありがとうございます。それでは僕達はこれで」

 

そう言って正幸は俺の横を通り過ぎようとした瞬間、俺は持っていた紙を正幸のポケットに忍ばせた。

正幸の仲間も正幸についていった。俺には厳しい目線を向けながら。

さてさて、この開国祭果たして無事に終える事が出来るのか心配だな。




なんとか前夜祭までには間に合ったけど、明日からの開国祭本番もそうだけど、前夜祭は大丈夫かな?
なんだが少し嫌な予感がしてきたな。
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