リード様が私達にも機会がないのは不公平と言って私達にも回してくれたのです!
激戦であった武闘大会決勝戦に勝利したシゼン様。しかし、シゼン様が優勝したことでリムル様と戦う事になってしまいました。一体何故シゼンはリムル様と戦うなどと言ったのでしょう?
決勝戦が終わり一時間が経過し、控室でリムルの姿を見た
煉武:「
リムル:「ふざけんな!無理だわ!あんな満身創痍の
煉武:「それが無理なのはお前がよく分かっているだろう」
リムル:「うわぁぁぁ!!」
自然と戦うことに頭を抱えて叫ぶ。しかし、そうしたことで現実が変わるわけもなく、ただ時間が過ぎていく。
その光景を煉武と共にみていたシズは流石に可哀そうに感じ、助け船を出そうとする。
シズ:「ねえ煉武さん、リムルさんがあそこまで自然君と戦いたくないって言ってるんだことだし、なんとか説得できない?後日、万全な状態でやるとか…」
煉武:「コイツが適当な理由で逃げる未来しか見えないのですが?」
シズ:「あ~」
煉武:「それに今回はある意味悟の自業自得なので仕方ないです」
シズ:「え?それって…」
煉武:「ほら悟、時間がないのだからさっさと行くぞ」
リムル:「いやだぁぁー---!!」
煉武はリムルの首根っこを掴んで自然と戦う場所に向かい、リムルは拒絶の悲鳴を上げるが聞き流しが熟達している煉武の前では無意味だった。
シズ:(リムルさんの自業自得ってどういう事なんだろう?)
シズは先ほどの煉武の言葉に悩みながらリムル達の後を追った。
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自然のいる控室では凄まじい悲鳴が廊下に響き渡っていた。
自然:「ぐああぁぁぁー--!!あ…あああああ!!」
ヨウム:「シゼンのヤツ生きて控室から出てこれると思うか?」
グルーシス:「思う自分がいる時点で、少し感覚がおかしくなっているな」
ミュウラン:「だけど、今回は流石にリード様の行動はいただけないわ」
フラメア:「シゼン様…」
廊下で自然達が出てくるのを待っていたヨウム達は、控室から悲鳴が聞こえなくなったことに気付く。それはリードと
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リード:「はい、これで終わり」
自然:「ひ…久しぶりだから…死ぬかと思った…」
生夢:「大丈夫、
ベットで荒い呼吸する自然に、リードは肩を押さえて腕を回す。その隣で生夢は持ってきた薬を片付けていた。
リードの処置とは東洋医学の知識による治療であり、先ほど自然の体の調子を全快近くまで一時回復させたのだ。しかし、その激痛は計り知れず、並大抵の実力者では死亡するほどであった。
そして生夢が自然に投与した薬は一言でいえば痛み止めの薬である。しかし、生夢独自の調合法で生成した薬なので精神生命体である
そして物騒な雑談をしていると廊下で待機してたヨウム達も自然の様子を見に入ってくる。
ヨウム:「シゼン~生きてるか?」
自然:「死ぬかと思ったけど生きてる…」
グルーシス:「流石としか言いようがねえな」
ミュウラン:「だけど、本当にやる気なの?」
自然:「当たり前だ」
ミュウランは自然の様子を見て、実力行使で止められるのなら今すぐ止めたい気持ちでいっぱいだった。
自然の体には上半身裸だが、そこに六ケ所の凄まじい傷痕があり、ズボンにも二ケ所の傷痕があった。
『無限再生』を所持しているはずの自然が回復に意識を向けれないのかあるいは向けないのかは分からなかったが、万全とは言えないこの状態で戦えば最悪死ぬという可能性があることは既に気づいていた。
それはもちろん自然自身も分かっていた。しかし、この機を逃すつもりは最初からなかった。
自然:「安心しろ。今この国で一番頑丈なのは俺だ。そう簡単に死なないのはミュウランもよく知ってるだろう?」
ミュウラン:「…そうね。今まであなたを説得できた試しもないわね」
自然:「悪いが、フラメア以外全員出てくれないか」
グルーシス:「はあ?」
ヨウム:「なんでだよシゼン?」
自然:「少し大事な話をするからだ」
リード:「‥‥‥わかった。ほらほらみんな出る!」
リードに催促され、生夢達が控室から出ていき、それからしばらくしてフラメアは自然に抱きついた。
僅かに嗚咽が聞こえてくると自然もフラメアを優しく抱きしめて、頭を撫でる。
自然:「悪いな…ずっと心配してたんだろ?不安にさせてごめんな」
フラメア:「‥‥‥せん」
自然:「フラメア?」
フラメア:「シゼン様がリムル様と戦う理由を今教えないと許しません!」
フラメアの言葉に一瞬キョトンとするが、すぐに笑顔になり頷く。
自然:「そんなことで許してもらえるなら教えるぜ。俺が
自然はフラメアに自分がリムルと戦う動機を打ち明けた。
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リード:『さあ!いよいよ優勝者である我が
煉武:『時魔兄弟
アイツら後で覚えてろよ!こっちは今から死ぬよりもしんどいことをやるのに楽しそうに実況と解説をやりやがって…
特に煉武は許さん、アイツ心の中で微笑んでやがる!
リード:『さあ、今大会の優勝者であるあの人が今入場します』
リードの紹介で向こう側の入場口に注目が集まる。この隙に何か適当な理由で逃げる方法を考えたいのだが、煉武のヤツが先手を打って『空間転移』を妨害する結界をこのコロッセオに展開してるから、逃げるに逃げれない。
リード:『この漢の快進撃はいつまで続くのだ!?我が国の幹部にして、その中では飛びぬけた防御力を誇るゲルドを倒し、そして俺達兄弟で三番目の強さを持つ
入場してきた自然の姿は縁護との戦いの怪我が痛々しく残っていた。それこそ本気で戦えば殺してしまいそうな程の怪我だ。俺は自然と交渉するために『思念伝達』で語りかける。
リムル:「(自然、聞こえるか?)」
自然:「(‥‥‥)」
リムル:「(お前になんの目的があるかは知らないが、今すぐ生夢に治療してもらえ、応急処置でも今のお前じゃ焼け石に水だ)」
自然:「(‥‥‥)」
反応はないが聞いてはいるみたいだな。
リムル:「(お前が今棄権してくれたら別の日に相手をしてやる!だから今すぐ───)」
俺の言葉を遮るように自然は腰のアークルを出現させ、ポーズをとる。
自然:「変身!」
負傷をまるで意に介していないような調子で仮面ライダークウガアルティメットフォームに変身する自然。どうやら棄権する気は全くないらしい。
仕方ない、一瞬で終わらせるか。
ゲイツウォッチとゲイツリバイブウォッチを起動させてドライバーに嵌め、俺も遅れて変身する。
リムル:「変身!」
ライダータイム!仮面ライダーゲイツ!スピードタイム!リバイリバイリバイ!リバイリバイリバイ!リバイブ疾風!疾風!
リード:『さあ!お互いに戦闘準備が完了しました!果たして今の自然
ディアブロ:「それでは、リムル様とシゼン様の
ディアブロの開始の言葉と同時に一瞬で距離を詰める。
リード:『おおっとどうやら一瞬で勝負を決めるようだ!距離を既に縮めている!』
悪いな自然。お前のためにも早く終わらせて生夢の本格的な治療を受けてくれ!
俺は
パワードタイム!リ・バ・イ・ブ・剛烈!剛烈!
ジカンジャックローのこモードの先端が自然の体に直撃───するはずだった。
リムル:「なっ!」
なんと自然は直撃する寸前で俺の手首を掴んでいた。しかも満身創痍とは思えない程の力で抜け出すことが出来ない。
自然:「
自然の体から
自然:「そう簡単に俺達弟分から勝ちを取れる程の差は出てなねえんだよ!
自然の体から膨大な
そして雷が自然に目掛けて落ちてくるが、腰のアークルがなんとそれを取り込む。
自然:「決勝戦が終わった直後に頭に浮かんだことだから、ぶっつけ本番だったんですけど、どうやらうまくいったみたいですね」
リード:『こ、これは!?自然義兄さんのフォームが変わっていくー-!!』
煉武:『どうやらこの勝負、決勝戦以上の激戦になるかもしれないな』
アルティメットフォーム以上に強靭でどこか美しい黄金な鎧が現れる。黒のスーツの上という事も相まって神々しさを感じる程であった。
リムル:「(待ってくれ
リムル:「(そんな…)」
自然:「戦闘中に考え事って随分と余裕みたいっすね」
そして決勝戦で見せて速度で両手のライジングタイタンソードを振るってくる。ゲイツリバイブ疾風にフォームチェンジをして後ろに回り込み、再び仕掛けるがタイミングドンピシャの後ろ蹴りが来たので後方に下がる。
コイツ本当に重傷者か!?
自然:「アンタの考え当ててやろうか。大方どうすれば俺を殺さずに倒すことが出来るのか、どうすれば俺の意識を奪えるのか、要は生かす戦法を考えてるだろう?」
リムル:「っ!」
自然:「図星か…いい加減にしろよ!!」
いきなり自然が怒鳴ると、俺はその気迫に押されてしまい、観客はあまりの声にほとんどが耳を塞ぐ。自然はそのままの声量で言葉を続けた。
自然:「アンタはいつもそうだ!俺達をまだ『守るべき弟分』として見てる!もういい加減にしろ!」
リムル:「し、自然…」
自然:「聖司が暴走した時だってそうだ!あの時アンタはヒナタ達を守るという名目で俺達ごと結界に閉じ込めて危険から遠ざけた!あの時俺達が協力してれば、聖司をもっと早く止めることだって出来たし、煉武兄貴が血まみれになることもなかったんだ!!」
リムル:「‥‥‥」
自然:「俺達はな!『守られるべき弟分』としてではなく、『頼られる弟分』として見てほしんだよ!!俺達はもうあの時泣いてた子供じゃないんだ!!!」
リムル:「っ!!?」
自然のこの訴えに俺は、前世のある出来事を思い出した。
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あの日は土砂降りの大雨だったが、高校生だった俺はレインコートを着て町のあちこちを走り回っていた。
煉武から自然が小学校から帰ってないと連絡を受け、俺は町中を探し回っていた。その日の土砂降りは酷く、川の水位が上がっていくのは時間の問題と言える程だった。
煉武:「悟!」
悟:「煉武!自然は?」
煉武:「ダメだ見当たらない!私は向こうの空き地を探してくるから、悟は反対方向にある川沿いの方を探してくれ!」
悟:「わかった!」
探していない所は、町にある大きな川でそこにいるのではないかと最も外れてほしい場所にいないことを願って川沿いを探した。当時のアイツは自分の体質を完全に把握しきれておらず泳ぐのが苦手だったからだ。
それが理由でどうかアイツが川沿いにいないでほしいと願っていた。
しかし、現実は無情で自然のランドセルが川の隣の道にあり、靴が見当たらないことからおそらく足をすべらせたのだ考えた。
悟:「自然ー-!いるかー-!!」
自然:「…ゃん!悟兄ちゃん!!」
悟:「自然!」
川沿いで自然を呼び、声が聞こえた方に顔を向けると、梯子に必死にしがみつく自然がそこにいたが、濡れていることもあり、手が離れかけていた。
自然:「も…もう無理…」
自然自身も限界になり、梯子から手が離れる。
しかし、間一髪足を梯子に絡ませて逆さの態勢で自然の腕を掴む。
自然:「悟…兄ちゃん…」
悟:「自然、もう少し手に力をいれろ!」
この時、自然は小学校で言われた言葉が脳裏をよぎった。
『バケモンだ!みんな逃げろ殺されるぞ!』
『俺たち何もしてないのにコイツが殴ってきた!』
『自然君、君は力が強いんだから自分から手を出しちゃダメだよ』
自分は何もしていないそれどころか、身を守るために相手を殴った。それなのに力が強いという先入観で自分が悪いとされた。
そんなことがあり、自然は力を入れることを躊躇ってしまう。
自然:「だ、駄目だよ!僕が力を入れたら悟兄ちゃんが…」
悟:「…まさか自然、俺がお前の怪力で死ぬって思ってるのか?」
自然:「っ!」
悟:「あのな…俺はお前たちが赤ん坊の時からずっと見てきたんだ!そんな俺だから断言する!怪力で人は簡単に殺すことは出来ないんだよ!」
煉武:「よく言った悟!」
上から
そして引き上げたのは反対の方向に行っていた煉武であり、最速で町の反対側にある空き地に行ってこっちに来たようだ。
その後自然から帰ってこなかった理由を聞いて、煉武が時魔家の屋敷内にあるあらゆる鈍器を持っていこうとしたのを必死に止めたのは余談である。
しかし、あの一件以降自然が俺に一番懐くようになったのは確かだ。
⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫
ライジングタイタンソードの連続攻撃を回避していき、俺はそんな過去を思い出していた。
自然も自然なりに考えていたんだな。自分より強い縁護に勝つことでそれをさらに証拠として見せたんだ。
リード:『自然義兄さんの怒涛の攻撃が繰り出される!あのリムルが防戦一方を強いられているぞ!』
煉武:(悟、お前は確かに私達並に強くなった。しかし強くなったイコール縁護達を危険から遠ざけることにはならない。もうアイツらはお前に『守ってもらう』ことよりも『頼ってもらう』ことが縁護達の幸せなのだ)
おそらくリードと
だけど口で言うより行動で示した方が俺も納得するという自然の考えに賛成したところもあって、黙っていたんだろう。
リムル:「ごめんな自然」
自然:「っ!?」
頭では束縛し過ぎていたところがあるのは理解していたが、心のどこかでそれを認めていなかったみたいだったな。
だけど、自然の気持ちに俺も答えないとな。
一瞬の隙をついてライジングタイタンソードを手から離させる。
リムル:「(
ゲイツリバイブ剛烈にフォームチェンジをしてジカンジャックローのこモードを構え直す。そこに
ここまでやって自然も俺がようやく本気になったことに気付いたみたいだな。
リード:『こ…これは!?』
煉武:『どうやらアイツも本気になったみたいだな』
自然:(ったく、勘弁してくれよ。俺が二十年以上の歳月で完成させた技をそう簡単に真似されちゃ…余計に欲張りになるだろう)
自然も必殺技のパンチを放つ構えをとる。その右腕には凄まじいほどのエネルギーが集まり集約していく。
自然:(まだ足りない!もっとだ、もっとすげぇ力がいる。そもそもライダーの力は怪人の力と言っていい、それがねぇじゃねえか!俺は今まで人間としての力で戦ってきたけど、それがあれば…)
そう願った瞬間まるで自然の願いに答えるように、世界の言葉が自然とリムル達の頭に響いてくる。
世界の言葉:『確認しました。個体名:
すると自然の両目が二年前のリードの時のように光と闇の力が溢れ出る上に、身体能力が向上した。
リムル達:『『『『『っ!!?』』』』』
自然:(何でもいい!!今なら行ける!!)
自然が仕掛けるために走り出すと俺も僅かに遅れて仕掛ける。そしてお互いが間合いに入ると拳を繰り出す。
ライジングアルティメットカオスフィスト!!
リード:『な、なんという爆発、結界を張っていなかったらどうなっていたことか』
煉武:『さて、どちらが勝ったか…と言いたいが勝敗は決しているぞ』
リード:『どうやらそのようですね』
リードと煉武の目線の先には、変身が解除せれ意識を失った自然を、ゲイツリバイブ剛烈の姿になったリムルが背負って出入り口に向かって走っていく様子だった。
リード:『どうやら自然義兄さんは変身解除して気を失い、リムルは変身解除されずに立っていたようですね』
煉武:『そのようだ。よってこの勝負は魔王リムル=テンペスト!』
煉武義兄さんの宣言で特別試合の勝者はリムルと決まった。この試合を見たほとんどの人間の観客は
そして同日、
シゼン様がそんな風に思っていたなんて、リムル様に思いが通じて本当に良かったです!
私もウォズさんに秘書としての勉強をもっとしてもらわなくては!
それにしてもシゼン様、急に意識を失ったようでしたけど大丈夫なのでしょうか?
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人気のない通路でグレイド、ティアノ、ダイロス、キョムが集まっていた。
ティアノ:「本当なのグレイド?」
グレイド:「ああ、保管していた人間の魂の一部である百万が突然消えた」
ダイロス:「君の管理から抜けるなんて、それは相当強い事象による力とみて間違いないね。キョム魂がどこに行ったのかわかるかい?」
虚無:「…シゼン様の体に入った」
グレイド・ティアノ・ダイロス:『!?』
キョムの言葉にグレイド達に緊張が走る。
グレイド:「…とりあえず様子見といこう」
ティアノ・ダイロス・虚無:「ええ/そうだね/ああ」
四人はそれだけ言うと、すぐさま持ち場に戻っていった。しかし、その顔は戸惑いの表情があった。